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第三部 最後の聖戦なり
34、銀色の羽の天使
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私たちはローマ教皇の執務室に招かれた。
ウルバヌス八世の前に立った私たちは、跪きもせず椅子に腰かけた教皇を見下ろした。
戸部典子はウルバヌス八世に歩み寄り、居丈高に言い放った。
「我らは東方の三賢人、神の使いなり! そちが神の代理人か? そこに跪け!」
戸部典子の首に吊るした十字架が発光した。電池が仕込んであるのだ。
ウルバヌス八世は、見たことも無い人工的な光に恐れを抱き、思わず戸部典子の前に膝を折った。
「三賢人様、この度のご訪来、恐懼きょうくしてお待ちしておりました。何卒、その奇跡をもって、我らをお救い下さい。」
「よう申した、神の代理人よ。神の言葉を伝えるゆえ、耳をかっぽじって聞くなり。」
完全に戸部典子のペースだ。
「神の代理人よ、東方のキリスト教徒を扇動し反乱を企てたこと、そのほうの仕業である事、神はお見通しじゃ。即刻、止めないと神の怒りに触れることになるなり。」
教皇は、てっきり東方に神の王国が立つ前兆と思っていたのだ。
この三賢人は何者だ? 教皇は内心、思ったことだろう。教皇のなかに怒りの炎が灯った。
「お前らは何者じゃ。東方の三賢人を騙る不埒者めが!」
権力者の意に染まぬ者は偽物とされる。中世的な発想の産物だ。
教皇は握り手に大きな紅い宝石をはめ込んだ短い杖で、戸部典子を指した。
「偽者め! 偽者め!」
「怒ったなり!」
戸部典子は、お得意のスマホを取り出し、ウルバヌス八世の怒りで醜くゆがんだ顔をパチリと撮ったのだった。教皇は、小さな板の中に自分の魂が閉じ込められたと思った。
「お前の魂は吸い取ったなり。このまま地獄へ落としてくれるなり。」
アプリを操作すると、教皇の画像がガラスのように砕けた。
ウルバヌス八世の顔が恐怖で凍り付いた。
戸部典子は教皇にスマホを押し付け、教皇は後ずさりして逃げた、それでも戸部典子は許さなかった。教皇の短い杖を取り上げて、宝石のついた握り手で教皇の肩を一撃した。
肩に走る激痛に顔を歪めた教皇はその場に崩れ落ちた。そして、戸部典子を怖れて上目づかいに見上げている。
「これは我が怒りなり。神の怒りに触れたなば、お前は地獄の業火に焼かれることになるなり。」
戸部典子の肩が怒りで震えている。
一神教の神は暴君のように理不尽なものなのだ。そう、怒った戸部典子のように。
戸部典子は、次のミサの日に、ほんとうの奇跡を見せるとの捨て台詞を残して、教皇執務室を後にした。
さぁて、作戦も大詰めだ。
ウルバヌス八世を奇跡の前に跪かせてやる。こちらには自衛隊ドローン部隊ありだ。
木場三尉と相場三尉は、ギンヤンマの整備に余念がない。今回はこの小さなドローンの大舞台だ。
「トンボ君、頼んだなりよ。」
戸部典子、この作戦はお前にかかっているんだ。お前こそ頼んだぞ。
日曜日のミサである。朝から大勢の人々が詰めかけている。「東方の三賢人きたる」との噂がローマの街を駆け巡っていたからだ。この噂はローマ教皇庁が流したようだ。大勢の観衆の前ならば、小手先に手品は通じないと考えたウルバヌス八世の深謀遠慮である。我々から見れば浅知恵でしかないがな。
小雨の降る中、私たちはサン・ピエトロ寺院に集まったローマ市民が群がる中を、聖堂へ向かった。民衆が雨に濡れながら、私たちに祈りを捧げている。私たちはフードを被って、雨を凌いだ。
その日のミサは教皇をはじめ枢機卿たちもみな、東方の三賢人の真偽を確かめようと揃い踏みである。聖堂の中にはローマのあらゆる聖職者や敬虔な信者で満員だった。パイプオルガンの音が鳴り響く中、荘厳なミサは粛々と続いていく。教皇は東方の三賢人がローマ教会を訪れたこととを神に感謝した。私たちが馬脚を露せば醜態となるように、三賢人の来訪を奇跡と呼んだ。奇跡を起こして見よと暗に言っているのだ。
教皇はミサの最後に、東方の三賢人を祭壇の前に招いた。
祭壇に立った私たちは神に祈りを捧げたた。そして戸部典子は聖堂に集まった人々に向かって語り始めた。
「東方は異教徒の国なり。異教徒であっても人は人なり。我は東方の国で異教徒たちが国のため、人のために死ぬのを見てきたなり。みんな立派だったなり。みんな強く優しい人だったなり。ローマの諸君、キリスト教徒の諸君、彼ら異教徒が、あなたのために死ねば、あなたは涙を流すなり。あなたが異教徒のために死ねば、異教徒も涙を流すなり。」
聖堂の中は沈黙に包まれている。
「東方の国では、キリスト教徒がたくさんいるなり。彼らは反乱を起こして殺されているなり。ローマ教皇から反乱で国を滅ぼして、神の国を作れという間違った教えが出ているなり。我らはこれを止めさせたいなり。戦いはもうたくさんなり。平和な世の中にしたいなり。誰もが夕暮れに暖かい家に帰れるようにしたいなり。」
ウルバヌス八世が含み笑いをしている。これが奇跡かと言いたいのだ。
「我らは神の遣いなり。天の国より来たりし者なり。我らは神の言葉を伝え、神の国に帰るなり。」
右耳に装着した超小型レシーバーから木場三尉の声が聞こえた。
「ショー・タイム!」
聖堂の天井に待機していた八機のギンヤンマが、空中でホバリングの体制になった。木場三尉と相場三尉がそれぞれ四機づつを操縦している。
私たちが首から吊るしていた十字架が発光を始めた。ギンヤンマからレーザーが送られているのだ。そして、私たちの周りを七色の光が飛び交い始めた。ギンヤンマが宙に舞い、光のシャワーを私たちに浴びせている。
おおー、これは去年の赤白歌合戦で女性アイドルユニット・レプリカントがやっていた光の演出ではないか。さすが自衛隊ドローン部隊、アイドル・オタクも揃っているようだ!
枢機卿たちがどよめきの声を上げた。ミサに参列していたローマの人々は「奇跡だ、奇跡が起きた」と叫び始めた。
私たちの体の周りも暖かな光で包まれている。
戸部典子が両手を広げると、聖堂の天井いっぱいに映像が映し出された。それは現代の東京や上海、ニュー・ヨークの街を撮影したものだった。巨大なガラスのビルが立ち並び、道路には自動車が走り、空には鉄の鳥が飛んでいる。十七世紀の人々はこれを神の国と思った。誰もが天井の神の国に祈りを捧げている。
さて、ラストだ、行け! 戸部典子!
「今すぐに東の国での戦いの扇動を止めるなり、この欧州の地でも、キリスト教徒同士が戦っておるなり。今すぐに戦いを止めるなり! 神の代理人よ、悔い改めるなり!」
ローマ教皇ウルバヌス八世は、戸部典子の前に跪いて懇願するように言った。
「おお、東方の三賢人! 我らは神のために戦っているのです。何故、戦いを止めなくてはならないのですか。お教えください!」
私たちの体がますます輝きを増していく。戸部典子はにまにま顔でウルバヌス八世に答えを与えた。
「何故ならば、神がそれを望んでおられる!」
やりやがった! 十一世紀、教皇ウルバヌス二世はこの言葉で十字軍を呼びかけた。戸部典子は戦いの言葉を、平和の言葉に読み替えたのだ。
戸部典子の背中から光の翼が伸びていく。巨大な銀色の翼は聖堂の天井を包み込み、私たちの姿は光の中を宙に浮かんでいく。ギンヤンマが放ったまばゆい光は聖堂の中に満ち、私たちは光の中に消えた。
「天使だ、銀色の羽の天使だ!」
聖堂は大騒ぎになった。ウルバヌス八世は祭壇に跪いたまま震えている。天使の光に恐れおののいたのだ。
その後、ローマの街では東方の三賢人を名乗ったのは大天使ミカエルであるとされた。戸部典子は大天使になった。
ローマに降臨した天使が残した「戦いを止めよ」の言葉は、神の意志が戦いではないとの思想を生み、それはドイツ三十年戦争の終結を五年早めることになった。
私たちがどうしていたかと言うと、銀色の光で聖堂が満たされ誰もがその輝きに目を眩ませた隙に、着物の裾も捲りあげつつ、どたどたと裏口から外に出た。裏口には自衛隊の手配した馬車が待っており、それに乗ってとんずらしたのだった。
雨は既に止んでいた。
天使の消えたローマ空は、雲の切れ目から無数の光が差し込んでいた。
ウルバヌス八世の前に立った私たちは、跪きもせず椅子に腰かけた教皇を見下ろした。
戸部典子はウルバヌス八世に歩み寄り、居丈高に言い放った。
「我らは東方の三賢人、神の使いなり! そちが神の代理人か? そこに跪け!」
戸部典子の首に吊るした十字架が発光した。電池が仕込んであるのだ。
ウルバヌス八世は、見たことも無い人工的な光に恐れを抱き、思わず戸部典子の前に膝を折った。
「三賢人様、この度のご訪来、恐懼きょうくしてお待ちしておりました。何卒、その奇跡をもって、我らをお救い下さい。」
「よう申した、神の代理人よ。神の言葉を伝えるゆえ、耳をかっぽじって聞くなり。」
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教皇は、てっきり東方に神の王国が立つ前兆と思っていたのだ。
この三賢人は何者だ? 教皇は内心、思ったことだろう。教皇のなかに怒りの炎が灯った。
「お前らは何者じゃ。東方の三賢人を騙る不埒者めが!」
権力者の意に染まぬ者は偽物とされる。中世的な発想の産物だ。
教皇は握り手に大きな紅い宝石をはめ込んだ短い杖で、戸部典子を指した。
「偽者め! 偽者め!」
「怒ったなり!」
戸部典子は、お得意のスマホを取り出し、ウルバヌス八世の怒りで醜くゆがんだ顔をパチリと撮ったのだった。教皇は、小さな板の中に自分の魂が閉じ込められたと思った。
「お前の魂は吸い取ったなり。このまま地獄へ落としてくれるなり。」
アプリを操作すると、教皇の画像がガラスのように砕けた。
ウルバヌス八世の顔が恐怖で凍り付いた。
戸部典子は教皇にスマホを押し付け、教皇は後ずさりして逃げた、それでも戸部典子は許さなかった。教皇の短い杖を取り上げて、宝石のついた握り手で教皇の肩を一撃した。
肩に走る激痛に顔を歪めた教皇はその場に崩れ落ちた。そして、戸部典子を怖れて上目づかいに見上げている。
「これは我が怒りなり。神の怒りに触れたなば、お前は地獄の業火に焼かれることになるなり。」
戸部典子の肩が怒りで震えている。
一神教の神は暴君のように理不尽なものなのだ。そう、怒った戸部典子のように。
戸部典子は、次のミサの日に、ほんとうの奇跡を見せるとの捨て台詞を残して、教皇執務室を後にした。
さぁて、作戦も大詰めだ。
ウルバヌス八世を奇跡の前に跪かせてやる。こちらには自衛隊ドローン部隊ありだ。
木場三尉と相場三尉は、ギンヤンマの整備に余念がない。今回はこの小さなドローンの大舞台だ。
「トンボ君、頼んだなりよ。」
戸部典子、この作戦はお前にかかっているんだ。お前こそ頼んだぞ。
日曜日のミサである。朝から大勢の人々が詰めかけている。「東方の三賢人きたる」との噂がローマの街を駆け巡っていたからだ。この噂はローマ教皇庁が流したようだ。大勢の観衆の前ならば、小手先に手品は通じないと考えたウルバヌス八世の深謀遠慮である。我々から見れば浅知恵でしかないがな。
小雨の降る中、私たちはサン・ピエトロ寺院に集まったローマ市民が群がる中を、聖堂へ向かった。民衆が雨に濡れながら、私たちに祈りを捧げている。私たちはフードを被って、雨を凌いだ。
その日のミサは教皇をはじめ枢機卿たちもみな、東方の三賢人の真偽を確かめようと揃い踏みである。聖堂の中にはローマのあらゆる聖職者や敬虔な信者で満員だった。パイプオルガンの音が鳴り響く中、荘厳なミサは粛々と続いていく。教皇は東方の三賢人がローマ教会を訪れたこととを神に感謝した。私たちが馬脚を露せば醜態となるように、三賢人の来訪を奇跡と呼んだ。奇跡を起こして見よと暗に言っているのだ。
教皇はミサの最後に、東方の三賢人を祭壇の前に招いた。
祭壇に立った私たちは神に祈りを捧げたた。そして戸部典子は聖堂に集まった人々に向かって語り始めた。
「東方は異教徒の国なり。異教徒であっても人は人なり。我は東方の国で異教徒たちが国のため、人のために死ぬのを見てきたなり。みんな立派だったなり。みんな強く優しい人だったなり。ローマの諸君、キリスト教徒の諸君、彼ら異教徒が、あなたのために死ねば、あなたは涙を流すなり。あなたが異教徒のために死ねば、異教徒も涙を流すなり。」
聖堂の中は沈黙に包まれている。
「東方の国では、キリスト教徒がたくさんいるなり。彼らは反乱を起こして殺されているなり。ローマ教皇から反乱で国を滅ぼして、神の国を作れという間違った教えが出ているなり。我らはこれを止めさせたいなり。戦いはもうたくさんなり。平和な世の中にしたいなり。誰もが夕暮れに暖かい家に帰れるようにしたいなり。」
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「我らは神の遣いなり。天の国より来たりし者なり。我らは神の言葉を伝え、神の国に帰るなり。」
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「ショー・タイム!」
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おおー、これは去年の赤白歌合戦で女性アイドルユニット・レプリカントがやっていた光の演出ではないか。さすが自衛隊ドローン部隊、アイドル・オタクも揃っているようだ!
枢機卿たちがどよめきの声を上げた。ミサに参列していたローマの人々は「奇跡だ、奇跡が起きた」と叫び始めた。
私たちの体の周りも暖かな光で包まれている。
戸部典子が両手を広げると、聖堂の天井いっぱいに映像が映し出された。それは現代の東京や上海、ニュー・ヨークの街を撮影したものだった。巨大なガラスのビルが立ち並び、道路には自動車が走り、空には鉄の鳥が飛んでいる。十七世紀の人々はこれを神の国と思った。誰もが天井の神の国に祈りを捧げている。
さて、ラストだ、行け! 戸部典子!
「今すぐに東の国での戦いの扇動を止めるなり、この欧州の地でも、キリスト教徒同士が戦っておるなり。今すぐに戦いを止めるなり! 神の代理人よ、悔い改めるなり!」
ローマ教皇ウルバヌス八世は、戸部典子の前に跪いて懇願するように言った。
「おお、東方の三賢人! 我らは神のために戦っているのです。何故、戦いを止めなくてはならないのですか。お教えください!」
私たちの体がますます輝きを増していく。戸部典子はにまにま顔でウルバヌス八世に答えを与えた。
「何故ならば、神がそれを望んでおられる!」
やりやがった! 十一世紀、教皇ウルバヌス二世はこの言葉で十字軍を呼びかけた。戸部典子は戦いの言葉を、平和の言葉に読み替えたのだ。
戸部典子の背中から光の翼が伸びていく。巨大な銀色の翼は聖堂の天井を包み込み、私たちの姿は光の中を宙に浮かんでいく。ギンヤンマが放ったまばゆい光は聖堂の中に満ち、私たちは光の中に消えた。
「天使だ、銀色の羽の天使だ!」
聖堂は大騒ぎになった。ウルバヌス八世は祭壇に跪いたまま震えている。天使の光に恐れおののいたのだ。
その後、ローマの街では東方の三賢人を名乗ったのは大天使ミカエルであるとされた。戸部典子は大天使になった。
ローマに降臨した天使が残した「戦いを止めよ」の言葉は、神の意志が戦いではないとの思想を生み、それはドイツ三十年戦争の終結を五年早めることになった。
私たちがどうしていたかと言うと、銀色の光で聖堂が満たされ誰もがその輝きに目を眩ませた隙に、着物の裾も捲りあげつつ、どたどたと裏口から外に出た。裏口には自衛隊の手配した馬車が待っており、それに乗ってとんずらしたのだった。
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