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11月10日松山座 女子祭典観戦記第六幕
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11月10日松山座 女子祭典観戦記第六幕
セミファイナル
「豪鞭対仕破弾晃」(ごうべんついし はだんこう)
タッグマッチ30分1本勝負
松屋うの選手
フェアリー日本橋選手
VS
ミス・モンゴル選手
LINDA選手
なんか凄いカードが組まれた。
どこをどう切っても違う味がするのに、どこをどう切ってもキッチリ絵になる。
空前絶後の金太郎アメみたいな試合。
松屋うの選手はデビュー直後に一度だけ見たことがあった。その時はキャラクターが確立される前で、とにかく前に前に出るアグレッシブさを見せてくれていて、どういう選手になるかとても楽しみだったのを覚えています。
それから数年。
柔術の経験も積み、アイスリボンでトライアングルリボン王者となって堂々の登場。しかし対角線上には鞭を操る謎の美女LINDA選手と、今やインディープロレスの生き字引。対戦相手は生き地獄。ミス・モンゴル選手。これだけでも大変なのに、パートナーはよりにもよって森の妖精フェアリー日本橋選手。
個性が濃すぎて夕方の阪神高速みたいになっている。大渋滞だ。
あとはこの退廃と混沌、悪徳と野心の坩堝から誰が一番に弾け出すか。
その一点にかかっているといっても過言ではない。
フェアリー日本橋選手はデビュー以来何度も見てきた選手で、見るたびお綺麗になっているしいつも変わらないようでいていつもちょっとずつ変化を入れてくる。
大阪女子プロレス所属当時はニコニコプロレスチャンネルやGyao!でやってたWAVEさんの再放送でも試合が見れた。渋谷シュウさんの引退前のシングルとか、ダイナマイト関西さんも巻き込んでのフェアリットファミリーなどなど常に注目の的だったし、摩訶不思議なフェアリーワールド全開で見ていて飽きなかった。
フリーになってからもその妖精ぶりは衰えるどころか拍車がかかり
ああ、後ろ盾を失くしたんじゃなく止めてくれる人がいなくなったんだ
と、あのおっとりした狂気に歯止めが効かなくなったことを喜んでいた次第です。
今回もタオルを買わせていただきました。実は前回買いたかったのだけれど売店に見当たらなかったので、今度こそ!と思っていました。黄色くて可愛いタオル。
その日ラス1だったそうで、いいことがありますよ!とフェアリーさんの太鼓判。
色んな人が撮った写真に、そのタオルを首からかけてスマホで写真を撮りまくっている素の私が写っていた。
そういえば高校生のころ、地元の体育館でプロレスを見ていたら同級生が来ていて、
カメラをぶら下げて試合中ずっと写真を撮りつつ休憩中は会場のマニア仲間のオッサン方と談笑し売店に並ぶ佐野君
の一部始終を目撃されていたことがあった。学校にいるときと打って変わってのマニアぶりにドン引きされていたものだった…。尾上君、山田君、私はその後15年近く経っても変わっていないようだよ…
試合は、やはり悪党歴がそのままプロレス歴と言えるミス・モンゴル選手が強い。巨体とキャリアに裏打ちされた狡猾さ、国内外で様々な団体を渡り歩いた実力を遺憾なく発揮する。私が初めてミス・モンゴル選手を見たのは古いFMWのビデオだったと思う。それから、ECWジャパンの時も出ていた。
フェアリー日本橋選手とミス・モンゴル選手。水と油どころか魔法の薬とニトログリセリンみたいな組み合わせ。お馴染みのステップで自己紹介するフェアリー選手の背中を鞭で一撃。バッシーン!と凄まじい音がする。
LINDA選手もすかさず加勢し松屋うの選手もろとも蹴散らしてさっそくフェアリー選手に狙いを定めるとダブルで鞭をお見舞いしコーナーで串刺し攻撃。
こうやるんだよ!
とミス・モンゴル選手が豪快なお手本とばかりに体重の乗ったブロンコバスターを一撃。その後もフェアリー選手を捕まえて攻め立てるもやられてばかりじゃいられない。
LINDA選手を逆に捕まえてダブルのサブミッションやロープに磔にして顔面を攻めるなどお返しだ。その後はこれまた恒例の魔法タイム…でも、LINDA選手にはかからない。
そこで松屋うの選手がお手本?を見せ、続いてレフェリーのフルスイング岩田さんまで吹っ飛ばされて見事な受け身を取る。観念したかLINDA選手も魔法にかかり、さあ御大の登場。しかし、ミス・モンゴル選手には通じない。
そこでフェアリー日本橋選手がひとこと
「重量オーバーね」
これにはモンゴル選手も大激怒。フェアリー選手に掴みかかるも逆に松屋選手が羽交い締めにし、会場のお客さんからもパワーを集め元気玉の要領で遂にミス・モンゴル選手を魔法の餌食に。お客さんも、セコンドの皆さんも、みんなが一つになった瞬間だった。
その後も松屋選手に魔法をかけて攻撃をするコンビネーションを見せるなど独特のムードを作るも、モンゴル選手は二人まとめて圧殺。そのまま攻めるかと思いきや同士討ちの隙を突かれて松屋うの選手の丸め込みがズバリ決まって惜しくも敗北。
個人的に、LINDA選手はもっとじっくり見てみたいし、選手としてはもとより昔のアメリカンプロレスみたいな試合に介入するマネージャーみたいになってもいいと思いました。あのキャラ、あのプロポーション、あの武器。とても良いものを持っているのでこれからまた見られるのが楽しみです。
松屋うの選手がこの状況、このラインナップにしっかり順応していたのは、日ごろのアイスリボンさんが如何に個性豊かで、様々なシチュエーションで試合をしてきたかと言う現れなのだろうなと思います。
この試合は、異彩しか放たず異才しか属さない松山座においてもある意味狂いまくってて、でも明るくて笑えるという一種異様な状況がずっと続いていて。それを無意識のうちにお客さんも受け入れてフツーに楽しんでいた、という物凄い状況だったと言える。後でよく考えてみたらとんでもない人間が3人と森の妖精さんがひとり登場したとんでもない演目だったのだと気が付いて、また松山座が好きになる。
セミファイナル
「豪鞭対仕破弾晃」(ごうべんついし はだんこう)
タッグマッチ30分1本勝負
松屋うの選手
フェアリー日本橋選手
VS
ミス・モンゴル選手
LINDA選手
なんか凄いカードが組まれた。
どこをどう切っても違う味がするのに、どこをどう切ってもキッチリ絵になる。
空前絶後の金太郎アメみたいな試合。
松屋うの選手はデビュー直後に一度だけ見たことがあった。その時はキャラクターが確立される前で、とにかく前に前に出るアグレッシブさを見せてくれていて、どういう選手になるかとても楽しみだったのを覚えています。
それから数年。
柔術の経験も積み、アイスリボンでトライアングルリボン王者となって堂々の登場。しかし対角線上には鞭を操る謎の美女LINDA選手と、今やインディープロレスの生き字引。対戦相手は生き地獄。ミス・モンゴル選手。これだけでも大変なのに、パートナーはよりにもよって森の妖精フェアリー日本橋選手。
個性が濃すぎて夕方の阪神高速みたいになっている。大渋滞だ。
あとはこの退廃と混沌、悪徳と野心の坩堝から誰が一番に弾け出すか。
その一点にかかっているといっても過言ではない。
フェアリー日本橋選手はデビュー以来何度も見てきた選手で、見るたびお綺麗になっているしいつも変わらないようでいていつもちょっとずつ変化を入れてくる。
大阪女子プロレス所属当時はニコニコプロレスチャンネルやGyao!でやってたWAVEさんの再放送でも試合が見れた。渋谷シュウさんの引退前のシングルとか、ダイナマイト関西さんも巻き込んでのフェアリットファミリーなどなど常に注目の的だったし、摩訶不思議なフェアリーワールド全開で見ていて飽きなかった。
フリーになってからもその妖精ぶりは衰えるどころか拍車がかかり
ああ、後ろ盾を失くしたんじゃなく止めてくれる人がいなくなったんだ
と、あのおっとりした狂気に歯止めが効かなくなったことを喜んでいた次第です。
今回もタオルを買わせていただきました。実は前回買いたかったのだけれど売店に見当たらなかったので、今度こそ!と思っていました。黄色くて可愛いタオル。
その日ラス1だったそうで、いいことがありますよ!とフェアリーさんの太鼓判。
色んな人が撮った写真に、そのタオルを首からかけてスマホで写真を撮りまくっている素の私が写っていた。
そういえば高校生のころ、地元の体育館でプロレスを見ていたら同級生が来ていて、
カメラをぶら下げて試合中ずっと写真を撮りつつ休憩中は会場のマニア仲間のオッサン方と談笑し売店に並ぶ佐野君
の一部始終を目撃されていたことがあった。学校にいるときと打って変わってのマニアぶりにドン引きされていたものだった…。尾上君、山田君、私はその後15年近く経っても変わっていないようだよ…
試合は、やはり悪党歴がそのままプロレス歴と言えるミス・モンゴル選手が強い。巨体とキャリアに裏打ちされた狡猾さ、国内外で様々な団体を渡り歩いた実力を遺憾なく発揮する。私が初めてミス・モンゴル選手を見たのは古いFMWのビデオだったと思う。それから、ECWジャパンの時も出ていた。
フェアリー日本橋選手とミス・モンゴル選手。水と油どころか魔法の薬とニトログリセリンみたいな組み合わせ。お馴染みのステップで自己紹介するフェアリー選手の背中を鞭で一撃。バッシーン!と凄まじい音がする。
LINDA選手もすかさず加勢し松屋うの選手もろとも蹴散らしてさっそくフェアリー選手に狙いを定めるとダブルで鞭をお見舞いしコーナーで串刺し攻撃。
こうやるんだよ!
とミス・モンゴル選手が豪快なお手本とばかりに体重の乗ったブロンコバスターを一撃。その後もフェアリー選手を捕まえて攻め立てるもやられてばかりじゃいられない。
LINDA選手を逆に捕まえてダブルのサブミッションやロープに磔にして顔面を攻めるなどお返しだ。その後はこれまた恒例の魔法タイム…でも、LINDA選手にはかからない。
そこで松屋うの選手がお手本?を見せ、続いてレフェリーのフルスイング岩田さんまで吹っ飛ばされて見事な受け身を取る。観念したかLINDA選手も魔法にかかり、さあ御大の登場。しかし、ミス・モンゴル選手には通じない。
そこでフェアリー日本橋選手がひとこと
「重量オーバーね」
これにはモンゴル選手も大激怒。フェアリー選手に掴みかかるも逆に松屋選手が羽交い締めにし、会場のお客さんからもパワーを集め元気玉の要領で遂にミス・モンゴル選手を魔法の餌食に。お客さんも、セコンドの皆さんも、みんなが一つになった瞬間だった。
その後も松屋選手に魔法をかけて攻撃をするコンビネーションを見せるなど独特のムードを作るも、モンゴル選手は二人まとめて圧殺。そのまま攻めるかと思いきや同士討ちの隙を突かれて松屋うの選手の丸め込みがズバリ決まって惜しくも敗北。
個人的に、LINDA選手はもっとじっくり見てみたいし、選手としてはもとより昔のアメリカンプロレスみたいな試合に介入するマネージャーみたいになってもいいと思いました。あのキャラ、あのプロポーション、あの武器。とても良いものを持っているのでこれからまた見られるのが楽しみです。
松屋うの選手がこの状況、このラインナップにしっかり順応していたのは、日ごろのアイスリボンさんが如何に個性豊かで、様々なシチュエーションで試合をしてきたかと言う現れなのだろうなと思います。
この試合は、異彩しか放たず異才しか属さない松山座においてもある意味狂いまくってて、でも明るくて笑えるという一種異様な状況がずっと続いていて。それを無意識のうちにお客さんも受け入れてフツーに楽しんでいた、という物凄い状況だったと言える。後でよく考えてみたらとんでもない人間が3人と森の妖精さんがひとり登場したとんでもない演目だったのだと気が付いて、また松山座が好きになる。
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