503 / 1,301
第488回。おいでよ!ヘルマーランド
しおりを挟む
サガノヘルマー先生のBLACKBRAINというマンガを知ったのは小学高学年ぐらいの頃だった。
当時からずっと毎週読んでたヤングマガジンで始まった新連載がBLACKBRAINで、サガノヘルマーという耳慣れない響き、独特の絵柄、可愛い女の子、グロテスクな邪進化人類、肉々しいアガサ森田たち未来の人類。どれもとても斬新で、ショッキングで、グロテスクで、エッチだった。
物語はさえない男子高校生、宮前カオル君の夢枕に、未来からやってきたヒテロという種族のアガサ森田が登場することから始まる。
ひし形の頭、痩せた体、不思議で不気味な未来のテクノロジー。
あんなに興奮しないおっぱいも珍しいってぐらい、半裸な事に何とも思わなかった。
性欲の権化みてえなお年頃だったのに。
そしてカオルくんの脳みそは未来の兵器であり切り札
受波脳
となり(この脳を入れ替える描写もあまりといえばあまりにド直球に頭をカパカパっと開き、ニュルっと入れ替えてしまった)人類が何千年も先、きちんとヒテロに進化するために邪進化した人類たちと戦うのだ!
とはいうものの、主人公のカオル君はものぐさでなんとも頼りない。
アガサ森田は未来のエージェントで、人類の邪進化に繋がる動きが無いかを日夜監視していた。
そして20世紀のこの時点でのパートナーとしてカオル君を選んだ理由も
「ちょっとバカで若い男がイイ」
という…選ぶ方も選ぶ方だったというわけだ。
なおヒトは全てヒテロに進化した41世紀には、自由意志を持つヒトは居なくなっており、臓器から皮膚からあらゆる部分は全てヒテロたちの万能資源となっている。地表の全てが体組織で覆い尽くされた世界。
肉色の地球、という表現がインパクト抜群だ。
アガサは受波脳を通じてカオル君に指示を与え、それを受けてカオル君は戦いに身を投じる。
しかしまたアガサはカオル君の周辺で様々な事件が起こりやすくなるように時空を操作していたという。
なるほどそれは上手いな!と思ったものでした。
ウルトラQで毎回主人公が事件に遭遇するのはおかしい!と言われ、続編で進化版のウルトラマンではそのような怪事件・怪獣退治の専門家として科学特捜隊を作ったのと同じだ。
さてカオル君はというと、そんな未来が待ち受けている、ましてそんな未来のために戦い続けることになるとはつゆ知らず、ガールフレンドのリカちゃんとセックスしようとしたり青春を謳歌していた。
ちなみに、このリカちゃんはじめ敵味方を問わず出てくる女の子がみんな可愛い。
サガノヘルマー先生独特の絵柄も相まってなんとも蠱惑的で、こっちは大変お世話になった。
好きだったのはデジげじっ!編のナナコ先生とユミコさん。
いやー、あの回は浮浪者と複数人だったり家庭崩壊した夫婦がそれぞれ色々あったりで…カズトというホモ・デジタリアン(テレビみたいに進化した未来の人類)の力を借りた少年とカオル君の戦いではあったものの周辺の性癖が賑やかでした。
あの回は初めてカオル君が完敗するんだよね。カズトにコントロールされたナナコ先生のニーパッドで首の骨がゴッキリ折れるんだけど、その修復に41世紀のアンディという修理人が協力するようになる。ここで人肉で埋め尽くされた世界の本領発揮、おっぱい型のズームモニターや時空を超えて入れ替えられるカオル君の脊髄などなどもさることながら、アンディが所持しているのは愛玩用の人体。
彼好みの顔をした上半身と性器だけの人体。
ちなみにこれを所持していることは法律違反であるため、それをネタに今後もアガサの無茶ぶりに付き合わされることになる。
このデジげじっ!編は傑作で、本編中で一番好きかも知れない。
鳥人間、外骨格、新興宗教(この時点からホモ・デジタリアンが介入してくる)、水棲人間などなど強敵・変態揃いのこのマンガの中でも一、二を争うほど狂っている。
カズトに次いでデジタリアンたちの先兵となった今越カズミは極度の潔癖症で、それを利用して体をどんどんサイボーグ化していく。もちろんそれはホモ・デジタリアンたちの技術であり、20世紀にその進化の萌芽を植え付けるために利用されている。
カズミは自分のストーカーである伊集院という女(巨漢)と、もう一人の男を実験台にしてどんどん改造し、自分自身もそれに続く。
極めつけは、ついに全身サイボーグとなった彼女の人工子宮はデジタリアンたちの時空と繋がっており、最終的にカオル君の受波脳はそこを通じてホモ・デジタリアンたちの総本山に侵入、決戦を迎えることになるのだ。
…信じられないだろ?
本当にあったんだぜこんなすごいマンガが。
このあとに続く水棲人間も鳥人間も凄まじく、特に鳥人間はホモ・デジタリアンの次に私がお気に入りで、影響を受けまくり、性癖を絡み合う針金みたいに捻じ曲げられたであろう作品たちだ。
大体、あの頃のヤンマガは全体的にどうかしてたんだよ。BLACKBRAINだけじゃなく、
稲中、バレーボーイズ、3×3 EYES、ドラゴンヘッド、食べれません、代紋TAKE2、BE-BOP-HIGHSCHOOL、天然少女・萬、ゴリラーマン、がほぼ同時期かすれ違いくらいで連載されてて、そこに故・華倫変先生の華倫変倶楽部とかちょいちょいさらにどうかしてるマンガが載ってたんだもん。
最近、ツイッターでサガノヘルマー先生のアシスタントさんのアカウントを見つけてフォローさせて頂き、あの頃からヘルマー先生のお傍で作業に携わっていた方なのかと思うと感慨もひとしお。
今度東京に行ったら、中野のヘルマーランドに行ってみなくては!
あんな小さいうちから受波脳を食らってた身としては、もうとっくに脳内でヘルマーランドが着々と構築され、今では自分でも、マンガが描けないかわりに頭クルクルパー小説などというものをヒネリ出すようになったわけで。
椎名誠さんやデヴィッド・リンチと並んで、私に猛烈な影響を与えて下さったサガノヘルマー先生に栄光あれ!!!!!!
あとホモ・デジタリアンを考えたのはマジで天才だと思います!
当時からずっと毎週読んでたヤングマガジンで始まった新連載がBLACKBRAINで、サガノヘルマーという耳慣れない響き、独特の絵柄、可愛い女の子、グロテスクな邪進化人類、肉々しいアガサ森田たち未来の人類。どれもとても斬新で、ショッキングで、グロテスクで、エッチだった。
物語はさえない男子高校生、宮前カオル君の夢枕に、未来からやってきたヒテロという種族のアガサ森田が登場することから始まる。
ひし形の頭、痩せた体、不思議で不気味な未来のテクノロジー。
あんなに興奮しないおっぱいも珍しいってぐらい、半裸な事に何とも思わなかった。
性欲の権化みてえなお年頃だったのに。
そしてカオルくんの脳みそは未来の兵器であり切り札
受波脳
となり(この脳を入れ替える描写もあまりといえばあまりにド直球に頭をカパカパっと開き、ニュルっと入れ替えてしまった)人類が何千年も先、きちんとヒテロに進化するために邪進化した人類たちと戦うのだ!
とはいうものの、主人公のカオル君はものぐさでなんとも頼りない。
アガサ森田は未来のエージェントで、人類の邪進化に繋がる動きが無いかを日夜監視していた。
そして20世紀のこの時点でのパートナーとしてカオル君を選んだ理由も
「ちょっとバカで若い男がイイ」
という…選ぶ方も選ぶ方だったというわけだ。
なおヒトは全てヒテロに進化した41世紀には、自由意志を持つヒトは居なくなっており、臓器から皮膚からあらゆる部分は全てヒテロたちの万能資源となっている。地表の全てが体組織で覆い尽くされた世界。
肉色の地球、という表現がインパクト抜群だ。
アガサは受波脳を通じてカオル君に指示を与え、それを受けてカオル君は戦いに身を投じる。
しかしまたアガサはカオル君の周辺で様々な事件が起こりやすくなるように時空を操作していたという。
なるほどそれは上手いな!と思ったものでした。
ウルトラQで毎回主人公が事件に遭遇するのはおかしい!と言われ、続編で進化版のウルトラマンではそのような怪事件・怪獣退治の専門家として科学特捜隊を作ったのと同じだ。
さてカオル君はというと、そんな未来が待ち受けている、ましてそんな未来のために戦い続けることになるとはつゆ知らず、ガールフレンドのリカちゃんとセックスしようとしたり青春を謳歌していた。
ちなみに、このリカちゃんはじめ敵味方を問わず出てくる女の子がみんな可愛い。
サガノヘルマー先生独特の絵柄も相まってなんとも蠱惑的で、こっちは大変お世話になった。
好きだったのはデジげじっ!編のナナコ先生とユミコさん。
いやー、あの回は浮浪者と複数人だったり家庭崩壊した夫婦がそれぞれ色々あったりで…カズトというホモ・デジタリアン(テレビみたいに進化した未来の人類)の力を借りた少年とカオル君の戦いではあったものの周辺の性癖が賑やかでした。
あの回は初めてカオル君が完敗するんだよね。カズトにコントロールされたナナコ先生のニーパッドで首の骨がゴッキリ折れるんだけど、その修復に41世紀のアンディという修理人が協力するようになる。ここで人肉で埋め尽くされた世界の本領発揮、おっぱい型のズームモニターや時空を超えて入れ替えられるカオル君の脊髄などなどもさることながら、アンディが所持しているのは愛玩用の人体。
彼好みの顔をした上半身と性器だけの人体。
ちなみにこれを所持していることは法律違反であるため、それをネタに今後もアガサの無茶ぶりに付き合わされることになる。
このデジげじっ!編は傑作で、本編中で一番好きかも知れない。
鳥人間、外骨格、新興宗教(この時点からホモ・デジタリアンが介入してくる)、水棲人間などなど強敵・変態揃いのこのマンガの中でも一、二を争うほど狂っている。
カズトに次いでデジタリアンたちの先兵となった今越カズミは極度の潔癖症で、それを利用して体をどんどんサイボーグ化していく。もちろんそれはホモ・デジタリアンたちの技術であり、20世紀にその進化の萌芽を植え付けるために利用されている。
カズミは自分のストーカーである伊集院という女(巨漢)と、もう一人の男を実験台にしてどんどん改造し、自分自身もそれに続く。
極めつけは、ついに全身サイボーグとなった彼女の人工子宮はデジタリアンたちの時空と繋がっており、最終的にカオル君の受波脳はそこを通じてホモ・デジタリアンたちの総本山に侵入、決戦を迎えることになるのだ。
…信じられないだろ?
本当にあったんだぜこんなすごいマンガが。
このあとに続く水棲人間も鳥人間も凄まじく、特に鳥人間はホモ・デジタリアンの次に私がお気に入りで、影響を受けまくり、性癖を絡み合う針金みたいに捻じ曲げられたであろう作品たちだ。
大体、あの頃のヤンマガは全体的にどうかしてたんだよ。BLACKBRAINだけじゃなく、
稲中、バレーボーイズ、3×3 EYES、ドラゴンヘッド、食べれません、代紋TAKE2、BE-BOP-HIGHSCHOOL、天然少女・萬、ゴリラーマン、がほぼ同時期かすれ違いくらいで連載されてて、そこに故・華倫変先生の華倫変倶楽部とかちょいちょいさらにどうかしてるマンガが載ってたんだもん。
最近、ツイッターでサガノヘルマー先生のアシスタントさんのアカウントを見つけてフォローさせて頂き、あの頃からヘルマー先生のお傍で作業に携わっていた方なのかと思うと感慨もひとしお。
今度東京に行ったら、中野のヘルマーランドに行ってみなくては!
あんな小さいうちから受波脳を食らってた身としては、もうとっくに脳内でヘルマーランドが着々と構築され、今では自分でも、マンガが描けないかわりに頭クルクルパー小説などというものをヒネリ出すようになったわけで。
椎名誠さんやデヴィッド・リンチと並んで、私に猛烈な影響を与えて下さったサガノヘルマー先生に栄光あれ!!!!!!
あとホモ・デジタリアンを考えたのはマジで天才だと思います!
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
男性向け(女声)シチュエーションボイス台本
しましまのしっぽ
恋愛
男性向け(女声)シチュエーションボイス台本です。
関西弁彼女の台本を標準語に変えたものもあります。ご了承ください
ご自由にお使いください。
イラストはノーコピーライトガールさんからお借りしました
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる