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第231回。チャリの話

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掲載日2017年 09月23日 01時00分

たまに街で見かけるのだけど、ぶっといタイヤのチャリが流行っているのか?
なんつーのアレ。
クラスに一人は居る、結構可愛いのにお手入れとかしてなくて、素朴な所も可愛いんだけど眉毛のぶっといサヨコちゃんみたいなタイヤ。
そういう女の子は夏服になると腋毛の剃り残しが…

チャリとかいいから、もう私にまたがって欲しいよね。そんなもんわ。
あなたの馬になりたい。
うるさいこの豚野郎!!


あのさあ、見るからにSっぽい女性を見ると脊髄反射で
踏まれたい
いじめられたい
とか言う男なんなの!?
そんななんの捻りも無く相手されたい、しかも無料でとか頭おかしいだろ!
まあおかしいから、ツイッターですぐそういうDM送ったりするんだろうけど。

あのなあ、見た目Sっぽくてツンとしてる人がホントはMだった時の方が興奮しねえか?
だいたいそういうSっぽい人に
踏まれたい
いじめられたい
って言っときゃセックスにありつけるかも、な、その物凄くつまらないあわよくば精神がイケ好かねえ!
Sっぽくて、キツい人だなって思ってたのがいざとなったら物凄いMだった!の方がなんかいいじゃん!

同意は要らねえ、でもそういう女性には出くわしたい。
お前もお前で考えが甘いわ。甘すぎて糖が出るわ。スイート尿病になりそうだ。

何の話だっけ。
チャリだよチャリ。戻ってきたなあ、もうダメかと思った。
話は戻ったけど下品な記事だと思ってどっか行っちゃった人とか居るんだろうな。
正解。

でさ、チャリ。
小学校高学年の頃、同じ学年に友達が一人もいなかった時期が2年ぐらいあるので、その間しょっちゅうチャリに乗ってどこぞを走っていた。子供一人で危ないと思うけど、あの当時は学校にも家にも居場所は無かったし、自転車で知らない街や道や山や海や川に出掛けて、カセットテープのウォークマンでイエローモンキーを聞いている時間が物凄く幸せだった。あの時ずっと聞いてた球根って歌のサビと、夕暮れて黄色くなった冬の初めごろの河原のもの寂しい風景が、今でも夢に出てくるし鮮明に思い出せる。

今じゃ法律でもダメだけど、昔よくやってたなと思うわ、自転車でウォークマン。
怖くてよーやらんわ今なんか。
普通にやってる人見ると、こっちが怖いもん。
精神的に不安的なときに、たまに車に乗ってても音楽聞いてるのが怖いときあったりするし。

でもよく考えたら、小6の図体だけデカいガキがウォークマンと財布だけぽっけに入れてチャリで30キロも40キロも先の見知らぬ街のジャスコで平日のド昼にたこ焼き食ってたら、精神不安定どころか無人島で遭難してるレベルで心のSOS垂れ流してるって話だわな。
よく立ち直ったなあ私…。

周りに優しくてステキな大人が多かったお陰だな。

お陰で今は私も、インターネットで全世界に向かってパッと見Sっぽいキツめの顔に黒いソバージュのむっちりしたお姉さんがイザとなったら物凄いMだったらどんなにいいか!を力説する素敵な大人になりました。ご立派!

なわけねえだろ。
あの頃さ、知らない街で知らない人と友達になったり仲良くなったり、あと知らないおばあちゃんに食べ物やお菓子を貰ったりすることは得意だった(コレは今でも割と得意なつもりだ)んだけど、そうやって自分のことを何も知らない人と楽しく過ごした後って寂しいんだよな。
向こうにも向こうの事情はあったんだろうけど、あの頃そうやって楽しかったあとに考えてたのは
彼らは私が普段どういう扱いを受けているのか
私がどういう態度で他人と接しているのか
を知らないから、ああやって優しくしてくれたのかな…ってな感じで。
失礼極まりないのはわかるんだけど、でも頭の片隅に少しでも芽生えたそんな後ろ向きに伸び始めた
「心配タケノコ」
の成長を止めることは出来なくって。

いや今でも出来てない気はするけど、少なくとも成長は遅くなった気がする。
心の竹藪がざわざわ揺れると、心配タケノコがニョキニョキ伸びるんだよ。
というか心配タケノコがどんどん生えて、心の竹藪になった気がする。

今でもどこかで枯れかかっているのか青々としてやがるのかわからないけど、心の竹藪が残っているのかな。それは多分、精神世界の里山みたいなもので。
楽しかったことも辛かったこともそれぞれ色んな場所に飾ったり流れたり埋められたりしてると思うんだ。竹藪はね、もう多分精神世界の心の竹藪のモデルになった場所は、区画整理でなくなってるんだ。あの川っぺりの、急な坂道を降りきった先がいきなり開けてて、草ぼうぼうの川沿いの土手道から眺めた黄色い時間の小さな竹藪。上手く描けないけど、土手より少し低いところ、川が増水すると水が浸かっちゃうようなところにあった竹藪なんだよ。淡い褐色、というのか、記憶の中の色彩はそんな感じだ。
そこを、小学6年の私がイヤホンでイエモンを聞きながらチャリ漕いで走っていく。

どこへ行くんだか、機嫌が良さそうに。

ちゃんと戻って来いよ。
今夜はタケノコご飯だぞ。
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