失敗作は蜜の味

橙乃紅瑚

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こんなの絶対に治療じゃない - 2 ♥

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「あぅっ、待って。なんでいきなりっ……。っん、むぅっ」

 ダリルの部屋に引き摺り込まれるや否や、突然唇を塞がれる。頬に彼の髪が当たって、そこからふわりとダリルの匂いが漂ってくる。
 
 三日ぶりの、懐かしさすら感じる良い香り。ルクレーシャはダリルの性急な口付けに戸惑いながらも、嬉しさに目を潤ませた。

「はぁっ、はあっ、る、くす。ルクスっ……」

「ふっ、ん……。だりるっ……」

 熱が籠もった瞳で見つめられる。吐息交じりの声で「会いたかった」と囁かれ、ルクレーシャの胸がとくりと跳ねた。
 
(私も。私も会いたかったわ、ダリル)

 人前で輪を震わせたことについて怒ってやろうと思ったのに、どこか不安そうなダリルを見ると何も言えなくなる。
 
 顔を近付けてくる彼を受け入れるように、ルクレーシャはゆっくり目を伏せた。
 
「ルクス……ルクレーシャ」

 焦がれた様子で自分の名を呼ぶダリルが愛おしい。ルクレーシャがそっと彼の首に腕を回すと、ダリルは僅かに目を見開いたのち、噛みつくように女の唇を奪った。

「んっ、んんんっ!」

 吐息さえも飲み込まれそうな激しい口付け。それは唇がよりぴったりと合わさる場所を探すよう、角度を変えて何度も行われる。

 ダリルの匂いが、吐息が、触れ合う肉の温度が心地良い。
 ルクレーシャが口を開くと、ダリルの舌がぬるりと入り込んできた。

「ふぁっ……ん、んむぅ、ん。はあぁっ……」

 頬を掴まれながら舌を扱かれる。
 溢れ出た唾液を甘露のように舐め啜られる。
 
 甘く激しい濃厚なキスに酔ってしまう。敏感な両耳に指を差し入れられ、ルクレーシャは自分の肉棒がむくむくと勃ちあがっていくのを感じた。

(ダリルのキス、気持ちいい)

 キスだけじゃない。彼にくっつくと、心も体も満たされるような快感が自分の中を巡っていく。

 やっぱりこうなるのはダリルだけだ。他の人間に触れられたって気持ちよくない。
 
 自分の恋心に、オスの実の魔力が反応しているのだろうか?

「なあルクス。俺の足に君のモノが当たってるぞ。ふふっ、もう硬くなってるじゃないか。俺とのキスがそんなに良かったか?」

「あ、ひっ……!」

 スカート越しに肉棒をそっと押さえられる。じわりと広がった快感に、ルクレーシャは頭がかっとなるような性欲に襲われた。

 ダリルが欲しい。彼に触れたい。
 自分を満たしてくれるのは、彼しかいないのだから。

「だり、るぅ……」
 
 ルクレーシャが負けじとダリルの唇にしゃぶりつくと、彼は顔を赤らめ照れくさそうに笑った。

「なんだ? いつもより積極的だな。欲求不満なのか」

「うっさいわよ。あなたとキスするとこうなっちゃうの。大人しく私にキスされてなさいよっ! ん、んむっ……」

 ダリルのことが大好き。
 込み上げる欲求のまま男の唇を啄むと、ダリルは嬉しそうに目を蕩けさせた。

「はぁっ……くっ、くく……! まさかライバルにキスの主導権を握られてしまうとは! ああルクス、顔が真っ赤だぞ。んむっ……。ふふっ、口をくっつけるだけか? 可愛らしいな。どうやらキスの腕前は俺の方が上らしい」

「ちょっと笑わないで、キスし辛くなるでしょうが! んっ、はぅっ……ダリルは勝手よ。いきなりあんなことして、顔を合わせればキスばっかりして、私の大切なファーストキスまで奪って……! だから、腹いせにいっぱいキスしてやるのよ。精々私の練習台になりなさい!」

「ぐっ、この……。俺とのキスが練習台だと? ふざけるなよルクスっ、いったいどこの男とキスするつもりだ!? こんな拙いキスしかできないくせしてっ……! 君のキスに付き合える男は俺しかいないんだ! はぁっ、んぐ……。君は一生、俺に下手なキスをしていればいいだろ……!」

 言い合いしながらキスを繰り返す。触れるだけのキスを仕掛けてくる女に、ダリルは強い愛情と嗜虐欲を覚えた。

「はっ、はぁ……変わった女だ。俺の顔を見て逃げ回ったくせに、こんな時は自分から近づいてくるのだから」

「ふっ!? んっ、んんううぅ!」

 ぐっと抱き寄せられ、奥に引っ込めた舌をつんと舌先でつつかれる。困惑に目を見開くルクレーシャに、ダリルは舌を伸ばすよう合図した。

「はあっ、ルクス……。君のを出してくれ。キスがどういうものなのか、俺が教えてやる」

「ふっ、ふあ……ぁっ。んんぅ、ふあぁんっ……」

 おずおずと伸ばされたルクレーシャの舌を、ダリルが優しく唇で挟む。敏感な粘膜をしゃぶられながらじっと見つめられ、ルクレーシャは羞恥に涙を滲ませた。

(やだっ、そんな風に見ないで……)

 恍惚にとろける黒い瞳に、自分の赤らんだ顔が映っている。後頭部に手を添えられ、絡めとられた舌の先をすぼまった口でねっとりと吸われる。優しく淫らな愛撫に、ルクレーシャは足をもじもじと擦り合わせた。

「はぁんっ……あっ。や、ぁ……は、ふぅ……」
 
 ちゅう、じゅう。ちゅく。舐め吸われる舌から響く淫らな水音が、ルクレーシャの性感を高めていく。ダリルと舌を合わせる度に、じりじりと秘部が疼く。

 気持ちいい。彼と交わす吐息さえ甘く感じる。穏やかなキスの快楽はやがて大きな波に変わって、ルクレーシャはダリルに口を吸われながら浅い絶頂を迎えた。

「ひあっ、や、んん……。んんっ、ひっ! んあっ、あぁぁぁぁっ……!」

 肉棒の先からじわりと愛液が溢れ出る。絶頂の余韻に腰が砕け、ダリルにもたれなければ座り込んでしまいそうだ。

 女の内ももに雫が滴るのを認め、ダリルは満足そうに口角を上げた。

「キスだけでそうなるとは。君はどんどん敏感になっていくじゃないか」

「んはあっ、んうっ。はぁ、はぁっ……。だ、誰のせいよぉ……! あなたが私にべたべた触るから、こんな体になっちゃったんでしょうが!」

 ルクレーシャがにやにやと笑うダリルを睨んだ時、肉棒に嵌められた輪がぶるりと震えた。

「きゃんっ!?」

 甲高い悲鳴を上げてくずおれそうになる女を、ダリルの腕がしっかりと支える。彼は荒い息を吐くルクレーシャに顔を近づけ、彼女の耳にかすれた声を注いだ。

「そうだ、ルクスをそんな体にしたのはこの俺だ。オスの実の魔力に蝕まれた君を救おうと、俺は熱心に君の体に性的快楽を与えてきた。唇も、胸も、秘められた場所も……。俺に暴かれてなおさら快楽を拾えるようになったよな」

 女の頬を伝う涙を舐め取りながら、ダリルは暗い目でルクレーシャを見据えた。

「俺はルクスを治療しようと努力してきた。なのに、ルクスは恩人の俺から逃げた……。なあ、なぜ俺を避けたんだ? 君に避けられて、俺はひどく苛立ったんだぞ」

「さ、避けてないよ」

「嘘を言え! 俺が話しかけたら大声を上げて逃げただろう!? スライムボール投げの時だってそうだ。君との勝負を楽しみにしていたのに、あんな風にゴールネットを放棄するとは!」

 ルクレーシャは肩を縮こませた。どうやらダリルは、三日経ってもこの前の授業のことを根に持っているらしい。

「君は変だ。誰かに似せたパペットといい、恋の色に染まった心映しの薬といい……。ルクレーシャという女は、がさつだが錬金術に一生懸命で、いつだって我が強いほど真っ直ぐで、好きな男のことばかり考えるような女じゃなかったはずだ!」

「ちょっと、がさつは余計よ」

 頬を膨らませるルクレーシャに構わず、ダリルは俯き悲しそうな顔をした。

「……君は変わった。変わってしまったんだ。俺の知らない誰かによって」

 失意を滲ませた呟き。
 不安と怒りが入り混じる彼の声に、ルクレーシャは思わず言葉を失った。

「なあルクス。君はあの下級生の男と随分打ち解けていたな。本当に君は、ありとあらゆる虫を引き寄せるのが上手い。あの軽薄そうな男だってそうだ。少し目を離せば、ああして近くに男がいる。はあ……本当に気に入らない」

 黒い髪、黒い目、黒い服。
 ルクレーシャの胸元に潜むパペットと、先程の男の姿を反芻しながら、ダリルは冷気を纏う声を落とした。

「もしかして君が逃げ回ったのは、俺を振り払って好きな男のもとに行こうとしたとか? ああ、浅はかな考えだ。いくら逃げても無駄だぞルクス。君がどれだけ逃げたって……どこまでも追い詰めて、こうして捕まえてやる」

「んっひぃっ!?」

 強烈な振動にルクレーシャは悲鳴を上げた。取り付けられた輪がぶぅんと低い振動音を発し、ルクレーシャの肉棒を容赦なく責め立てる。

「……こうして輪を震わせれば。君は俺に従うしかないだろう?」

「ああああぁぁぁぁぁッ!? ああぁっ、あっ! まって、とめてえぇぇっ!!」

 女の急所に抗いようのない快楽が襲い来る。愛液を滴らせながら、ルクレーシャは訳が分からぬまま連続で達した。

「あッ、あっいや! まっ、まってだりる! ぶるぶるだめっ、こんなつよいのだめえええっ! とめて、とめてよおっ! くふうっ! いやあああぁぁっ!」
 
 身を捩って強烈な快楽から逃れようとするが、ダリルに力強く抱きしめられているせいでまったく動くことができない。肥大化した敏感な陰核が、何の防護もなくぶるぶると揺り動かされてしまう。芯にずきずき響くような強烈な快感に、ルクレーシャはあっという間に次の高みへ押し上げられた。

「んあっ! あんっ! あっ、もうだめ! んやぁっ……あっ、ああああああああああああっ!!」

 ルクレーシャの肉棒の先端から、とびきり濃い飛沫が吹き出る。大量の愛液と潮が、彼女の赤いスカートをびっしょりと濡らした。

「ああっ、あ……。あ、はぁぁっ……」

 ルクレーシャの体から力が抜ける。自分にもたれかかる女の頭を撫で、ダリルは幸せそうに微笑んだ。

「ああ、ルクス。こんなに体を震わせて可哀想に……。くくっ、涙が出るほど気持ちよかっただろう? 君をこんな風にできるのは俺だけだぞ、ルクレーシャ。だから君の傍には、俺がいてやらないとな」

「はあっ、は……んぐ、ぅ……!」

「なんだ、今更声を我慢しようとしているのか? 安心しろ、既に『沈黙の霧』をかけておいた。君が喘ごうが啼こうが、外には何も聞こえない。いくらだって声を出せるぞ」

 ダリルは力の抜けたルクレーシャを姫抱きにした。そのまま部屋の隣にある浴室へと連れ込み、女の衣服を脱がせていく。体液にしっとりと濡れたスカートを取り去り、ダリルは下着を押し上げるルクレーシャの肉棒を見下ろした。

「さあ、ルクス。今日も君を治療してやろうじゃないか。まずはベッドに行く前に、お互いの体を綺麗にしないとな?」

 下着に手を掛けられる。ダリルの支配的な笑みに、ルクレーシャはこくりと唾を飲み込んだ。
 

 *


「んあっ、だりるぅ……! ま、待って。これはさすがに恥ずかしいってば! ひとりで体洗えるから、まって……!」

「何を言ってる、この輪は俺にしか外せないんだぞ。汚れるまで放っておいたら大変だ。こら、暴れるなって。大人しく俺に身を任せておけ」

 広い浴室の中。ルクレーシャは背後からすっぽりと抱きしめられ、丹念に体を清められていた。
 
 ふわふわもこもことした泡で背中を洗われる。目の前の鏡に男の逞しい裸体が映っているのを見て、ルクレーシャは顔を真っ赤にした。

(いやあっ、私ってばダリルと一緒にお風呂入ってる! 何でこんなことに!? 眼福だけど刺激が強すぎて鼻血が出そう……!)

 ルクレーシャは顔を覆いながら、ちらちらと後ろの様子を窺った。
 
 治療の時、ダリルはいつも自分の服を脱ぐことはしない。赤黒くてグロテスクな男性器を目にしたことはあっても、彼の上半身をはっきりと見るのはこれが初めてだ。

(か、格好いい……。肩ががっしりしてて、お腹はすっきり割れてて。お貴族様なのにすっごくいい体してる! そ、そうよね。ダリルって強いもの。材料を採取する時は、魔法剣を振り回して魔獣を追い払ってくれるし)

 ダリルの綺麗な首筋に雫が伝っていく。官能的なその光景に、肉棒が硬さを取り戻していくのを感じる……。

「ルクス、何をそわそわしてるんだ。腕を下ろしてくれ、前の方が洗えないだろ」

「ふぁっ!」

 背後から腕を取られ、そのままゆっくりと下ろされる。剥き出しの胸に泡を付けられたルクレーシャは、ダリルの指が乳頭をかすめる度に肩を震わせた。

「んぅ、んんっ……! ちょっ、ちょっとダリル。なんか触り方がやらしいんだけど。なんで胸の先っぽばかりいじるのよおっ……!」

「くくっ。君のここは、こりこりしていて実に洗い甲斐があるからな」

 泡を纏ったダリルの指が乳首を弾いたり、くにくにと胸の先端を揉んだりする。尖った乳首に優しく爪を引っ掛けられ、ルクレーシャは小さく飛び上がった。

「ひぁっ!? んっ、んくうぅ……!」

 艶やかな女の声が浴室に反響する。一生懸命唇を噛みしめるルクレーシャに、ダリルは優しく声を掛けた。

「こら、声を我慢するな。ルクスの声を聞かせてくれ」

 大きな手に胸全体を揉みしだかれる。淫らなダリルの手の動きに、ルクレーシャは身動ぎしながら啜り泣いた。

「やぁっ、んやっ! お、お風呂の中でまで治療する必要ないじゃない! こんなの恥ずかしいよぉ……!」

「恥ずかしがることなんて何もないだろ。君の裸は何度も見てきたんだ。ほら、感じすぎて辛いなら俺の方に寄りかかれ」

 ダリルの手がルクレーシャの体の線をなぞる。腕から腹、そして足を丹念に清め終わった彼は、とうとう桃色の陰毛から顔を出す肉棒へと手を伸ばした。

「ふあっ、そこはぁ……!」

「くくっ……。君のこれ、びんびんに勃ってるぞ。治療のしがいがありそうだな?」

 わざとらしい笑みを浮かべながら、ダリルは雁首に嵌められた輪に指を添えた。ごく柔らかい素材で作られた輪が、ダリルの魔力に反応してその拘束を緩ませる。するりと肉棒から抜けていく銀の輪に、ルクレーシャはほっと息を吐いた。
 
「ふっ、ふぁっ……。分かってたけど、やっぱりこの輪はあなたにしか制御できないのね」

「ああ。持ち主の魔力にしか反応しない特製の湿布だからな。君がいくら外そうとしても、少しも緩まないという訳だ。この輪があるうちは俺から逃げられないと心得ておけ。……絶対に、絶対に好きな男のもとへは行かせない」

 どろりとしたダリルの囁きに、ルクレーシャは眉を下げた。

(そんな風に私を縛り付けなくたっていいじゃない。私はどこにも行かないわよ)
 
 好きな男はあなただと伝えられたら、どんなに楽だろう。だが身分の差を始め、色々なことが気になって素直に想いを伝えられない。

 こんな輪がなくたって、自分はダリルが望めばいくらだって体を預けるのに。
 
「可哀想になあ。ライバルにこんなことをされて、大人しく言うことを聞くしかないなんて。ああ、哀れなルクス。後で新しい輪を嵌めてやるからな」

 掌に泡をたっぷりと乗せ、ダリルはルクレーシャの肉棒を優しく扱き始めた。先走りを垂れ流す先端から雁首の段差、そして裏筋までを丁寧に清めていく。
 
 大きな手で包み込むようにして急所を扱かれる快感に、ルクレーシャは顎を仰け反らせながら喘いだ。

「ふうっ、んあぁっ! ん、くふぅうっ……。んやぁっ、そんなにしこしこしないでっ! うらがわはだめえぇっ! あっ、あはぁっ、んああああっ!」

 もっちりとした泡が、いつもと違った刺激を肉棒に与えてくる。ただ体を洗われているだけなのに、相手がダリルというだけで、ここまで感じ入ってしまう自分の体が恨めしい。

「ひっ、ひ! んんっ! ああっ、やああああぁぁっ! まってよだりるっ、もうそこはいいからぁっ……! ああん、もうこするのやめてってばあ……! おかしくなりゅっ、ん、ひぃ……!」

「駄目だ。大事なところこそ、丁寧に洗ってやらなければいけないだろ。ふふ、洗っても洗ってもぬるぬるしてる。これじゃ、いつまで洗えばいいか分からないな」

 輪を形作るダリルの指が、肥大化した陰核を揉み込むように扱く。指で優しく締め付けられながら、下から上へゆっくり摩擦されると、全身が蕩けてしまいそうな快楽に襲われる。ルクレーシャは羞恥も忘れ、真っ赤な顔で泣き叫んだ。

「ふあああああっ!? いっ、いじわるぅ! 女の子のそこっ、とってもびんかんなところだって言ったでしょ……!? そんな風にしこしこされたらすぐいっちゃう……! ふあ! んやっ、いく、いやっ、あああああああああぁぁぁぁっ!」

 肉棒の先端から勢いよく飛沫が飛び出る。弧を描いた濃厚な愛液が、目の前の鏡にばしゃりとかかった。

「はあっ、はあ、あはあっ……。も、もうやめてぇ……! だりるっ、お願いだからぁ……!」

「ああ……ルクレーシャ。なんて可愛いんだ。髪も陰毛もふわふわしてて、とってもいい匂いがする」

「あっ!? んっ、ん……!」

 ダリルの高い鼻が首筋をなぞる。肌を優しく吸われ、赤い花びらをいくつも散らされる。ちくりとした所有痕の痛みさえ気持ちいい。

 甘い声を漏らすルクレーシャの唇を塞ぎ、ダリルは情欲に潤む目で女を見つめた。

「まだだ。まだ続けるぞ」

「えっ、う、うそっ。もうむり! んああっ……!?」

 ぬめる秘唇を割り開かれる。
 とろりと垂れる愛液を掬い取り、ダリルは亀頭にくるくると塗りつけた。

「君のここはまだ満足していないみたいだ。顔を合わせられなかった分、たっぷり気持ちよくしてやるからな……」

 ダリルの指がそっと膣口をかき回す。腹の奥がきゅうと疼くのを感じながら、ルクレーシャは被虐の予感に目を潤ませた。
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