不定期エッセイ キッドさんといっしょ。

第５７８回。ウルトラヒロイン総選挙！昭和篇。

さあ！結果発表です！！！

え？なに、投票してない？
うるさいうるさい！私の脳内ではすでに順位がついているのだ。
ちなみに平成の方は全然知らない（マトモに見たのがメビウスだけという体たらく）ので昭和篇しかやらない。

昭和ウルトラシリーズはいいぞ。
昭和美人が見たければウルトラマンを見ろ！という格言を残し若くして世を去ったのでお馴染みのキッドさんに言わせれば、とにかくその時代、時代の美人さんが出てきて面白い。
世相、風俗、時代背景。色んなものが映し出され閉じ込められたフィルムのなかで微笑む美女。

その順番なんてえのは非常に決めづらいところではあるのだが、キッドさんの脳内では不定期で総選挙が行われており、その都度色々な解釈・評価が行われている。
世の中でこれほど知らんがな！と言われそうな記述もないわな。まあ、仕方がない。
行われているのだから。

キリが無いのでベスト５を発表しよう！

第５位！
モモコさん（ウルトラマンレオ）
山口百子というなんともイミティションゴールドなネーミング。
演じた丘野かおりさんはその他のウルトラシリーズや仮面ライダーにも出演している名子役でもあり、成長しついにレギュラーの座を射止めた。んが、結局最期はシルバーブルーメの…。
私としてはウルトラマンレオのモモコさんより、ウルトラマンエースの虹超獣カイテイガガンの出てきた回
「海の虹に超獣が踊る」
での、弟にウソをついてしまう儚くも美しいお姉さん役が印象的だ。というか、あの姉弟はどうやって生活してるのだろう…とか考えるとちょっとドキドキする。昭和の闇、的な。
まあ船会社から保険金とかたんまり出るんだろうけど…。

第４位！
アンヌ隊員
（ウルトラセブン）
演じたひし美ゆり子さんは、今でもアンヌ隊員を全うしてくれている特撮女優の鑑だ。
というか今でも十分お綺麗で、この人と鮎川麻弥さんは歳を重ねるほど綺麗になるよな。
ウルトラセブンと言えばその劇的な最終回が印象的だけれども、それもこのアンヌ隊員の魅力によるところが大きい。宇宙人・ウルトラセブンの物語と、地球人・モロボシ・ダンの物語を繋ぐのがアンヌ隊員であり、あの悲劇のエンディングに昇華する。
一種のカタルシスであり、非常に秀逸なラブストーリーでもあるウルトラセブン。
あのエンディングを心から味わうためには、第１話からぶっ続けで見る必要がある。
横顔のシルエットになびく髪の毛ひとつひとつまでが美しい。
大体、あの年代であの顔と胸は反則級の無敵だろ。
ウルトラシリーズ随一の人気作だけに資料も多いが、そのぶんアンヌ隊員のはっちゃけエピソードも色々…あのハスキーボイスは前夜の飲みすぎが原因とか、まあ、今さらながらそれも
しょうがねえなあ
でなんとなく流されちゃう辺りが、アンヌ隊員の愛されっぷりを表していると言えよう。

第３位！
意外とアンヌ隊員の順位が低いと思われる向きもあるだろうけど、ここでランクインするのが
丘隊員（帰ってきたウルトラマン）
フルネームは丘ユリ子さんという。どうしても帰りマンはアキちゃんといい、そのあとのルミ子さんといい女性陣の登場も多く埋もれがちな印象なのだけれど…丘隊員の魅力に気が付かない奴はもう一度帰ってきたウルトラマンを見直すべきだ。たまにロングヘアだったりもするけど、あのショートヘアに物憂げな表情がとても素敵だ。
まだわからんのか。そりゃあ他のウルトラシリーズに比べれば若干地味でくらぼったい印象が否めないし、結構おカタい雰囲気を通している。あの作品そのものが、そもそも結構重い空気を背負っていることもあり猶更だろう。
公害や異常気象、犯罪、爛熟する社会文化の裏側で巻き起こる異変、その結実として登場する怪獣。
地球を狙う侵略者との戦い。
そのダークでハードな雰囲気をこっちも背負ったまま、第47話「狙われた女」を見るといい。
この回では主人公、郷秀樹の出番が極端に少なく、丘隊員の様々な一面を垣間見ることが出来る回となっている。ひとだま怪獣フェミゴンに憑依された丘隊員。夜の街をうつろな目でふらつく丘隊員。前衛的なカットに浮かび上がる物憂げな眼差し。そしてなんかちょっと可愛らしい一面も見せる。
女優さんってすげえなあ、とも思うけど、丘ユリ子というキャラクターをここまで浮かび上がらせたその映像美。まあそれがまた都会の喧騒だとかそういう、ちょっとサイケでシュールな雰囲気だったのが昭和期のドラマであるところの帰りマンらしさでもあるか。
この回を見て、私は丘隊員が大好きになってしまったのだ。

第２位！
南夕子。おかっぱ、美白、八重歯、よく通る澄んだ声、健気な性格。
完璧である。もと看護師さんで優しく明るい一方で、実は月の一族だったという演じた本人ですらビックリの設定で途中降板。実に惜しい。
その後、ウルトラマンタロウに出演した時はロングヘアーになっていたが、元が美人なのでこっちもよく似合っていた。巨大化してウルトラの父と餅つきするのはどーなんだと思うけど、面白ければいいじゃーん。
北斗隊員を振り回したり、アリブンタ戦ではオトリにされたり、異次元に飛び立った北斗と画面越しに手を伸ばし変身したり、ユニタングに操られ腑抜けになった北斗隊員を思って一晩中待ち続けたり…北斗隊員がロクな目に遭ってないな。
そんな彼を支え続けた南夕子は、やっぱり実に美しいのだ。

第１位！！！！
もー２０００文字をこえちゃったけどカンケーねえや。
女ヤプール！
隊員でも主人公でもない、敵である。
本当はウルトラマンタロウに出てきたＺＡＴの森山いずみ隊員を激推ししたいところなのだが、書いてて気が変わった。森山隊員は私の初恋の人でもあるのだけれどね。
物心ついたときに衛星放送でウルトラマンタロウの再放送やっててさ、それで見たんだよ。
２１世紀のいま見たって普通に美人だぜ森山隊員。昭和っぽい顔をしてない気がする。
ウルトラマンタロウの明るくテンポのいい雰囲気にもマッチした軽妙かつ可憐な役どころではあるが、メドゥーサ星人に憑依されたときは戦闘機を操って爆撃を仕掛けるなど変わった活躍も多い。
んで、そんな森山隊員を抑えて１位に輝いたのが、ウルトラマンエース 第４８話「べロクロンの復讐」に登場した白衣のミニスカートに身を包んだ女ヤプールである。
作品冒頭から地獄のようなメイクで高笑いをする女ヤプール。
古びたビルヂングに歯科医院を構え待ち受ける殺風景な部屋の女ヤプール。
パンツが見えそうなほどタイトなミニスカートの女ヤプール。
真っ白い部屋の中央にぽつんと置かれた黒い椅子。
白いカーテンの向こうからしゃなりと登場し、陰影のある横顔を見せる女ヤプール。
北斗隊員の虫歯をいぢくり回す女ヤプール。そして幻覚剤を仕込む女ヤプール。

あの回は、私の脳内世界にも多大な影響を及ぼしている。
美人の悪役というものはいいものだし、その周囲に漂うシュールな舞台もサイコーである。
私は、この女ヤプールこそがウルトラシリーズ随一の昭和美人であると断言する。
いま見たって美人だけど、昭和独特のクドさというかバタくささというか、あの艶やかな雰囲気は彼女独特のものだと思う。
やっていることはヤプールらしい陰険極まりない作戦なのだが、あの美人がやっているとなると話が違ってくる。美しき昭和の女悪役に数えられて然るべきだろう。