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第392回。大衆プロレス松山座熱戦譜。
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2月25日。生野区民センター。
大衆プロレス松山座は踊ル表現集団 女子の皆さんによる舞踊から始まった。
幕開け特別出演ということで急に始まる舞踊。
リングアナウンサーの奥田さんが
「踊ル表現集団 女子の皆さんによる舞踊をお楽しみください!」
と高らかに宣言。そうなったらもう舞踊は始まるしかないし、こっちは受け止めるしかない。
なんだなんだと思っているうちに引っ張り込まれてしまう。
私も、周りの人も、彼女らを全然知らない人が多かったと思う。だからこそ引っ張り込まれて、そのままハマってしまうのだろう。余計な情報が無いぶん衝撃がマトモに心を揺さぶる。
指先から全身にみなぎる踊りの力。リング上を走り回る音も、視線も、いま目の前にいる3人の女性の全てが「作品」であり、見事なものでした。
第1試合は
松山かずのすけ選手VSラウザ選手
のシングルマッチ。
男と男のサシでの勝負。最もわかりやすい図式で、大変わかりやすいお二人のマッチアップ。
ずんぐりむっくりで丸っこい巨体のかずのすけ選手。
方やセクシーターザンを自称する長身でマッチョマンのラウザ選手。
なんというかアレだ、ちょうど戦うポプテピピックって感じ。
試合はかずのすけ選手の緩めなキャラが出つつも激しい肉弾戦に。
ふたりが動くだけでリングが揺れる。驚天動地の文字通りの熱戦がいきなり始まるも、さすが松山座のお客さんは訓練された人も多くすぐに雰囲気が出来上がってゆく。
プロレス自体が初めての人も少なくないなか、この試合がトップバッターな意味がよく分かった気がします。
誰が見ても面白く、わかりやすく、そして最後はラウザ選手の劇的な勝利。
鳥取からやってきたニューフェイスに期待が集まる。
第2試合。
男女混合タッグマッチ20分1本勝負
めぃりぃ選手
ミスターブッタマン選手
VS
小仲=ペールワン選手
プリティ太田選手
ミスター・ブッタマン選手とプリティ太田選手はミゼットプロレスの選手。今や日本でも珍しくなってしまったミゼットプロレス。戦う重要文化財。
そこに、可憐なメイドさんレスラーのめぃりぃ選手と、…えーと、なんて説明すればいいのかわからないけどとにかく全身全霊でどうかしている小仲=ペールワン選手がそれぞれ入る。
小仲選手といえば不気味な衣装にそのペイント。
そしてプリティ太田選手はそれを真似て白塗りで登場。いつも何かちょっと工夫してくるプリティ太田選手。試合はハチャメチャでありながらミゼットプロレスならではの面白さ、インディープロレスらしいコクのある展開が詰まった濃密な時間に。
めぃりぃ選手の得意とする萌え萌えじゃんけんにノリノリで参加したプリティ太田選手…と思いきや後ろから思いっきり蹴っ飛ばす小仲選手。
ミスター・ブッタマン選手はマイペースながら存在感を発揮。
4の字固めの転がしあいなんて初めて見た。
試合はめぃりぃ選手が勝利したが、この混沌の世界に敗者など居なかった。
みんな最高だったから。
第3試合の
男子シングルマッチ15分1本勝負
ロブ・スターダム選手VS犬人間よしお選手
カナダからやって来た外人レスラーのロブ・スターダム選手と
どこからともなく現れた人外レスラーの犬人間よしお選手。
この組み合わせと見た目からコミカルで楽しい試合になるかと思いきや、それは大間違い。
ハードコア!それもド本場の壮絶な試合を見せてくれた。
といってもイスや机、脚立などのアイテムが派手に飛び交う試合ではなく。
肉体のぶつかり合いが、ちょっとリングからはみ出して場外に出ちゃっただけ。
場外でのブレーンバスターを目の前で見てしまったら、プロレス初心者の人はびっくりしてしまうだろう。でも、そのびっくりのために、あの硬い床に叩き付けられてでも戦う人がいるという超現実。
随所でカンパイ!などのニホンゴをマスターしてきたロブ・スターダム選手。
試合後もオーサカで勝利の美酒をカンパイ出来ただろうか。
第4試合は
男女混合タッグマッチ20分1本勝負
松本浩代選手
ヤマダマンポンド選手
VS
菅原拓也選手
石橋葵選手
コレはいいカード!というか、事と次第によってはメインイベント級のカード。
THEインディープロレス!
私の好きなインディープロレス。私の青春時代そのものの、インディープロレスの匂いがする。
前回の松山流女子祭典では青木いつ希選手をコテンパンにしてしまった女ゴジラでLady Destroyerこと松本浩代選手。今回もその豪快で爽快な暴れっぷりを遺憾なく発揮。
パートナーのヤマダマンポンド選手は硬軟自在。巨躯ながら何でも器用にこなす万能選手だった。
実は2年前の世界プロレス協会さんでちょっとだけ試合を見たのだが、乱入というか闖入というか、とにかく太仁田ブ厚のアレでアレなド茶番で会場が死ぬほどしらけ返り、私は隣で見ていた初めてプロレスを見る友達に合わせる顔が無いくらい恥ずかしい思いをしたので、ちゃんと試合を見るのは初めてだった。
対する菅原選手と石橋選手。見るからに悪。
怖い。
街で会ったら絶対に道を譲って顔を伏せるタイプだ。リングを闊歩する悪党二人。
菅原選手も悪の万能ファイター。最前線で暴れまわることも、アシストに徹することも出来る。
今回で言えば積極的に前に出て松本・ヤマダ組を翻弄し容赦なく攻め立てたかと思いきや、怪我から復帰して以来再び期待の集まる石橋葵選手をしっかりサポート。コーナーに控えててもドスの効いた声を張り上げて試合の緊張感を高める。
ヤマダマンポンド選手をポン!と呼んで場を和ませる松本浩代選手とは対照的な、いわば陽性のヒールとダークなヒールの戦いだった。
なので試合は荒れた。場外乱闘もあり、激しい攻撃の応酬ありと片時も目が離せない。
この第4試合から松山座の目つきが変わったというか、ちょっとスイッチが切り替わったな。と感じた。
系統で言えば第3試合に近い部分もあるのだが、女性選手が加わることで華やかさとスピード感も増した。最後はヤマダマンポンド選手と松本浩代選手のコンビネーションの乱れを突いた菅原選手がヤマダマンポンド選手を仕留め勝利。さすが勝機を逃さないところが仕事人だ。
えっ!もう2500文字!?
相変わらずプロレスの事になると歯止めが利かないキッドさん。
明日は試合の続き、その次は大阪~愛知の往復移動レポなどを予定しております。
懲りずにまた付き合ってちょ。
あと、みんなもこの世界一不思議なプロレス団体、大衆プロレス松山座を是非とも見に行ってほしい。
プロレスマニア歴20年を越えようかというキッドさんが今いちばんお勧めする団体なのだ。
さあ!明日もみんなで見よう!(ウルトラマンエースの次回予告っぽく)
大衆プロレス松山座は踊ル表現集団 女子の皆さんによる舞踊から始まった。
幕開け特別出演ということで急に始まる舞踊。
リングアナウンサーの奥田さんが
「踊ル表現集団 女子の皆さんによる舞踊をお楽しみください!」
と高らかに宣言。そうなったらもう舞踊は始まるしかないし、こっちは受け止めるしかない。
なんだなんだと思っているうちに引っ張り込まれてしまう。
私も、周りの人も、彼女らを全然知らない人が多かったと思う。だからこそ引っ張り込まれて、そのままハマってしまうのだろう。余計な情報が無いぶん衝撃がマトモに心を揺さぶる。
指先から全身にみなぎる踊りの力。リング上を走り回る音も、視線も、いま目の前にいる3人の女性の全てが「作品」であり、見事なものでした。
第1試合は
松山かずのすけ選手VSラウザ選手
のシングルマッチ。
男と男のサシでの勝負。最もわかりやすい図式で、大変わかりやすいお二人のマッチアップ。
ずんぐりむっくりで丸っこい巨体のかずのすけ選手。
方やセクシーターザンを自称する長身でマッチョマンのラウザ選手。
なんというかアレだ、ちょうど戦うポプテピピックって感じ。
試合はかずのすけ選手の緩めなキャラが出つつも激しい肉弾戦に。
ふたりが動くだけでリングが揺れる。驚天動地の文字通りの熱戦がいきなり始まるも、さすが松山座のお客さんは訓練された人も多くすぐに雰囲気が出来上がってゆく。
プロレス自体が初めての人も少なくないなか、この試合がトップバッターな意味がよく分かった気がします。
誰が見ても面白く、わかりやすく、そして最後はラウザ選手の劇的な勝利。
鳥取からやってきたニューフェイスに期待が集まる。
第2試合。
男女混合タッグマッチ20分1本勝負
めぃりぃ選手
ミスターブッタマン選手
VS
小仲=ペールワン選手
プリティ太田選手
ミスター・ブッタマン選手とプリティ太田選手はミゼットプロレスの選手。今や日本でも珍しくなってしまったミゼットプロレス。戦う重要文化財。
そこに、可憐なメイドさんレスラーのめぃりぃ選手と、…えーと、なんて説明すればいいのかわからないけどとにかく全身全霊でどうかしている小仲=ペールワン選手がそれぞれ入る。
小仲選手といえば不気味な衣装にそのペイント。
そしてプリティ太田選手はそれを真似て白塗りで登場。いつも何かちょっと工夫してくるプリティ太田選手。試合はハチャメチャでありながらミゼットプロレスならではの面白さ、インディープロレスらしいコクのある展開が詰まった濃密な時間に。
めぃりぃ選手の得意とする萌え萌えじゃんけんにノリノリで参加したプリティ太田選手…と思いきや後ろから思いっきり蹴っ飛ばす小仲選手。
ミスター・ブッタマン選手はマイペースながら存在感を発揮。
4の字固めの転がしあいなんて初めて見た。
試合はめぃりぃ選手が勝利したが、この混沌の世界に敗者など居なかった。
みんな最高だったから。
第3試合の
男子シングルマッチ15分1本勝負
ロブ・スターダム選手VS犬人間よしお選手
カナダからやって来た外人レスラーのロブ・スターダム選手と
どこからともなく現れた人外レスラーの犬人間よしお選手。
この組み合わせと見た目からコミカルで楽しい試合になるかと思いきや、それは大間違い。
ハードコア!それもド本場の壮絶な試合を見せてくれた。
といってもイスや机、脚立などのアイテムが派手に飛び交う試合ではなく。
肉体のぶつかり合いが、ちょっとリングからはみ出して場外に出ちゃっただけ。
場外でのブレーンバスターを目の前で見てしまったら、プロレス初心者の人はびっくりしてしまうだろう。でも、そのびっくりのために、あの硬い床に叩き付けられてでも戦う人がいるという超現実。
随所でカンパイ!などのニホンゴをマスターしてきたロブ・スターダム選手。
試合後もオーサカで勝利の美酒をカンパイ出来ただろうか。
第4試合は
男女混合タッグマッチ20分1本勝負
松本浩代選手
ヤマダマンポンド選手
VS
菅原拓也選手
石橋葵選手
コレはいいカード!というか、事と次第によってはメインイベント級のカード。
THEインディープロレス!
私の好きなインディープロレス。私の青春時代そのものの、インディープロレスの匂いがする。
前回の松山流女子祭典では青木いつ希選手をコテンパンにしてしまった女ゴジラでLady Destroyerこと松本浩代選手。今回もその豪快で爽快な暴れっぷりを遺憾なく発揮。
パートナーのヤマダマンポンド選手は硬軟自在。巨躯ながら何でも器用にこなす万能選手だった。
実は2年前の世界プロレス協会さんでちょっとだけ試合を見たのだが、乱入というか闖入というか、とにかく太仁田ブ厚のアレでアレなド茶番で会場が死ぬほどしらけ返り、私は隣で見ていた初めてプロレスを見る友達に合わせる顔が無いくらい恥ずかしい思いをしたので、ちゃんと試合を見るのは初めてだった。
対する菅原選手と石橋選手。見るからに悪。
怖い。
街で会ったら絶対に道を譲って顔を伏せるタイプだ。リングを闊歩する悪党二人。
菅原選手も悪の万能ファイター。最前線で暴れまわることも、アシストに徹することも出来る。
今回で言えば積極的に前に出て松本・ヤマダ組を翻弄し容赦なく攻め立てたかと思いきや、怪我から復帰して以来再び期待の集まる石橋葵選手をしっかりサポート。コーナーに控えててもドスの効いた声を張り上げて試合の緊張感を高める。
ヤマダマンポンド選手をポン!と呼んで場を和ませる松本浩代選手とは対照的な、いわば陽性のヒールとダークなヒールの戦いだった。
なので試合は荒れた。場外乱闘もあり、激しい攻撃の応酬ありと片時も目が離せない。
この第4試合から松山座の目つきが変わったというか、ちょっとスイッチが切り替わったな。と感じた。
系統で言えば第3試合に近い部分もあるのだが、女性選手が加わることで華やかさとスピード感も増した。最後はヤマダマンポンド選手と松本浩代選手のコンビネーションの乱れを突いた菅原選手がヤマダマンポンド選手を仕留め勝利。さすが勝機を逃さないところが仕事人だ。
えっ!もう2500文字!?
相変わらずプロレスの事になると歯止めが利かないキッドさん。
明日は試合の続き、その次は大阪~愛知の往復移動レポなどを予定しております。
懲りずにまた付き合ってちょ。
あと、みんなもこの世界一不思議なプロレス団体、大衆プロレス松山座を是非とも見に行ってほしい。
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