失敗作は蜜の味

橙乃紅瑚

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縮まっていく、ふたりの距離 - 3 ♥

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 それから一週間ほど経ったある夜のこと。ルクレーシャは自室のベッドの上で、何度も溜息を吐いていた。

「……はぁ」

 眠れない。お気に入りのネグリジェを着て、ハーブティーも飲んだのに、全く眠気がやってこない。ルクレーシャは無理やり眠ろうとしたが、やがて観念したように目を開いた。

「ああああもうだめ! 全然眠れないわ!!」

 大声を上げ、足をばたばたと動かす。忙しないルクレーシャの脳内を占めるものは嫌味なライバルの男――ダリルだ。
 
 彼の姿を頭から追い出そうとしても、一秒後にはまた顔を覗かせてくる。あの意地悪そうな笑顔を思い出す度、ルクレーシャは憂いを帯びた溜息を吐くのだった。
 
「はあ、どうしよう……。あいつのことばっかり考えちゃう」

  ここ最近ずっとダリルと触れ合っている。勉強を教えてもらうついでにキスをし、そのままベッドにもつれ込む。彼と剣を交えていた放課後は、体液まみれで触れ合う背徳的な時間へと変わってしまった。
 
 いつオスの実の発作が起きるか分からないから、昼も夜もダリルの傍にいる。流石にこれではいけないと一週間ぶりに寮に戻ってきたが、客観的に考えて、自分はかなり爛れた生活を送っているのではないか……?

「うう、駄目だぁ……! 同じことばっかりぐるぐる考えちゃうだなんて、私らしくないよ! ああああもう、ダリルの馬鹿、へんたい! あなたのせいで私は寝不足よ!」

 悪態をつきながらベッドの上をごろごろと転がる。ランプの薄明かりを見つめながら、ルクレーシャは力なく呻いた。

 眠れないなら試験範囲の復習でもしようか。ルクレーシャはそう考えたが、ダリルに魔法式を囁かれながら陰核を扱かれたことを思い出し、顔を真っ赤にした。

 色気たっぷりの男の声が蘇る。

 ――ほら、ルクス。もう一度魔法式を言ってみろ。覚えられないなら口に出して暗記するんだ。どうだ? こうしながら式を復唱すれば、君だって魔法式を覚えられるだろう?

 快感と式を結びつけて覚えるんだ。ダリルはそう言ったが、自分に刻みつけられたのは彼から与えられた凄まじい快楽だけで、長ったらしい魔法式なんて頭からすっかり抜けてしまった。

 ダリルにまつわるものが次々と蘇る。体温、耳に注がれる囁き、垂れ下がった前髪、欲を露わにする視線、自分を包み込む大きな体……。彼との甘い接触を思い出し、ルクレーシャは秘部が脈打つのを感じた。

(ダリルの手、気持ちよかったな) 
 
 ――ふふっ、君の体は難儀だな。これだけ俺が治療してやっているのにまだよくならないとは。ああ、心配するな。どれだけ時間がかかっても、俺が責任を持って元に戻してやるさ。

(治療……いつまで続くんだろう?)

 立派な肉棒が生えてしまった自分の性器。女の陰核が男の陰茎に変化した理由は、オスの実の強大な魔力が身体に影響を及ぼしてしまったかららしい。

 治療するには、オスの実の魔力を霧散させてやればいい。つまり、媚薬に蝕まれた者と同じことをするのだとライバルの男は言った。
 
 何度も性的快楽を与えて身体の魔力を循環させる。体に宿る異質な魔力を霧散させてしまえば、その股間の盛り上がりが元に戻るはずだと。

 でも……。

「ねえダリル。私の体、本当に元に戻るの? 前より酷くなってるんだけど」

 ルクレーシャは眉を下げた。

 肥大化した陰核は、以前にも増して凶悪な疼きを伝えてくる。もっと快楽を寄越せ、もっと絶頂させろと言わんばかりに。特に酷いのは膣から最奥にかけての疼きだ。根源的でどろりとした欲望が、ずっと腹の奥に溜まり続けている。

 欲しい。自分の中にある欠けた場所を埋めてほしい。そんな強烈な欲求が自分の中に渦巻いている。
 
 ダリルの指でも届かない未知の場所。彼の男根で貫かれたら、この欲求不満は消えるだろうか? 

(ダリルのおちんちん、凄かったなあ。私のよりずっと大きくて、赤黒くて、いっぱい血管が走ってて)

 あれを自分の中に挿れたらどうなるんだろう。じくじくするお腹の奥を優しく擦ってもらったら、どれくらい気持ちよくなれるんだろう……。

「…………」

 ダリルに抱かれる想像をすると濡れてしまう。
 ルクレーシャは湿った下着を脱ぎ、怒張する肉棒に手を伸ばした。

 膣口から愛液を掬い取り、そっと陰核に塗りつける。男の剛直に腹の奥をかき回される想像をしながら、ルクレーシャは拙い自慰に浸った。
 
「ぁっ、んんっ、は、ぁ……」

 ダリルのようにうまく扱けない。快感が強すぎて、どうしても手が逃げてしまう。あの大きな手で陰核を包みこまれながらずりずりと扱かれたい。がっしりした体に縋り付いて、思いっきり気持ちよくなりたい。

「だり、る……だりるぅ……!」

(あんなにいっぱいキスして、私の胸に頬ずりしてくるくせに……。なのに、どうしてダリルは私を抱こうとしないんだろう?)

 ルクレーシャは目を潤ませた。

(男の子ってしたくなるものじゃないの? それとも、じゃじゃ馬女は面倒くさいから抱きたくないって思ってるのかな)

 切なさが込み上げる。ダリルを想いながら、ルクレーシャは浅い絶頂を迎えた。

「ふっ、う、んんんっ……」

 先端からじわりと愛液が溢れ出る。ライバルの男を想いながら自慰をしてしまった罪悪感に、ルクレーシャはまた溜息を吐いた。

 調合した仲良しの薬が、失敗作じゃなくて成功作だったら良かったのに。そうしたらダリルは、自分を抱いてくれたかもしれないのに。

「馬鹿ダリル。こんなの生殺しよ……足りないの、いくらおちんちんを扱いてもらってもずっとお腹の奥が苦しいの。ねえ、こんな風にした責任を取ってよ」

 雁首に嵌められた銀の輪を見つめ、ルクレーシャはぽつりと呟いた。


 *
 

「以上の理由から、既存の調合体系では先人が錬成を試みた至高の薬は作れない。私はそう判断したのです。錬金術の極みに達するためには、人が神より授かった智慧――つまり魔力が必要なのだと」

 ダリルの堂々とした声が響き渡る。成績優秀な黒髪の貴公子は、王立錬金術学校の記念講堂にて研究発表を行っていた。
 
 書物でのみ語られる伝説の物質、賢者の石。
 無から有を生み出すことができるという奇跡の霊薬。
 
 不完全ながらもその錬成手法を編み出した功績を讃えられ、ダリルは学長直々に表彰を受けた。
 
 記念講堂は教師陣と全校生徒のみならず、ダリルの噂を聞きつけた学者や貴族でごった返している。大勢の視線がダリルへ注がれているが、彼はそれに臆することなく、赤い液体が入ったフラスコを掲げながら、己の研究成果を高らかに説明してみせた。

「物事の考え方は単純です。錬金術の基本、四元素四性質の配合を変えれば、この世のあらゆる物質を再現することができる。我々は既に黄化、つまり鉄を黄金に変える金属貴化を成し遂げた。土台は出来ている。あと少し足りないものを補えば、万人の夢、無から有の生成すらも叶えられると考えました」

 相変わらずダリルの言っていることはさっぱり分からない。ルクレーシャは欠伸を堪え、早くこの全校集会が終わるようにと願った。
 
「聖典『大いなる業』には、腐敗の黒化、浄化の白化、黄金の黄化の先に、有限と無限、人と神の集約――赤化の段階があると記されています。赤化への鍵は何か? 昇華、溶解、濾過、結晶化、発酵、蒸留、焼成。そして硫酸、塩酸、王水、硫黄、水銀、塩……。あらゆる術を試し、あらゆる物質を使いましたが、いずれも赤化には至らなかった」

「しばらくは成果のない研究を続けていましたが、私は同輩と切磋琢磨するうちに、ふと閃きを得たのです。四元素四性質の配合が著しく崩れていても、強靭な魔力さえあれば物体に魂を固定できる。その発見はまさしく奇跡だった。人が神と合一を為すための鍵、それは魔力なのではないかと」

 ダリルが真正面を見て微笑む。彼とがっちり目が合った気がして、ルクレーシャは慌てて顔を背けた。

「私の推測は正しかった。通常の調合ではおよそあり得ないバランスで四元素を結合させ、そこに膨大な魔力を注ぎ込んだのです。すると物質は崩壊することなく、見たこともない赤の輝きを放ち始めた! この物質界に生きる我々が、唯一操ることができる非物質。その神秘の力こそ、赤い霊液『賢者の石』の錬成に必要なのです」

 フラスコの中の液体がきらりと輝く。ダリルが発表を終えるや否や、どっと拍手が沸き起こった。喝采鳴り止まぬ中、研究発表を終えたダリルの元に大勢の人間が群がっていく。隣の生徒が「彼は天才だ」と呟くのをルクレーシャは耳にした。

 称賛と熱狂の声、四方八方から手紙や花束を手渡されるライバルの姿。ルクレーシャは椅子に座ったまま、その光景を見つめていた。

(賢者の石ねえ……。それって、伝説の薬じゃない。あいつって本当に凄いのね、学生のうちにそんな大研究をやり遂げちゃうなんて)

 遠くに見えていたダリルは今や人混みに隠されて見えない。ルクレーシャは目を瞑り、彼の堂々とした発表を反芻した。

 自分のライバルは完璧だ。
 天は彼に二物も三物も与えたらしい。
 
 目を惹く美しさ、国内に名だたる家柄。謙虚な精神と、努力によって培われた膨大な知識。ダリルから嫌味を言われている自分でさえ、彼は褒め称えたくなるほどの美点に満ちあふれている。きっと、ダリルの未来は輝かしいものになるのだろう。
 
(将来、あいつは何になるんだろう? 王家に仕える錬金術士にでもなるのかな? それとも錬金術学校の教授? もしかしたら見聞を広めるために旅に出るのかもしれないし、すぐに家を継ぐのかも)

 いずれにしろ、卒業したらダリルとは離れ離れ。そう思うとなんだか酷く寂しい。ダリルと一緒に過ごせるのなら、彼の専属錬金術士になってもいいかもしれない……。

 (ど、どうしてそんなこと思うのよ。奴の小間使いになるのなんてごめんだわ!)

 ぶんぶんと頭を振る。嫌味男と縁が切れてもいいじゃないかと自分に言い聞かせ、 ルクレーシャは込み上げてきた寂しさを押し隠した。

(ダリルが将来何になろうがどうでもいい。卒業したらあいつと顔を合わせなくても済むのよ。清々するわ! それにあいつは名家の嫡男ってやつだから、私なんかに構う暇はなくなるのよ。きっと、卒業後すぐに結婚するんでしょうね)

 ダリルの隣に立つ女性はどんな人だろうか。
 ルクレーシャは頬杖をつきながら、ぼんやりと想像を巡らせた。
 
 ダリルに負けないくらい綺麗で、家柄も釣り合っていて、なおかつ努力家。もしかしたら、ダリルと同じように錬金術に詳しい人間かもしれない。自分とは正反対の、真面目で繊細な感性を持つ女性。きっとダリルはそんな素晴らしい女性と結婚するのだ。

 私ではない。私では無理なのだ。
 だってダリルの好みではないから。
 
 がさつ。いい加減。生意気。じゃじゃ馬。可愛げがない。魔力バカ……。ダリルから言われた言葉の数々を思い出し、ルクレーシャは胸がじくじくと痛むのを感じた。

 舞台から黄色い悲鳴が聞こえる。何人もの女子生徒に囲まれて紳士的な笑みを浮かべるダリルを、ルクレーシャはきゅっと睨んだ。

(なによ、でれでれしちゃって……。私に対する態度と随分違うじゃない)
 
 ダリルは礼を言いながら、ひとりひとりの女の子と握手を交わしている。本来ならば自分もクラスメイトと同じように祝福の声をかけるべきだろうが、辛くて見ていられない。
 
 劣等感と寂しさに苛まれながら、ルクレーシャは静かに記念講堂を後にした。


 *


 人気のない廊下を歩く。
 ルクレーシャは俯き、何度も溜息を吐いた。

 切なさが消えない。脳裏にこびりついているのは、女子に囲まれて爽やかに笑うダリルの姿だ。彼は将来、あの女の子たちの中から自分の伴侶を見つけるのだろうか。もしかしたら自分が知らないだけで、ダリルはとっくに誰かと付き合っているのかもしれない。

(ダリルのばか。こっちはあなたのせいでお腹の奥がむずむずしてるのよ。なのに、あんな風に女の子を侍らせてたら話しかけられないじゃない……)

 自分の最奥が強烈に疼いている。そのせいで、何をしていてもダリルのことばかり考えてしまう。こんなのもううんざりだと呟いて、ルクレーシャは潤む目を瞬いた。

 早く自室に戻りたくて足早に廊下を歩く。下を向いているせいで、ルクレーシャはすぐ前に人がいることに気が付かなかった。

「わっ!?」

「うわっと!」

 どん、と勢い良く人とぶつかる。相手が尻もちをついたのを見て、ルクレーシャは慌てて手を差し伸べた。

「ご、ごめんなさい! 前見てなくて。大丈夫ですか?」

 床に散らばった錬金材料を拾い、小柄な少年を抱き起こす。すると彼はみるみる顔を赤らめた。

「うぇっ、あ、あの……。ルクレーシャ先輩ですよね?」

 吃りながら問いかけられる。ルクレーシャが頷くと、少年は拳を握りながら大声を上げた。
 
「わっ、わぁぁあああああ! うそっ、本当に!? まさかこんなところで先輩に会えるとは思ってなかった! 僕、先輩のファンなんです、いつも見てます!」

 少年はぱっと顔を輝かせた。彼はルクレーシャよりも二、三学年ほど下だろうか。眼鏡をかけたその顔からは、幾分か可愛らしさが感じられる。金髪の少年は呻いたり笑ったりした後、いきなり天を仰いだ。

「ほんとにルクレーシャ先輩だぁ……。まさか先輩と話せるだなんて! 幸運! ハッピー! 棚からスライム! ルクレーシャ先輩、ぼ、僕と握手してください。お願いします!」
  
 手をぎゅっと握られ、そのまま腕まで撫で回される。ルクレーシャは熱烈な視線を向けてくる少年に戸惑いを感じた。

「あの。私のファンってどういうこと?」

「そのまんまの意味ですよ! 僕、ルクレーシャ先輩に憧れて錬金術学校に入ったんです」

 眼鏡をくいっと上げ、少年は早口でルクレーシャを称賛した。

「忘れもしません、三年前の学園祭で展示されていた魔法の箒を。あの型にとらわれない独特さ、クワと見紛うほどの奇抜な造形! 箒かクワか? クワか箒か。いやもしかしたらオノかもしれない。物議を醸すかたちをしていたけれど、あの箒にはすっごく活き活きした魔力が込められていて、ひと掃きすればゴミも人も関係なく吹っ飛ばして! とにかく、一度見たら忘れられないくらい衝撃的だったんです!」

 これは褒められているのだろうか。微妙な顔をするルクレーシャに構わず、少年は熱の籠もった声で続けた。

「火、風、水、土。四元素のバランスが信じられないほど崩れているのに、先輩の作品は膨大な魔力を以てその形を留めていた。それは僕にとって革命だったんですよ! この箒を作った人に会ってみたい。僕はその一心で、難関といわれる王立錬金術学校へ入学したんです! ああ、ルクレーシャ先輩。ずっと遠くから応援していました……! 今すっごく感動しています。う、うぅっ……」

 少年は感極まった様子で泣き出した。
 ファンなら話しかけてくれれば良かったのにとルクレーシャが呟くと、彼は勢い良く顔を上げた。

「何言ってるんです! 僕みたいな一介のオタクが話しかけられる訳ないでしょう!? 先輩は錬金術学校のアイドルなんですよ。天才的な技巧、その体を取り巻く花びらのような魔力、そして何よりすっごくカワイイ! 傍にいたらあまりの眩しさに消滅してしまいます!」

「そ、そこまで褒めなくてもいいよ……大体、私が可愛いなんて嘘でしょう?」

「嘘じゃありませんっ、先輩はとってもカワイイんです! 先輩の美しさを称えるファンクラブがどれくらいあると思ってるんです!?」

 少年はルクレーシャの顔を真っ直ぐに覗き込んだ。異性から可愛い可愛いと称賛され、思わず頬を染めてしまう。

「いいですか、いずれのファンクラブでも偶像崇拝のみを許し、直接接触は禁じているんです。なぜなら先輩を巡って争いが起きてしまうから! ああ、こうして先輩と話すことも本来は許されないことなのに……!」

 そう言いながらも、少年はここぞとばかりにルクレーシャの手を撫で摩っている。ふにゃふにゃと幸せそうに破顔する後輩を見つめながら、ルクレーシャは照れ笑いをした。

「私のファンがいるなんて知らなかったわ。それに、可愛い可愛いって褒めそやしてもらえたのも初めてよ。いつもじゃじゃ馬だとか、がさつ女みたいなことばかり言われてきたから」

「それなら僕が一生分のカワイイを伝えて差し上げたい! くそぉ、先輩の近くに黒い悪魔さえいなければ……」

「黒い悪魔? なにそれ」

 ルクレーシャが首を傾げた時、背後からおどろおどろしい声が聞こえた。

「るぅぅぅぅくぅぅぅぅすぅぅぅぅ」

「ひぇっ。あ、悪魔がやって来てしまいました……!」

 少年がびくりと肩を跳ね上がらせる。ルクレーシャが後ろを振り向くと、せかせかとこちらに走ってくるダリルが見えた。男の形相は怖ろしい。ダリルは少年とルクレーシャが手を繋いでいるのを認め、かっと目を見開いた。

 ルクレーシャと少年の手がダリルの手刀に割り開かれる。ダリルは無言でルクレーシャの腕を掴み、その場から立ち去ろうとした。

「ちょっ、ちょっとダリル。おはなし中よ!」

「うるさいうるさいうるさい! 少し目を離せばいつもこうだ!」

「わわわっ……まって、どこに行く気!?」

 ずるずると引き摺られる。ひとり残された後輩を気に掛ける間もないまま、ルクレーシャはダリルに連れ去られた。
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