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第387回。バカ仙人と呼ばれたい。
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前にも書いたかもしれないけど、私キッドの理想の老後はバカ仙人。
どういう状態かというとまず70とか80くらいでも元気で、自分で立って歩けること。
話すことも物忘れとか都合の悪いことは忘れてるけど、まあ支障はない。
白髪でハゲてて顎ヒゲが胸まで伸びてるといいな。
カンフー映画の老師が落ちぶれたみてえな感じか。
あーでも服装は多少きちんとしておきたい。
地図の調査員なんかやってて田舎に行くと、ノーブラで白い肌着のランニングにステテコかモンペ穿いただけの婆さんが畑を耕してたりするし…そういう婆さんにはもれなく髭も生えてるから、バカ仙人がああだとすると、こっちも天女の類なのかもしれんな…夢のねえ話だな。
でさ、そういう典型的な老師(ジジイ)になったらやりたいのが、近所の子供にデタラメ教えるの。
ほら吹きジジイっていうのかな。
あれの、もっとバカなやつ。ウソとか誤解をさせるんじゃなく、デタラメ。
なんつーのかなー、いい温度の。バカな子供は信じちゃうこともあるけど、もう小学校高学年くらいになると見破られちゃうの。12歳のガキに70歳でムキになって嘘吐いてるの面白くね???
お菓子なんかあげたりしてさ。
坊や知ってるか?ウィンナーソーセージってのはな、普通のウィンナーに酢を入れたものなんじゃよ。ウィーンでは腸詰を作るときに酢を混ぜたんで、ウィンナーソーセージというんじゃ。
ウィンナーコーヒーってあるだろ、コーヒーに生クリーム乗せるやつ。
ウィーン式のコーヒーだからウィンナーコーヒー。
ウィーン式のソーセージはウィンナーソーセージ。
どうかね、コレ信じないかね?
ウィンナーとソーセージの違いは?って聞かれたら、教えてみ?
なんて言ってさ、その子が家に帰って母ちゃんに話して聞かせたらデタラメだってバレて。
次の日に
まーた嘘吐いたなこのジジイ!とか言われてケツ蹴られたりしてさ。
で、
わかったわかった悪かった。今度はホントだから。
あのな、キュウリあるだろ野菜の。あれ収穫しないで育て続けたのがヘチマで、それがさらに進化するとヒョウタンになるんじゃよ。
ってまた嘘ついて蹴られてやんの。
でもたまに
明治時代に国民の食生活を改善しようっていうんで羊の肉を普及させようとしたけどイマイチ流行らんくってな。でもって北海道に牧場を作ったんで今でも北海道ではその名残でジンギスカン鍋が名物なんじゃよ。
とかホントのこと言うの。
そんなことばっかり長年やってるもんで、ついたあだ名がバカ仙人。
ポンコツ仙人と割とマジで迷ってるんだけどな。どっちがいいかな。
どっちも可愛いじゃんな。
でも、長生きしてるだけで頭はたいして良くないし、なんつーか近所のご婦人方には浅からず疎まれてる雰囲気が欲しいんだよな。
さっきの坊やなんかは懐いてくれてるんだろうな、道で会ったら挨拶してくれたりしてさ。
でも中学生くらいになると大抵の子供からは見向きもされなくなって。
そんで寂しいから懐いてくる子には色々教えるんだ。嘘もホントも作り話も妄想も。
ワシのじいちゃんはドイツ人、とか。
ワシは5つ子の下から2番目だ、とか。
昔はプロレスラーでメキシコの覆面レスラーのマスクを1000枚剥がした、とか。
でもそうなると多少のドイツ語を覚えなくちゃならないし、メキシコ人レスラーの名前も覚えなくちゃならないな…まあこっちは結構知ってるしなんとかなるか。
というか外国の話ならバレねえだろっていう考えが、小学校の時ひとりは居た
「オレ、昨日ハワイ行ってきた!」
って木曜日なのに言い出す奴みてえだな。お前昨日も普通に学校来てたろって。
まあ私も
俺のばあちゃんは中国の山東省で鳳凰を乗りこなした
ってバカなこと言って、あとで吊し上げに遭ったけども。
じゃあ私のことじゃねえかそのハワイバカ。
中国的馬鹿的小学五年生の豚骨湯運搬車(とんこつタンクローリー)!
でもさ、まあ仮にホントに私が80の山羊髭の真っ白いジジイになったとしてだよ。
近所の子供を集めてお菓子配って
坊や知ってるか?昔ゃ蛇みたいなヌルヌルしてて細長い真っ黒の魚がようけ取れてな。そりゃもう美味いもんじゃった、とか言っても、もう子供たちにはそもそも伝わらないかもしれないな。
ウナギ、その頃まで食べられるのかな…ウナギが食べられるジジイで居るより、ウナギが食べられる時代である方が難しいような気がする。なくなっちゃうのかな。
だって今、5歳の私に
オイ坊や、あと30年もしたら手のひらサイズの電話でテレビも見れるし歌も聞けるし手紙も書けるし、あとお前がやってるゲームよりもっと綺麗で面白いのいっぱい出るし、その西武ライオンズのホームランバッターは逮捕されちゃうし、牛肉の刺身(当時、大好物だった)は売らなくなるし、お前がいつも遊んでる公園は閉鎖されて、その隣のジュース屋さんが入ってるビルもなくなるよ。
あと、お前、初めての彼女、ブラジル人!
って教えてやっても信じないだろ。
意外と、嘘みたいなホントの話に囲まれて生きているのかもしれないな。
そんな世俗に晒され続けてついに悟りを開いた、ワシの名はポンコツ老人バカ仙人!!
さあ今こそ青空に向かって凱旋だ!
進め!集まれ!!私こそが、バカ仙人様!!!!!
ハーーーハッハッハッハ!
アーーーハッハッハ!
あっ痛い、ケツ蹴らないで。
お菓子あげるから
どういう状態かというとまず70とか80くらいでも元気で、自分で立って歩けること。
話すことも物忘れとか都合の悪いことは忘れてるけど、まあ支障はない。
白髪でハゲてて顎ヒゲが胸まで伸びてるといいな。
カンフー映画の老師が落ちぶれたみてえな感じか。
あーでも服装は多少きちんとしておきたい。
地図の調査員なんかやってて田舎に行くと、ノーブラで白い肌着のランニングにステテコかモンペ穿いただけの婆さんが畑を耕してたりするし…そういう婆さんにはもれなく髭も生えてるから、バカ仙人がああだとすると、こっちも天女の類なのかもしれんな…夢のねえ話だな。
でさ、そういう典型的な老師(ジジイ)になったらやりたいのが、近所の子供にデタラメ教えるの。
ほら吹きジジイっていうのかな。
あれの、もっとバカなやつ。ウソとか誤解をさせるんじゃなく、デタラメ。
なんつーのかなー、いい温度の。バカな子供は信じちゃうこともあるけど、もう小学校高学年くらいになると見破られちゃうの。12歳のガキに70歳でムキになって嘘吐いてるの面白くね???
お菓子なんかあげたりしてさ。
坊や知ってるか?ウィンナーソーセージってのはな、普通のウィンナーに酢を入れたものなんじゃよ。ウィーンでは腸詰を作るときに酢を混ぜたんで、ウィンナーソーセージというんじゃ。
ウィンナーコーヒーってあるだろ、コーヒーに生クリーム乗せるやつ。
ウィーン式のコーヒーだからウィンナーコーヒー。
ウィーン式のソーセージはウィンナーソーセージ。
どうかね、コレ信じないかね?
ウィンナーとソーセージの違いは?って聞かれたら、教えてみ?
なんて言ってさ、その子が家に帰って母ちゃんに話して聞かせたらデタラメだってバレて。
次の日に
まーた嘘吐いたなこのジジイ!とか言われてケツ蹴られたりしてさ。
で、
わかったわかった悪かった。今度はホントだから。
あのな、キュウリあるだろ野菜の。あれ収穫しないで育て続けたのがヘチマで、それがさらに進化するとヒョウタンになるんじゃよ。
ってまた嘘ついて蹴られてやんの。
でもたまに
明治時代に国民の食生活を改善しようっていうんで羊の肉を普及させようとしたけどイマイチ流行らんくってな。でもって北海道に牧場を作ったんで今でも北海道ではその名残でジンギスカン鍋が名物なんじゃよ。
とかホントのこと言うの。
そんなことばっかり長年やってるもんで、ついたあだ名がバカ仙人。
ポンコツ仙人と割とマジで迷ってるんだけどな。どっちがいいかな。
どっちも可愛いじゃんな。
でも、長生きしてるだけで頭はたいして良くないし、なんつーか近所のご婦人方には浅からず疎まれてる雰囲気が欲しいんだよな。
さっきの坊やなんかは懐いてくれてるんだろうな、道で会ったら挨拶してくれたりしてさ。
でも中学生くらいになると大抵の子供からは見向きもされなくなって。
そんで寂しいから懐いてくる子には色々教えるんだ。嘘もホントも作り話も妄想も。
ワシのじいちゃんはドイツ人、とか。
ワシは5つ子の下から2番目だ、とか。
昔はプロレスラーでメキシコの覆面レスラーのマスクを1000枚剥がした、とか。
でもそうなると多少のドイツ語を覚えなくちゃならないし、メキシコ人レスラーの名前も覚えなくちゃならないな…まあこっちは結構知ってるしなんとかなるか。
というか外国の話ならバレねえだろっていう考えが、小学校の時ひとりは居た
「オレ、昨日ハワイ行ってきた!」
って木曜日なのに言い出す奴みてえだな。お前昨日も普通に学校来てたろって。
まあ私も
俺のばあちゃんは中国の山東省で鳳凰を乗りこなした
ってバカなこと言って、あとで吊し上げに遭ったけども。
じゃあ私のことじゃねえかそのハワイバカ。
中国的馬鹿的小学五年生の豚骨湯運搬車(とんこつタンクローリー)!
でもさ、まあ仮にホントに私が80の山羊髭の真っ白いジジイになったとしてだよ。
近所の子供を集めてお菓子配って
坊や知ってるか?昔ゃ蛇みたいなヌルヌルしてて細長い真っ黒の魚がようけ取れてな。そりゃもう美味いもんじゃった、とか言っても、もう子供たちにはそもそも伝わらないかもしれないな。
ウナギ、その頃まで食べられるのかな…ウナギが食べられるジジイで居るより、ウナギが食べられる時代である方が難しいような気がする。なくなっちゃうのかな。
だって今、5歳の私に
オイ坊や、あと30年もしたら手のひらサイズの電話でテレビも見れるし歌も聞けるし手紙も書けるし、あとお前がやってるゲームよりもっと綺麗で面白いのいっぱい出るし、その西武ライオンズのホームランバッターは逮捕されちゃうし、牛肉の刺身(当時、大好物だった)は売らなくなるし、お前がいつも遊んでる公園は閉鎖されて、その隣のジュース屋さんが入ってるビルもなくなるよ。
あと、お前、初めての彼女、ブラジル人!
って教えてやっても信じないだろ。
意外と、嘘みたいなホントの話に囲まれて生きているのかもしれないな。
そんな世俗に晒され続けてついに悟りを開いた、ワシの名はポンコツ老人バカ仙人!!
さあ今こそ青空に向かって凱旋だ!
進め!集まれ!!私こそが、バカ仙人様!!!!!
ハーーーハッハッハッハ!
アーーーハッハッハ!
あっ痛い、ケツ蹴らないで。
お菓子あげるから
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