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第476回。ぽあれ(@Poele_now )さんのマンガが届いた話する?
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お兄ちゃんと一緒にラブホテルで働いてみた話する?
というマンガがあります。
ツイッターでご覧になった方もいらっしゃるかも知れません。
私も読むたびにRTさせて頂いてます。
独特の、線が強いけど絵柄はソフトで表情豊かなキャラクターと、ホントにご実家がラブホテルを経営しておりお兄さんが切り盛りしていたという、ぽあれさんという方の作品です。
最近、BOOTHで通販も始められたので気になる方はタイトルのIDから飛んでいただけると良いかと。
たぶんかなり最初のほうに見たコマが、箱いっぱいのバイブを見て赤面する主人公「むつ子ちゃん」=ぽあれさんにお兄さんが
「バイブはゴーヤだと思え!」
と言い放ち、次のコマで小鳥がさえずるのどかな農園でゴーヤの箱詰めをするイメージ画に変わるシーンで。これが私のツボにハマってしまい、以来応援しております。
ぽあれさんとは未だ面識もなく(5月の文フリとコミティアで1日違いだったのが惜しかったです)、ラブホで働いてみた漫画が普通に面白いのでフォローさせて頂いただけなのですが、何しろ題材が題材なのでとても身近で、というか身につまされる部分も多く、目が離せません。
そりゃあ故意に汚したり、壊したり、盗んだり誤魔化したりなんて以ての外ですが、それにしたって万事いい加減な性格なもので、そこまで綺麗に使っていたかと言われたら正直、疑問の余地は多分にある。
なんか付いちゃったりこぼれちゃったりするし…どうしたって。それは。ねえ…。
表紙はスベスベつるつる、この手触りがとてもいいです。
外通路に積まれた段ボールに腰掛けてラーメンを食べているのがむつ子ちゃん。
ああ、ワンガレージ式のホテルなのかしら…。
いわゆるシャッター開いてたら入れるタイプで、車入れてシャッター降ろしてお部屋に入るっていう。
通路や待合室で他の人とすれ違わないで済むとてもいいタイプのお部屋。
まあ、開き直って堂々と入って行ってすれ違おうが待合室でおっ始めちゃってるの見ちゃおうが気にしないってのも楽しいけどね。
おいおいカーテンで仕切ってあるとはいえ音が丸聞こえだよ、っていう。
どこだっけな、ロビーの椅子で座って待ってたらネコが居てさ。
しかもやたら人懐っこい。
ネコなんか普通、よその人間に懐いたりしねえだろ。
なんか近所の駐車場に居るやつとか。
それがそのホテルのネコは
なーーーお
とか言いながら膝に乗ろうとしてきちゃってさ。
私、かなりの猫アレルギーなんだよ。
だから動物全般、触るのホントにダメなの。
それがさお前、向こうからお構いなしでグイグイ来られても困るんだよ。
せっかく人に懐いてるネコを跳ね飛ばしたりするのも気が引けるしさ。
いやーーー参ったね。
もちろんお部屋に入ってソッコーでシャワー浴びたし着ている服に毛が付かないように必死だったよ。
女性より先に、むしろ真っ先にシャワー浴びることは普段通りだけど、体を洗う念入りさに役が一つ乗ってたね。
アレルギーで鼻が詰まったら匂いがわからないんでつまんないでしょ?
劇中、むつ子ちゃんファミリーが経営しているホテルは普通の廊下のあるラブホテルらしい。
ツイッターで拝見した作品のなかでは、厨房や倉庫なども出てきていた。
まだまだ広がりを見せる建物の内部と作品に期待しております。
この冊子の後半は短編漫画になっていて。
むつ子ちゃんと一緒に働いている細谷さんという女性の話。
顔に大きなアザがあって、それを悩んでいる。
最初はいつも通り、むつ子ちゃんの仕事の出来なさを表したギャグで始まる。
仕事が「おそ」
からの、前職を辞してこのホテルの裏方になった話になり、そこからの展開は静かに、だけど怒涛の進行を見せる。
細谷さん自体は最初からしれっと出ていて、ごく自然に溶け込んでいる様子がうかがえる。
うちの親父、タクシー運転手のヨシダさんのモデルと先日ご紹介した佐藤輝之(テルさん)の顔にも、大きなアザがあった。蒙古斑が顔に出ているようなもんだ、と本人は言っていた。
体調が悪かったりするとどす黒い、物凄い色になることもあった。
それに加えて、細谷さんは女性なのである。劇中に登場する細谷さんのたった一人の家族であるお母さんは、細谷さん以上に顔のあざの事を気に病んでいて。
アザことを話すためにむつ子ちゃんに付いてきてもらって里帰りするも、なかなか言い出せずに夜になってしまう。
しかし、ついに意を決してお母さんに言い放った細谷さんのセリフが素晴らしかった。
「私が落ち込んで話をしたくてもその倍、落ち込んで。自分以上に悩んじゃって、結局自分が言いたいことを今まで全然言えなかった」
と思いの丈を(ワンカップの力を借りて)ぶちまけるシーン。
これは、私にも似た経験があった。
私が悩んで、苦しんで、やっと伝えたところで相手に倍返しで落ち込まれ、悩まれ、泣かれ、ため息で丸まった背中が小さく小さくなってゆく。
ああ、話すんじゃなかった
そう思って、どんどん話すことをやめていって、最後には目の前から居なくなる。
木曽殿の 背中合わせの 寒さかな
というのを落語の枕で聞いたことがあった。
向かい合っているうちはいいが、お互いに背中を向け合ってしまうと寂しい、ということで。
細谷さん母娘は、向き合うことが出来た。
そしてジビエのカレーはとても美味しそうだった。
あっ!裏面のカレーって、そういうことか!と小さく感動。
あとがきには、まだまだ描いていくことが記されているので、これからも楽しみにしています。
漫画かをあきらめて、それでも読んでもらえることに気が付くまで10年かかった、とのことですが。
私もプロレスラーをあきらめて10年以上が経ちました。
だけど発信し続けて、世間様にひとりでもふたりでも伝わってくれることの喜びを今この年になっても新しく噛み締めているところです。
あの頃の自分の忘れ物のような青春を、文章や漫画で、また他の表現でも。
取り戻したり、作り替えたり、別のものを手に入れることが出来たり、また忘れて置き去りにしてしまったり。
これからも生きて行く限り続くんだな、と。
私も頑張ろう。
ぽあれさん、とても面白かったです。続きもお待ちしております。
というマンガがあります。
ツイッターでご覧になった方もいらっしゃるかも知れません。
私も読むたびにRTさせて頂いてます。
独特の、線が強いけど絵柄はソフトで表情豊かなキャラクターと、ホントにご実家がラブホテルを経営しておりお兄さんが切り盛りしていたという、ぽあれさんという方の作品です。
最近、BOOTHで通販も始められたので気になる方はタイトルのIDから飛んでいただけると良いかと。
たぶんかなり最初のほうに見たコマが、箱いっぱいのバイブを見て赤面する主人公「むつ子ちゃん」=ぽあれさんにお兄さんが
「バイブはゴーヤだと思え!」
と言い放ち、次のコマで小鳥がさえずるのどかな農園でゴーヤの箱詰めをするイメージ画に変わるシーンで。これが私のツボにハマってしまい、以来応援しております。
ぽあれさんとは未だ面識もなく(5月の文フリとコミティアで1日違いだったのが惜しかったです)、ラブホで働いてみた漫画が普通に面白いのでフォローさせて頂いただけなのですが、何しろ題材が題材なのでとても身近で、というか身につまされる部分も多く、目が離せません。
そりゃあ故意に汚したり、壊したり、盗んだり誤魔化したりなんて以ての外ですが、それにしたって万事いい加減な性格なもので、そこまで綺麗に使っていたかと言われたら正直、疑問の余地は多分にある。
なんか付いちゃったりこぼれちゃったりするし…どうしたって。それは。ねえ…。
表紙はスベスベつるつる、この手触りがとてもいいです。
外通路に積まれた段ボールに腰掛けてラーメンを食べているのがむつ子ちゃん。
ああ、ワンガレージ式のホテルなのかしら…。
いわゆるシャッター開いてたら入れるタイプで、車入れてシャッター降ろしてお部屋に入るっていう。
通路や待合室で他の人とすれ違わないで済むとてもいいタイプのお部屋。
まあ、開き直って堂々と入って行ってすれ違おうが待合室でおっ始めちゃってるの見ちゃおうが気にしないってのも楽しいけどね。
おいおいカーテンで仕切ってあるとはいえ音が丸聞こえだよ、っていう。
どこだっけな、ロビーの椅子で座って待ってたらネコが居てさ。
しかもやたら人懐っこい。
ネコなんか普通、よその人間に懐いたりしねえだろ。
なんか近所の駐車場に居るやつとか。
それがそのホテルのネコは
なーーーお
とか言いながら膝に乗ろうとしてきちゃってさ。
私、かなりの猫アレルギーなんだよ。
だから動物全般、触るのホントにダメなの。
それがさお前、向こうからお構いなしでグイグイ来られても困るんだよ。
せっかく人に懐いてるネコを跳ね飛ばしたりするのも気が引けるしさ。
いやーーー参ったね。
もちろんお部屋に入ってソッコーでシャワー浴びたし着ている服に毛が付かないように必死だったよ。
女性より先に、むしろ真っ先にシャワー浴びることは普段通りだけど、体を洗う念入りさに役が一つ乗ってたね。
アレルギーで鼻が詰まったら匂いがわからないんでつまんないでしょ?
劇中、むつ子ちゃんファミリーが経営しているホテルは普通の廊下のあるラブホテルらしい。
ツイッターで拝見した作品のなかでは、厨房や倉庫なども出てきていた。
まだまだ広がりを見せる建物の内部と作品に期待しております。
この冊子の後半は短編漫画になっていて。
むつ子ちゃんと一緒に働いている細谷さんという女性の話。
顔に大きなアザがあって、それを悩んでいる。
最初はいつも通り、むつ子ちゃんの仕事の出来なさを表したギャグで始まる。
仕事が「おそ」
からの、前職を辞してこのホテルの裏方になった話になり、そこからの展開は静かに、だけど怒涛の進行を見せる。
細谷さん自体は最初からしれっと出ていて、ごく自然に溶け込んでいる様子がうかがえる。
うちの親父、タクシー運転手のヨシダさんのモデルと先日ご紹介した佐藤輝之(テルさん)の顔にも、大きなアザがあった。蒙古斑が顔に出ているようなもんだ、と本人は言っていた。
体調が悪かったりするとどす黒い、物凄い色になることもあった。
それに加えて、細谷さんは女性なのである。劇中に登場する細谷さんのたった一人の家族であるお母さんは、細谷さん以上に顔のあざの事を気に病んでいて。
アザことを話すためにむつ子ちゃんに付いてきてもらって里帰りするも、なかなか言い出せずに夜になってしまう。
しかし、ついに意を決してお母さんに言い放った細谷さんのセリフが素晴らしかった。
「私が落ち込んで話をしたくてもその倍、落ち込んで。自分以上に悩んじゃって、結局自分が言いたいことを今まで全然言えなかった」
と思いの丈を(ワンカップの力を借りて)ぶちまけるシーン。
これは、私にも似た経験があった。
私が悩んで、苦しんで、やっと伝えたところで相手に倍返しで落ち込まれ、悩まれ、泣かれ、ため息で丸まった背中が小さく小さくなってゆく。
ああ、話すんじゃなかった
そう思って、どんどん話すことをやめていって、最後には目の前から居なくなる。
木曽殿の 背中合わせの 寒さかな
というのを落語の枕で聞いたことがあった。
向かい合っているうちはいいが、お互いに背中を向け合ってしまうと寂しい、ということで。
細谷さん母娘は、向き合うことが出来た。
そしてジビエのカレーはとても美味しそうだった。
あっ!裏面のカレーって、そういうことか!と小さく感動。
あとがきには、まだまだ描いていくことが記されているので、これからも楽しみにしています。
漫画かをあきらめて、それでも読んでもらえることに気が付くまで10年かかった、とのことですが。
私もプロレスラーをあきらめて10年以上が経ちました。
だけど発信し続けて、世間様にひとりでもふたりでも伝わってくれることの喜びを今この年になっても新しく噛み締めているところです。
あの頃の自分の忘れ物のような青春を、文章や漫画で、また他の表現でも。
取り戻したり、作り替えたり、別のものを手に入れることが出来たり、また忘れて置き去りにしてしまったり。
これからも生きて行く限り続くんだな、と。
私も頑張ろう。
ぽあれさん、とても面白かったです。続きもお待ちしております。
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