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第611回。キッドさんは柔道が好き。

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皆さんこんばんは!
ダイナマイト・キッドです。

毎回ちゃんと挨拶をしているのもエッセイ・ブログ大賞に参加するにあたって自分なりの工夫の一つなのですが最初はエントリーして一発目の10月1日のサブタイトルを
キッドさんといっしょ。
にしようと思ってたのを今思い出しました。
なんとなく洋楽のファーストアルバム、特にヘビメタのバンドみてえでカッコイイなーと。
アイアンメイデンとか。

でまあ今更なので、いっか。
しれーっと今日の話題。
柔道。

キッドさんは少林寺拳法をやっていたんだけど、中学に入ったら柔道をやろうと決めていた。
空手部なかったし。
球技と走ることが大の苦手で好きでもないと来て、合法的に取っ組み合いが出来る柔道部は打ってつけだったわけだ。
もう当時からどっぷりと、今で言えばプロレス沼に肩まで浸かるどころか犬神家の一族みてえになってた(この例えでわかるヤツいるのか)キッドさん。
早速、学校の中を見学に行った時に柔道部の部室を覗いてみる。
すると、近所に住んでるイッコ上のシゲキ君とクマガイさんが居た。シゲキ君とクマガイさんは仲が良くて、いつも一緒に遊んでたので心強い。
んで部室を後にする私に、角刈りにメガネをかけて背は低いがガッチリした先生が
「おっ!いい身体してるなあー、柔道部入ってくれよ!」
と声をかけてくれた。なるほど顧問の先生か、ちょっと顔はコワいけど優しそうな先生で良かったな。

と思ったら、まさかその先生が1年3組の担任の梅原先生で、当然というかやっぱり柔道部の顧問で。
元々入るつもりだった柔道部だけど、どっちみち逃げ場はなかったらしい。

そんなわけで中学1年で柔道を始めた白帯のキッドさん。
最初はひたすらランニング、基礎体力、受け身。
ランニング。
だから私は走るの大ッッッ嫌いで、あの、球技とか陸上競技なんてえのは…えっと…。
文句を言えるはずもなく黙々と走る。
嘘。顎は上がるし死にそうな顔でズッベズッベズッベズッベ、と足を引きずりながら走った。
今でこそスロージョグなんて言葉もあるけど、あれはそれより遅かったな。
でもやってれば人間知らない間に体力が付くもので、成長期の中学生というのは恐ろしいね。
そのうちに死にそうになりながら中学のそばにあった用水路を五周してたのが、一周か二周よけいに走れるようになってた。

受け身は受け身で苦労した。
けどプロレスが好きなわりに私はやられ役に回ることが多かったので、たとえば練習で技をかけられるときはこっちも受け身の練習だと思ってしっかり飛ぶ、投げられる、ということにあまり抵抗が無かった。あんまりこっちが抵抗しないんで、勢いが付き過ぎて四天王プロレスみたいな角度で落っこちたこともあった。運よく無事だったが、その時に梅原先生が言った
「佐野(キッドさんの本名)を半身不随にするつもりか!」
というのを聞いて、一体どんな落っこち方をしたんだろうと思ったな。
スティーブ・ウィリアムスVS小橋建太みたいになってたんだろうか。

そんなわけで受け身の方は自分で言うのもなんだけど問題なかった。少林寺拳法でも前転や後転、側転(少林寺では大車輪と言っていた)も出来てたし。デブのくせに側転は上手かった。
武藤敬司さんの側転エルボーのマネをするために一生懸命練習したし、もっと運動神経が良かったヒサマツ君にロンダートというのも教わった(武藤さんのもロンダートだった)んで、そっちも練習した。プロレスマニアで側転が無駄に出来る奴は絶対コレだ。
で自分が投げる方は、というとこれがてんでダメだった。
170センチ85キロ前後の、まあ言うなれば中途半端な体格だったんで背負い投げとか体落としも、大外刈りや払い腰といった豪快な技も練習すればどっちも使えたんだろうけど…どうにもしっくりこなかった。一応、どれも色々試して練習はしていた。
投げ技を覚えて暫くすれば、自分にあった技が見つかって固まって来る。
背負い投げが得意になるやつもいれば、体落としが上手くなるやつもいる。
5歳から柔道をやってた山田君なんかは、長い手足を活かして内股でも体落としでもなんでも器用に使ってきた。
どうしたもんか。

日頃からプロレスマニアであることは知れ渡っていた私ではあったが当然ブレーンバスターもパイルドライバーもやっちゃダメ。
ある日の練習中のこと。案の定、ずんぐりむっくりで背負い投げを狙ってくる加藤君と乱捕り中の私は彼が中々投げられずに苦戦していた。
それを見た先生がひと言。
「佐野、バックドロップだ!」
え、いいの?
そのままスティーブ・ウィリアムスよろしく加藤君を担ぎ上げて投げつけた。この時は本当にバックドロップに近い形だったが、それを見た先生に、柔道には裏投げという技もあること、そのコツや柔道のルールでブリッヂして投げると危険と見做され反則負けになることなどを滾々と教わった。
何を隠そう私は当時新日本プロレスでIWGPタッグチャンピオンでバックドロップの名手だった後藤達俊さんや、先述のスティーブ・ウィリアムスのバックドロップが好きで地上波放送を録画して何度も見ていたのだ。おかげですぐにコツを掴んで、下手に技をかけると裏投げをされるというので随分嫌がられた。

ちなみに最初に思いっきりバックドロップをされた加藤君からは未だに恨まれていて、同窓会とかで会うとその時の恐怖の思い出を語ってくれる。ごめんよ加藤君。
皆さんは絶対にまねをしないでください。

それでは、またあした!
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