不定期エッセイ キッドさんといっしょ。

ダイナマイト・キッド

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第229回。派手々々ロン毛男が好き

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掲載日2017年 09月21日 01時00分

ザ・イエローモンキーが好きだ。
あの4人は、レッド・ツェッペリンに対抗できる数少ない日本人だと思う。
背が高くてカッコイイロン毛の男。という意味で。

吉井和哉さんは私の理想の男なのだ。
背が高くて手足が長くて顔がカッコよくて意地悪そうな表情をしている。
歌がうまくなくても詞や曲を作らなくても、街で見かければ
おおっ
と思う男だ。

残念ながらこの私ことキッドさんは真逆で、ずんぐりむっくりでロン毛が似合わない。中学校のときにプロレスにどハマりした時も、リック・フレアーやアルティメット・ウォリアーのようなロン毛の選手が好きだった。またあの武骨一辺倒でゴリラみたいな体型だった全盛期の長州力さんもサラサラヘアーだったのがデカかった。私もあんな風になれるのでは!?と思って伸ばしていたが、柔道なんかやってると髪の毛の長いのなんか邪魔でしかない。何度も坊主刈りにしては、また伸ばしていた。
イエローモンキーどころかミニチュアのゴリラかウリ坊みてえになってたんだから世話ない話。

吉井さんの良い所は、とにかくバタ臭くて派手でいやらしくて、なんかこうキツめのいい匂いがしそうなところ。あれだけ汗だくで歌っても、全然汗臭くなさそうなところなんだ。
キラキラではなく、ギラギラしている。
歌ってても喋っててもカッコいい。あれが私には合うのだろう。

逆にロックが好きだというとバンプオブチキンやら175Rなどを連想されて、ああいうものが好きだと思われてた頃は肩身が狭かった。
好きな人から言わせれば厳密に違いがあるのだろうが、私からするとあの人たちは
良くも悪くも飾り気のないことが売りの人たち
であって、私の好きな
ギラギラ、めらめら、ドロドロ
とは、また違った爽やかさだとか力強さがある。それはそれで大変結構なのだが、ある時に
佐野君、ロック系の好きだったよね!?こんどこんなライブがあるんだけど…
と渡されたチラシが175Rがトリで豊橋出身でメジャーデビューしたLOOSELYさんと、あとそれっぽい人たちのライブのフライヤー。
この時はあまりわからなかったけど、あとでLOOSELYの人とひょんなことでちょっとだけ会話をしたことがあった。サラっとしたお兄さんで、凄くいい人だった。感じがいいというか、人当たりの優しい気さくな人で、初対面だったしホントにすっと話しかけて来てくれたのにすっかり場が和むというか。
こういうステキなお兄さんがいる一方で、極悪金髪ヘビ男みたいな吉井さんがいる。この多様性が面白く、私は人相の悪いヘビ男に惹かれてしまうのだ。

だって絶対真似できないっていう意味ではどっちも同じなんだよ。
私は爽やかに人懐っこく話しかけることも出来ないし、誰も寄せ付けない妖艶さなんてもっとムリだ。
どっちも好きで、どっちもムリ。
こんな悲しい事ってないけど、自分には自分の生きる道があるんじゃ!誰がなんと言おうと、オレは!オレは!オイ!オレはオレの道を生きるんじゃ!
と、あの頃ロン毛で私にとっての現人神だった大仁田厚さんが血まみれで絶叫しているのをビデオに録って何度も見ていたせいで、私には私の生きる道があるんじゃ!と、今日も小説家になろうで邪道をひた走っているのです。ウンコ漏らして裸足で髪の毛を振り乱して。
それじゃはた迷惑だよ、と思うかもしれないが、そんなんでも見に来てくれて、こうしてアクセスして頂いているのだから間違いじゃないんだろうと思いたい。

カッコ良くも妖しくも爽やかにもなれない。
世の中はそんなゴボウやジャガイモやゴンズイみたいな男で溢れている。
だからこそ輝く、だからこそ流行るものがある。
そうは言っても凡庸で終わるのはまだ怖い。

ハゲてもボケても、イイ感じのポンコツになりてえなとは思うようになったけど。
まだこんな無駄話をしてでも目立とうとしているので私は死んでねえなと。

作詞も見た目も、理想は吉井さんなんだよなあ。
俺たちは戦ってるんだよ!
とか
君が居て僕が居て瞳を閉じて
とかじゃなくて、もっと意味わかんないけどなんかすごい!っていう方が好きで。

なんつーかなあ…
アナと雪の女王
より
マルホランド・ドライブ
のが好きでも別にいいじゃん、っていう。アナと雪の女王を否定するわけじゃない、けど、遠くでやっててもらうためにこっちが離れることは正しいじゃんむしろ。

ディズニーランドってさ、何処の誰もがみんながみんな好きなわけじゃないんだけど、あれがあれとして国民的夢の国であるゆえんは、あそこに行く人は9割がたディズニーが好きで、それが猛烈な数居るからなんだよ。あそこには猛烈な数のディズニーが好きな人と、ディズニーが好きな自分のことが好きな奴、が居て。それが毎日押し寄せているから成り立っているんだ。
あそこにわざわざ行って、自分がいかにディズニーランドが嫌いかをアピールするのは間違っているけど、自分の場所で自分の好きな人たちに向けて言うのは別にいいじゃん。
ココが、つまりそれ。皆さんのお陰で今日もそんな話が出来ました。有難う御座います。
理想の男とは程遠くても面白おかしく生きることは、つまりそれに近い気がするのです。
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