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#いいねの数だけ好きな映画を言う見た人もやりましょう拒否権はない その3
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鉄コン筋クリート
これはエガちゃんがPPPするぞ!で紹介してて、見てみようと思った映画(エィガ)だった。何しろ絵柄といい声優といい、
金髪マッシュルーム頭でデカい丸眼鏡でおちょぼ口、緑色の服着てスキニーで下品なフェラチオしそうな奴
が好きそうな映画だなっていうド偏見を持ってしまったばっかりに…
結論から言うとすげえ面白かった。大好きな映画だった。
あと金髪マッシュルーム頭でも相手してくれるなら是非っていうのも誤解のないように言っておく必要が…あるのか?あるな。ウン。
蒼井優さんはアレやっててどんな顔してたんだろう。シロが狂ってくあのシーンは本当に迫力があったし、あの映画の青い空とごちゃごちゃした街並みは圧巻だし、それが最後はぐっちゃぐちゃになっていくのも凄まじい。アニメーションでしか出来ない映像表現というのはまさにあれが一つの答えなんじゃなかろうか。
アニメーションならではの迫力、アニメじゃなきゃ見られない映像があそこにぎゅっと凝縮されて画面から放出されていた気がする。
序盤のヤクザもんの話もフツーに面白いし、前半と後半で別の話を同じ主人公がやってるみたいで、そこも面白いポイントでした。
8
未来世紀ブラジル
テリー・ギリアム監督の傑作。SFで近未来でディストピア。
デジタルが発達しなかった世界の21世紀って感じがする。その代わりに発達して国中に張り巡らされたのはアナログの極致。パイプ、通風孔、ダクト。
これが至る所に張り巡らされて、空調や郵便や通信など色んなインフラとなって利用されている。無数のタイプライターと人員がスシ詰めになっている役所のなかを、手紙や書簡を持って走り回る小間使いの子供たち。
背広を着たオッサン、お兄さんがワラワラやってくる巨大な役所。
そこに勤める一人の男が、夢で見た女性に恋をした。そして世界は狂い始めた。
仕事は退屈だけど生活に過不足は無く、親が資産家なので不安もない。
だけど周囲は出世しろ、という。
煩雑な手続きと法律で雁字搦めになった世の中。
料理の写真のついたフタをあけたら、その味や栄養を再現したであろう粘土みたいな食事が出てくるのなんかは今でもそうで。
サラダチキンなんか、もうそれに近いじゃん。成型肉に味を付けて、パッケージにだけ如何にもサラダな絵を描いてさ。私もアレよく食べてるし別に普通に美味しいけど、もう鶏肉じゃなくてもよくなって、鶏肉と同じかそれ以上に効率のいいタンパク質を摂るための食いものになったらいよいよだな、と。
あの映画が作られたのはもう30年ぐらい前のことだけど、今になって痛いぐらい当てはまっちゃうこといっぱいあると思うよ。
制度や仕組み、法律なんて可愛いもんで、情緒や感情論にまで支配されて世の中がコロコロ動いちゃうとかフツーに考えて怖すぎじゃん。
誰かさんのお気に召さないからそれはやめて、やめろ、やめさせろ!
って。そういう意味でもあの映画は見るたびに不気味で恐ろしい作品になっていく気がする。
9
レスラー
ミッキー・ロークが復活を遂げた、と言われる名作プロレス映画。
正直、私はミッキー・ロークそこまで詳しくないんでそこはあんまりピンと来ない。でもミッキー・ロークは知らなくても、あんな感じのレスラーはきっと沢山いたのだろうなというのはイメージしやすい。
ザ・グレート・サスケ先生が
これは私の映画だ!!
と天啓を受け、ランディモデルのコスチュームは言うに及ばず自らをランディだと言い張り、しまいには
俺はみちのくプロレスに居場所がない…
とスーパーマーケットならぬ中華まん屋さんでバイトを始める始末。
あの人は昔からそういう人だけど、それにしたってあの映画は
トシだけ取ってもまだガキのつもりでいるいい歳こいたオトコ
には刺さることこの上ない。
サスケ先生も、あの頃はおそらくレスラーとして下り坂にあったのだと思われる。私たちファンが思う
東北の英雄ザ・グレート・サスケ
ではなく、一人の傷つき年老いた男としての自分を見つめていたのだろう。
そんな時に、あの映画に出会った。サスケ先生の中で新しい何かがSPARKした。結果としてあの映画にハマってからサスケ先生は再び息を吹き返した。
ランディバージョンのコスチュームとその振る舞いも好評で、それまでノースリーブのコスチュームだったのをビルドアップした上半身を露出したものに変わり、それが現在まで続いている。
ちなみに翌年はアンヴィルという映画にハマり、これまたひと騒動起こしている。でもやっぱりランディほどのインパクトは与えられなかったと思う。
そのぐらい、あの映画がパワーを発揮するのは40歳とか50歳ぐらいの人に対してなんだと思う。
全盛期はとっくに過ぎて、今でも好きでやめられないけど、生活は二進も三進も行かなくなってしまい世間からは忘れられてゆくばかり。
昔は良かった、と思いながら今を過ごすことほど疲れることはない。
だけどそれしか方法がない。
とことん後ろ向きになっていたランディに久々の大舞台がやってくる。
しかし体はすでに限界を迎えつつあり、医者からは引退を勧告される。
ランディは生活を立て直し、離婚で疎遠になっていた娘との関係を修復し、なじみのストリッパーとの将来を考え始める。
が、全部ダメ。結局自分はランディとして生きるしかないんだ、そう思って試合に臨む。
そして最後の最後、自分の一番の見せ場がやってくる。しかし…
とまあそういう感じ。細かいところは是非自分で見て確かめてほしい。
そんな古いレスラーを嫌いになれない自分がいるし、ああはなりたくない、と思う自分もいる。でも、嫌いになれないのも、なりたくない、と思うのも、まだ自分がその年、その境地に達していないからだろう。
自分で自分の人生のピークを考えて決めてしまったら、絶対にその先にそれ以上のいいことなんか起こらないと思ってしまう。だからこそ、前を向いて歩かなきゃならない。後ろを向いてても通り過ぎてゆくものしか目に入らないし、それを追いかけることも出来ないから。あの映画が教えてくれるのは、そういう生き方なのかもしれない。
鉄コン筋クリート
これはエガちゃんがPPPするぞ!で紹介してて、見てみようと思った映画(エィガ)だった。何しろ絵柄といい声優といい、
金髪マッシュルーム頭でデカい丸眼鏡でおちょぼ口、緑色の服着てスキニーで下品なフェラチオしそうな奴
が好きそうな映画だなっていうド偏見を持ってしまったばっかりに…
結論から言うとすげえ面白かった。大好きな映画だった。
あと金髪マッシュルーム頭でも相手してくれるなら是非っていうのも誤解のないように言っておく必要が…あるのか?あるな。ウン。
蒼井優さんはアレやっててどんな顔してたんだろう。シロが狂ってくあのシーンは本当に迫力があったし、あの映画の青い空とごちゃごちゃした街並みは圧巻だし、それが最後はぐっちゃぐちゃになっていくのも凄まじい。アニメーションでしか出来ない映像表現というのはまさにあれが一つの答えなんじゃなかろうか。
アニメーションならではの迫力、アニメじゃなきゃ見られない映像があそこにぎゅっと凝縮されて画面から放出されていた気がする。
序盤のヤクザもんの話もフツーに面白いし、前半と後半で別の話を同じ主人公がやってるみたいで、そこも面白いポイントでした。
8
未来世紀ブラジル
テリー・ギリアム監督の傑作。SFで近未来でディストピア。
デジタルが発達しなかった世界の21世紀って感じがする。その代わりに発達して国中に張り巡らされたのはアナログの極致。パイプ、通風孔、ダクト。
これが至る所に張り巡らされて、空調や郵便や通信など色んなインフラとなって利用されている。無数のタイプライターと人員がスシ詰めになっている役所のなかを、手紙や書簡を持って走り回る小間使いの子供たち。
背広を着たオッサン、お兄さんがワラワラやってくる巨大な役所。
そこに勤める一人の男が、夢で見た女性に恋をした。そして世界は狂い始めた。
仕事は退屈だけど生活に過不足は無く、親が資産家なので不安もない。
だけど周囲は出世しろ、という。
煩雑な手続きと法律で雁字搦めになった世の中。
料理の写真のついたフタをあけたら、その味や栄養を再現したであろう粘土みたいな食事が出てくるのなんかは今でもそうで。
サラダチキンなんか、もうそれに近いじゃん。成型肉に味を付けて、パッケージにだけ如何にもサラダな絵を描いてさ。私もアレよく食べてるし別に普通に美味しいけど、もう鶏肉じゃなくてもよくなって、鶏肉と同じかそれ以上に効率のいいタンパク質を摂るための食いものになったらいよいよだな、と。
あの映画が作られたのはもう30年ぐらい前のことだけど、今になって痛いぐらい当てはまっちゃうこといっぱいあると思うよ。
制度や仕組み、法律なんて可愛いもんで、情緒や感情論にまで支配されて世の中がコロコロ動いちゃうとかフツーに考えて怖すぎじゃん。
誰かさんのお気に召さないからそれはやめて、やめろ、やめさせろ!
って。そういう意味でもあの映画は見るたびに不気味で恐ろしい作品になっていく気がする。
9
レスラー
ミッキー・ロークが復活を遂げた、と言われる名作プロレス映画。
正直、私はミッキー・ロークそこまで詳しくないんでそこはあんまりピンと来ない。でもミッキー・ロークは知らなくても、あんな感じのレスラーはきっと沢山いたのだろうなというのはイメージしやすい。
ザ・グレート・サスケ先生が
これは私の映画だ!!
と天啓を受け、ランディモデルのコスチュームは言うに及ばず自らをランディだと言い張り、しまいには
俺はみちのくプロレスに居場所がない…
とスーパーマーケットならぬ中華まん屋さんでバイトを始める始末。
あの人は昔からそういう人だけど、それにしたってあの映画は
トシだけ取ってもまだガキのつもりでいるいい歳こいたオトコ
には刺さることこの上ない。
サスケ先生も、あの頃はおそらくレスラーとして下り坂にあったのだと思われる。私たちファンが思う
東北の英雄ザ・グレート・サスケ
ではなく、一人の傷つき年老いた男としての自分を見つめていたのだろう。
そんな時に、あの映画に出会った。サスケ先生の中で新しい何かがSPARKした。結果としてあの映画にハマってからサスケ先生は再び息を吹き返した。
ランディバージョンのコスチュームとその振る舞いも好評で、それまでノースリーブのコスチュームだったのをビルドアップした上半身を露出したものに変わり、それが現在まで続いている。
ちなみに翌年はアンヴィルという映画にハマり、これまたひと騒動起こしている。でもやっぱりランディほどのインパクトは与えられなかったと思う。
そのぐらい、あの映画がパワーを発揮するのは40歳とか50歳ぐらいの人に対してなんだと思う。
全盛期はとっくに過ぎて、今でも好きでやめられないけど、生活は二進も三進も行かなくなってしまい世間からは忘れられてゆくばかり。
昔は良かった、と思いながら今を過ごすことほど疲れることはない。
だけどそれしか方法がない。
とことん後ろ向きになっていたランディに久々の大舞台がやってくる。
しかし体はすでに限界を迎えつつあり、医者からは引退を勧告される。
ランディは生活を立て直し、離婚で疎遠になっていた娘との関係を修復し、なじみのストリッパーとの将来を考え始める。
が、全部ダメ。結局自分はランディとして生きるしかないんだ、そう思って試合に臨む。
そして最後の最後、自分の一番の見せ場がやってくる。しかし…
とまあそういう感じ。細かいところは是非自分で見て確かめてほしい。
そんな古いレスラーを嫌いになれない自分がいるし、ああはなりたくない、と思う自分もいる。でも、嫌いになれないのも、なりたくない、と思うのも、まだ自分がその年、その境地に達していないからだろう。
自分で自分の人生のピークを考えて決めてしまったら、絶対にその先にそれ以上のいいことなんか起こらないと思ってしまう。だからこそ、前を向いて歩かなきゃならない。後ろを向いてても通り過ぎてゆくものしか目に入らないし、それを追いかけることも出来ないから。あの映画が教えてくれるのは、そういう生き方なのかもしれない。
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