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【番外】幸世のゆきいろキャンディー 前編
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「見てください幸世さん。外の植木鉢に四つ葉のクローバーが生えてましたよ。
今日はきっと良いことがありますね」
開店前に店の前を掃除していた店長――夢見獏が、ミステリアスな風貌にやたらと無邪気な笑みを浮かべ、小さな四つ葉のクローバーを手に店内に戻ってきた。
キッチンにあったジャムの空き瓶に少しだけ水を入れ、綿帽子のような白い花がついた四つ葉のクローバーをさす。
鼻歌を歌いながらカウンターの隅にそれを飾る店長を、私は呆れたような目で見つめた。
「幸世さんがこのお店に来てくれてから、小さな幸せが多くなった気がします。さすが座敷童ですね」
「……この程度の幸福で喜ぶことが出来るなんて、店長は妖怪のくせにちょろいですね」
人間と違い、長く生きる妖怪は、たいてい常に物事の真理を見つめている。
色鮮やかな現世の虚飾を剥がしてしまえば、そこに横たわっているのは寂寞とした砂漠のような光景だ。
幸せも愛情も、そのほとんどがまやかし。
大抵の生き物は、ただ自らの快適な生存のために行動し、誰かを蹴落とし見捨てることも厭わない。
容易にその答えにたどり着いてしまう私たちは、四つ葉のクローバーを見つけただけでほっこりするような無邪気さなど、持ち合わせていないことがほとんどだった。
この男――『店長』にしたって、それが分かっていないわけじゃないだろううに。
「私たちバクが住処にしている夢の中はなんでもありですけど、現実はそうではないと知っていますから。
現実という制約のある世界で幸福を見つけるというのは、得がたく嬉しいことです」
「そうですか」
どうでもよいという気持ちを隠すことなく相づちを打ちながら、私は両手を後ろにまわしてエプロンの紐を結ぶ。
……結ぼうとした。
紐は生意気にも私の小さな指先をすり抜けて、なかなか結び目ができない。
そもそも背後で紐を結ぶ必要はあるのだろうか。
帯のように前で結んで後ろに回せば楽なのに。
洋装というのはなんと面倒で非合理的なんだろう。
自分の不器用さを棚に上げて苛立っていると、店長がさりげなく私の後ろにまわってリボン結びをしてくれた。
「……ありがとうございます、店長」
私の、礼を告げるには平坦すぎる声音も気にせず、店長は微笑んだ。
「いいえ。さあ、これで大丈夫です」
私が彼を礼儀正しく店長と呼ぶのは、人とならざる者たちが人間のふりをするというごっこ遊びを、常に自覚しながら生活するためだ。
なんて滑稽な日々なんだろう。
人間が開発したテクノロジーには多少興味があるが、私は人間自体となれ合う気はない。
私は店長と違って、すべての人間を愚かしくも愛らしい生き物だと思っているわけではなかった。
私が愛しているのは、本当の愛を捧げていると断言出来るのは、家で待ってる可愛い可愛いあの子だけ。
◆
あの子との出会いを語るには、もう風化しかけている遠い昔話から始めなければならない。
かつて私はただのちっぽけな怨霊だった。
どの時代に死んだのか、なにを恨んでいたのか、なぜ現世に留まることになったのかなんて、もう覚えていない。
ただひとつ確実だったのは、子どものうちに悪意を伴った方法で殺され、その後無差別に人間を害し、村のうさんくさい祈祷師の手によって封じられたということだった。
行き場のない恨みをもてあました私は、封じられてなお、すべての人間に対して憎悪を抱き、この目に映るものすべてを焼き尽くしたいと願っていたはずだった。
もっとも、森の中の小さな祠に縛られていたせいで、人間を目にすることも滅多になかったのだけど。
でも、ある日突然、私の存在は根本から覆された。
今から100年ほど前のこと、私が居場所としていた森が伐採され、突然旅館が建てられたのだ。
私の居場所を奪って建てられたその旅館は、5つの客室しかなかったが、しゃれた庭園が作られ、鹿威しの澄み切った音が響いていた。
立派な旅館の中で、私はそれはもう激怒した。
祠は私を縛るものではあったが、私の住処でもあったからだ。
客を片っ端から呪い殺そうともしたし、宿の主人を一家もろとも破滅に導こうとしたこともある。
けれど企みはことごとく失敗した。
長い年月祠に縛り付けられていたせいで、私の力が弱くなっていたのか――あるいは、私の存在そのものが薄れてきていたのか。
出来ることといったら、せいぜい足音を立てたり、軽い物を落としたりすることくらい。
恨み言を叫んでも誰一人私の言葉を聞くことはなかった。
けれど、『なにかがいる』ということは確かに伝わったらしい。
次第に、宿泊客から、誰もいないのに子どもの声や足音のようなものが聞こえたという苦情が増えてきた。
私は何もできない哀れな怨霊だったが、気味悪がられる程度の存在にはなれた。
せめてこのままこの旅館が廃れてしまえばいいと、そう願っていたけれど、事態は悪い方向へと転んだ。
商才のあった旅館の主人が、私に『座敷童』という名前をつけたのだ。
きっとそれがきっかけだったのだと思う。
人間が私をどう認識しているのかということは、私の存在に直接影響をもたらした。
私は怨霊としての力を完全に失った。
人間への恨みを持ったまま。
同時に、私の足音やいたずらに遭遇した人間にはなぜか本当に幸福がもたらされるようになった。
私の意思とは無関係に。
かくして、私が私たる所以はすべて無視された。
それから時は流れた。
世界を巻き込んだ大きな戦が起こった後、人間たちは猛烈な勢いで建物を直し、活動の範囲をさらに広げていった。
まるで雑草のように厄介な生き物だと思った覚えがある。
かつては私も人間だったのだが、長い年月はとうに私の自己認識を変えていた。
私は人でなく、恨みから怨霊と化した子どもでもない。
ただ『座敷童』という腹の立つ名を与えられ、私の意思とは無関係に人間どもが勝手に幸せになっていく。
苛立たしさはやがて無力感へと代わり、私は毎日することもなくただぼんやりとして過ごすようになった。
そして、冬のある日のこと……あの子が旅館に泊まりにやってきた。
白い洋服を着ていて、両親に挟まれ幸せそうな笑みを浮かべながら庭を歩いている。
私はそれを面白くない気持ちで眺めていた。
胸に渦巻くヘドロのような感情がいつもよりも濃度を増しているのは、きっとあの子の年齢が私が死んだ年齢と同じくらいだったからだろう。
10歳くらいの少女だ。
この世に残酷なことなんて何も無いと信じ込んでいるような無邪気な様子がやけに勘に障った。
「あなたはなんていうの?」
廊下の隅で話しかけられた時、一瞬誰に言っているのかわからず私は後ろを振り向いた。
私の姿は人間には見えていないはずだ。
なのにこの子は、あの無邪気な眼差しをまっすぐに私へと向けている。
「私はユキっていうの。あなたは?」
私は言葉を失い、ユキと名乗った少女をただ見つめ返す。
「あ。ごめんなさい、突然話しかけて。びっくりした?
でも、あなたと一緒に遊びたくて」
驚く私の表情も確かに見えているらしい。
それなのに、ユキはお構いなしに軽やかな声でさえずり、私に向かって微笑む。
――腹の立つ奴だ。
せめてそのお綺麗な顔を歪めてやろうと聞くに堪えない罵詈雑言を並べてみたけれど、なぜかその言葉は相手に届かなかった。
「え、なあに? よく聞こえないわ」
もしかすると、私は人間の言葉を忘れてしまったのかもしれない。
そうに違いない。
ここまで変わり果てたものになってしまった上に、嘘の名前を与えられてしまったのだから。
もう私が何であるのか、私自身もわからなかった。
「あ、そうだ。これをあげましょう」
ユキは突然思い出したようにポケットに手を入れると、なにか小さな缶のようなものを取り出した。
そして手のひらの上で缶を小さく振る。
飛び出てきたのは、まるで雪を小さく固めたような色のあめ玉だった。
「お近づきのしるしに」
どこか大人びた口調でユキが言う。
戸惑いと苛立ちが頂点に達し、私はやっとのことで唇を開いた。
「……なによ、これ」
「ハッカ飴よ。好きなの」
無邪気な笑顔で、ユキが私にあめ玉を差し出す。
「こんなのいらない」
無愛想な声でそう伝え、私はあめ玉がユキの手のひらから転げ落ちるよう念じた。
とたんに見えない力に影響を受けたあめ玉が、不自然な軌道で地面に落ちる。
どうして私の姿が見えているのかは分からないが、とにかくこれでユキは私を人ならざる者だと理解し、怖がるだろう。
けれど、彼女はまるで陽だまりのような笑みを浮かべた。
「おしゃべりできたのね。可愛い声」
私の仏頂面を無視して、ユキは鈴を転がしたような声で明るく笑ったのだ。
今日はきっと良いことがありますね」
開店前に店の前を掃除していた店長――夢見獏が、ミステリアスな風貌にやたらと無邪気な笑みを浮かべ、小さな四つ葉のクローバーを手に店内に戻ってきた。
キッチンにあったジャムの空き瓶に少しだけ水を入れ、綿帽子のような白い花がついた四つ葉のクローバーをさす。
鼻歌を歌いながらカウンターの隅にそれを飾る店長を、私は呆れたような目で見つめた。
「幸世さんがこのお店に来てくれてから、小さな幸せが多くなった気がします。さすが座敷童ですね」
「……この程度の幸福で喜ぶことが出来るなんて、店長は妖怪のくせにちょろいですね」
人間と違い、長く生きる妖怪は、たいてい常に物事の真理を見つめている。
色鮮やかな現世の虚飾を剥がしてしまえば、そこに横たわっているのは寂寞とした砂漠のような光景だ。
幸せも愛情も、そのほとんどがまやかし。
大抵の生き物は、ただ自らの快適な生存のために行動し、誰かを蹴落とし見捨てることも厭わない。
容易にその答えにたどり着いてしまう私たちは、四つ葉のクローバーを見つけただけでほっこりするような無邪気さなど、持ち合わせていないことがほとんどだった。
この男――『店長』にしたって、それが分かっていないわけじゃないだろううに。
「私たちバクが住処にしている夢の中はなんでもありですけど、現実はそうではないと知っていますから。
現実という制約のある世界で幸福を見つけるというのは、得がたく嬉しいことです」
「そうですか」
どうでもよいという気持ちを隠すことなく相づちを打ちながら、私は両手を後ろにまわしてエプロンの紐を結ぶ。
……結ぼうとした。
紐は生意気にも私の小さな指先をすり抜けて、なかなか結び目ができない。
そもそも背後で紐を結ぶ必要はあるのだろうか。
帯のように前で結んで後ろに回せば楽なのに。
洋装というのはなんと面倒で非合理的なんだろう。
自分の不器用さを棚に上げて苛立っていると、店長がさりげなく私の後ろにまわってリボン結びをしてくれた。
「……ありがとうございます、店長」
私の、礼を告げるには平坦すぎる声音も気にせず、店長は微笑んだ。
「いいえ。さあ、これで大丈夫です」
私が彼を礼儀正しく店長と呼ぶのは、人とならざる者たちが人間のふりをするというごっこ遊びを、常に自覚しながら生活するためだ。
なんて滑稽な日々なんだろう。
人間が開発したテクノロジーには多少興味があるが、私は人間自体となれ合う気はない。
私は店長と違って、すべての人間を愚かしくも愛らしい生き物だと思っているわけではなかった。
私が愛しているのは、本当の愛を捧げていると断言出来るのは、家で待ってる可愛い可愛いあの子だけ。
◆
あの子との出会いを語るには、もう風化しかけている遠い昔話から始めなければならない。
かつて私はただのちっぽけな怨霊だった。
どの時代に死んだのか、なにを恨んでいたのか、なぜ現世に留まることになったのかなんて、もう覚えていない。
ただひとつ確実だったのは、子どものうちに悪意を伴った方法で殺され、その後無差別に人間を害し、村のうさんくさい祈祷師の手によって封じられたということだった。
行き場のない恨みをもてあました私は、封じられてなお、すべての人間に対して憎悪を抱き、この目に映るものすべてを焼き尽くしたいと願っていたはずだった。
もっとも、森の中の小さな祠に縛られていたせいで、人間を目にすることも滅多になかったのだけど。
でも、ある日突然、私の存在は根本から覆された。
今から100年ほど前のこと、私が居場所としていた森が伐採され、突然旅館が建てられたのだ。
私の居場所を奪って建てられたその旅館は、5つの客室しかなかったが、しゃれた庭園が作られ、鹿威しの澄み切った音が響いていた。
立派な旅館の中で、私はそれはもう激怒した。
祠は私を縛るものではあったが、私の住処でもあったからだ。
客を片っ端から呪い殺そうともしたし、宿の主人を一家もろとも破滅に導こうとしたこともある。
けれど企みはことごとく失敗した。
長い年月祠に縛り付けられていたせいで、私の力が弱くなっていたのか――あるいは、私の存在そのものが薄れてきていたのか。
出来ることといったら、せいぜい足音を立てたり、軽い物を落としたりすることくらい。
恨み言を叫んでも誰一人私の言葉を聞くことはなかった。
けれど、『なにかがいる』ということは確かに伝わったらしい。
次第に、宿泊客から、誰もいないのに子どもの声や足音のようなものが聞こえたという苦情が増えてきた。
私は何もできない哀れな怨霊だったが、気味悪がられる程度の存在にはなれた。
せめてこのままこの旅館が廃れてしまえばいいと、そう願っていたけれど、事態は悪い方向へと転んだ。
商才のあった旅館の主人が、私に『座敷童』という名前をつけたのだ。
きっとそれがきっかけだったのだと思う。
人間が私をどう認識しているのかということは、私の存在に直接影響をもたらした。
私は怨霊としての力を完全に失った。
人間への恨みを持ったまま。
同時に、私の足音やいたずらに遭遇した人間にはなぜか本当に幸福がもたらされるようになった。
私の意思とは無関係に。
かくして、私が私たる所以はすべて無視された。
それから時は流れた。
世界を巻き込んだ大きな戦が起こった後、人間たちは猛烈な勢いで建物を直し、活動の範囲をさらに広げていった。
まるで雑草のように厄介な生き物だと思った覚えがある。
かつては私も人間だったのだが、長い年月はとうに私の自己認識を変えていた。
私は人でなく、恨みから怨霊と化した子どもでもない。
ただ『座敷童』という腹の立つ名を与えられ、私の意思とは無関係に人間どもが勝手に幸せになっていく。
苛立たしさはやがて無力感へと代わり、私は毎日することもなくただぼんやりとして過ごすようになった。
そして、冬のある日のこと……あの子が旅館に泊まりにやってきた。
白い洋服を着ていて、両親に挟まれ幸せそうな笑みを浮かべながら庭を歩いている。
私はそれを面白くない気持ちで眺めていた。
胸に渦巻くヘドロのような感情がいつもよりも濃度を増しているのは、きっとあの子の年齢が私が死んだ年齢と同じくらいだったからだろう。
10歳くらいの少女だ。
この世に残酷なことなんて何も無いと信じ込んでいるような無邪気な様子がやけに勘に障った。
「あなたはなんていうの?」
廊下の隅で話しかけられた時、一瞬誰に言っているのかわからず私は後ろを振り向いた。
私の姿は人間には見えていないはずだ。
なのにこの子は、あの無邪気な眼差しをまっすぐに私へと向けている。
「私はユキっていうの。あなたは?」
私は言葉を失い、ユキと名乗った少女をただ見つめ返す。
「あ。ごめんなさい、突然話しかけて。びっくりした?
でも、あなたと一緒に遊びたくて」
驚く私の表情も確かに見えているらしい。
それなのに、ユキはお構いなしに軽やかな声でさえずり、私に向かって微笑む。
――腹の立つ奴だ。
せめてそのお綺麗な顔を歪めてやろうと聞くに堪えない罵詈雑言を並べてみたけれど、なぜかその言葉は相手に届かなかった。
「え、なあに? よく聞こえないわ」
もしかすると、私は人間の言葉を忘れてしまったのかもしれない。
そうに違いない。
ここまで変わり果てたものになってしまった上に、嘘の名前を与えられてしまったのだから。
もう私が何であるのか、私自身もわからなかった。
「あ、そうだ。これをあげましょう」
ユキは突然思い出したようにポケットに手を入れると、なにか小さな缶のようなものを取り出した。
そして手のひらの上で缶を小さく振る。
飛び出てきたのは、まるで雪を小さく固めたような色のあめ玉だった。
「お近づきのしるしに」
どこか大人びた口調でユキが言う。
戸惑いと苛立ちが頂点に達し、私はやっとのことで唇を開いた。
「……なによ、これ」
「ハッカ飴よ。好きなの」
無邪気な笑顔で、ユキが私にあめ玉を差し出す。
「こんなのいらない」
無愛想な声でそう伝え、私はあめ玉がユキの手のひらから転げ落ちるよう念じた。
とたんに見えない力に影響を受けたあめ玉が、不自然な軌道で地面に落ちる。
どうして私の姿が見えているのかは分からないが、とにかくこれでユキは私を人ならざる者だと理解し、怖がるだろう。
けれど、彼女はまるで陽だまりのような笑みを浮かべた。
「おしゃべりできたのね。可愛い声」
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