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妄想 2
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2.
さあ!今日は加藤君が私の家に初めて来る日!
ドキドキしちゃうなあ。
『ピンポーン』
来た!!
「道に迷わなかった?駅まで迎えに行かなくてごめんね」
「いいよ、大丈夫!僕が1人で探してみせるって言ったんだし、それにメールでくれた
手作りの地図も分かりやすかったしね」
「ありがとう」
加藤くんは本当に優しい。
私の落書きみたいな地図を分かりやすいって言ってくれるなんて。
「じゃ、玄関の前で話すのもなんだし、
入って下さい」
「お邪魔します」
その時、加藤くんの顔が歪んだような気がした。
「あれ?家の中…結構シンプルなんだね。
キャラクターに囲まれたレースのカーテンの
可愛い部屋かなあって思ってた」
私の部屋は白を基調としたシンプルなお部屋。物を置くのが好きじゃないから、
極力全部引き出しにしまっている。
カーテンもホテルにあるようなシックなグレー。
母親からはモデルルームみたいとも
言われている。
「あっ!シンプルが好きでね、キャラクターものは苦手で。レースも…ちょっとね」
「ふーん、違うんだね。がっかりした」
違う??がっかり?
加藤くんの好みとは違うって事??
どうしよう…嫌われちゃうかなあ?
そうだ!料理で名誉挽回しなくちゃ。
「加藤くん、お腹空いてない?」
「もう、ぺこぺこだよー、沢山食べたいから
実は今日は何も食べてないんだ」
「かっかわいい」
私は昨日の夜から仕込みまでして作った
お手製のカレーを出しました。
スパイスに、こだわって作った、甘くなく辛くもないこだわりのカレー。
「はい!召し上がれ、加藤くんの為に昨日の夜から煮込んで作ったんだ!
美味しいかなあ…どうかな?」
「……」
あれ?食べない!?
どうして?
「カレー嫌いだったかなあ?」
「いや、、そんな事ないけど、
オムライスだと思ってたから」
「オムライス?あーごめんね」
加藤くんは、しばらくカレーを見つめて
いたけど、諦めたかのように一口食べてくれました。
「何か、ごめんね…次回はオムライス作るね」
「いいよ、大丈夫。カレー美味しかったよ」
そう言うと、加藤くんはカバンを手にして
「急用があったの忘れてた。ごめんね。
今日は帰るよ」
「えっ!だって、、今来たばかりだよ!
何で?…?」
でも、加藤くんは返事をしない。
「…うん、わかった」
加藤くんはとても素敵な笑顔で、
「妄想通りにしないとダメだよ」
ボソッと言うと帰っていきました。
妄想通り…ってどういう事?
妄想では確かに…ピンクの部屋にキャラクターの可愛いグッズに囲まれて、ぬいぐるみに
レースのカーテン…得意な料理はオムライス。
自分とはかけ離れた妄想はしていたけど…
誰にも話した事ないし、まして、加藤くんに妄想が好きだなんて言った事ないし。。
初めての自宅デートは失敗に終わりました。
そして…
次の日から何かが変わりつつありました。
つづく…………
さあ!今日は加藤君が私の家に初めて来る日!
ドキドキしちゃうなあ。
『ピンポーン』
来た!!
「道に迷わなかった?駅まで迎えに行かなくてごめんね」
「いいよ、大丈夫!僕が1人で探してみせるって言ったんだし、それにメールでくれた
手作りの地図も分かりやすかったしね」
「ありがとう」
加藤くんは本当に優しい。
私の落書きみたいな地図を分かりやすいって言ってくれるなんて。
「じゃ、玄関の前で話すのもなんだし、
入って下さい」
「お邪魔します」
その時、加藤くんの顔が歪んだような気がした。
「あれ?家の中…結構シンプルなんだね。
キャラクターに囲まれたレースのカーテンの
可愛い部屋かなあって思ってた」
私の部屋は白を基調としたシンプルなお部屋。物を置くのが好きじゃないから、
極力全部引き出しにしまっている。
カーテンもホテルにあるようなシックなグレー。
母親からはモデルルームみたいとも
言われている。
「あっ!シンプルが好きでね、キャラクターものは苦手で。レースも…ちょっとね」
「ふーん、違うんだね。がっかりした」
違う??がっかり?
加藤くんの好みとは違うって事??
どうしよう…嫌われちゃうかなあ?
そうだ!料理で名誉挽回しなくちゃ。
「加藤くん、お腹空いてない?」
「もう、ぺこぺこだよー、沢山食べたいから
実は今日は何も食べてないんだ」
「かっかわいい」
私は昨日の夜から仕込みまでして作った
お手製のカレーを出しました。
スパイスに、こだわって作った、甘くなく辛くもないこだわりのカレー。
「はい!召し上がれ、加藤くんの為に昨日の夜から煮込んで作ったんだ!
美味しいかなあ…どうかな?」
「……」
あれ?食べない!?
どうして?
「カレー嫌いだったかなあ?」
「いや、、そんな事ないけど、
オムライスだと思ってたから」
「オムライス?あーごめんね」
加藤くんは、しばらくカレーを見つめて
いたけど、諦めたかのように一口食べてくれました。
「何か、ごめんね…次回はオムライス作るね」
「いいよ、大丈夫。カレー美味しかったよ」
そう言うと、加藤くんはカバンを手にして
「急用があったの忘れてた。ごめんね。
今日は帰るよ」
「えっ!だって、、今来たばかりだよ!
何で?…?」
でも、加藤くんは返事をしない。
「…うん、わかった」
加藤くんはとても素敵な笑顔で、
「妄想通りにしないとダメだよ」
ボソッと言うと帰っていきました。
妄想通り…ってどういう事?
妄想では確かに…ピンクの部屋にキャラクターの可愛いグッズに囲まれて、ぬいぐるみに
レースのカーテン…得意な料理はオムライス。
自分とはかけ離れた妄想はしていたけど…
誰にも話した事ないし、まして、加藤くんに妄想が好きだなんて言った事ないし。。
初めての自宅デートは失敗に終わりました。
そして…
次の日から何かが変わりつつありました。
つづく…………
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