不定期エッセイ キッドさんといっしょ。

第１５２回。理想のハゲ親父のはなし

掲載日2017年 07月06日 01時00分

今日、仕事中に理想的なハゲのおじさんを見た。

青いフェアレディから降りてきた５０歳ぐらいの、ちょっと細めくらいで白いスラックスに淡い水色の柄シャツ。その上にストライプのやっぱり明るい青のシャツを着て病院に入っていった。

このおじさんの、ハゲ方がかっこよかった。
こう、ハゲ散らかってなかったのよ。
おデコから頭頂部にかけてすーっと薄くなってハゲてて、オシャレな服装と相まってよく似合ってた。

本人がどう思ってるかはわからないけど、いいハゲだったなあ。

このコーナー、このところ
体重
身長
性癖
ときて、お次は
頭髪
と、コンプレックスの話ばかりでご覧になって下さる方には恐縮ですが…。

残念ながら私の大好きなおじいちゃんは生きてる方も亡くなった方もハゲていた。
ただ二人とも、そんなに気にしている風ではなかった…まあ私が生まれた時点で二人とも四十代ではあったものの既にハゲてたから、今更ってだけなのかも知れないけど。

四十代でアレだったってことは、私もあと十年か…。

その前に植毛をしよう！と以前は思ってたけど、最近、髪の毛が細くなって来たり汗が流れやすくなったり若干おデコが広がった気がしたりで。
ハゲを観念すると、どうせならカッコよくハゲたいと思うようになった。

キッドさんね、小学６年の時いろんなストレスで、でっかい円形脱毛症になったのよ。
それがショックで、さらに無意識のうちに自分でブチブチ髪の毛を毟ってしまってたこともあった。これもストレスによる行動だったらしいね。精神科に通って毛生え薬ももらった。なんか病院の液体せっけんみたいな色の、変なにおいのするメロンソーダみたいな液体。

効果があったのか、当時は成長期で結局普通に生えたのか、その後ちゃんと治った。
でも今回はそうもいかない。
抜けたら抜けたまんまな分もあるだろう。

だから、それまでにハゲが似合う大人に、ハゲてもかっこいい男にならなくてはならないのだよ。
冷めても美味しいチャーハンみたいに。

ハゲたくない！
から
どうせならカッコよくハゲたい！
に思い直すのは、ちょっと大人になった気がする。

まあ、ハゲないに越したことはないけどさ…。