ヤンデレトナカイと落ちこぼれサンタクロースの十二月二十四日

橙乃紅瑚

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第十三話 ★

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「ああっ、んっひいいいいぃぃぃぃっっ!?」

 ちろちろ、ちゅ、ちゅう、ちゅぱ。一番敏感な女の弱点を、レインは音を立てながら舌先で巧みに刺激してきた。陰核から伝わる甘い快楽が、頭の中でばちばちと弾け全身へと広がっていく。唾液をまぶされ、そのまま腔内でちゅくちゅくと泳がされると足の震えが止まらなくなる。ニコルは急いでレインを退けようとしたが、力の入っていないその抵抗はライトブラウンの髪を撫でるだけに終わった。

「はあっ、はああぁっ、はあああぁぁ……。あんっ、ああああぁぁぁぁ……」

 鼻にかかった淫らな声を止めることができない。陰核を吸われながらふるふると揺り動かされると気持ち良すぎて自分が蕩けてしまいそうだ。遠ざけたくなるような、それでいて依存性のあるどろりとした肉芽の悦楽。ぬめり気に溢れた愛撫にニコルは艶めかしい嬌声を上げ続けた。

「ひああああぁっ……んくぁっ、あっ、やぁあぁぁぁぁっ……! もっ、ぺろぺろしないでよぉっ……」

 軟らかい舌でふわりと陰核全体を包み込まれると、穏やかな快感に体の力が抜けてしまう。深い快楽を得られる陰核の根元を下側からねっとり刺激されたり、そっと唇で挟まれると堪らない。神経が集束する陰核はレインが与える快楽を貪欲に拾い上げ、あっという間にニコルを高みに押し上げていく。

「あっああっ……おっ、おかしくなっちゃ……」

 少女の足ががくがくと震える。半開きの唇から甘い吐息を漏らすニコルに、レインは優しく囁いた。

「ちゅ、はぁっ……にこ、ニコ……。イきそう? イく時はちゃんとイくって言うんだよっ……んんっ……」

「っやんっ、そこで喋らないでぇ……。あぁああっああっ、あ、あぅうっ……。やめっ、らめらってばあっ……! やあっ、べろべろするのだめっ、もうむりぃ! ひんっ! ひゅ、すぐっイっちゃうう……あんっ! あっ、あああっ! ああああぁぁぁぁぁっ!」

 足を大きく震わせ激しい絶頂を迎えたニコルだが、すぐにまた強い快楽に襲われる。絶頂途中の陰核にレインの舌がぺとりとくっつけられ、肉芽の痙攣を抑え込むようにれろれろと力強く舐められる。レインは膣口から溢れた女の雫を啜り、少しざらざらとした舌の中腹を使ってニコルの陰核に唾液を塗り込めてきた。

「あああああぁぁぁぁっ!? しょれだめ、ぞりぞりするのいやああああああぁぁっっ! あひっ、いやぁっ、つよいっ……またいっっぐっ!」

「んむっ、っちゅ、は、ふぅっ……。またイくの? いいよ、たくさん気持ちよくなって。ニコが気持ちよくなるともっと甘い蜜が出てくるんだ」

「らめっ、ひゃめてよぉぉっ! もうイったの! まだイってるのにっ、おねがいだからぞりぞりやめてぇぇぇ! きついの、なんどもイくのつらいのっ、あたまおかひくなるぅうう! うぅっ、レインのばか、ひどいよお!」

 ニコルは顔をぐしゃぐしゃにしながら必死に訴えた。
 こんなにお願いしているのにやめてくれないなんて酷い、女の子のそこがどれだけ敏感か分からないくせに……。けれど、酷いことをされているのに嫌じゃない。太腿を撫で摩るレインの手はふわふわ柔らかくて、愛する男から与えられる快楽は自分を満たしてくれる。
 
 たくさん気持ちよくしてくれるレインのことが大好き。もっと欲しい。彼に触れられていたい。ニコルは幸福の中、甘い甘い絶頂を味わった。

「あっだめ、すごいのきちゃっ……ああっ、あ、んんっ――あああああああああああぁぁぁっ!」

 あまりの快感にいやらしい大声を上げてしまう。足をぴんと伸ばし、ニコルは二度三度立て続けに絶頂した。少女のなだらかな腹が小刻みに痙攣し、桃色の陰核は受けた快楽の強さを物語るようにぷっくりと腫れ上がっている。顔を蕩けさせながら荒い息を吐く少女を見上げ、レインは楽しそうに囁いた。

「ふふっ、ニコ可愛い……。君のここずっとぴくぴくしてるよ……? ねえ、君の陰核は恥ずかしがりやなんだね。いっぱい可愛がってあげたのにまだ皮を被ってる」

「ふあっ、う、うぅ……? か、かわ……?」

「うん。この陰核を包んでいる皮をやさしーく剥いてあげたら、ニコはもっと気持ちよくなれるんじゃないかな。皮越しでもそんなに感じてくれるんだ、皮を剥いて直接ぺろぺろしたら……君は何度イくのかな?」

 満面の笑みを浮かべるレインに、ニコルはいやいやと首を振った。

「やっ、いやぁ……! むかなくていいっ!」

「怖がらないで。僕は痛いことも酷いこともしないよ。ただ愛するニコに感じてほしいだけなんだ」

「やあぁっ、もうイくのいやぁ! ――きゃっ!?」

 ニコルの膝裏が勢い良く持ち上げられ、そのままベッドに足を押し付けられる。女性器どころか後孔まではっきりと見えてしまう恥辱的な体勢に、ニコルは戸惑いの声を上げた。

「きゃああああっ!? まっ、まってよレイン! こんな恥ずかしい格好だめぇ!」

「すごいね。おしりまでべったり濡れてるよ。どろどろで濃厚で、特別美味しそうな蜜だ……。ふふ、こうしたらもう暴れられないよね? 諦めて僕にぺろぺろされてね」

「やだやだやだっ、あんな風にぺろぺろぞりぞりされるといっぱいイっちゃうの! お願い、手を放してっ! いい子だから、わたしのいうこと聞いてよぉ……!」

「やだね。僕はずっとニコの傍にいたから分かるんだ、君はいやだいやだって言いつつも僕のことを欲しがってる。蕩けた顔と、物欲しそうに口を開くここを見れば分かるよ」

 痙攣する膣口をなぞられながら微笑まれ、ニコルの胸がどきりと跳ねる。
 
 レインの言う通りだ。弱点を責められ続けるのは辛いのに、普段優しいレインから虐められていると思うと興奮して、もっと触れられたいと思ってしまう。聖人らしく清らかであれと心掛けてきた自分にとって認め難い、背徳的な欲望を言い当てられ背がぞくぞくと震える。
 
 ニコルが目を伏せると、レインは色気のある声で囁いた。

「君は結構、僕に虐められるのが好きみたいだ」
 
 力なく震えるニコルの細足が力強い腕に容赦なく押さえつけられる。愛液に濡れる尻をいやらしく撫で摩られ、指で陰唇を持ち上げられてしまう。
 包皮に隠されていた部分が空気に触れる。これから女の弱点に加えられるであろう淫虐を想像し、ニコルは弱々しい声を漏らした。

「んっ、ふぁっ……!」

「この可愛くて敏感な陰核を、僕の舌で磨いてあげるね」

 レインはてらてらと光る桃色の真珠を食い入るように見つめた後、煮え滾る欲望を発散するためにニコルの弱点を嬲りはじめた。

「くひぃっ!? んやあっ、やああああぁぁっ!」

 神経の束を遠慮なく舐め啜られる鋭い快感に、ニコルは白い喉を仰け反らせて喘ぎ泣いた。ちゅくちゅくと粘っこい唾液をまぶされながら陰核を舐め転がされる。最も鋭い快感を得られる先端を小刻みに吸われ、陰核の外周を舌で優しく舐め潰される。包皮に隠されていた上部を執拗にほじられると堪らない……。
 
「やっ、やっぱりだめ! あっはぁぅっ……! んや、いくうっ、すぐきちゃっ、んぅ! んくうぅううう……! んやぁ……むかないでっ、吸わないでぇっ! やあっ、指でつまむのもむりぃ!」

「無理? そんなこと言わないで。僕にご褒美くれるんでしょ? ねえニコ、もっと歌って。僕は君の柔らかくて綺麗な声がとても好きなんだ」

「わっ、わたしのおまたからはなれてよおっ! あっああっ、んぁぁぁっ……! ひゃだ! やぁあ! もういやああぁぁぁぁあ! むりっ、ほんっと、連続でイくのむりなのおおおぉっ! あんっ、こねこねしないでえっ……。こしゅるのきついっ、はっ、はあああああぁぁぁんっ……!」 

「ふふ、ニコったらイきっぱなしだね。かわいいなあ」

 刷毛のような肌触りのよい指先で陰核を撫でられ、三本指でくりくりとこねくり回される。レインのふわふわとした指先が愛液を吸い込み、筆でなぞられるような感覚を女の弱点に与えていく。舌とは異なる悦楽に、みっともなく足をばたつかせることしかできない。

「君はこうして指でいじられるのが好き? 吸われるのが好き? それとも飴玉みたいに舐め転がされる方がいい? 教えてよ、ニコがイイって言う方法で可愛がってあげる」

「はーっ、はーっ……。んぁっ、ど、どれもむりぃ……あっ、んひいぃっ! あつい、さきっぽあちゅっ、いのっ! あっんんんっ、んううっ、またイくっ……ひいっ――あ、ああああああああああああああっっ!!」

「わ、とろとろした蜜がいっぱい垂れてきた。舐めなきゃ……。んはっ、ちゅ、むぅっ……。にこ、美味しいね……。ああっ駄目だよ、暴れないで。イってる最中の陰核が一番美味しいんだから」

「あっ、ひぁっ、っ――」

 逃れようのない快楽の渦に、ニコルはとうとう声を失った。
 目を見開き、最奥からどぷり、どぷりと濃厚な蜜を滴らせる。くたりと力を抜いたニコルの膣口に、レインは長い舌を突き入れた。

「んっ……!? ひ、ぃっ……!」

 レインの長い舌がにゅるりと膣内に入り込み、とろとろに蕩けきったニコルの内側を這い回る。自分の中に異物が入り込む未知の感覚にニコルは震えたが、レインはお構いなしに彼女の秘部を蹂躙した。ぐぷぐぷと出し入れされる規則的な舌の抽挿に合わせ、ニコルの唇から淫らな声が漏れる。

「あっ、あっ、あぁ……。あ、ふぅ、ふあ、あっあぁっ、ああっ、あん、ぁあんっ……」
 
 男の舌が膣天井をしつこくこすりあげる。甘く濃厚な愛液を思う存分舐め啜っていたレインだが、膣の一箇所がふっくらと膨らんでいることに気が付いた。少しざらざらしたそこを舐め摩ると、少女の腿が強い快感を物語るように大きく震えた。

「んっ、ふあっ……そこぉっ、こすられるとむずむずするぅ……!」

 最高だ。
 レインはニコルを食らいながらしみじみそう思った。

 切ない声を上げながら喉を仰け反らせるニコルが愛おしい。無垢な少女が自分の愛撫に翻弄されここまで喘いでいると思うと凄まじい獣欲が込み上げてくる。たっぷりとした胸の双丘に悩ましい腰つき。自分が見守り続けた少女がここまで魅力的な女に育ったと思うと感慨深いものを感じる。

 心からこの少女を愛している。骨の髄まで食ってやりたい。快楽の渦に突き落として、閉じ込めて、自分のことしか考えられなくしてしまいたい……。

「……ふぅっ、は、あ……。ふふっ、気持ち良すぎて泣いてるの? 可愛いね……もっと感じて、僕のニコ。愛してるよ……」

 反応が大きいざらざらした膣壁を舐めながら、ぷっくりと主張する桃色の真珠を指で磨く。自分の欲望を燃え上がらせる女の嬌声を心地よいと思いながら、レインは丹念に二点責めを繰り返した。

「ひっ、ひっ、ひぁっ、うふぅっ……れ、いん……! わ、たしも……あいしてるわっ……すきぃっ、だいすき……んぁっ……。はあっ、あはぁっ、はあああああぁぁあああ……」

 膣の中も陰核もどちらも気持ちよくて堪らない。上部の肉ひだを舌で舐め叩かれると、落ちていくような甘美な快感が全身に広がっていく。陰核を指で揉み込まれるたびずきずきとした鋭い快感が背を走り抜けて、勝手に涙が溢れ出てしまう。
 
 絶頂が次々と押し寄せるのにどちらで達しているのか分からない。内に迎えたレインの舌をぎゅうと締め付け、ニコルは尻をぶるぶると震わせながら深く達した。

「んひぃっ! いぐっ、またいっくう……! んあぁあああっ、くるのっ、いくのきちゃうっ! んあっ、あああぁっ! あっ、あはああっ、あっ――あああああああああぁぁっっ!」

 みっちりと合わさった膣壁と舌の間から、ぼたぼたと絶頂の潮が溢れ出ていく。味覚を刺激する甘酸っぱさをじっくりと味わった後、レインはようやくニコルを解放した。

「あ、……ぁ……う、あ……」

 顔を背けるニコルは半開きの唇から涎を滴らせている。彼女の周囲には体液が飛び散り、与えられた快楽の凄まじさを物語っていた。ほんのり桃色に色づいた体は不規則に痙攣し、悲鳴を上げ続けた喉から溢れ出る声は少し掠れている。

 レインはやりすぎてしまったかと反省しながらも、弱々しいニコルの様子に征服欲が満たされるのを感じた。
 
 少女の太ももにかぷりと噛みつき、そのまま足を舐める。膝を、ふくらはぎを、踵を持ちながら爪先に口をくっつける。労りと奉仕のキスを施した後、レインはそっとニコルに話しかけた。

「かわいい僕のご主人様。気持ちよかった?」

 快楽の余韻に朦朧としながらも、ニコルはこくりと頷いた。
 
「はあっ、はあ……こんなの……初めて……。レインに触られたところが全部びりびりしてっ、今もむずむずする……」

 契った夫婦は体を重ねると聞いたが、男女の睦み合いとはこんなに激しいものなのか。こんなのもう耐えられないかもしれない……。
 弱々しい声でそう呟いたニコルに、レインは目を細めながら笑った。
 
「慣れてよ。ニコはこれからずっと僕とこんなことをするんだからさ」

 ニコルの顎が持たれる。尖った鼻を近づけ、レインはほの暗い声で囁いた。
 
「愛しい僕のつがい。僕が君を深く愛するのと同じくらい、君もどろどろに僕を愛してほしい。毎日たくさんキスして、イかせて、そのうち僕に可愛がられることしか考えられないような頭にしてあげるからね。ふふ……嬉しいなあ。僕、いまとっても幸せだ。ニコのそんな姿が見たいってずっと思ってたんだ」

 黄と青の双眼が妖しく光る。レインはニコルの左手を取り、恭しく薬指に口付けた。
 
「爺さんはね、僕の穢い欲望に気が付いてた。危機感のない孫が邪悪な獣人に食われないかずっと心配してたんだ。でも、亡くなる前にニコを託すって言ってくれた。ニコのことをずっと守ってくれ、あの子が笑顔でいられるように幸せにしてやってくれって」

 僕は爺さんの望み通りにする。
 魂を賭して、誰からも何からも君を守り抜く。
 
 ニコを傷付ける人間がいたら容赦しないし、君が笑顔で過ごせるのなら何でもする。僕のことをもっと求めてくれるように、毎日その体に淫らな快楽を教え込む。頭のてっぺんから爪先まで可愛がって、他の男が視界に入らないくらい僕で満たしてみせる。いつも僕の臭いを纏わせるためにマーキングする。今世も来世もつきまとって、愛し抜いて、君のすべてを僕のものにするんだ。君を呪ってしまった分だけ、たくさんたくさん幸せにする。

「……だから、ね。ニコも僕のことをもっともっと好きになって。僕を求めて……」

 独占欲溢れる男の呟きにニコルの背がぞくりと震える。凶暴で、偏執的で、とにかく嫉妬深い。獣人がそう評される理由を、ニコルはようやく思い知った。
 
 レインは狂気的な男だ。自分はとんでもない存在をトナカイとして迎えてしまったのか……。鈍感な少女は今更そう思ったが、怖ろしさは殆ど感じない。背を駆け抜けたこの震えは喜びだ。熱烈な愛情を向けてくれる男への歓喜に頬が緩んでしまう。

「仕方のないトナカイさん。私はもう、あなたのことで頭がいっぱいなのに」
 
 ニコルはレインの胸にすり寄り微笑んだ。
 いつもふわふわもこもことしている、彼自慢の胸毛に顔を埋める。

「おじいちゃんから聞いたわ。こういうことは子を成すためにするんだって。ねえレイン、私たちの間に子供って生まれるのかな?」

「たぶん。僕のご先祖様は半分人間だからね。人間とのあいだに子を持った獣人はまだいないけど……」

「そっか。それじゃ私たちが初めてかもね」

 ニコルは広い背に腕を回し、もっふりとした毛並みの手触りを楽しんだ。

「私、家族が欲しいな。おじいちゃんが空の向こうに行ってしまって、この家も寂しくなってしまったから。ふふっ、もし子供が生まれたらどんな姿をしてるんだろう? レインみたいにふわふわもこもこしてるのかな? かわいいなあ」

「……僕の子供を産んでくれるの?」

「うん。あなたとふたりでも幸せだけど、赤ちゃんトナカイがいたらきっと楽しくなるわ。大きくなったら家族みんなでコケモモを採りに行ったり、屋根に登ってオーロラを見たりしたいわね。ね、レインもそう思わない?」

 幸せな未来を想像して微笑むニコルに、レインは堪らない気持ちになった。
 
 獣人である自分の子を望んでくれる嬉しさに目が潤んでしまう。ぽろぽろと涙を流すレインの頭を撫で、ニコルは甘え声でねだった。

「来て。あなたも限界でしょ?」

「僕だって気持ちよくなりたいけどさ。でも、ニコの大切なところをもっとほぐした方がいいと思うんだ。君は僕よりずっと小さいから、このまま抱いたら苦しい思いをさせてしまう」

「私ならもう大丈夫。お願いレイン、お腹の奥がきゅうきゅうしてるの」

 獣の長い舌でも届かない自分の最奥。そこの疼きを治めてくれるのは、きっとレインのものだけだ。

「前に言ったわよね? 今すぐに私を抱きたい、しっかりほぐれたら僕のモノで掻き回してやるって。私が悲鳴を上げても気を遣っても絶対に止まってやらない、夜が更けるまで精液をたっぷり飲ませて、飲みきれない分は外に出してマーキングしてやるって……」

「っ、よく覚えてたね、そんな言葉……」

「してよ、レイン。あなたが望むだけしていいわ。たくさんイくのは辛いけど……。レインのお願いごとはなんでも聞いてあげるって決めてるから」
 
 ニコルが真っ赤な顔で誘惑すると、レインはそっと彼女の足を開かせた。どろどろに蕩けきったぬかるみに逞しい獣の肉棒が突き立てられる。少女の頬を摩り、レインはそっと囁いた。
 
「ニコ。君を抱く」

 ぐちゅり。先走りを垂れ流す男根と愛液を滴らせる膣口が、粘っこい水音を響かせて絡み合う。怒張するピンク色の肉棒が女の雫に濡れ光る。ニコルが息を呑んだ時、レインのものがぐっと入り込んできた。

「んっ、んくぅぅ、うううぅぅっ……!」

 みち、みちと女のうつろを貫かれていく。隘路を拓かれていく感覚にニコルは呻いた。
 レインはこちらの様子を窺いながらゆっくり腰を動かしてくれるが、それでも内臓を無理やり押し広げられるような気がして苦しい。ニコルが息苦しさから汗を滲ませると、レインは心配そうに彼女の頭を撫でた。

「はあっ、はああぁっ……。ニコ、大丈夫? 痛くない……!?」

「うんっ、レインのものはおおきくて、ちょっと苦しいけどっ……いたくはないよ……」

 ゆっくりと膣を押し広げた逞しい陰茎が、やがて最奥に到達する。自分の奥をみっちり埋められると、空っぽだった何かを満たされるような安心感が込み上げてくる。下腹でじくじくと熱を放っていた疼きが、少しだけ和らぐ……。荒い息を吐きながらも、ニコルはレインに満面の笑みを向けた。

「ふぁっ……は、ぅ……ふふっ、ようやくレインと繋がれたのね……! うれしい……レインのものが、私の中でひくひく震えてる……」

「ニコっ、ニコル……! やっと、やっと君とひとつになれた……!」

 歓喜を滲ませた男の声にとくとくと胸が跳ねる。ふーっ、ふーっと荒い息を漏らす男の口吻マズルが愛おしい。内に迎え入れた男根の温かさを感じながら、ニコルは感極まったように涙を流した。

「ね……レイン。手をつないで。あなたのふわふわした手を握ってると落ち着くの」

 ニコルがレインの腕を撫でると、彼は頷いてニコルの手をしっかりと握ってくれた。指のひとつひとつを絡ませ合い、手のひらを親指で摩られる。その優しい愛撫に目を閉じると、レインはゆるゆると腰を動かしはじめた。

「はっ……、う……ごめんね、にこ……。もう僕っ、我慢ができなくてっ……!」

「ん、んんっ……。んっ……いい、よ。私の中でたくさん気持ちよくなって……。あっ……はあぁっ……」

 くぷ、くぷと音を立てて穏やかな律動が始まる。レインの肉棒は逞しい傘と幾つかの瘤を持っていて、それがニコルの膣肉を柔らかく引っ掻いていく。愛液を掻き出されながら執拗に奥を摩擦されると何だかむずむずする。ニコルは腹の裏側をこすられる未知の感覚に喘いだ。
 
「はっぁ、あっ、あ、あぁんっ、んっ……」
 
 濡れそぼった自分のそこがきゅうきゅうと痙攣して、レインの男根を締め付けるのが分かる。レインの長い陰茎は舌のように軟らかく、それで奥をとんとんと突かれると勝手に声が出てしまう。陰核に与えられた鋭い快楽とはまた別の、深く包み込まれる様な、どこかに落ちてしまうような快感。ニコルがレインに縋り付くと、彼は色違いの双眼をとろりと蕩けさせた。

「あっ……ふ、ぅ……ニコのなか、想像してたよりもずっとずっとすごいっ……軟らかくてっ、ぬるぬるしてて、あったかくて……」

「ふふっ……気持ちいい?」

「うん、うん……! ぼく、とっても幸せだ。君に好きって言ってもらって、大好きな女の子を花嫁に迎えてっ、こうして繋がることができて本当に嬉しいっ……。今まで生きてきたなかでっ、いちばん……!」

 愛するニコルと繋がっている。心も体も満たされる快楽に、レインは自分が蕩けていくのを感じた。男の双眼から涙がこぼれ落ち、ふわふわした目元の毛に吸い込まれていく。泣き笑いするレインにニコルが微笑みを向けると、彼は少しだけ腰の動きを速めた。
 
「はあ、はあっ、はぁぁっ……! ニコ、にこっ! 大好きだよニコ、僕の永遠のはなよめ……。ねえ、僕の子孕んで……? この家が笑い声で溢れるくらいっ、君との子がたくさん欲しいんだ……!」

 ぱちゅ、ぱちゅと結合部から水音が鳴り響く。肉が柔らかくぶつかりあう音に互いの性感がどんどん高まっていく。摩擦されている膣は陰核ほど強烈な快楽を得られないけれど、愛しい男の体温を感じられてとても心地よい。ニコルはレインを抱きしめながら、笑顔で頷いた。

「私も大好きだよ、レイン……! きて、私にレインの子種をちょうだい」

「うっ、あ、あぁぁ! にこっ、にこぉ……!」

 レインの大きな体がぶるりと震える。彼は背を丸め、溜め込んだ欲望を少女の中に存分に放った。ニコルの最奥が青臭い獣の精液に満たされていく。人間のものとは異なったどろりとした精は膣壁にこびりつき、確かな熱さを彼女に感じさせた。

「ふうっ、ん、ぅっ! はぁっ、こっ、こんなにいっぱい……。これが……レインの……!」

 自分の奥にびゅくびゅくと叩きつけられた熱い飛沫。勢い良く放たれたそれは結合部から溢れ出すほど大量で、少し身動げば中でとぷりと音を立てるのが分かる。

 絶頂を迎えたレインはニコルをぎゅうと抱きしめ、歓喜溢れる余韻に浸った。

「はっ、はっ、はぁっ……。すごい……。ニコのなか、とても気持ちよかったぁ……」

 男の荒い息遣いにどきどきしてしまう。愛するレインが自分の体で絶頂を迎えたと思うと、何だかひどくいやらしい。ニコルが子を成す行為はこんなに凄まじいものなのかとぼんやり考えていた時、レインはまたじりじりと腰を動かし始めた。

「ごめんっ、ごめん……! 一回で終われたら良かったんだけど、止まらないっ!」

 大量の精を放ったというのに、レインの男根は全く衰えない。軟らかくもしっかりとした硬さで自分を穿つレインのそれに、ニコルは堪らない愛しさを覚えた。

「いいよ、なんでも好きなようにさせてあげるって言ったでしょ? 今まで頑張ってくれた分、私の中でたくさんイって……」

 ニコルがそう囁くと、レインは嬉しそうにもっふりとした体を擦り付けてきた。
 
 心地よく穏やかな快楽に浸る。
 ニコルは男の首に腕を回し、自分を満たす幸福に微笑んだ。
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