リア=リローランと黒の鷹

橙乃紅瑚

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第三章

43.啄む ★

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「あっ、あっ、やだ、やだやだっ! いやああああああっ! ……どうして、どうしてとめてくれないのっ!? おねがいいっ! たすけてええっ!」

 リアの必死の叫びは続いた。陰部から伝わる強烈な快感。逃げたくて仕方がないのに、身を捩ってもゴムの玉はしっかりと固定されていて逃げられない。むしろ、動く度に股に体重がかかり、尚更陰核を強く玉に押し付けてしまう。ぶるぶると快楽の芯を揺り動かされ、強制的に何度も何度も絶頂に追いやられてしまう。リアは終わりのない快楽の海に沈められ絶望した。

「いやああっ、ふあっ、んんっ、ああああっ、あうううっ! ……いやっ、こんなの、もうむりっ、もういきたくないのっ! ……とめて、とめてよおっ……!」

 自分の身体を這い回る黒い手が胸を包み、捏ね、好き勝手に抓ったり撫でたりする。ゼルドリックは愉しんでいる。見えないところで強すぎる快楽に苦しむ自分を見ている。リアは恐怖した。彼は痛みを与える拷問はしないと言ったが、強すぎる快楽を与えられること、これもまた拷問に違いなかった。こんなことを続けられては自分は絶対におかしくなってしまう。狂ってしまう……。

「ぜるっ、ぜるっ! きいて、るんでしょ!? あああっ……おねがい、おねがい……ほんとうに、わたしっ……いやあああああっ……また、またいくうっ……」

 リアの身体は度重なる絶頂で桃色に染まっていた。顔は真っ赤で、涎や汗や涙でしとどに濡れている。赤い髪を振り乱す度に雫が飛び散って、がしゃがしゃと腕を繋ぐ鎖が揺れた。胸は尖りきり、木馬の背に当てられている股からはぼたぼたと愛液や潮が滴り落ちる。

 自分が限界だと思っていても、なおそれを上回る強さの快楽を与えられ喘ぐしかない。ゼルドリックが自分を壊すと言った理由がはっきりと分かった。リアは喘ぎながらも大声で泣いた。急所を責められ続けるのは辛くて辛くて仕方がなかった。

「ううっ、やだ、やだ、ああああっ、ああああああああっ……!」

(リア……。ああ、これは想像以上だ、堪らない……)

 ゼルドリックはリアの近くにずっといた。魔法で姿が見えないようにしているが、近くの椅子に座り、快楽に悶えるリアをじっと観察し続けていた。汗みずくになりながら善がるリア。ゼルドリックはリアを見ながら何度も自慰をした。

 唇が歪むのが止められない。己が彼女をあれほどに追い詰めている。リアが強い快楽を与えられ壊れていく様子はあまりにも美しく、ゼルドリックは全身を揺らし、涙を流して悲鳴を上げるリアを食い入るように見つめた。

(綺麗だ、リア、綺麗だ……! 君のその姿もしっかりと記録している。後で何度も何度も見返して、その美しい顔は写真に残してやろう……。君が壊れていく姿をもっと見せてくれ、リア……)

「うあああああっ……、もういや、いやああっ……ぜる、ぜるううっ……たすけてええええっ……」

 切羽詰まった悲鳴が響き渡る。美しい音色に酔いしれながら、ゼルドリックは甘美な時間を愉しんだ。






「う、うううううっ……あっ……あ、はあっ……」

(ふむ……丁度二百回か。……丈夫なリアでもそろそろ限界のようだな)

 ゼルドリックはリアの絶頂を数えていた。リアが二百回目の絶頂を迎えた後、彼はゴムの玉の振動を止めた。

 どれくらいの時間が経ったのか。リアは項垂れ、半開きの唇とうつろな目からぽたぽたと雫を滴らせている。木馬の周囲には体液が飛び散り、リアに与えられ続けた快楽の凄まじさを物語っていた。桃色に染まった身体は不規則に痙攣し、悲鳴を上げ続けた喉から溢れ出る声は掠れている。

(壊れたか?)

 ゼルドリックがリアに近づき、赤い髪を掴んで上を向かせる。ゆらゆらと潤みきった瞳は、ゼルドリックの顔を認識していないようだった。

「あ、……あ……うあ……」

「リア……気持ちよかっただろう? あんなに達して、何度も潮を吹いて……。君の淫らな姿をしっかり観察させてもらったぞ……」

 ゼルドリックは水を口に含み、リアの様子を伺いながらゆっくりと時間をかけてそれを流し込んだ。こくり、こくりと喉を鳴らし、リアは水とゼルドリックの魔力を身体に取り入れていく。水を飲ませた後、ゼルドリックはリアの頭を撫で、慈しむように垂れた涎や涙を舐め取った。

 身体の拘束を解くと、リアはゼルドリックの方に倒れ込んできた。リアは身体に全く力が入らないようで、全てを委ねるようにゼルドリックにもたれ掛かった。ゼルドリックは力の抜けきったリアの身体を抱き締め、何度も何度も口付けをした。動けないリアを前に、大きな支配欲や征服欲が心を満たしていく。

(愛しい女を壊すのはこんなに……こんなに甘いものなのだな)

 リアの涙。可哀想だからリアを泣かせたくなどなかったのに、リアが自分を嫌っていると分かった途端に憎しみが募り、彼女を壊してしまいたいと思った。リアの身体は敏感だ。殊更快楽に弱い身体にこんな仕打ちをしては、リアがおかしくなってしまうことは充分に分かっていた。だが彼女が色狂いになっても、ずっと手元に置いておきたかった。

 ゼルドリックは充実感のまま口角を上げリアを抱き抱えた。そして柔らかい寝台の上にそっとリアを寝かせて、その身を清めていく。ぐちょぐちょに蕩けきった秘所にひとつ指を入れ、ゼルドリックはその柔らかさと熱に陰茎を硬くさせた。責められ続けた陰核は包皮から飛び出て、ぷっくりと腫れ上がっている。ゼルドリックが指でそれをそっと摩ると、リアの身体が大きく跳ねた。

(早くこのうつろに押し入り、一番奥に熱を解き放ってしまいたい……)

 敏感になりきったリアは布が擦れる感触やゼルドリックの指に快楽を感じているようで、微かに身を捩らせ、小さな喘ぎを漏らした。リアは小さな声を出し、うつろな目で空を見つめていたが、やがて震える手でゼルドリックの裾を掴んだ。

「ぜ、る……」

「……ほう? 驚いた。まだ意識を保っていたか」

 ゼルドリックは感心した。
 口から小さな喘ぎ声を出すだけのリアはすっかり壊れてしまったと思ったのに、まだ意識を保って自分に話しかけている。この女を折るにはそれなりの労力と時間が必要らしい。

(壊し甲斐がある女だ)

 ゼルドリックは暗く笑い、己の服を脱ぎ捨てた。そしてリアの白い手にひとつキスを落とした後、その手首をしっかりと掴み、リアの身体に伸し掛かった。大きな興奮がゼルドリックを奔らせる。一刻も早くリアの内に入りたかった。

「リア……、君をじっくりねっとり犯してやるからな……」

 リアの上に、ゼルドリックの黒く温かい身体が伸し掛かってくる。リアは肩に触れたゼルドリックの温かさに、じわりと涙を滲ませた。懐かしい温かさ。たった半月離れていただけなのに、彼の温かさに触れた途端、感じていた寂しさがリアの中にどっと湧き上がった。快楽に呆けているリアは、無意識にゼルドリックの肌に自分の身を寄せた。甘えるように彼の肩に擦り寄り、安心したように微かな微笑みを浮かべる。ゼルドリックは目を見開いた後、切なそうにリアの唇を撫でた。

「嫌う男に、なぜそんな真似をする」

 ゼルドリックは青い瞳をゆらゆらと揺らし、僅かな灯りの中で浮かび上がるリアの白い肌に手を滑らせた。上下に動く胸から鎖骨、そして首に手を当て、すっかり消え去ってしまった赤い花びらをまた散らした。

 リアは目を瞑った。彼を突き放さなければいけないことは分かっているのに、彼の体温に抗えなかった。自分がどんなに壊れても、愛しいこの男はずっと傍にいてくれる。強い執着を向けて、自分を愛してくれている。そう思うと心の底から満たされた。あの未来のことなど忘れて、何も考えず彼に溺れてしまいたかった。

(でも……だめ……)

 ゼルドリックは自分への執着を拗らせ、やがて狂って死んでしまうのだ。そんな未来は認めない。彼に生きてほしい。リアは力を振り絞って、喉から掠れた声を出した。

「ぜる……だ、め……こんなことは……」

 リアは涙をぼろぼろと流しながらゼルドリックに懇願した。ゼルドリックは泣くリアを哀しげにぼんやりと見つめた後、柔らかく首に手をかけ、また一つ赤い花びらを散らした。

「ここまで来て俺を拒絶するか? 本当に君は頑固だな。君は俺に支配されるしかないんだ。もう諦めろ」

 ゼルドリックは下腹を撫でながら、リアの耳元に色を含んだ声を落とした。リアの白く柔らかい腿に陰茎を擦り付け、自身の熱さをリアに伝えるように、執拗に先走りを塗りつけた。

「君のここを貫いて善がらせてやる。俺の精をたっぷりと放ってここを満たしてやる。孕むまで放してやらない。絶対にこの腹を膨らませてやるからな、リア……」

「ふ、うあっ……」

 リアはどっと愛液を溢した。
 孕ませる、その言葉を聞いた瞬間に自分の奥底が酷く疼いた。夜な夜な黒の王子様に愛された記憶が蘇る。だが身体の疼きとは裏腹に、リアの心に湧き上がった感情は切なさだった。ゼルドリックに抱かれてしまったら、打ち捨てなければいけない恋情がなお膨れ上がってしまう。自分の身体に彼の印が刻まれるのは避けたかった。

「おね、がっ……わたし、はじめてなの……。こんなの、こんな、むりやりなのは、いや……」

「……」

 リアの懇願を聞いて、ゼルドリックの顔に怖れの色が浮かぶ。自分はとうにリアの純潔を奪い、何度も何度も夢と見せかけて抱いている。己の犯したその罪が露わになろうとしている。

 ゼルドリックは怖れを捨て、無理やり笑った。

(もう、いい……どう思われても。俺はリアに嫌われているのだ、これ以上嫌われたって、何も……)

「ゼル……おねがい……もどれなく、なるわ……」

「戻れない? 何がだ?」

 ゼルドリックはリアの膣口に自分のものを当てた。伝わる熱にリアがびくりと肩を揺らした。

「もう戻れないんだ。君と俺はもう……。優しくしてやる。だから俺に身体を委ねろ。愛している、リア。ずっとずっと、一緒にいような……」

「あ、あああああああああっ……」

 ずぷずぷと音を立てて、ゆっくりとゼルドリックのものがリアの内に入ってくる。うつろを貫かれ、満たされる感覚にリアは感じ入った声を上げた。執拗に快楽を与えられてきたせいか、リアの膣はぎゅうぎゅうとゼルドリックの陰茎を締め付ける。ゼルドリックは荒い息を吐き、ゆるゆると腰を動かし始めた。

「あっ、あっ……ううっ……ん、ふうっ……」

「はっ……は、あっ……リア、リア、リア……ああ……気持ちいい……な……」

「んんっ、ふ、ううっ……あ、あああっ、あっ……? ……どう、して……?」

 リアはぼんやりとゼルドリックを見つめ、疑問を口に出した。自分のうつろを貫いたそれ。腹の裏側の弱いところを擦り、自分に確かな快楽を与えてくるそれ。

 初めてなのに痛みが全く無かった。ゼルドリックが腰を動かす度に、身を捩りたくなるほどの切ない快楽が迫り上がってくる。熱も、膣に伝わる太さも、硬さも、腰の動きも、何もかもよく知っている気がする。
「黒の王子様」と、よく似ている……。

「くくっ……。不思議か? 処女のくせに全く痛みが無かったことが」

 ゼルドリックの青い瞳が昏く輝く。怖いのに、リアはその輝きから目を離せなかった。

「リア、愚かなリア。気が付かなかったのか? 君はとうに純潔を失っている」

「……なに、いってるの……?」

「初めは村の高台で。次は屋敷の庭で。その次は君の部屋で……。何度も何度も俺は君に触れてきた。覚えていないのか? 君は自分から俺に純潔を捧げたのだぞ? 下腹に俺の手を当てて、ここが疼くのだ、俺のもので埋めてほしいと……」

「あ、あああああああっ!」

 ゼルドリックがリアの弱いところをずるりと擦った。リアは身体を跳ねさせ、大きな声を上げた。

「くくっ……。くくくくっ……! 随分と都合の良い夢だとは思わなかったのか? 月のものが訪れた時だけ夢を見ない。それが変だとは思わなかったか!? 俺は夢と見せかけて、毎夜毎夜君を愛してやった! 今まで何度抱いてやったことか。君の胸も、陰核も、今擦っている奥も、全部俺が拓き、快楽を植え付けてやったのだ!」

「ふああっ、あ、あああっ……あああ! やあああっ……つ、よいっ……ひゃっ……あっ……」

「は、あっ……なあ、リア……。夢の中の君は、快楽に従順な女だった。……あの快楽を思い出せ。今俺が擦り上げているここ、君は本当に弱いよな? ここを擦られて情けなく何度も達したよな? 俺は君の身体をよく知っているのだ……。ほら……もう達きそうになっている」

「あ、あああっ……う、そ、こんなこと……いやあああ……あ、ふうっ、くる、きちゃうっ……」

「……くくくっ……リア、いきそうになった時はどうすればいいのか、君に教えたよな……?」

「ふ、ふあああっ、あ、ああっ……! んんんっ、もう、もうっ……」

 ゼルドリックはリアの指を絡め取り、きゅっと握り締めた。リアの涙を流す赤い瞳が自分に向けられる。

(ああ、そうだ。達しそうになった時は俺の目を見ろと、そう教え込んだんだ……!)

「いい子だ……君が達するところを見ててやる……」

「いや、だめっ、だめっ、いやあああああっ……!」

 リアは身体を跳ねさせ、ゼルドリックに縋り付いた。びくびくと痙攣する膣の感触を楽しみながら、ゼルドリックは荒い息を吐き、一旦腰を止めた。温かく柔らかい肉に包み込まれる感覚。ゼルドリックは甘やかな快楽に、ずっとこうしてリアの内に入っていたいと思った。

 リアは絶頂にびくびくと力の入らない身体を震わせた。ゼルドリックの言葉が、頭の中でがんがんと響く。

「……あ、ああっ……ゼル……どうして? どうして、そんなことしたの……?」

 リア自身も、どこかで分かっていた。

 あの内腿に咲いた赤い痕を見た時に確信したように思う。黒の王子様とゼルドリックは同一人物で、魔法をかけて自分を抱いているのだと。あれは夢なのではない、あんなに真に迫る夢がある訳がない。

 リアがぼたぼたと涙を流しながら訊ねると、ゼルドリックはリアの涙から逃げるように目を閉じた。

「……どうしてそんなことをした、か……? 最初はそんなつもりはなかった。俺の魔力にあてられて熱を出した君をただ治療するつもりだった。だが、熱を出す君の姿が淫らで、その姿を見た途端に俺はおかしくなって……。魔法を使ってでも、君に触れたいと思った」

「一度触れてしまったら、もう抗えなかった。君を貪ることしか考えられなかった。君をこの手に得るためならどんなことだって出来る気がした。俺の魔力を纏わせて、俺の匂いを擦り付けて、君に他の男が近付かないようにするつもりだった……。そして触れ続けるうちに、とうとう奪ってしまった。恋に憧れを持ち続けていた君の純潔を、汚く奪い去った……」

「……それ、で……あなたは、わたしにきらわないでって、なんどもいったの……?」

 リアが快楽に震える喉で必死に言葉を紡ぐと、ゼルドリックは唇を噛み、ひとつ頷いた。

「……何度も何度も夢と見せかけて触れ、あげく君の純潔を奪い去ったという罪。それが露見した時、君に嫌われることがどうしようもなく怖かった」

 ゼルドリックはまたゆるゆると腰を動かし始めた。リアが淫らな声を上げると、ゼルドリックは腰の動きを強めた。

「でも、もう関係ない。リア……。俺は君に嫌われているのだから……。だからもういい、罪に罪を重ねたって、今更だ……。君がどう思おうが君の身体はとうに俺のものになっている。受け入れろ、君は逃げられない」

「ふっ、ふあっ、あああっ、あああああっ……」

 ゼルドリックがリアのくびれをしっかりと抱え腰を打ち付ける度、リアの豊かな胸が揺れる。ゼルドリックは美しく揺れるリアの白い裸体を食い入るように見つめた。

「リア、リアッ、リア……」

 リアは快楽の中で、ぞわぞわとした恐怖が背中を奔るのを感じた。彼は自分の奥に射精しようとしている。射精して、自分を孕ませようとしている。このままでは、子が出来てしまう……。

「ゼル、おねがいっ! 止めて、中には出さないで……!」

 いや、いやと首を振るリアに、ゼルドリックは肩を震わせて低い声で笑い始めた。

「くくくっ……おかしなことを言うものだ。今までたっぷりと注いでやっただろう? 何を今更?」

 リアは目を見開いた。
 ゼルドリックの言う通りだ。だが、自分は今まで最奥にゼルドリックの子種を受け入れてきた筈なのに、その残滓を見たことがない。あれは、一体どこに行った?

「はっ、はあ、リア……。不思議に思っているようだからっ、教えてやる……リア、君に注いできた俺の精は、全て純粋な魔力に変えて君の身体に染み渡らせた。だから君の身体の中に精液が残ることもないし、君が孕むこともなかった……。俺の精は本来の役目を果たさなかったという訳だ……」

 ゼルドリックは腰の動きを止めない。射精を促そうとするようなその動きに、強い不安が込み上げる。

「だが、もう遠慮なく君を抱けるっ、俺の秘密も打ち明けてしまったのだ……。だからもう、魔力に変えることはしない。精は精として、君を孕ませるために、一番奥で放ってやるっ……」

「い、いやあああっ、ゼル、ゼル! おねがい! そんなのいやああっ」

 暴れるリアを押さえ付け、ゼルドリックは狂気的な笑みを浮かべた。

「くくっ……反抗すれば、君の王子の命が吹き飛ぶぞ?」

「っ……?」

 ゼルドリックは掌から水晶球を出した。その水晶球の中にはレントの姿がくっきりと映っていた。大雨の中壊れた石壁を呆然と見て、それから自分の名を大声で呼びながら探し回っている。必死な形相のレントを見て、リアはざっと顔を青くした。

「や、やめてよっ……かれは、かんけいないっ……」

「君がそう庇うのだ。だから尚更あの男が気に入らない……。なあリア、近くの木陰に剣が浮いているのが見えるか? 俺が今創り上げた。これを操って……後ろから奴の心臓を一突きしてやることができる」

「いやっ……!」

 リアの脳裏に、ランプの灯火が思い浮かぶ。少し息を吹きかけただけで簡単に消えてしまいそうな火。
 あの火のように、誰かの命が簡単に消えてしまうのだろうか。ゼルドリックの手によって……。

 リアは怖ろしさに震えながら、必死にゼルドリックに縋り付いた。

「ごめんなさい! ごめんなさっ……あやまるから、なんでもするから! だからおねがいっ……!」

「……あの男がそんなに大事か……」

「ふ、ふあっ、ああああっ!」

 ばちゅばちゅと大きな水音が響く。ゼルドリックが激しく腰を打ち付け、リアの豊かな胸がゼルドリックを誘うように大きく揺れる。荒い息を吐きながら、リアは大きな声で喘いだ。ゼルドリックは水晶球を消し、リアの髪を上げじっと赤い瞳を覗き込んだ。

「リア、君に選ばせてやるっ……。俺がこのまま中に精を放つか、外で出す代わりにレント=オルフィアンの命を奪うか……」

「あ、やあっ、やだあっ……」

「早く答えを言え。五秒以内に言わなければ、君の中にたっぷりと精を出した後にあの男を殺す。五、四……」

「いや、やだ……やめて、ころさないで! わたしの、なかにっ……」

 リアは泣きながらゼルドリックを求めた。ゼルドリックは笑い、昏い瞳でリアの赤い瞳をじっと覗き込んだ。

「賢い選択だっ……」

「あ、あ、ああっ、ああああああああああっ……!」

 ゼルドリックの男根が震え、それから最奥に温かい精液が放たれる。じんわりと広がる温かさに、リアは涙を流した。

「うっ、うううっ……うあああっ……ひどい、ひどいわ……こんなの、こんなの……」

 声を上げて泣くリアを見下ろし、ゼルドリックはまた腰を動かし始めた。

「っ……うあ、あああっ……」

 どろどろとした膣をなお穿たれる。弛緩した身体を無理やり揺さぶられ、リアはゼルドリックを潤んだ目で見つめた。

「はっ……終わりとでも思ったか? 俺はまだ満足していない……何回も何回も精を放って、もっと君の中をぐちゃぐちゃにしてやるっ……エルフの精は薄いんだ、もっと注がなければ……」

「いや……やだ、ゼル……」

「俺はずっと満足していなかった、君の身体を気遣って、翌日に響かないように加減していたのだっ……だがもうそれも必要ない、君は外に出ず、ずっとここで暮らすのだからな……だから抱き潰してやる、絶対に、絶対に孕ませてやるっ……」

「やああああああっ……やめて、やめてえええっ……」

 ゼルドリックの笑い声とリアの泣き叫ぶ声が暗い部屋の中に響き続ける。

 その夜、ゼルドリックはリアの身体に何十回も精を放った。リアの下腹は精で僅かに膨らみ、膣からは溢れた白濁がどろどろと流れ続ける。自分の精に塗れ汚れたリアを見下ろし、ゼルドリックはなお強い興奮を覚え、もっとリアを支配しようと伸し掛かった。

「ううっ……いや、いやあっ……」

「ははっ、リア、リア……君のここ、酷く泡立ってるぞ……? ほら、これで十回目……」

「うあああっ……ゆるし、て……こども、できちゃう……」

「ああ、作ろうな……俺たちの子供を、たくさん……」

 リアは力の入らない身体をいいように使われ、乱れきった声を上げ続けた。正面から穿たれ、尻だけを上げた体勢で奥まで突かれ、ゼルドリックの上に跨るように言われて下から鋭くうつろを貫かれ、リアは黒い肌にだらりと寄りかかって嵐のような時間が過ぎるのを待った。リアが気を失いそうになればゼルドリックはそれを許さないというように、尖りきった陰核を撫でる。強烈な快感に悲鳴を上げ、リアは目を見開いた。疲れ切っているのに、リアは気を失うことすら出来なかった。

 冷たい雨に晒され、陰核に二百回もの絶頂を与えられ、奥を穿たれ続けたリアはぼろぼろだった。ゼルドリックが満足した後すぐに意識を失い、彼に強く抱き締められながら深い眠りに落ちた。
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