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ベッド
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1年前の話しです。
僕が住んでいた所は都内から外れた
郊外の街に住んでいました。
ここからは自分が体験した奇妙な話です。
その日は暑い日でした。
「一人暮らし初めてだから緊張するなあ。」
「お前もようやく1人前になったわね。
大学も卒業して新社会人!頑張りなさい。」
母は女手1人で自分を育ててくれた。
感謝してる。
「じゃ、私は帰るかね。今日はあんたもゆっくり休みなさい。」
一人暮らしと言っても、実家は隣町だから、
そんなに遠くはない。
「あっ…そうだ!今日ベッドが届くんだよね?」
「そうそう。あんたの住所に送ってって頼んだから、今日夕方に届くんじゃないかしら?」
ベッドは母のパート先の上司がくれたのだ。
娘さんに買ったらしいんだけど、すぐに嫁いでしまい、ほぼ新品という事だったので、
母がもらったのだ。
「わかった!今日はありがとう。」
夕方に届くかもしれないという事だから、
出かけずに待っていました。
ピンポン
「きた!」
時間を見ると18時。
うん!ぴったりだ。
届いたベッドを組み立て見てみると、
娘さんに買ったわりには、シックな黒いベッド。
男の俺としては嬉しい。
娘さんのベッドって言ってたから、正直ふりふりな可愛いピンクだったらどうしようって思っていた。黒くて高級そうな木で出来たベッドは嬉しかった。
「灯りもつくのか。すごいなあ。」
ベッドの頭の部分にはライトもついていて本を読んだりするにも最適だなあって思った。
ただ、その日から…
変な事が起き始めた。
夜になるとベッドが何故か…しっとりとしている。
昼間は何も感じないのに。
最初は湿気?水でもこぼした?など
いろいろ考えたけど、夜だけベッドがしっとりするのだ。
それだけじゃない。
朝起きたら腕や足に小さい斑点が出来ていて真っ赤に腫れ上がっているのだ。
「ダニ?引越したそうそう?最悪だ。」
病院にも行ったし、シーツも新しいのに買い替え、布団も新品なものに新調した。
だけど、斑点とベッドのしっとり感はなくならなかった。
だけど、新しい会社で毎日が忙しくて時間が経つにつれて気にならなくなってきた。
「あの…いつも思っていたんですが、
首にキスマークがついてるんですか?」
同僚の女の人が話しかけてきた。
「あっ、これキスマークじゃなくて、虫かなあ、ダニ?とかかな。」
「隠さなくてもいいですよ。」
その女性は笑いながら去っていった。
「女性は好きだよなあ…その手の話。」
鏡を見ると、これはダニじゃない!
ダニか虫だと思い込もうとしたけど、
しっかりとした大きめなアザが首にいっぱいあった。。
…………………….
これをキッカケにその日の夜から
悪夢を見始めました。
濡れた女がゆっくりゆっくり自分の上をはっていくのです。その時は金縛りがひどくて
本当に動けない。
そして決まって耳元で『さみしい』と言うのです。
体重もどんどん減っていきました。
………………………
「大丈夫か?…お前、それは…
原因はベッドだなあ。いわくつきを貰ったんじゃないか?」
同じ同期の山田が声をかけてきた。
「まさか、母の上司だし。」
「ベッドの裏見てみろ!よくあるだろう?
お札があるかもだぜ。」
「いやいや、俺が組み立てたから。
何もなかったし…」
そんな会話をして、少しでも忘れたいからビールをごくごく飲みました。
でも、やはり…気になってしまい
急いで帰宅して、ベッドの裏を見ようと、、
「いやいや、俺が組み立てたんだから、
何をやってんだか。。
でも、気になるし…
エイっ!」
ベッドの下に顔を入れて覗きこんだ。
そこには…
お札がびっしり…??!
「うわあうわあ!
何でだよ!誰がやったんだよ!」
山田が言うようにベッドにはお札がいっぱいはられていました。
「だっ誰がはったんだよ!!!」
「家に友達もまだ招待してないし、まして恋人もいないし…誰だよ…誰がはったんだよ…」
どうしても、どうしても、
誰が貼っているのか、知りたくて、隠しカメラを設置しました。
帰宅後、隠しカメラを恐る恐る見ると…
カメラに映ってるその姿は、
母でした…。
母がものすごい形相で汗を大量にかきながらお札を貼っているのです。
すぐに、母を呼びました。
「何だよ!このお札!」
母はゆっくり口をひらきました。
「死んでいたんだよ…」
「えっ?娘さん?嫁いだんじゃ…」
「嫁いだけど、旦那さんに裏切られて、
そのベッドの上で自殺したんだよ…」
「…そんな…だからと言って、お札…」
もう、何を聞いたらいいのかパニックでした。
「毎晩、毎晩、夢に出てきて、さみしいって。」
母は泣き崩れました。
その手足には俺と一緒の赤い斑点がいっぱい出来ていました。
俺はただ呆然と立ちすくんでいました。
………………………….
後日…
ベッドは処分しようとしたけど、
母の上司が「返してくれ。」と言うので、
返しました。
ただ…また誰かにあげたという噂も。
その娘の父親が「1人だと寂しいよな…」
と、母に言ったらしいです。
どう言う意味があるのか…
一体そのベッドは今、どこにあるのでしょうか。
僕が住んでいた所は都内から外れた
郊外の街に住んでいました。
ここからは自分が体験した奇妙な話です。
その日は暑い日でした。
「一人暮らし初めてだから緊張するなあ。」
「お前もようやく1人前になったわね。
大学も卒業して新社会人!頑張りなさい。」
母は女手1人で自分を育ててくれた。
感謝してる。
「じゃ、私は帰るかね。今日はあんたもゆっくり休みなさい。」
一人暮らしと言っても、実家は隣町だから、
そんなに遠くはない。
「あっ…そうだ!今日ベッドが届くんだよね?」
「そうそう。あんたの住所に送ってって頼んだから、今日夕方に届くんじゃないかしら?」
ベッドは母のパート先の上司がくれたのだ。
娘さんに買ったらしいんだけど、すぐに嫁いでしまい、ほぼ新品という事だったので、
母がもらったのだ。
「わかった!今日はありがとう。」
夕方に届くかもしれないという事だから、
出かけずに待っていました。
ピンポン
「きた!」
時間を見ると18時。
うん!ぴったりだ。
届いたベッドを組み立て見てみると、
娘さんに買ったわりには、シックな黒いベッド。
男の俺としては嬉しい。
娘さんのベッドって言ってたから、正直ふりふりな可愛いピンクだったらどうしようって思っていた。黒くて高級そうな木で出来たベッドは嬉しかった。
「灯りもつくのか。すごいなあ。」
ベッドの頭の部分にはライトもついていて本を読んだりするにも最適だなあって思った。
ただ、その日から…
変な事が起き始めた。
夜になるとベッドが何故か…しっとりとしている。
昼間は何も感じないのに。
最初は湿気?水でもこぼした?など
いろいろ考えたけど、夜だけベッドがしっとりするのだ。
それだけじゃない。
朝起きたら腕や足に小さい斑点が出来ていて真っ赤に腫れ上がっているのだ。
「ダニ?引越したそうそう?最悪だ。」
病院にも行ったし、シーツも新しいのに買い替え、布団も新品なものに新調した。
だけど、斑点とベッドのしっとり感はなくならなかった。
だけど、新しい会社で毎日が忙しくて時間が経つにつれて気にならなくなってきた。
「あの…いつも思っていたんですが、
首にキスマークがついてるんですか?」
同僚の女の人が話しかけてきた。
「あっ、これキスマークじゃなくて、虫かなあ、ダニ?とかかな。」
「隠さなくてもいいですよ。」
その女性は笑いながら去っていった。
「女性は好きだよなあ…その手の話。」
鏡を見ると、これはダニじゃない!
ダニか虫だと思い込もうとしたけど、
しっかりとした大きめなアザが首にいっぱいあった。。
…………………….
これをキッカケにその日の夜から
悪夢を見始めました。
濡れた女がゆっくりゆっくり自分の上をはっていくのです。その時は金縛りがひどくて
本当に動けない。
そして決まって耳元で『さみしい』と言うのです。
体重もどんどん減っていきました。
………………………
「大丈夫か?…お前、それは…
原因はベッドだなあ。いわくつきを貰ったんじゃないか?」
同じ同期の山田が声をかけてきた。
「まさか、母の上司だし。」
「ベッドの裏見てみろ!よくあるだろう?
お札があるかもだぜ。」
「いやいや、俺が組み立てたから。
何もなかったし…」
そんな会話をして、少しでも忘れたいからビールをごくごく飲みました。
でも、やはり…気になってしまい
急いで帰宅して、ベッドの裏を見ようと、、
「いやいや、俺が組み立てたんだから、
何をやってんだか。。
でも、気になるし…
エイっ!」
ベッドの下に顔を入れて覗きこんだ。
そこには…
お札がびっしり…??!
「うわあうわあ!
何でだよ!誰がやったんだよ!」
山田が言うようにベッドにはお札がいっぱいはられていました。
「だっ誰がはったんだよ!!!」
「家に友達もまだ招待してないし、まして恋人もいないし…誰だよ…誰がはったんだよ…」
どうしても、どうしても、
誰が貼っているのか、知りたくて、隠しカメラを設置しました。
帰宅後、隠しカメラを恐る恐る見ると…
カメラに映ってるその姿は、
母でした…。
母がものすごい形相で汗を大量にかきながらお札を貼っているのです。
すぐに、母を呼びました。
「何だよ!このお札!」
母はゆっくり口をひらきました。
「死んでいたんだよ…」
「えっ?娘さん?嫁いだんじゃ…」
「嫁いだけど、旦那さんに裏切られて、
そのベッドの上で自殺したんだよ…」
「…そんな…だからと言って、お札…」
もう、何を聞いたらいいのかパニックでした。
「毎晩、毎晩、夢に出てきて、さみしいって。」
母は泣き崩れました。
その手足には俺と一緒の赤い斑点がいっぱい出来ていました。
俺はただ呆然と立ちすくんでいました。
………………………….
後日…
ベッドは処分しようとしたけど、
母の上司が「返してくれ。」と言うので、
返しました。
ただ…また誰かにあげたという噂も。
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一体そのベッドは今、どこにあるのでしょうか。
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