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第352回。セレベスト織田信長
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と、いうマンガを皆様ご存知だろうか。
中川ホメオパシー先生のときにも書いた、おおかみ書房の劇画狼さんがツイッターで紹介してた痛快な作品。ちなみに作者のジェントルメン中村先生のツイッターでは、日本全国でセレベスト織田信長を置いている書店を紹介していたりもするので是非ご参照あれ。
その内容はというと
世は究極のお金持ち「セレベスト」たちの戦国時代。
「おもてなし」という名の決闘を日夜繰り広げているセレベスト(セレブの最上級のこと)たち。その中に我らが
織田信長
という男が居る。この信長とライバルたちが熾烈な「おもてなし」を仕掛け合う
超次元 贅沢(ラグジュアリー) 大戦
ということである。
セレベストとは、セレブのはるか上(ハイクラス)であり、現代日本で活躍する様々な業界の超・超・大金持ちのこと。
他のマンガで言えばおぼっちゃまくん、パタリロぐらいの大金持ちといえば何となく伝わるかな。
この二つの作品はどっちも超大金持ちのクソガキが巻き起こす騒動を描いたギャグマンガだけど
セレベスト織田信長
は、そんな彼らがそのまま大人になって破天荒に生きている様を描いたマンガ、って感じがする。
主人公・我らが織田信長も財団法人「第六天魔」の会長であり、歴史上の織田信長よろしく型破りで豪快。
竹を割ったようなカラっとした性格。鋭い目つきに鍛え上げられた肉体を持つTHE男の中の男。
セレベストとして、男として卓越したセンスと財力、そして体力を持つこの信長の前に個性豊かなセレベストたちが登場する。
劇中のセレベストたちはみな歴史上の人物になぞらえて描かれていて、たとえば徳川家康が愛知県にある世界ナンバーワン自動車メーカー
トヨシェ自動車
の三代目、東海の独裁者と書いて「トウカイテイオー」と読むこれまた凄まじい大金持ちだったりする。
ミドルネームにカルロス、と入っているあたり芸が細かい。
他にも戦国武将から卑弥呼、坂本龍馬に至るまでみんなえげつないぐらい個性的で濃厚なキャラクターとして登場する。
家康や足利義昭が信長と戦ったあとも行動を共にしていたりする辺り、意外と納得のキャスティング。
私が最初にハマったのは今川で、この悪趣味っぷりと信長の豪快さ。真逆の対決はセレベストの異種格闘技戦と言えた。全てを己の意のままにすることが贅沢(ラグジュアリー)であるとする今川と、己と心を交わすことこそ最高だとする信長のイデオロギーがぶつかり合い、最後は信長の茶目っ気で今川を粉砕した。この今川のキャラと負けっぷりがとても気に入ってしまったのだ。ロコココココ!
卑弥呼なんか、もう、大金持ちと超美人の二つの概念を同時に一周してしまいかえってシンプルになり過ぎてて…ああ、その発想はなかった!と思わされる。
伊集院光さんのラジオでやってた「貧しいイメージの大金持ちかるた」と同じで、やっぱり大金持ちに対するイメージってタカが知れてて、例えば第一話から超高級ワインが出てくるんだけどそこまではわかる。でも、その量だとか使い道がぶっ飛んでいる。
わかりやすい大金持ち
と
柔軟な発想
が
ぶっ飛んだギャグになる、って感じ。
柔軟どころか脳みそが全裸で、思いつくままの大金持ち像を偉人になぞらえて好き放題肥大化させたうえでちょうどいい塩梅よりちょっとやり過ぎ、ぐらいでまとめている。
ギャグマンガはやり過ぎぐらいがちょうどいい、と言うのはこれを読んでくれている皆さんの好きなギャグマンガを思い出して頂ければお分かりの通り、このセレベスト織田信長もちょうどいいやり過ぎ加減なのだ。
このマンガの特色はそれだけじゃない。
ぶっ飛んだギャグと特濃のキャラたちに独特の知性を与えているもう一つの魅力が
フリガナ
である。
例えばさきほどの家康は「東海の独裁者」と書いてトウカイテイオーと読ませたり、贅沢にラグジュアリーとフリガナがしてあったりする。
これが絶妙にして大変わかりやすい。なるほど!そう読ませるのか!!と感心するやら爆笑するやら。
たとえば光輝(ひかり)と読んだり、清純(キレ)と書いたり、所有酒(キープ)と表現したり。
場面や情緒に応じた縦横無尽のフリガナが繰り出される。
あと作者のジェントルメン中村先生はプロレスファンでもあり、プロレスメンというこれまた濃厚なマンガを描いていることから要所に
焦燥無用(トランキーロ)
という言葉が出てくる。ここはニヤリとするところ。
織田信長は織田信長で豪快にして強烈なキャラクターなのだが、戦いが終われば一人の男。
優しくてたくましく、どんな高貴な女性でも虜になり、どんな男でも友にしてしまう。
相手のおもてなしをすべて受け切ったうえでそれ以上の器を見せつけ圧倒し、最後は
ホッコリ
と笑いかける。これで歴戦のセレベストたちも、読者たちもメロメロなのだ。
ちなみに1巻で一番好きだったのは北条戦。
坊主頭から若さを吸われていた高校球児に語り掛けて神戸牛(ステーキ)を食べに行くシーン。
若さの源を奪われた北条が球児と信長に追いすがる。
「ま、待て!行くな、私の青春たちよ」
の哀れなセリフに信長はひとこと
「アンタも来るんだよ」
とホッコリ。
書いてて思ったけど、どうかしてんな…コレ…でも本当にあるんだもんこんなマンガが。
そして私はこのマンガの虜なんだもん。
生球児と書いてナマタマゴと読ませるとか脳みそのどこにレインメーカーを食らったら思いつくようになるんだろうか。
私は過去、書店で偶然
プロレスメン
というマンガを見かけたことがあった。
チラっと立ち読みをしたのだがあまりの濃厚なギャグに吹き出しそうになってしまいそれ以上読めなかった。確か控室で煮炊きしてたと思う。
その時は持ち合わせがなく、目的の本を買ってしまった。後日買いに行こうと思っていたが、次にそれを思い出した時にはもう置いてなかった。探せばあったかもしれないけど、そうしなかった自分をレッドインクで絞り上げたい気分だ。
しかし時は流れメキシコ育ちの期待の大型新人・岡田かずちか選手は今や日本プロレス界の王者オカダカズチカとして新日本プロレスに君臨した。そして世の中に普及したツイッターによって、私の目の前に再び、あの濃くて濃くて濃すぎる絵柄がセレベスト織田信長として現れた。
それをもたらしてくれたのは、またしても劇画狼さんだった!
セレベスト織田信長の紹介を見たときに、脳髄の片隅に何かがチカっと光った。
見覚えがあるような…どこかで見たような。
そして詳細を調べていくとジェントルメン中村先生の作品歴(オデッセイ)の中にあの
プロレスメン
の文字が燦然と輝いているではないか。
あの人か!!!!
迷わず買った。
少し遅れてしまったけど、その分何度も読んだ。
サイコーだった。
腋からキノコを生やす秀吉。
イタリア人の特濃フェロモンを直接浴び続ける卑弥呼。
ローションのヌルヌルで空を飛ぶ武田信玄。
いやホントだって、ホントに描いてあるんだって!
本当なんです!信じてください!!
北斗!お前は一週間の謹慎だ!!!
さあ、謹慎中にみんなで読もう!!
(by岸田森)
第2巻、信長のホッコリ男気セレベスト魂が世界に、黒船に通じるのか!?
期待が高まって仕方がない。
また一人、魔羅持(オトコ)ちを見つけてしまった…!
中川ホメオパシー先生のときにも書いた、おおかみ書房の劇画狼さんがツイッターで紹介してた痛快な作品。ちなみに作者のジェントルメン中村先生のツイッターでは、日本全国でセレベスト織田信長を置いている書店を紹介していたりもするので是非ご参照あれ。
その内容はというと
世は究極のお金持ち「セレベスト」たちの戦国時代。
「おもてなし」という名の決闘を日夜繰り広げているセレベスト(セレブの最上級のこと)たち。その中に我らが
織田信長
という男が居る。この信長とライバルたちが熾烈な「おもてなし」を仕掛け合う
超次元 贅沢(ラグジュアリー) 大戦
ということである。
セレベストとは、セレブのはるか上(ハイクラス)であり、現代日本で活躍する様々な業界の超・超・大金持ちのこと。
他のマンガで言えばおぼっちゃまくん、パタリロぐらいの大金持ちといえば何となく伝わるかな。
この二つの作品はどっちも超大金持ちのクソガキが巻き起こす騒動を描いたギャグマンガだけど
セレベスト織田信長
は、そんな彼らがそのまま大人になって破天荒に生きている様を描いたマンガ、って感じがする。
主人公・我らが織田信長も財団法人「第六天魔」の会長であり、歴史上の織田信長よろしく型破りで豪快。
竹を割ったようなカラっとした性格。鋭い目つきに鍛え上げられた肉体を持つTHE男の中の男。
セレベストとして、男として卓越したセンスと財力、そして体力を持つこの信長の前に個性豊かなセレベストたちが登場する。
劇中のセレベストたちはみな歴史上の人物になぞらえて描かれていて、たとえば徳川家康が愛知県にある世界ナンバーワン自動車メーカー
トヨシェ自動車
の三代目、東海の独裁者と書いて「トウカイテイオー」と読むこれまた凄まじい大金持ちだったりする。
ミドルネームにカルロス、と入っているあたり芸が細かい。
他にも戦国武将から卑弥呼、坂本龍馬に至るまでみんなえげつないぐらい個性的で濃厚なキャラクターとして登場する。
家康や足利義昭が信長と戦ったあとも行動を共にしていたりする辺り、意外と納得のキャスティング。
私が最初にハマったのは今川で、この悪趣味っぷりと信長の豪快さ。真逆の対決はセレベストの異種格闘技戦と言えた。全てを己の意のままにすることが贅沢(ラグジュアリー)であるとする今川と、己と心を交わすことこそ最高だとする信長のイデオロギーがぶつかり合い、最後は信長の茶目っ気で今川を粉砕した。この今川のキャラと負けっぷりがとても気に入ってしまったのだ。ロコココココ!
卑弥呼なんか、もう、大金持ちと超美人の二つの概念を同時に一周してしまいかえってシンプルになり過ぎてて…ああ、その発想はなかった!と思わされる。
伊集院光さんのラジオでやってた「貧しいイメージの大金持ちかるた」と同じで、やっぱり大金持ちに対するイメージってタカが知れてて、例えば第一話から超高級ワインが出てくるんだけどそこまではわかる。でも、その量だとか使い道がぶっ飛んでいる。
わかりやすい大金持ち
と
柔軟な発想
が
ぶっ飛んだギャグになる、って感じ。
柔軟どころか脳みそが全裸で、思いつくままの大金持ち像を偉人になぞらえて好き放題肥大化させたうえでちょうどいい塩梅よりちょっとやり過ぎ、ぐらいでまとめている。
ギャグマンガはやり過ぎぐらいがちょうどいい、と言うのはこれを読んでくれている皆さんの好きなギャグマンガを思い出して頂ければお分かりの通り、このセレベスト織田信長もちょうどいいやり過ぎ加減なのだ。
このマンガの特色はそれだけじゃない。
ぶっ飛んだギャグと特濃のキャラたちに独特の知性を与えているもう一つの魅力が
フリガナ
である。
例えばさきほどの家康は「東海の独裁者」と書いてトウカイテイオーと読ませたり、贅沢にラグジュアリーとフリガナがしてあったりする。
これが絶妙にして大変わかりやすい。なるほど!そう読ませるのか!!と感心するやら爆笑するやら。
たとえば光輝(ひかり)と読んだり、清純(キレ)と書いたり、所有酒(キープ)と表現したり。
場面や情緒に応じた縦横無尽のフリガナが繰り出される。
あと作者のジェントルメン中村先生はプロレスファンでもあり、プロレスメンというこれまた濃厚なマンガを描いていることから要所に
焦燥無用(トランキーロ)
という言葉が出てくる。ここはニヤリとするところ。
織田信長は織田信長で豪快にして強烈なキャラクターなのだが、戦いが終われば一人の男。
優しくてたくましく、どんな高貴な女性でも虜になり、どんな男でも友にしてしまう。
相手のおもてなしをすべて受け切ったうえでそれ以上の器を見せつけ圧倒し、最後は
ホッコリ
と笑いかける。これで歴戦のセレベストたちも、読者たちもメロメロなのだ。
ちなみに1巻で一番好きだったのは北条戦。
坊主頭から若さを吸われていた高校球児に語り掛けて神戸牛(ステーキ)を食べに行くシーン。
若さの源を奪われた北条が球児と信長に追いすがる。
「ま、待て!行くな、私の青春たちよ」
の哀れなセリフに信長はひとこと
「アンタも来るんだよ」
とホッコリ。
書いてて思ったけど、どうかしてんな…コレ…でも本当にあるんだもんこんなマンガが。
そして私はこのマンガの虜なんだもん。
生球児と書いてナマタマゴと読ませるとか脳みそのどこにレインメーカーを食らったら思いつくようになるんだろうか。
私は過去、書店で偶然
プロレスメン
というマンガを見かけたことがあった。
チラっと立ち読みをしたのだがあまりの濃厚なギャグに吹き出しそうになってしまいそれ以上読めなかった。確か控室で煮炊きしてたと思う。
その時は持ち合わせがなく、目的の本を買ってしまった。後日買いに行こうと思っていたが、次にそれを思い出した時にはもう置いてなかった。探せばあったかもしれないけど、そうしなかった自分をレッドインクで絞り上げたい気分だ。
しかし時は流れメキシコ育ちの期待の大型新人・岡田かずちか選手は今や日本プロレス界の王者オカダカズチカとして新日本プロレスに君臨した。そして世の中に普及したツイッターによって、私の目の前に再び、あの濃くて濃くて濃すぎる絵柄がセレベスト織田信長として現れた。
それをもたらしてくれたのは、またしても劇画狼さんだった!
セレベスト織田信長の紹介を見たときに、脳髄の片隅に何かがチカっと光った。
見覚えがあるような…どこかで見たような。
そして詳細を調べていくとジェントルメン中村先生の作品歴(オデッセイ)の中にあの
プロレスメン
の文字が燦然と輝いているではないか。
あの人か!!!!
迷わず買った。
少し遅れてしまったけど、その分何度も読んだ。
サイコーだった。
腋からキノコを生やす秀吉。
イタリア人の特濃フェロモンを直接浴び続ける卑弥呼。
ローションのヌルヌルで空を飛ぶ武田信玄。
いやホントだって、ホントに描いてあるんだって!
本当なんです!信じてください!!
北斗!お前は一週間の謹慎だ!!!
さあ、謹慎中にみんなで読もう!!
(by岸田森)
第2巻、信長のホッコリ男気セレベスト魂が世界に、黒船に通じるのか!?
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