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Extra.糸の魔術師
Ex1.糸紡ぎ
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気が付くと、リアは昏い河のほとりに独り立っていた。
辺りはひどく暗い。飲みこまれそうな暗闇の中、どこからか花の芳しい香りが漂う。
(薔薇の香り?)
嗅いだ者に恍惚と酩酊を与えるような馥郁たる薔薇の香気。その香りに誘われるように、リアは闇の中、一歩一歩河へと近づいた。
河の船着場には小舟が停まっていた。そしてその小舟には、ひとりの老人が乗っている。
その老人は奇妙だった。ここには明かりなどないのに、彼の顔は光を受けたように随分はっきりと見えた。無表情だが、偏屈そうな顔がリアを見つめている。そしてその目は白目がなく黒一色で、老人の目は、深い深い闇を思わせた。
「あの、あなたは……?」
老人は何も答えない。櫂を持ち、リアが乗り込むのをただ待っているように見える。
(ああ、そうか)
愛しい夫、そして彼と共に慈しみ育て上げた五人の子供たち。
朦朧とする意識の中で響いた彼らの声を思い出す。彼らは自分の手を握り、頭を撫で、声を掛け続けてくれた。
目の前に横たわる昏い昏い河。その水面は黒くどれほどの深さがあるのか分からなかった。冥府の河、そしてその番人と小舟についての言い伝えが頭を過ぎる。
リアは、自分がここにいる理由を思い出した。
(私は死んだのか)
舟に乗り込めば、自分の魂は彼岸へと行き着くのだと理解した。リアは後ろを振り返った。ぞっとする程の黒が横たわり、来た道を引き返すことは出来ないようだった。
「あなたは渡し守なのね」
老人は何も答えない。リアを真っ直ぐに見つめ、その夜闇のような瞳を向けている。
(私はしっかりと生き抜いた)
天から与えられた寿命を全うした。そして命ある限り、家族を愛し抜いた。
後悔はない。家族との思い出は、どこを切り取っても優しく愛おしく温かいものだ。
(ゼル。私は逝くわ。命廻るその時まで、河の向こうで待ち続ける)
自分を心の底から愛していた夫の姿を思い浮かべ、リアは哀しく微笑んだ。
(あなたの感情が伝わってくる。私を喪った深い深い悲しみ。そんなに泣かないで。苦しまないで。私は絶対にゼルの傍に戻るから。だから……)
夫の感情が流れ込み、胸を締め付ける。リアはその切なさに涙を流した。
愛しい愛しい夫は、自分の後を追わないだろうか。子を慈しみ、村にあるものを慈しみ、これからも生きていってくれるだろうか……。死の恐怖は全くない。ただ、ひたすら夫のことが心配だった。自分が還るその時まで、ゼルドリックが生きていてくれるかどうかが心配だった。
だがリアは、ゼルドリックを信じることにした。
自分と過ごしたおよそ五十年の時が、かつて交わした約束が、彼の命をこれからも繋ぐと信じて。
(この河の向こうには、父さんや母さん、村の人たちが待っている。ずっと会っていなかったマルもいるかもしれない。だから何も怖れることはない。……河の対岸に行こう。そして、天からゼルと子供たちを見守り続けよう)
リアは渡し守に向けて少し頭を下げ、小舟へと乗り込んだ。夜闇の瞳を持つ老人はひとつ頷き、ゆっくりと舟を漕ぎ始めた。穏やかな舟の揺れにリアは心地よさを感じた。
(不思議ね。冥府の河というのは、こんなに強い薔薇の香りが漂っているものなのね)
暗闇の中、薔薇の香りが濃くなる。
渡し守がひとつ、またひとつと小舟を漕ぐ度に薔薇の香りが一層強くなる。
(……?)
酩酊。酔ってしまうような香気。鼻を突くほどに強すぎる薔薇の香りに、リアは違和感を抱いた。
急に舟が停まり、冷たい飛沫がリアの身体にかかる。その衝撃にリアが目を見開くと、渡し守は砂のようにその姿を失わせた。
「え……」
リアは、舟に独り残された。大きな昏い昏い河の真ん中に残され、心に不安が込み上げる。あの老人は一体どこに消えてしまったのだろうかと暗闇を見渡す。殆ど何も見えない中、薔薇の香気だけが強く迫ってくる。
そしてリアは、水底から何かが浮かび上がってくるのを見た。灰色の巨大な何か。暗闇の中でもはっきりと見えるそれはみるみるうちにリアの舟へと接近し、そして小舟ごとリアの身体を持ち上げた。急激な浮遊感にリアは舟にしがみつき、唇を慄かせた。
掌。リアは乗っていた舟ごと巨大な何者かの掌の上にいた。そして、その掌の持ち主が水底から姿を現す。
それは女だった。巨大な女だった。
冥府の冷たい河の水に濡れ、灰色の美しい肌を滑らせている。芳しい薔薇の香気を纏い、リアに向けて微笑んだ。頭に赤い花冠を乗せた複腕の女。その腕の多さはどこか蜘蛛を思わせた。
複腕の女は掌の上のリアに、穏やかな微笑みを向けている。その微笑み、優しく閉じられた目、そして頭に乗せた赤い花冠を、リアはどこかで見たことがあるかもしれないと思った。
ゼルドリックの精神世界で見た石膏像が思い浮かぶ。
下界にパルシファーをもたらしたと云われる女神。エルフが祖と崇め、そしてゼルドリックが自分と巡り逢うために祈りを捧げ続けた、愛の女神。
――仔よ。胸に花を宿した仔よ。
奇怪な声だった。金属が擦れ合う音にも、男と女の声が重なり合うようにも聞こえる、理解を超えた声だった。
複腕の女はその口を開くことなく、穏やかな微笑みのままリアに語りかける。
――妾は母。闇の太母。全ての命、そして夜の淵源よ。
リアの頭に、闇が流れ込む。
死、運命、眠り、苦悩、復讐、愛欲、争い、欺瞞、狂気、殺戮、偏執、破滅。全てはこの女神から生み出されたのだと、人智を超えた力で理解する。
――蜜の集め仔。汝、花を咲かせよ。妾に甘美な蜜を味わわせよ。
閉じられた目が開かれる。女神は老人と同じような目をしていた。何物よりも昏く黒い、夜闇のような瞳をリアへと向けた。
そして腕のひとつを花冠へと伸ばし、パルシファーの綿毛を指の中で撚り合わせた。綿毛は一本の赤い糸となり、女神の手からするすると上に伸びていった。
リアの皺んだ細い手首に、いつの間にか赤い糸が巻かれている。女神は微笑み、冥府の河の中に再びその身体を沈ませた。
リアは女神の糸に導かれるように、上へ、上へと昇っていった。
――――――――――
緑の国エリテバラント、オルフィアン地方。
十数年前に国交が回復したばかりの国で商売をするべく、白波の国からはるばるやってきた商人たちは、刺すような寒さと吹き荒ぶ雪に、幾度目かの深い溜息を吐いた。
エルフの王族が支配するその国は広大で、北と南では天候と景色が全く異なっていた。
南部は身を焼くような灼熱の太陽の光が降り注いでいたというのに、北に進むにつれその光は穏やかになり、そして目的地である峰々連なる北部に足を踏み入れた途端、温かな光は吹雪にかき消され、辺りは一面氷と寒さに支配された。
凍った土と雪を踏みしめながら、商人の一人は愚痴を吐いた。手足が悴んで仕方ない。暗い空から降り注ぐ雪は止む気配が無く、このまま進み続けるのは危険だと。他の者たちは彼に同意を示し、適当な場所で休みを取ることにした。
ふと、商人のひとりが吹雪の向こうに灯りを見た。目を凝らすとそれは神を祀った祠で、簡素ではあるが数人が入れるような屋根がある。神の導きに感謝をし、商人たちはその祠へと向かった。
花冠を頭に乗せた女神像は、異国から訪れた商人たちを歓迎するように微笑みを向けている。彼らは柔らかな女神の微笑みに親しみを覚えつつも、石膏像の近くにあるものを認め、目を大きく見開いた。
それは赤子だった。
まだ生まれたてだと思われる赤子は、吹雪の中冷たい石膏像に寄り添うようにして眠っている。赤子の息があることを確認し、商人たちは急いでその赤子を布でぐるぐる巻きにした。赤子を火の傍で暖め続け夜を明かすと、近くの街へと向かい、そこにいたエルフに赤子を預けた。
赤子の耳は長かった。その特徴的な尖った耳は、その子がエルフであるとはっきり物語っていた。
同胞の子を預けられた中央政府の役人は、吹雪の中でも子が死ぬことなく祠にいたことと、その子が薔薇のような何とも良い香りを纏っていたことから、きっとこの赤子は、女神の祝福を受けているのだと喜んだ。
愛の女神オーレリア。聖なる植物パルシファーをもたらした祖。崇めるその名とこの地方の名から取り、役人は特別に、女の赤子に「オフィーリア」と名付けをした。
オフィーリア。
オフィーリア=オルフィアン。
この国の未来を背負うことになるひとりの赤子に温かな微笑みを向け、エルフは子を政府の教育課へと渡した。
オフィーリアは中央政府の教育課にて面倒を見られながら、寒々しいオルフィアンの地で健やかに育っていった。
エルフとは思えぬ低い背に肉付きのよい体型。同胞からエルフらしからぬその姿に首を傾げられながらも、彼女は度々称賛を受けた。大人が目を見張るほどの膂力。そして何よりも、パルシファーの綿毛のような真っ赤な髪。
オフィーリアはエルフとしての基礎教育を叩き込まれた後、若きひとりの役人見習いとして、まだ見ぬ王都へと旅立った。
辺りはひどく暗い。飲みこまれそうな暗闇の中、どこからか花の芳しい香りが漂う。
(薔薇の香り?)
嗅いだ者に恍惚と酩酊を与えるような馥郁たる薔薇の香気。その香りに誘われるように、リアは闇の中、一歩一歩河へと近づいた。
河の船着場には小舟が停まっていた。そしてその小舟には、ひとりの老人が乗っている。
その老人は奇妙だった。ここには明かりなどないのに、彼の顔は光を受けたように随分はっきりと見えた。無表情だが、偏屈そうな顔がリアを見つめている。そしてその目は白目がなく黒一色で、老人の目は、深い深い闇を思わせた。
「あの、あなたは……?」
老人は何も答えない。櫂を持ち、リアが乗り込むのをただ待っているように見える。
(ああ、そうか)
愛しい夫、そして彼と共に慈しみ育て上げた五人の子供たち。
朦朧とする意識の中で響いた彼らの声を思い出す。彼らは自分の手を握り、頭を撫で、声を掛け続けてくれた。
目の前に横たわる昏い昏い河。その水面は黒くどれほどの深さがあるのか分からなかった。冥府の河、そしてその番人と小舟についての言い伝えが頭を過ぎる。
リアは、自分がここにいる理由を思い出した。
(私は死んだのか)
舟に乗り込めば、自分の魂は彼岸へと行き着くのだと理解した。リアは後ろを振り返った。ぞっとする程の黒が横たわり、来た道を引き返すことは出来ないようだった。
「あなたは渡し守なのね」
老人は何も答えない。リアを真っ直ぐに見つめ、その夜闇のような瞳を向けている。
(私はしっかりと生き抜いた)
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後悔はない。家族との思い出は、どこを切り取っても優しく愛おしく温かいものだ。
(ゼル。私は逝くわ。命廻るその時まで、河の向こうで待ち続ける)
自分を心の底から愛していた夫の姿を思い浮かべ、リアは哀しく微笑んだ。
(あなたの感情が伝わってくる。私を喪った深い深い悲しみ。そんなに泣かないで。苦しまないで。私は絶対にゼルの傍に戻るから。だから……)
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愛しい愛しい夫は、自分の後を追わないだろうか。子を慈しみ、村にあるものを慈しみ、これからも生きていってくれるだろうか……。死の恐怖は全くない。ただ、ひたすら夫のことが心配だった。自分が還るその時まで、ゼルドリックが生きていてくれるかどうかが心配だった。
だがリアは、ゼルドリックを信じることにした。
自分と過ごしたおよそ五十年の時が、かつて交わした約束が、彼の命をこれからも繋ぐと信じて。
(この河の向こうには、父さんや母さん、村の人たちが待っている。ずっと会っていなかったマルもいるかもしれない。だから何も怖れることはない。……河の対岸に行こう。そして、天からゼルと子供たちを見守り続けよう)
リアは渡し守に向けて少し頭を下げ、小舟へと乗り込んだ。夜闇の瞳を持つ老人はひとつ頷き、ゆっくりと舟を漕ぎ始めた。穏やかな舟の揺れにリアは心地よさを感じた。
(不思議ね。冥府の河というのは、こんなに強い薔薇の香りが漂っているものなのね)
暗闇の中、薔薇の香りが濃くなる。
渡し守がひとつ、またひとつと小舟を漕ぐ度に薔薇の香りが一層強くなる。
(……?)
酩酊。酔ってしまうような香気。鼻を突くほどに強すぎる薔薇の香りに、リアは違和感を抱いた。
急に舟が停まり、冷たい飛沫がリアの身体にかかる。その衝撃にリアが目を見開くと、渡し守は砂のようにその姿を失わせた。
「え……」
リアは、舟に独り残された。大きな昏い昏い河の真ん中に残され、心に不安が込み上げる。あの老人は一体どこに消えてしまったのだろうかと暗闇を見渡す。殆ど何も見えない中、薔薇の香気だけが強く迫ってくる。
そしてリアは、水底から何かが浮かび上がってくるのを見た。灰色の巨大な何か。暗闇の中でもはっきりと見えるそれはみるみるうちにリアの舟へと接近し、そして小舟ごとリアの身体を持ち上げた。急激な浮遊感にリアは舟にしがみつき、唇を慄かせた。
掌。リアは乗っていた舟ごと巨大な何者かの掌の上にいた。そして、その掌の持ち主が水底から姿を現す。
それは女だった。巨大な女だった。
冥府の冷たい河の水に濡れ、灰色の美しい肌を滑らせている。芳しい薔薇の香気を纏い、リアに向けて微笑んだ。頭に赤い花冠を乗せた複腕の女。その腕の多さはどこか蜘蛛を思わせた。
複腕の女は掌の上のリアに、穏やかな微笑みを向けている。その微笑み、優しく閉じられた目、そして頭に乗せた赤い花冠を、リアはどこかで見たことがあるかもしれないと思った。
ゼルドリックの精神世界で見た石膏像が思い浮かぶ。
下界にパルシファーをもたらしたと云われる女神。エルフが祖と崇め、そしてゼルドリックが自分と巡り逢うために祈りを捧げ続けた、愛の女神。
――仔よ。胸に花を宿した仔よ。
奇怪な声だった。金属が擦れ合う音にも、男と女の声が重なり合うようにも聞こえる、理解を超えた声だった。
複腕の女はその口を開くことなく、穏やかな微笑みのままリアに語りかける。
――妾は母。闇の太母。全ての命、そして夜の淵源よ。
リアの頭に、闇が流れ込む。
死、運命、眠り、苦悩、復讐、愛欲、争い、欺瞞、狂気、殺戮、偏執、破滅。全てはこの女神から生み出されたのだと、人智を超えた力で理解する。
――蜜の集め仔。汝、花を咲かせよ。妾に甘美な蜜を味わわせよ。
閉じられた目が開かれる。女神は老人と同じような目をしていた。何物よりも昏く黒い、夜闇のような瞳をリアへと向けた。
そして腕のひとつを花冠へと伸ばし、パルシファーの綿毛を指の中で撚り合わせた。綿毛は一本の赤い糸となり、女神の手からするすると上に伸びていった。
リアの皺んだ細い手首に、いつの間にか赤い糸が巻かれている。女神は微笑み、冥府の河の中に再びその身体を沈ませた。
リアは女神の糸に導かれるように、上へ、上へと昇っていった。
――――――――――
緑の国エリテバラント、オルフィアン地方。
十数年前に国交が回復したばかりの国で商売をするべく、白波の国からはるばるやってきた商人たちは、刺すような寒さと吹き荒ぶ雪に、幾度目かの深い溜息を吐いた。
エルフの王族が支配するその国は広大で、北と南では天候と景色が全く異なっていた。
南部は身を焼くような灼熱の太陽の光が降り注いでいたというのに、北に進むにつれその光は穏やかになり、そして目的地である峰々連なる北部に足を踏み入れた途端、温かな光は吹雪にかき消され、辺りは一面氷と寒さに支配された。
凍った土と雪を踏みしめながら、商人の一人は愚痴を吐いた。手足が悴んで仕方ない。暗い空から降り注ぐ雪は止む気配が無く、このまま進み続けるのは危険だと。他の者たちは彼に同意を示し、適当な場所で休みを取ることにした。
ふと、商人のひとりが吹雪の向こうに灯りを見た。目を凝らすとそれは神を祀った祠で、簡素ではあるが数人が入れるような屋根がある。神の導きに感謝をし、商人たちはその祠へと向かった。
花冠を頭に乗せた女神像は、異国から訪れた商人たちを歓迎するように微笑みを向けている。彼らは柔らかな女神の微笑みに親しみを覚えつつも、石膏像の近くにあるものを認め、目を大きく見開いた。
それは赤子だった。
まだ生まれたてだと思われる赤子は、吹雪の中冷たい石膏像に寄り添うようにして眠っている。赤子の息があることを確認し、商人たちは急いでその赤子を布でぐるぐる巻きにした。赤子を火の傍で暖め続け夜を明かすと、近くの街へと向かい、そこにいたエルフに赤子を預けた。
赤子の耳は長かった。その特徴的な尖った耳は、その子がエルフであるとはっきり物語っていた。
同胞の子を預けられた中央政府の役人は、吹雪の中でも子が死ぬことなく祠にいたことと、その子が薔薇のような何とも良い香りを纏っていたことから、きっとこの赤子は、女神の祝福を受けているのだと喜んだ。
愛の女神オーレリア。聖なる植物パルシファーをもたらした祖。崇めるその名とこの地方の名から取り、役人は特別に、女の赤子に「オフィーリア」と名付けをした。
オフィーリア。
オフィーリア=オルフィアン。
この国の未来を背負うことになるひとりの赤子に温かな微笑みを向け、エルフは子を政府の教育課へと渡した。
オフィーリアは中央政府の教育課にて面倒を見られながら、寒々しいオルフィアンの地で健やかに育っていった。
エルフとは思えぬ低い背に肉付きのよい体型。同胞からエルフらしからぬその姿に首を傾げられながらも、彼女は度々称賛を受けた。大人が目を見張るほどの膂力。そして何よりも、パルシファーの綿毛のような真っ赤な髪。
オフィーリアはエルフとしての基礎教育を叩き込まれた後、若きひとりの役人見習いとして、まだ見ぬ王都へと旅立った。
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