不定期エッセイ キッドさんといっしょ。

ダイナマイト・キッド

文字の大きさ
上 下
41 / 1,301

獣神、ドームに還る

しおりを挟む
獣神サンダー・ライガー選手が引退を発表した時に書いた記事

誰にでもいつか来る、デビュー戦が一回きりなのと同じで、どこかの誰かさん以外には一度きりの引退の瞬間がついに発表されたんじゃ真鍋
(誰の事だかすぐわかる人は私とアミーゴだ)

獣神サンダー・ライガー選手は平成元年に東京ドームでデビュー(当時のリングネームは獣神ライガー)。そして平成が終わった新元号の2020年に東京ドームで引退する
獣神、ドームに還る
ドームで始まりドームで幕を下ろす「獣神サンダー・ライガーという一人の男」が成し遂げたこと、築き上げたもの、作り出した世界はあまりに大きい
功績、実績、何をとっても平成最強にして最高のプロレスラー
私はそう思う

ネグロ・ナバーロ先生のときに書いたけど、私は2005年にメキシコの闘龍門に入門した。3か月ちょっとだけウルティモ・ドラゴン校長の生徒だった。そのウルティモ・ドラゴン校長が海外で実績を積み、日本で大活躍するのも獣神サンダー・ライガー選手を中心に企画された新日本プロレスでのジュニアヘビー級戦士を一堂に集めた大会だった
獣神サンダー・ライガー選手と戦うことでステップアップを果たした選手、
獣神サンダー・ライガー選手に憧れてプロレスラーを目指した人も沢山いる
きっと数えきれないぐらいの選手が彼の影響下にある

私個人としては、ウルティモ・ドラゴン校長と獣神サンダー・ライガー選手は日本のプロレスの多くを変えてしまったと思う
獣神サンダーライガーさんはプロレスラーを目指す若者を多数生み出し
ウルティモ・ドラゴン校長はプロレスラーを目指す若者を多数育てあげた
それどころか、獣神サンダー・ライガー選手が居なかったら今頃の新日本プロレスは半分ぐらいの規模になっていてもおかしくなかったと思う

だってあのド暗黒時代、新日本プロレスどころかプロレス界全体が二進も三進もいかなかったいわゆるゼロ年代において
ドーム大会のカードはコロコロ変わる、雨後の筍どころかセイタカアワダチソウみたいに新団体が出来ては消える、アントニオ猪木を持ち上げて甘い汁吸いたい連中が猪木頼りでハチャメチャな結末と無責任で目も当てられない顛末を「この破滅的な生き様も猪木イズム」なんて焼け野原で叫ぶあのゼロ年代であってもなお
「新日本プロレスには獣神サンダー・ライガーがいた」じゃないか
何があっても、どんなときも、プロレスファンには最後の砦としてライガーさんがいた

ライガー選手は積極的に他団体にも出向き、実力と努力を認めた選手には正面から勝負を受けて立った。その結果、勝っても負けてもライガー選手の格が落ちることはなかったし、勝負を仕掛けた側の選手も確実にレベルアップを果たしてきた
選手の格だとか団体の規模だとか体の大小だとか、そんなことに囚われない活動でインディープロレスからも沢山の人気選手を発掘し、時には自らが相手になって、結果としてプロレス界全体のレベルアップも果たされることになった
新日本プロレスに所属しているからといって格式張ったり、変なプライドを持つこともなく。しかしそれでいて新日本プロレスを出ていったOBらの身勝手な発言には真っ向から反論し、自身のプロレス観は常に高く厳しいものを持ち続け、その通りに実行して来た
とんでもない偉業だ。凄まじい生き様だ

ライガー選手の引退発表から、日本中で、いや世界中で対戦したいという選手が続々と名乗りを上げている
まさか…とは思うものの、ライガー選手なら100人が100人とは無理だけど、1人や2人くらいなら或いは…と思わせてくれる
もし、ライガー選手が対戦してくれるとなったら、その選手はどうするべきか

いや、もう恥をかくつもりで書いてしまうならば
自分が万が一デビューして選手になれてて、しかもツイッターなりどこぞなりで
戦いたい!
と言ったのが通ったらどうするべきだろうか

まず自分の元にも色んな選手の皆さんから賛否両論のご連絡が来るでしょう。そこでライングループでも何でもいいから作って、その人たちにも、その他の人にも来場を呼び掛ける。シューズ持参で
で試合が始まる
絶対にボッコボコにされるに決まってる。死ぬ気で立ち向かったって、逆立ちしたって、レフェリーが特に危険と見做す凶器以外での反則が認められたルールだろうと敵いっこないのは火を使うより、いや火を見るより明らかだ
だったら「獣神サンダー・ライガーの独り占め」はするまい。むしろ
「獣神サンダー・ライガーのお裾分け」
をするべきだ

というわけでどうにかこうにか死ぬ気でライガー選手をコーナーに押し込めて縛り付けて括り付けて、そこでみんなを呼べばいい。ライガー選手をブン殴りたい選手は集まってこい!と。一発ずつ入れていけばいいじゃないか。それで最後は逆に全員でボッコボコにされればいいじゃないか
厳かに一騎打ちをしたいというのもいいし、それが普通だし、それこそ最高の名誉だと思う。だけど、これはもう祭りだ
獣神サンダー・ライガーという文字通りの神を祀る、30年に一度きりの戦う式年遷宮が行われるんだ。だから厳かな儀式と、賑やかな祭礼があっていいんだ。厳かな方は本殿であるところの新日本プロレスがやるんだから、インディープロレスは賑やかに。大騒ぎのうちに思い出を作っちゃえばいい
みんなでボッコボコにされたあとで、幻の佐野和哉(私の本名だ)選手がトドメを刺されて3カウントを聴くだろう。その日の天井を、きっと死ぬまで忘れないだろう

ちなみにツイッターで対戦表明?をしていた選手の中で、私が一番戦ってほしいと思うのは

松本都選手

だ。イチオシ。是非。後楽園ワンマッチでもいい
だって絶対面白いぜ。松本都さんなら万が一、何かやってくれそうじゃん

つーかこの際、対戦したいレスラーを全世界中から募って、東京ドームでも国技館でも武道館でもいいから
獣神サンダー・ライガー
VS
みんな
で一斉に戦えばいいんじゃないか。そうしたら伝説になるぜ。世界の歴史に残るぜ

生きる伝説、獣神サンダー・ライガーが本当の伝説になるまでのラストスパートが始まった

それを見届けるのは平成のプロレスを追いかけてきた我々ファン、最近プロレスが好きになってくれた人、そして何よりあの暗黒時代に光を信じて闘い抜いたみんなの義務みたいなもんじゃないか
喜んでその義務を果たそうじゃないか
先ずは引退試合まで、無事に辿り着いてほしい
そしてそれも無事に闘い抜いて、一先ず降りた幕に心から拍手を送りたい
今はそんな風に思っております
しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

だんだんおかしくなった姉の話

暗黒神ゼブラ
ホラー
弟が死んだことでおかしくなった姉の話

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

カクヨムでアカウント抹消されました。

たかつき
エッセイ・ノンフィクション
カクヨムでアカウント抹消された話。

兄になった姉

廣瀬純一
大衆娯楽
催眠術で自分の事を男だと思っている姉の話

処理中です...