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第91回。愛知県田原市は赤石町の第一飯店さんのはなし。

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掲載日2017年 05月07日 01時00分

行きつけの中華料理屋さんがある。
私が住んで居る街から車で少し走ったところにある、第一飯店さん。
もう5年か6年は通っている…今日行って来たらお嫁さんが赤ちゃんを抱いていた。
おじさんおばさんが、おじちゃんおばあちゃんになった。

立派なお店だが、いつもおじさんとおばさんが二人で切り盛りしている。
近所の人たちにも評判で、営業マンや外回りの人も良く来ている。
なので夜よりは昼間の方が混んでいることが多い。

おじさんは昔、大阪のホテルで修業していたらしい。
いつも元気で豪快だが、昔は病気がちで痩せていたとか…つまみ食いのし過ぎでこんなに太っちゃったのよ!とは、コレもいつも元気なおばさん。体は小さくて華奢だが、店の中を駆けずり回っている。

最初は目立たない場所(国道から一本入った狭い通りにある)に立派なお店があったので気が付かず、看板だけ見て通り過ぎていた。当時その辺りの配送をやってたので、ある時にふらっと寄ったら量も多いし美味しい。何よりサービスがイイ。愛想というのかな。
食後にはコーヒーも出してくれて、お会計の時には飴もくれる。
料理は少し値段が高めだけど、量があるので2人で分けて食べるとちょうどいいくらい。
まあ私は、1人でそのくらい食べてしまうので関係ないんだけど。

2回か3回行ったら、顔を覚えてくれて「お兄さん」と呼ばれるようになった。
それまではきちんと、メニューの通りやっておりますよ!とか、小皿と蓮華も使ってくださいねーと言いながら渡してくれてたけど、
「もうわかってるもんね、説明ぬきでいいかな!?」
と。いつもニコニコしていて、いいおばさんである。
食後のコーヒーもアイスコーヒー、ミルク・ガムシロ抜き、と覚えてくれている。

そこからさらに通う事数年。佐野君、と名前も憶えられて(何度か友達を連れて行くのに予約をした)今でもお気に入りのお店だ。
5年くらい前に目の前の国道沿いのコンビニが潰れて、安い中華料理屋が出来た。
よくあるランチ680円、ラーメンとチャーハンの組み合わせ選べます!っていう看板と店の外回りが真っ赤で名前は違うけどどこの店も同じような味のする感じの。あれはあれで安くていいけど、やっぱり私は第一飯店のご夫婦が好きだし、なんだか応援したくて通っている。今は会社が変わって中々昼飯を食べに行けないけど、休みの日にわざわざ中華料理を食べに行く、というのが楽しい。
「あ、私、いい歳をひとつ取ったな」
と思うのです。

田原市の国道259号線沿いの道の駅「めっくんはうす」からすぐ近くです。
お出かけの際は是非お立ち寄りください。
おススメは鶏肉と野菜のごろっと入った中華カレーと、棒棒鶏。ここの中華カレーはまた美味しいんだ。
中華丼のカレー味といえば近いかも。とろっとした餡かけ風の具沢山カレーとご飯は最強の組み合わせである。
あんまり高いものは無いけど(フカヒレとか北京ダックも予約すれば食べられる)普通のメニューは大抵食った。豚肉の天ぷら、ホイコーロー、五目あんかけそば(ラーメン)などなど。
何を食べても美味しいし、器も青磁のしっかりしたものなので料理が冷めにくい。

お昼遅くに行くとあんまりお客さんも来ないので、私の隣のテーブルでご夫婦も賄いを食べたりする。
ご飯食べながら、身の上話や、最近あったこと、息子さんが遠方で結婚したことなんかを聞きながら楽しく過ごしたこともある。
で、その息子さん夫婦が帰ってきて、お嫁さんがお店に出るようになってたんだけど…最近見かけないなと思っていたら妊娠・出産をしていたのね。また美人なんだ、このお嫁さんが。

田原市なので2008年からの大不況もマトモに食らって、あの時はホントどうなるかと思った(常連客の殆どが会社を辞めたり引っ越したりしてしまったらしい)けど、今でもこうしてお店が続いて、ご夫婦も元気で、跡取りも出来て…
あっ、私、ちょっといい歳の取り方を「させてもらった」なあ。

また行こう。
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