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第330回。大晦日だよ!キッドさんといっしょ。怪獣バトル番外編
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ちょっと前に3日もかけて書いた(実際は全部1日で、もとい1時間もかからずに7000文字ぐらいかいたのを3つに分けた)のにも関わらず、大晦日ということで
大晦日と言えば格闘技!
格闘技の話は長くなる!
そうだ、大怪獣バトルだ!
大晦日らしく怪獣同士を戦わせてみよう!
と思いついちゃったんだから仕方がない。
前回は雑多な怪獣を集めて蟲毒よろしく戦わせたけど、今回はじっくりタイマン勝負をさせてみたかったので書きました。
思えば今年の2月1日からスタートしたこの
キッドさんといっしょ。
も無事に年を越しました。
毎度ありがとうございます。
2018年もよろしくお願いします。
では、ゴング!
カーン!
まず現れたのは光怪獣プリズ魔!
こいつは南極の氷の大地の奥深くで、何億年という時間をかけて凝縮された光が実体化した、いわば光の結晶体。あまりに密度が濃いために質量を持つに至ったというわけだ。
昼間は太陽光線を吸収しているため大人しく姿も消しているが、夜になると光を求めて徘徊するようになった。つまり出てくるのは夜だけ、昼間は実体がない。だって光そのものだから。
ウルトラ史上でも指折りのユニークな怪獣で、隠れた強敵と言える。
前にちらっと書いたけど、この怪獣が帰ってきたウルトラマンに負けたのは
「ウルトラマンは光属性」
であるため。つまりプリズ魔もウルトラマンも同じ属性で、そのうえでウルトラマンの方が強かったというわけ。プリズ魔の武器は結晶化光線で、こいつを浴びると光の結晶になってプリズ魔に吸収されて消えてしまうのだが、ウルトラマンはウルトラマンで猛烈な光のエネルギーを持っている。それゆえにプリズ魔の相手を光に変えてしまう光線技が効かなかったわけだ。
ちなみに凝縮された光の塊であるがゆえにものすごくカタくて、ウルトラマンが殴っても蹴飛ばしてもビクともしなかったので守りも固い。
だから、他の怪獣と戦ったらどうなるか…すごく興味がある。
でね、他の怪獣と言っても恐らくたいていの怪獣・宇宙人は光にされちゃうんですよ。
バルタン星人のスペルゲン反射板がプリズ魔の結晶化光線にも使えるのか。
キングジョーやメフィラス星人ならバリヤーで防げるのか。
色々考えましたが、私が対戦相手に選んだのは!!!
四次元怪獣ブルトン。
こいつはこいつで面白い怪獣なんだよ。
二つの隕石が合体することで化学変化を起こし巨大化。空間や物理法則そのものを捻じ曲げてしまうことすら可能な超能力の持ち主!
結晶化光線ぐらい簡単に捻じ曲げて跳ね返したり出来るのか、はたまた宇宙の物質が光に変えられてしまうとどうなるのか、興味は尽きない。
じゃあ、戦わせてみよう。
四次元怪獣ブルトン
VS
光怪獣プリズ魔
両者ともにフォルムは似ていて、ブルトンはクレーターが突き出た丸っこい感じ。
プリズ魔はいびつな正方形がいくつか積み重なったような感じ。
ブルトンはゴロゴロと器用に転がりながら移動する。プリズ魔は地面や水面を滑るようにスーッと動く。
真夜中の後楽園球場。煌々と照らすライトの下に二体の怪獣。
芝生の上を転がりながら、クレーターから触角を伸ばして四次元光線を発射するブルトン。
こいつを浴びると、戦闘機が地面を走ったり、戦車が空に飛ばされたりデタラメになってしまうのだ。
同時に結晶化光線を繰り出すプリズ魔。
マウンド上でスパークする光線と光線。
ねじ曲げられ波打つ空間の揺らぎが光の粒になって弾けて飛ぶ。
立ち上る土煙の向こうから転がり出てくるブルトンの体当たりがプリズ魔の側面にブチ当たるも、カキン!と固い音を立てただけでビクともしない。反対に光の塊に触れたため、あまりの高温でブルトンの表面が少し溶けてしまう。尚も回転運動をつづけながらプリズ魔の周囲をうかがうブルトン。プリズ魔はゆっくりと動きながらブルトンに狙いを定めている。
そのとき。
プリズ魔の頭上からスタジアムの巨大なスコアボードが落下してきた。ブルトンの空間転移により、上空100メートルの位置にスコアボードを移動させたのだ!物凄い音とともに砕け散るボード。その下で点滅を繰り返すプリズ魔。これは流石に堪えたか…と思うが早いか、周囲に散らばる瓦礫が光り始めたかと思うとスーッと跡形もなく消えていった。プリズ魔によってすべて光の結晶となり吸収されてしまったらしい。
ブルトンは尚も攻撃の手を緩めない。手、ねえけど。
サイコキネシスでプリズ魔を宙高くに飛び上がらせて、地面に叩き付けた。
ガキャン!
と音を立てて砕けるプリズ魔。ゴロゴロ転がりながら破片を潰してゆくブルトン。
踏みつけた部分が高熱で焦げて煙を上げるが、お構いなしにプリズ魔の破片を踏む、踏む。
しかし残った大部分の方が再び動き出し、スタジアムの照明や破片の高熱で発火した芝生の炎などを吸収して体力を回復してゆく。そしてついに、プリズ魔の結晶化光線がブルトンを直撃する。
赤と青のまだら模様のブルトンが虹色の光を放ちながら、じわじわと結晶に姿を変えてゆく。
下から、上から、右から、左から。七色の光が夜空に溶けて消えてゆく。と、突如
バァン!
と爆発したブルトン。
後に残った煙が晴れると、跡形もなく吹き飛んでいた。
勝ち誇るプリズ魔の背後から、後楽園スタジアムの照明塔が倒れ込んできて直撃する。
ブルトンは死んだと見せかけて、初めからそこに居たのはホログラムだったのだ。
倒れ込んだ照明塔を高熱で溶かし、結晶に変え、光を吸収して回復したプリズ魔の目(どこだ!?)は、照明塔が一つ消えたことで生まれた影の隙間に、ブルトンの本体を見つける。
自ら倒した照明塔が消えたことで発見されるという皮肉。
プリズ魔の結晶化光線が一見何もない空中でスパークし、ゴトリと音を立てて焼け焦げた芝生の上に転がった隕石型の結晶。
やがてそれは七色の光を放ちながらすーっと溶けるようにして消えてゆき、プリズ魔は夜明けの空に勝ち誇るようにして姿をくらましてしまった。また次の暗闇へ、光を探しながら。
勝者、プリズ魔!!!
お付き合いいただきありがとうございました。
また来年もよろしくお願いいたします。
大晦日と言えば格闘技!
格闘技の話は長くなる!
そうだ、大怪獣バトルだ!
大晦日らしく怪獣同士を戦わせてみよう!
と思いついちゃったんだから仕方がない。
前回は雑多な怪獣を集めて蟲毒よろしく戦わせたけど、今回はじっくりタイマン勝負をさせてみたかったので書きました。
思えば今年の2月1日からスタートしたこの
キッドさんといっしょ。
も無事に年を越しました。
毎度ありがとうございます。
2018年もよろしくお願いします。
では、ゴング!
カーン!
まず現れたのは光怪獣プリズ魔!
こいつは南極の氷の大地の奥深くで、何億年という時間をかけて凝縮された光が実体化した、いわば光の結晶体。あまりに密度が濃いために質量を持つに至ったというわけだ。
昼間は太陽光線を吸収しているため大人しく姿も消しているが、夜になると光を求めて徘徊するようになった。つまり出てくるのは夜だけ、昼間は実体がない。だって光そのものだから。
ウルトラ史上でも指折りのユニークな怪獣で、隠れた強敵と言える。
前にちらっと書いたけど、この怪獣が帰ってきたウルトラマンに負けたのは
「ウルトラマンは光属性」
であるため。つまりプリズ魔もウルトラマンも同じ属性で、そのうえでウルトラマンの方が強かったというわけ。プリズ魔の武器は結晶化光線で、こいつを浴びると光の結晶になってプリズ魔に吸収されて消えてしまうのだが、ウルトラマンはウルトラマンで猛烈な光のエネルギーを持っている。それゆえにプリズ魔の相手を光に変えてしまう光線技が効かなかったわけだ。
ちなみに凝縮された光の塊であるがゆえにものすごくカタくて、ウルトラマンが殴っても蹴飛ばしてもビクともしなかったので守りも固い。
だから、他の怪獣と戦ったらどうなるか…すごく興味がある。
でね、他の怪獣と言っても恐らくたいていの怪獣・宇宙人は光にされちゃうんですよ。
バルタン星人のスペルゲン反射板がプリズ魔の結晶化光線にも使えるのか。
キングジョーやメフィラス星人ならバリヤーで防げるのか。
色々考えましたが、私が対戦相手に選んだのは!!!
四次元怪獣ブルトン。
こいつはこいつで面白い怪獣なんだよ。
二つの隕石が合体することで化学変化を起こし巨大化。空間や物理法則そのものを捻じ曲げてしまうことすら可能な超能力の持ち主!
結晶化光線ぐらい簡単に捻じ曲げて跳ね返したり出来るのか、はたまた宇宙の物質が光に変えられてしまうとどうなるのか、興味は尽きない。
じゃあ、戦わせてみよう。
四次元怪獣ブルトン
VS
光怪獣プリズ魔
両者ともにフォルムは似ていて、ブルトンはクレーターが突き出た丸っこい感じ。
プリズ魔はいびつな正方形がいくつか積み重なったような感じ。
ブルトンはゴロゴロと器用に転がりながら移動する。プリズ魔は地面や水面を滑るようにスーッと動く。
真夜中の後楽園球場。煌々と照らすライトの下に二体の怪獣。
芝生の上を転がりながら、クレーターから触角を伸ばして四次元光線を発射するブルトン。
こいつを浴びると、戦闘機が地面を走ったり、戦車が空に飛ばされたりデタラメになってしまうのだ。
同時に結晶化光線を繰り出すプリズ魔。
マウンド上でスパークする光線と光線。
ねじ曲げられ波打つ空間の揺らぎが光の粒になって弾けて飛ぶ。
立ち上る土煙の向こうから転がり出てくるブルトンの体当たりがプリズ魔の側面にブチ当たるも、カキン!と固い音を立てただけでビクともしない。反対に光の塊に触れたため、あまりの高温でブルトンの表面が少し溶けてしまう。尚も回転運動をつづけながらプリズ魔の周囲をうかがうブルトン。プリズ魔はゆっくりと動きながらブルトンに狙いを定めている。
そのとき。
プリズ魔の頭上からスタジアムの巨大なスコアボードが落下してきた。ブルトンの空間転移により、上空100メートルの位置にスコアボードを移動させたのだ!物凄い音とともに砕け散るボード。その下で点滅を繰り返すプリズ魔。これは流石に堪えたか…と思うが早いか、周囲に散らばる瓦礫が光り始めたかと思うとスーッと跡形もなく消えていった。プリズ魔によってすべて光の結晶となり吸収されてしまったらしい。
ブルトンは尚も攻撃の手を緩めない。手、ねえけど。
サイコキネシスでプリズ魔を宙高くに飛び上がらせて、地面に叩き付けた。
ガキャン!
と音を立てて砕けるプリズ魔。ゴロゴロ転がりながら破片を潰してゆくブルトン。
踏みつけた部分が高熱で焦げて煙を上げるが、お構いなしにプリズ魔の破片を踏む、踏む。
しかし残った大部分の方が再び動き出し、スタジアムの照明や破片の高熱で発火した芝生の炎などを吸収して体力を回復してゆく。そしてついに、プリズ魔の結晶化光線がブルトンを直撃する。
赤と青のまだら模様のブルトンが虹色の光を放ちながら、じわじわと結晶に姿を変えてゆく。
下から、上から、右から、左から。七色の光が夜空に溶けて消えてゆく。と、突如
バァン!
と爆発したブルトン。
後に残った煙が晴れると、跡形もなく吹き飛んでいた。
勝ち誇るプリズ魔の背後から、後楽園スタジアムの照明塔が倒れ込んできて直撃する。
ブルトンは死んだと見せかけて、初めからそこに居たのはホログラムだったのだ。
倒れ込んだ照明塔を高熱で溶かし、結晶に変え、光を吸収して回復したプリズ魔の目(どこだ!?)は、照明塔が一つ消えたことで生まれた影の隙間に、ブルトンの本体を見つける。
自ら倒した照明塔が消えたことで発見されるという皮肉。
プリズ魔の結晶化光線が一見何もない空中でスパークし、ゴトリと音を立てて焼け焦げた芝生の上に転がった隕石型の結晶。
やがてそれは七色の光を放ちながらすーっと溶けるようにして消えてゆき、プリズ魔は夜明けの空に勝ち誇るようにして姿をくらましてしまった。また次の暗闇へ、光を探しながら。
勝者、プリズ魔!!!
お付き合いいただきありがとうございました。
また来年もよろしくお願いいたします。
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