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第250回。ハムスターの息子に産まれて良かったさんに出会えて良かった
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ツイッターにはまだまだスゴイ人がいるもので。
ハムスターの息子に産まれて良かったさん、という方を最近知った。
なんだかすごいフレーズだがそういうお名前なのだ。
略すとハ息子、ということになるらしい。若い女性の方で大変美人だ。
しかし、その作品は猛烈な混沌と浄化が混在して、見ていると心の奥底が溶けて穴が開いてしまいそうになるものばかりだった。初めて作品を目にした瞬間から魅了されている。
それはトイレの擬人化だったり、三者三様のトイレだったり、虹や極彩色を用いた体液をまき散らす女の子、蝶の羽根を生やしたまま堕ちた少女、などなど色んな世界があふれている。言葉で言い表すのは非常に困難だけど、じっと見るのは全然嫌ではない。むしろ細かいところまで見ると、文字や文章が崩れて仕込まれていたりして芸も細かい。
「ハムスターの息子に産まれて良かったさん」は「単なるおかしいひと」ではなく、ちゃんと作品を仕上げている立派な芸術家だ。このごく危ういバランス感覚がたまらなく愛おしい。
ご本人がツイッターに書いていることが全部ほんとだとしてもそうでなくても、それらをパワーにして作品に閉じ込め、詰め込んで詰め込んで圧縮されたナニカが見るものに向かって一気に解放されて飛び込んでくる。もしくは、音もなく忍び寄っていつの間にか肺の中がいっぱいになってしまう。
精神、宗教、障害、背骨、教育、嗜好、性、愛撫、ハ息子さんは常日頃から色々な言葉を発している。欲望や劣情にさらされながら、それすらも画材や題材に変えてしまってくれそうな。そんな期待を勝手に抱いている私は、今のところ大した手助けも何も出来ていない。もっとこの先、色んなグッズの通販とか、イベントに参加出来れば是非彼女のイラストをそばに置いてみたいと思っている。ポストカードとか作ったら絶対買うので、その裏面に私がさらに珍文奇文珍言妄言を書き連ねて送り付けるというのもいいかもしれない。蛇にあんよが200本ぐらい生えたものになると思うけど。
私が一番好きなのは、若い母親がトイレに座ってファストフードの食べかすと空き容器を放り出し、子供シートで泣き喚く(床に落ちたお人形を拾って欲しいらしい)小さな女の子をほったらかしてスマホをにらんでいる、という作品。3つのトイレが並んでいるうちの真ん中に書かれていたり、これだけ大きく載せてあったりする。
両隣のトイレは成長期で不安定かつ寂し気で危なっかしい女子が描かれているけど、この真ん中だけは粗雑なギャルママがふてぶてしく座っている。トイレにジャンクフード、溢れるゴミ箱、泣き喚く子供。ああ、このギャルママの家はいつもこうなんだな、と思わせる心地よい嫌な予感。
ハ息子さんの作品から漂っているのは、恐らく
形容しがたい感情をディフォルメした
ことによる違和感と既視感の合わせ技なのだと思う。この気持ちを思い描いたことはあるけど、形には出来ないことがわかっているだけに目の前に現出した作品を直視できない。じっくり見ると目玉が溶けてたり内臓にネジが食い込んでたり瞳の色が玉虫色だったりするだけではない、もっと見えない何かが違和感を放っている。それが、その形容しがたい感情のディフォルメなのだと思う。
部屋のいちばんイイ場所には飾れない。だけど、引き出しに入れておいて折に触れて眺めるのには最適な作家さんだと思う。
どんなヒトで、どんな声で、いつも何を考えているのだろう。とても気になる人だ。
ハムスターの息子に産まれて良かったさん、という方を最近知った。
なんだかすごいフレーズだがそういうお名前なのだ。
略すとハ息子、ということになるらしい。若い女性の方で大変美人だ。
しかし、その作品は猛烈な混沌と浄化が混在して、見ていると心の奥底が溶けて穴が開いてしまいそうになるものばかりだった。初めて作品を目にした瞬間から魅了されている。
それはトイレの擬人化だったり、三者三様のトイレだったり、虹や極彩色を用いた体液をまき散らす女の子、蝶の羽根を生やしたまま堕ちた少女、などなど色んな世界があふれている。言葉で言い表すのは非常に困難だけど、じっと見るのは全然嫌ではない。むしろ細かいところまで見ると、文字や文章が崩れて仕込まれていたりして芸も細かい。
「ハムスターの息子に産まれて良かったさん」は「単なるおかしいひと」ではなく、ちゃんと作品を仕上げている立派な芸術家だ。このごく危ういバランス感覚がたまらなく愛おしい。
ご本人がツイッターに書いていることが全部ほんとだとしてもそうでなくても、それらをパワーにして作品に閉じ込め、詰め込んで詰め込んで圧縮されたナニカが見るものに向かって一気に解放されて飛び込んでくる。もしくは、音もなく忍び寄っていつの間にか肺の中がいっぱいになってしまう。
精神、宗教、障害、背骨、教育、嗜好、性、愛撫、ハ息子さんは常日頃から色々な言葉を発している。欲望や劣情にさらされながら、それすらも画材や題材に変えてしまってくれそうな。そんな期待を勝手に抱いている私は、今のところ大した手助けも何も出来ていない。もっとこの先、色んなグッズの通販とか、イベントに参加出来れば是非彼女のイラストをそばに置いてみたいと思っている。ポストカードとか作ったら絶対買うので、その裏面に私がさらに珍文奇文珍言妄言を書き連ねて送り付けるというのもいいかもしれない。蛇にあんよが200本ぐらい生えたものになると思うけど。
私が一番好きなのは、若い母親がトイレに座ってファストフードの食べかすと空き容器を放り出し、子供シートで泣き喚く(床に落ちたお人形を拾って欲しいらしい)小さな女の子をほったらかしてスマホをにらんでいる、という作品。3つのトイレが並んでいるうちの真ん中に書かれていたり、これだけ大きく載せてあったりする。
両隣のトイレは成長期で不安定かつ寂し気で危なっかしい女子が描かれているけど、この真ん中だけは粗雑なギャルママがふてぶてしく座っている。トイレにジャンクフード、溢れるゴミ箱、泣き喚く子供。ああ、このギャルママの家はいつもこうなんだな、と思わせる心地よい嫌な予感。
ハ息子さんの作品から漂っているのは、恐らく
形容しがたい感情をディフォルメした
ことによる違和感と既視感の合わせ技なのだと思う。この気持ちを思い描いたことはあるけど、形には出来ないことがわかっているだけに目の前に現出した作品を直視できない。じっくり見ると目玉が溶けてたり内臓にネジが食い込んでたり瞳の色が玉虫色だったりするだけではない、もっと見えない何かが違和感を放っている。それが、その形容しがたい感情のディフォルメなのだと思う。
部屋のいちばんイイ場所には飾れない。だけど、引き出しに入れておいて折に触れて眺めるのには最適な作家さんだと思う。
どんなヒトで、どんな声で、いつも何を考えているのだろう。とても気になる人だ。
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