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【プロレス】金本浩二さんの思い出
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いつだったか、プロレスラーの金本浩二さんがニュースになっていた
そういえば金本浩二さんが新日本プロレスに所属していたときにこんな出来事があった
あれは私が中学生の頃。2000年8月の両国国技館だった。8月の両国で新日本プロレスといえばG1クライマックスだ。そしてこの年のG1両国大会初日で何が起こったか
そう、全日本プロレスの渕正信さんが乗り込んできて新日本のリングでマイクアピールをするという歴史的な大事件が起こった日だ。私はその一部始終を砂被り席で見ていた。これは私の数少ない自慢のひとつだ
そんな日本のプロレス史に大きな楔を打ち込んだエポックメーキングな大会になるとはつゆ知らず、開場したばかりのロビーで私はパンフレットと黒バージョンの獣神サンダーライガーさんのTシャツを買ってご満悦だった
会場は物凄い数のお客さんでごった返しており
(これが新日本プロレスか……!)
と圧倒されていた。お小遣いも限られていたのでもう買えるものもなく、席についてパンフレットを読もうかと思っていると、売店の係員が呼び込みをやっている
永田裕志選手の弟さんがアマチュアレスリングの試合に向かうのでその応援資金を募っている、とのこと。シーツのかかったテーブルの上に募金箱が置かれており、席には確か鈴木健三選手(もしかすると違うかも知れない…藤田和之さんだったかも)と、その隣に金本浩二選手が座っていた。募金すると握手をしてくれるのだ
私は迷った末に金本さんの列にならんだ。この当時はまさに絶頂期、全盛期といっていい時期で、IWGPジュニアヘビー級王座をシングル・タッグともに獲得、ベスト・オブ・スーパー・ジュニアでも優勝し、まさにジュニアの喧嘩番長として鳴らしていた。当時発売されていた闘魂烈伝3でも私は金本さんの動きを取り入れた技を幾つもエディットレスラーに使わせていたり、テレビ放送でも大谷晋二郎選手やドクトル・ワグナーjrらとの戦いに夢中になっていた。獣神サンダーライガー選手にドームで秒殺されるのはこの少しあとだけど、あれは衝撃的だったもん。そのぐらい、当時の金本さんは新日本ジュニアの中心的な存在だった
もちろんこの日も人気は抜群で、握手を求める長い行列が出来ていた。その列の先からでも文字通りアタマ一つ抜けてデカい金本さんが刻一刻と近づいてくる
私はお財布から500円玉を取り出して握りしめ、素早く募金箱にチャリン出来るように身構えていた
「ありがとう!」
「ありがとうなー!」
あのお馴染みのハスキーボイスで、にこやかにお礼を言う声が聞こえてくる。試合中とは打って変わって眩しいくらいの兄貴スマイルだ。そして遂に、私の番が来た。目の前には金本浩二さんがいる
座ってても私よりデカく見えた
緊張と高揚と
(おおおお金本浩二だ…!)
と思ってしまったのとで、手が震えて募金をするのに手間取ってしまった。アタフタとお金を入れたその直後に、いきなり後ろから小銭を箱にねじこんだ男が私の前にずい、と出た。それに押されるように私は列の外へ出てしまった。あ、と思ったが大混雑しているし、どうしよう…と思いつつ足だけが列から離れていこうとした。そのとき
「ちょい待ち! 募金してくれたやん! ありがとうなー!」
あのお馴染みのハスキーボイスで、金本浩二さんが私を呼び止めて手招きをして、ガッチリ握手をしてくれた
ゴツゴツして岩みたいな手のひらは私より一回り以上デカかった
嬉しかった
以来、金本浩二さんが忘れてしまっても、私は絶対にこのことを忘れないつもりだ
松山座で久々に戦う姿を見たけれど、肌の張りこそ多少失われてはいたもののグッドシェイプを保っており、人気も健在だった
ニュースが出た時というのは、それこそ好き放題言う人もいるだろうし、寂しい、辛い思いをしている人もいると思う。私も正直ショックだった。だからこそ、こういう一面もあったんだということを、ここに書き記しておきたい
そういえば金本浩二さんが新日本プロレスに所属していたときにこんな出来事があった
あれは私が中学生の頃。2000年8月の両国国技館だった。8月の両国で新日本プロレスといえばG1クライマックスだ。そしてこの年のG1両国大会初日で何が起こったか
そう、全日本プロレスの渕正信さんが乗り込んできて新日本のリングでマイクアピールをするという歴史的な大事件が起こった日だ。私はその一部始終を砂被り席で見ていた。これは私の数少ない自慢のひとつだ
そんな日本のプロレス史に大きな楔を打ち込んだエポックメーキングな大会になるとはつゆ知らず、開場したばかりのロビーで私はパンフレットと黒バージョンの獣神サンダーライガーさんのTシャツを買ってご満悦だった
会場は物凄い数のお客さんでごった返しており
(これが新日本プロレスか……!)
と圧倒されていた。お小遣いも限られていたのでもう買えるものもなく、席についてパンフレットを読もうかと思っていると、売店の係員が呼び込みをやっている
永田裕志選手の弟さんがアマチュアレスリングの試合に向かうのでその応援資金を募っている、とのこと。シーツのかかったテーブルの上に募金箱が置かれており、席には確か鈴木健三選手(もしかすると違うかも知れない…藤田和之さんだったかも)と、その隣に金本浩二選手が座っていた。募金すると握手をしてくれるのだ
私は迷った末に金本さんの列にならんだ。この当時はまさに絶頂期、全盛期といっていい時期で、IWGPジュニアヘビー級王座をシングル・タッグともに獲得、ベスト・オブ・スーパー・ジュニアでも優勝し、まさにジュニアの喧嘩番長として鳴らしていた。当時発売されていた闘魂烈伝3でも私は金本さんの動きを取り入れた技を幾つもエディットレスラーに使わせていたり、テレビ放送でも大谷晋二郎選手やドクトル・ワグナーjrらとの戦いに夢中になっていた。獣神サンダーライガー選手にドームで秒殺されるのはこの少しあとだけど、あれは衝撃的だったもん。そのぐらい、当時の金本さんは新日本ジュニアの中心的な存在だった
もちろんこの日も人気は抜群で、握手を求める長い行列が出来ていた。その列の先からでも文字通りアタマ一つ抜けてデカい金本さんが刻一刻と近づいてくる
私はお財布から500円玉を取り出して握りしめ、素早く募金箱にチャリン出来るように身構えていた
「ありがとう!」
「ありがとうなー!」
あのお馴染みのハスキーボイスで、にこやかにお礼を言う声が聞こえてくる。試合中とは打って変わって眩しいくらいの兄貴スマイルだ。そして遂に、私の番が来た。目の前には金本浩二さんがいる
座ってても私よりデカく見えた
緊張と高揚と
(おおおお金本浩二だ…!)
と思ってしまったのとで、手が震えて募金をするのに手間取ってしまった。アタフタとお金を入れたその直後に、いきなり後ろから小銭を箱にねじこんだ男が私の前にずい、と出た。それに押されるように私は列の外へ出てしまった。あ、と思ったが大混雑しているし、どうしよう…と思いつつ足だけが列から離れていこうとした。そのとき
「ちょい待ち! 募金してくれたやん! ありがとうなー!」
あのお馴染みのハスキーボイスで、金本浩二さんが私を呼び止めて手招きをして、ガッチリ握手をしてくれた
ゴツゴツして岩みたいな手のひらは私より一回り以上デカかった
嬉しかった
以来、金本浩二さんが忘れてしまっても、私は絶対にこのことを忘れないつもりだ
松山座で久々に戦う姿を見たけれど、肌の張りこそ多少失われてはいたもののグッドシェイプを保っており、人気も健在だった
ニュースが出た時というのは、それこそ好き放題言う人もいるだろうし、寂しい、辛い思いをしている人もいると思う。私も正直ショックだった。だからこそ、こういう一面もあったんだということを、ここに書き記しておきたい
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