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22日目 近況&変わらない
しおりを挟む「ギルス将軍!!そのガキ……あ、いや、その御方はどちらでしょうか?」
「……帝国に暮らす初級魔術師だ。お前達も例の噂は耳にした事があるだろう?」
「ま、まさか……一夜にして帝都を蹂躙した伝説の初級魔術師!?」
「素手で竜種を殴り殺したというあの……!?」
「いや、どんな噂が流れてるんですか」
ギルスの言葉を聞いて兵士達に衝撃が走り、他国の間では自分がどのような噂をされているのか気になりながらもルノは兵士達に話しかける。
「見ての通り、こちらが拘束したギルス将軍と他の兵士長はこの場に連れてきました。ここにいる人達は今後は俺達の管理下に入る事を承諾したので皆さんも従ってください」
「ど、どういう事ですかギルス将軍!?」
「言葉の通りだ……我々は負けたのだ。だから彼等に従う」
「そんな馬鹿な……一体どうしたんですか将軍!?」
兵士達は信じられない表情を浮かべ、たった数人の魔術師にギルス達が捕まっただけではなく、既に降伏をしていたという事実に理解できなかった。確かに竜種を作り出すという恐ろしい魔法を扱う魔術師である事は彼等も理解しているが、それでもたった数人の人間に自分達が降伏しなければならないなど納得できない。
「そうか!!お前等さっきの白騎士とか黒魔導士を名乗っていた輩の仲間だな!!」
「将軍!!何を恐れているんですか!!すぐに助け出しますからね!!」
「怯えるんじゃねえ!!相手はたったの数人だ!!」
「止めろ馬鹿共!!」
武器を掲げて果敢にも挑もうとしてきた兵士達にギルスは怒鳴り声をあげ、その彼の迫力に兵士達は圧倒される。今までにない程に鬼気迫る表情を浮かべながらギルスは彼等の無謀な行為を止めようとした。
「この男は……いや、この者達はお前らが束になって戦っても敵わない!!こいつの力はこれだけではない、その気になればこの大地を引き裂き、空を飛び、津波を引き起こす事が出来る程の力を持っているのだ!!」
「え?何でギルスさんがその事を知ってるんですか?」
「何!?師匠は本当にそんな事が出来るのか!?」
「……まあ、大地を切り開く事は出来るわよね」
ギルスは大げさにルノの力の恐ろしさを兵士達に伝えたが、実際に彼のいった言葉はルノは実践出来る。実際に土塊の魔法を利用すれば地割れは引き起こす事も可能だし、空に関しては「飛翔術」や氷塊の魔法で浮かべ、津波に関しても海に出れば適当な魔法で水面に影響を与えて引き起こす事も出来るだろう。
実際にギルス達をここまで運んだのも氷塊の魔法で大型飛行機を作り出しているため、空を飛ぶという点では兵士達の目の前で披露している。その事実に兵士達は顔を見合わせ、本当にルノにそれだけの力があるのかと恐れを抱く。
「で、ですがギルス将軍……降伏すれば俺達はどうなるんですか!?」
「そうですよ!!このまま捕虜として捕まるんですか?」
「いや、色々と話し合った結果、この方は我々を本国まで送ってくれるそうだ……このまま国に引き返すというのならば危害は加えない事を約束してくれた」
「ええっ!?」
「そんな馬鹿な!?」
ルノとしては別に巨人国の軍隊とはいえ、まだ実害が出ていない以上は無暗に傷つけるような真似はしたくなく、本来は帝都へ引き返して他の者達に事情を尋ねるべきなのだろうが、それだと時間が掛かり過ぎる。なので今回は勝手ながらに軍隊を説得し、彼等が本国へ戻るというのならば協力するつもりだった。
巨人国の軍隊を招き寄せたノーズ公爵は流石に見逃す事は出来ないが、既に帝国領地内に侵入していた1万の兵士達を本国へ送り返す事が出来るだけでも脅威はなくなり、国境に攻め寄せようとする本隊に関してはギルスに説得して貰って侵攻を取りやめるように国王に忠告して貰う事を依頼む。
「皆さんがこれ以上にこの国で暴れようとしなければ俺達も何もしません!!ですが、もしも戦うというのなら容赦はしません!!」
『ひいいっ!?』
氷竜を操作してルノ達が乗り込んでいた氷飛行機の上に着地させると、そのまま飛行機を無残に破壊させる光景を兵士達に見せつける。巨大な建造物を氷竜が踏みつぶす光景に兵士達は怯え、いくら勇猛果敢な兵士達でも竜種の姿を誇る氷竜は恐怖の対象だった。
「ルノ殿、どうか気を静めてください!!部下達は私が説得しますので、どうかお許しを……」
「あ、はい。じゃあ、お願いしますね」
『…………』
ギルスが頭を下げるとルノはあっさりと氷竜を停止させ、ついでに拘束していたギルスと兵士長の氷の手錠を解除した。唐突に自由になったギルスと兵士長は驚いた表情を浮かべるが、すぐにギルスはルノの意図に気付く。
(なるほど……俺達を解放したところでこちらなど敵ではないと思っているのか。いや、実際に戦っても勝ち目はないだろうが……)
1万の巨人兵を相手にしながら人質をあっさりと解放するルノの行為に誰もが驚くが、ギルスだけはルノが自分達の存在が脅威になるはずがないと考えている事を察し、悔し気な表情を浮かべながらも全員を呼び集めた。
「……帝国に暮らす初級魔術師だ。お前達も例の噂は耳にした事があるだろう?」
「ま、まさか……一夜にして帝都を蹂躙した伝説の初級魔術師!?」
「素手で竜種を殴り殺したというあの……!?」
「いや、どんな噂が流れてるんですか」
ギルスの言葉を聞いて兵士達に衝撃が走り、他国の間では自分がどのような噂をされているのか気になりながらもルノは兵士達に話しかける。
「見ての通り、こちらが拘束したギルス将軍と他の兵士長はこの場に連れてきました。ここにいる人達は今後は俺達の管理下に入る事を承諾したので皆さんも従ってください」
「ど、どういう事ですかギルス将軍!?」
「言葉の通りだ……我々は負けたのだ。だから彼等に従う」
「そんな馬鹿な……一体どうしたんですか将軍!?」
兵士達は信じられない表情を浮かべ、たった数人の魔術師にギルス達が捕まっただけではなく、既に降伏をしていたという事実に理解できなかった。確かに竜種を作り出すという恐ろしい魔法を扱う魔術師である事は彼等も理解しているが、それでもたった数人の人間に自分達が降伏しなければならないなど納得できない。
「そうか!!お前等さっきの白騎士とか黒魔導士を名乗っていた輩の仲間だな!!」
「将軍!!何を恐れているんですか!!すぐに助け出しますからね!!」
「怯えるんじゃねえ!!相手はたったの数人だ!!」
「止めろ馬鹿共!!」
武器を掲げて果敢にも挑もうとしてきた兵士達にギルスは怒鳴り声をあげ、その彼の迫力に兵士達は圧倒される。今までにない程に鬼気迫る表情を浮かべながらギルスは彼等の無謀な行為を止めようとした。
「この男は……いや、この者達はお前らが束になって戦っても敵わない!!こいつの力はこれだけではない、その気になればこの大地を引き裂き、空を飛び、津波を引き起こす事が出来る程の力を持っているのだ!!」
「え?何でギルスさんがその事を知ってるんですか?」
「何!?師匠は本当にそんな事が出来るのか!?」
「……まあ、大地を切り開く事は出来るわよね」
ギルスは大げさにルノの力の恐ろしさを兵士達に伝えたが、実際に彼のいった言葉はルノは実践出来る。実際に土塊の魔法を利用すれば地割れは引き起こす事も可能だし、空に関しては「飛翔術」や氷塊の魔法で浮かべ、津波に関しても海に出れば適当な魔法で水面に影響を与えて引き起こす事も出来るだろう。
実際にギルス達をここまで運んだのも氷塊の魔法で大型飛行機を作り出しているため、空を飛ぶという点では兵士達の目の前で披露している。その事実に兵士達は顔を見合わせ、本当にルノにそれだけの力があるのかと恐れを抱く。
「で、ですがギルス将軍……降伏すれば俺達はどうなるんですか!?」
「そうですよ!!このまま捕虜として捕まるんですか?」
「いや、色々と話し合った結果、この方は我々を本国まで送ってくれるそうだ……このまま国に引き返すというのならば危害は加えない事を約束してくれた」
「ええっ!?」
「そんな馬鹿な!?」
ルノとしては別に巨人国の軍隊とはいえ、まだ実害が出ていない以上は無暗に傷つけるような真似はしたくなく、本来は帝都へ引き返して他の者達に事情を尋ねるべきなのだろうが、それだと時間が掛かり過ぎる。なので今回は勝手ながらに軍隊を説得し、彼等が本国へ戻るというのならば協力するつもりだった。
巨人国の軍隊を招き寄せたノーズ公爵は流石に見逃す事は出来ないが、既に帝国領地内に侵入していた1万の兵士達を本国へ送り返す事が出来るだけでも脅威はなくなり、国境に攻め寄せようとする本隊に関してはギルスに説得して貰って侵攻を取りやめるように国王に忠告して貰う事を依頼む。
「皆さんがこれ以上にこの国で暴れようとしなければ俺達も何もしません!!ですが、もしも戦うというのなら容赦はしません!!」
『ひいいっ!?』
氷竜を操作してルノ達が乗り込んでいた氷飛行機の上に着地させると、そのまま飛行機を無残に破壊させる光景を兵士達に見せつける。巨大な建造物を氷竜が踏みつぶす光景に兵士達は怯え、いくら勇猛果敢な兵士達でも竜種の姿を誇る氷竜は恐怖の対象だった。
「ルノ殿、どうか気を静めてください!!部下達は私が説得しますので、どうかお許しを……」
「あ、はい。じゃあ、お願いしますね」
『…………』
ギルスが頭を下げるとルノはあっさりと氷竜を停止させ、ついでに拘束していたギルスと兵士長の氷の手錠を解除した。唐突に自由になったギルスと兵士長は驚いた表情を浮かべるが、すぐにギルスはルノの意図に気付く。
(なるほど……俺達を解放したところでこちらなど敵ではないと思っているのか。いや、実際に戦っても勝ち目はないだろうが……)
1万の巨人兵を相手にしながら人質をあっさりと解放するルノの行為に誰もが驚くが、ギルスだけはルノが自分達の存在が脅威になるはずがないと考えている事を察し、悔し気な表情を浮かべながらも全員を呼び集めた。
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