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Bashooon

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 本編

2205年のクリスマス12月24日から25日の間にイスラエルのエルサレム・ゴルゴダの丘に、巨大な大樹が出現した。

「これが5つ目のラッパ、僕が彼らに与える最後のチャンスだっ!」と全身白色の服を着た少年が高らかに体を開き叫ぶ。
少年の後ろには長い髭をたがやした瓜二つの男がフードを被り目を閉じ跪いている。
「残りは二つ」
「君たち『は』違ってくれよ!」と楽しそうにだが少し失望したような目で下を見つめる。

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2235年4月27日

ちょろちょろ見える桜を横目に二人が歩いている。
「南華さん。絶対俺たち浮いてるよな。」と溜め息混じりにぼやく。
「しょうがないですよ。5日前までアフリカにいたんですから。狡さんがミスしなければもっと早く帰れていたんですよ。」
「しょうがなかったんですよ南華さん。あそこで女の子を見捨てろってのが無理なんですよ。」と言い訳をする。
はぁと溜め息をついてわかってますと南華が返す。
が若干視線を感じていた。
八方美人な南華では無く狡助に向けられたものが。
髪が赤黒く目も真っ赤、今の時代髪の毛や目が赤、青などは珍しくはないが狡助のは特異だ。
理由を知らない者には不気味に見える色。
「狡さんが帽子をかぶればいいんじゃないですか?」と提案した。
その後は二人で話をしながら歩いていたら学校に到着した。
”国立魔法技術学園”これから南華と狡助が通う学園。
小中高大一貫の大きな学園で面積は約19平方キロメートルこれまで広い理由としては学園の校舎だけでは無く、学生寮、学生のための商業施設、校舎裏の山全体、一般企業が持つ世界屈指の魔法技術開発の研究施設のいくつも存在しネットでは「学園町」などと言われている。
そのでかい敷地の南側の正門を二人は通る。他にも沢山の門はあるが大半は企業の社員用や資材運搬用の門で教育施設のある校舎に行くのは正門が一番近い。
「広いですねー。」と狡助が尋ねる。
が南華が無視して「えっと。高等科のはと。」と学園の案内板を指でなぞっていると、どこからともなくこの学校の制服を着た生徒数人に囲まれた制服についている校章の色からして1、2年生。
そのなかの一人が「ねぇ、君かわいいね。」と南華に話しかけながら肩に手をかけようとする。
そうはさせまいと狡助が手首を掴む。
「なに、お前。」と眉間にシワをよせながら狡助を睨み威嚇する。
「テメェこそうちの南華さんになにしようとしてんだよ。」と睨み返す。
その間で南華が「うちのって狡さん照れちゃいますよ!」とちゃかを入れる。
一触即発の空気に周りの生徒が近ずけない。この学校の制服を着ているということは魔法を使えるということ、魔法同士がぶつかるとそれなり被害が出る。それを防ぐためにある程度の法律によって縛られてるがヤンキーがそれを守るとは思えないとそれを回避しようと必死に無視をしその場から離れる。
「少し顔貸せや」と金髪ヤンキーが漫画のようなセリフをかます。
近く校舎裏にある森のなかに狡助の刀をつかみ連れて行く。
ヤンキーについて行く狡助と南華をチラチラ見ながら他のヤンキーがニヤニヤ笑っているのに南華が気ずく。
狡助が人の気配が無くなったと思った瞬間、オラっ金髪ヤンキーが狡助の腹にパンチをかます。パンチでよろめいた瞬間顔に蹴りを入れる。
勢いで地面に倒れる。
それを見てヤンキーが南華を囲んで笑い出す。「ダッセー。彼女の前でやられてやんの!」、「オイオイ。やり返せねーのか」などいろいろと罵声を投げる。南華がそれを聞き「彼氏なんてー、そんなお似合いですか?」とまた似たような冗談を言う。「違うのならなおさら俺と付き合わない?」と南華の肩にまた腕をかけようとする。それをまた狡助が腕首を掴み捻る。
ヤンキーが腕を捻られた痛さで体制が崩れる。
「え?」さっきまで狡助を殴っていた金髪ヤンキーが驚く。
「何回言わせんだ。南華さんにテメーの汚い手で触るなって言ってんだろ!」傷一つない顔で腕を掴み南華の前に割って入る。
「南華さんこいつら一発つづ殴っていいですか?」と狡助が後ろにいる南華に意見を求める。
「全員黙らせますか?」
「大賛成です。」
「けど南華さんは手を出さないでくださいよ。こいつら死んじゃうかもしれないんで。」
「わかってますよ」と不満げに返す。
「じゃあ下がっててください。」と言いながら掴んだ腕ごとヤンキーを投げ飛ばす。
「ほら、来いよ。」と挑発するとまんまと挑発にのりヤンキー達が殴り掛かろうとする。魔法を使おうするやつもいるが無視して両手を腰の位置で広げ真正面から狡助が受けて立とうとする。
一番近くにいた奴の拳をよけ顔を鷲掴みにその後ろにいたヤンキーごと下に叩きつける。「やばっ!」と声に出した時には遅かった、ヤンキーを叩きつけた瞬間目の前にいた一人の炎魔法を真正面面から受けてしまった。
驚いた顔のまま魔法を撃ったヤンキーが腰を抜かす。
狡助がうつ伏せで倒れてピクリとも動かず上半身ばメラメラと炎を上げ燃えている。
驚いていた金髪ヤンキーが我に返り
「テメェ、なにしてんだ。殺してどうする!」と怒鳴る。
魔法を撃ったヤンキーは人を殺してしまった恐怖で声が出せずに怯えている。
他のヤンキー達も人が目の前で死んだという恐怖で動けない。
その状況下で南華は平常心を保っていた。こんなこと良くあることだと。「狡さん、いつまで寝てるんですか?」と燃えている狡助に尋ねる。
何を言っているんだと金髪ヤンキーが思うと。
燃えている狡助の体がむくりと立ち上がり。炎が風に流されるようにさらりと消え上半身の服が燃えて亡くなっていた。
「あー。びっくりした!」上半身裸の傷一つない顔でと叫んですぐ魔法を撃ったヤンキーの目の前に行き。「お前、今の俺じゃ無かったら死んでるぞ。」と怒鳴ると座ったままヤンキーが、涙と鼻水を垂れ流し気絶する。お化けとでも思ったのだろう。
「狡さん。服、服来てください。」と南華から注意を受ける
あ、忘れてたと言いつつ腰に差していた短刀を抜き「蝶花、服直してくれるか?」と短刀の刃に語りかける。
すると狡助の体の前から火花の渦が巻き上がりその中から12歳程度のとても綺麗な顔立ちで赤い髪をし真っ白な服を来た少女が出てきた。
出てきてすぐに狡助の顔を殴る。
「痛った!何すんだよ蝶花!」と狡助が怒鳴る。
するとそれに反論して「お前は何回服をダメにするんじゃ」と怒鳴り返しながら狡助の背中を平手で叩く。すると服が焼け残ったところから徐々に燃え始めそこから服が治って行く。
治し終わると「夜ご飯は焼き肉じゃ」と言い残しまた火花になって消えていく。
「えっ?ちょ!それ無理っ!」と狡助が言い返す前に消える。
南華以外の意識のある者たちが唖然とする。
物体、生物の再生魔法は数あれどほとんど使い手がいない。だが記憶にあるどの魔法とも合致しない。まず再生魔法の大前提として他人に再生魔法は効かない。それは世界的な魔法の常識だ。しかしあの短刀から現れた幼女はやって見せた。燃やし治して見せた。
ヤンキー達はさらに混乱した燃え死んだと思った人間が火傷一つなく起き上がり、刀から幼女が現れ他人の所有物に再生魔法をかけた。
今までで見たことのないオンパレードだ。
狡助の服が治りきった瞬間に少し遠くから物音が近づいて来るのにきずいた。
林を分け入って来たのはこの学校の先生らしき人物との両斜め後ろにガラスのようなものでできた盾を持った警備員。
表の通路で絡まれた時に見ていた生徒が教師に知らせたのだろう
「お前達何をしてる!」怒鳴ると狡助がビクッと驚いた。声の大きさではなく声色と容姿に。
「雅人...?」と細々と問いかける。
「あ?」先生が狡助と南華の方を見ると少し驚く。
ヤンキー達を警備員に任せて「狡、南華、何でこんなとこにいるんだ?」と怒り気味近づきながらに尋ねると。
「いや、こいつらに絡まれて連れてこられただけっだって」と狡助が弁解する。
「じゃあ、これはなんだ」腕を組みながら顎でヤンキー達をさす。
「いや、まぁ、これは…。」と返答に困る。
「なんだ。」と眉間にシワを寄せながらが再び問いかける。
ライオンとネズミが対面したような状態で狡助が怯える。
「お前がやったんだろ?」と3度目を
問いかける。
「だから違うって!こいつら勝手に自めっ!」と最後まで弁解の言葉を言うまえに澄淵のゲンコツが落ちる。
あまりの衝撃に狡助が気絶する。
地面に倒れる瞬間に狡助をすくい上げ肩に担いで南華にも質問をする。
「南華、お前もやったのか?」
「いやいや、私はやってませんよ。」とニコニコしながら答える。
「ま、それもそうか。」と納得する。
そして南華が付け足す「そういえば、狡さんがさっき言ってたのは9割は本当ですよ。」
「わかってる、あいつがそんなショボい嘘をつくはずないだろ。」
「じゃあ、何で殴ったんですか?」南華が質問する。
「なんとなく。」澄淵が顔色一つ変えず答える
南華は少し驚き「ははは」と笑って澄淵について行った。

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