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第一九章 「……さて、ね」
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Ⅰ
「……以前から少し気になっていたんだが」
――それは、唐突に始まったシノビの言葉で。
たまたま食堂で昼食を共にしていたアチラやユウ、カズネがシノビのほうへと視線を向けた。三者三様に表情を作っているが、皆不思議そうな顔をしていて。また、皆目見当もつかないといった空気を醸し出していた。
シノビは三対の視線を受け止めつつも、大して気にすることなく続ける。
「アチラのその不可思議な力はどこで身につけたのだ」
「……え、俺? 俺限定なわけ?」
アチラは急に自身の名前が出てきたから、驚きを隠せずに自身に指を向ける。そして、自分だけかと問いかければ、シノビはそれに深く頷いた。
シノビはさらに言葉を紡いでいく。
「左様。お主は私たちとは違って指を鳴らしただけで物を取り出せるし、お主の身丈以上もある大鎌ですら知らぬ間に収納している。以前から気になってはいたものの、聞いていなかったとふと思ってな」
アチラが目を瞬く中、シノビは淡々と説明していく。
アチラはその説明を聞いて、ああと納得した。
今まで聞かれなかったことが、不思議なぐらいだもんねえ……。
アチラはそう考える。だが、今さらながらに聞かれるとは思っていなかったため、少しばかり困惑していた。
一方、シノビの言葉を聞いていたユウやカズネはその話を肯定するかのように頷きながら「確かに」と呟く。
「……言われてみれば、アチラは変わった力をたくさん持っているよな。ほら、俺たちの武器ももともとアチラの物なのだろう?」
「確かに気になっていたけど、忘れていたわ。シノビが言ってくれなきゃ、永久にお蔵入りだったかも……」
二人が勝手気ままに語っているのを聞いて、アチラは肩を竦める。
「いや、これだけ長く一緒に仕事をしているのに、お蔵入りとか今さらないでしょ。……それにしても、本当に唐突だよねえ」
アチラはシノビへと視線を戻してそう告げる。楽観的に告げてはいるものの、内心は少し焦っていた。
さてさて、何をどこまで聞かれるやら……。
あまり話したくないなあ、と思いつつ、アチラは次の言葉を待つ。
アチラが話をするとなれば、自分の過去もとい黒歴史まで話すことになるだろう。今思えば恥ずかしい記憶の一端である。思い出したくもない記憶を引きずり出して話すのは、どんな者でも得意ではないはず。
確かに、アチラはシノビたちに比べてできることが多い。仕事の中で身につけたこともあるし、経験を活かした上でたくさんの仕事を彼らに比べて任せられているのも事実であった。
だが、根本的な話となれば、アチラはこの仕事に就く前に能力を身につけている。そして、その話をするとなれば、深堀しなくてはいけないのだ。
アチラはそれを考えて肩を竦める。
すると、気配を察したのか、シノビは一つため息をついた。
「話したくないというのなら、無理にとは言わん。だが、お主の力を知っておくのも、友としての務めかと」
「いやいや、固いよ、シノビ。固すぎる。俺たちが友人だっていうのも、同僚であることも間違いはないけどさ、もっと気楽で良いから。何その固い口調、どこの主従関係だよって思うから」
アチラはわざとおちゃらけたように告げる。冗談めいた言葉に、シノビは安心した様子であったが、アチラは素早く頭を働かせていた。
とは言っても、シノビの言ってることももっともだし、濁しながら話せば大丈夫、か……。
じっとシノビがアチラへと視線を寄越してくる。アチラはそれを見て普段の表情に戻す。それは、茶化した様子でもなく、隠した様子でもなく。
アチラはふむと考えてから、「よし」と両手を合わせた。
「今日、仕事終わりに飲みに行こう!」
「……は?」
アチラの突然の誘いに、シノビだけではなく、ユウやカズネも呆気にとられたようでキョトンと目を瞬いている。
アチラは「いやさー」と説明する。
「素面で話すのも、この短い時間で話すのも難しいと思ってさ。せっかくだから、たまにはと思って。ほら、同僚会、みたいな」
「同僚会、かあ……。『執行人』も誘ったら来るだろうか?」
アチラの言葉に、ユウが問いを口にする。
だが、アチラはそれをすぐに否定した。
「いや、あいつはいい。誘ってもどうせ来ないだろうし、相手にしていたら終わらないから」
「辛辣……」
アチラの言葉に、カズネがポツリと呟く。
アチラはそれを耳にして、すぐにいやいやと手を軽く振ってから言葉を紡いだ。
「大体にしてよく考えてみてよ。『執行人』を呼んだらそれだけで話が終わるでしょうが」
「……というと?」
ユウが先を促す。
アチラ自身はそれでも構わないのだが、アチラが懸念している部分を口にする。
「俺が話をしなくて良いのなら全然呼んであげるけど、『執行人』を呼んだら歓迎会になってそれどころじゃないと思うけど」
アチラの言葉に、三人は黙って想像を膨らませる。しばしの沈黙の後、三人は「確かに」と呟きながら力強く頷いた。
三人がどんな想像をしたのかは分からないものの、アチラは何となく予測ができたのであった。
こうして、アチラたち四人は急遽仕事終わりに飲みに行くこととなったのである――。
Ⅱ
仕事終わりに転生局の門で待ち合わせたアチラたちは、行きつけの飲み屋へと足を運んだ。
転生局が贔屓にしている酒場は、忘年会や暑気払いなどで使われている場所だ。もともと、アチラが局長であるレイと打ち合わせで使ってからの付き合いではあるが、今じゃ個人で利用するよりも転生局全体で使っている場所である。しかも、店長や店員が気前よく、値段もかなり安い設定だ。贔屓にするのは時間の問題だっただろう。
アチラたちは仕事終わりにそのまま来たからか、まだ客も少なくすんなりと部屋に通された。簡単に飲み物やつまみなどを頼み、飲み物が手元に来ると四人はそれを各々手にする。
「はーい、とりあえずお疲れ様でしたー。というわけで乾杯」
「乾杯!」
発案者のため挨拶をやらされたアチラがやる気のない挨拶をしたものの、三人はそれに元気よく返してグラスを軽く当てる。全員それに口をつけ、仕事の疲れを発散させるかのようにして飲んだ。
ちなみに、アチラとシノビは日本酒、ユウはノンアルコールカクテル、カズネはレモンサワーと各々好きな物を頼んでいた。
転生局の食べ物や飲み物は、現代の物を参考にしているため、基本的には何でもありだ。和食、洋食、中華に現代の各国の料理まで、好きな物が食べられた。
特に、アチラたち転生局が贔屓にしているこの店は、店長が料理好きというのもあって、どの料理も質が高くオススメが一つに絞れないのが悩ましいところである。
アチラは一口飲んでから、口を開く。
「ユウって、酒に強くないんだ」
アチラが意外そうに告げれば、ユウが苦笑する。苦笑いしながらも、困った様子はなさそうであった。
「普段から飲まないからな。あまり得意じゃないんだ」
「意外だなあとは思うけど、無理して飲むこともないしね。それに、意外と言えばカズネがサワー頼んだのも意外だった。カクテルとか、果実酒とか行くかなあと思ってたから」
「炭酸が効いているのが好きなのよ。でも、苦いのは得意じゃないわ」
「ちなみに、シノビは期待通りで安心したけどね」
「お主が日本酒というほうが不思議なものだ」
アチラが口々に声をかければ、三者三様に返答が返ってくる。
実を言えば、あまりアチラたちは飲みに行かない。大抵食堂で話を終えてしまうし、忘年会とかの行事以外で飲みに行く者が少ないからであった。そのため、各々が何を飲むのかなど初めての感覚で、アチラたちも面白がってお互いの好みを知るのであった。
一通り食事をし、定期報告などを話していれば、急に「さて」とシノビが切り出す。
「……アチラ、お主の話、そろそろ聞かせてもらうぞ」
「なんか、普段のアチラみたいだよな」
「ちょっと、ユウには俺がこういう風に見えているってわけ」
「でも、言いそうよね」
アルコールが少しずつ回ってくる中、皆のテンションも少しずつ上がっていく。
ユウはおそらくアチラたちの酒の香りに酔いつつあるのだろう、気分が上がっている。だが、ノンアルコールだからか、顔にはほとんど変化がなかった。
シノビはあれからずっと日本酒を頼んでいるものの、表情に変化はない。ザルなのか、それを超えてワクなのか、酒には強いようである。
カズネは多少顔が赤いものの、まだそう酔ってはいなさそうであった。あまり変化がない。
アチラもほとんど様子に変わりはない。弱くはないため、酔っていたとしてもそう変化がないのである。
シノビの視線は鋭く、アチラへと向けられている。目が据わっているようには見えるが、酒のせいではないのだろう。アチラを逃がさないとばかりに睨みつけていた。それにユウが反応を示せば、アチラは不服とばかりに声を上げる。アチラの不服な声を聞いていないのか、カズネがユウの言葉に同意を示していた。
アチラは一つため息をつく。
「シノビ、さすがに鋭すぎるから、その視線。怖いって。それにしても、ユウには俺がこう見えているってわけかあ」
アチラが残念そうに告げれば、ユウは即座に否定する。
「いや、アチラが怒っている時はこんな感じだぞ。シノビよりも目つきは鋭くなるだろう?」
「私もそう思うわ」
「右に同じく」
ユウの言葉に、淡々とテンポよくカズネとシノビが同意を示す。
三人の様子に、アチラは不満だとばかりに声を上げた。
「ちょっと、ここぞとばかりに」
アチラは不満そうに返すものの、内心は楽しんでいた。
正直に言えば、こうして皆と飲むのは楽しいと思った。行事とは違って、同僚だけで飲むという機会が得られて良かったとは思っている。
意外と、良いものだねえ……。
普段とは違って、仕事終わりだからか、余計に気が抜けている。そんな状態で、見知った顔だけで飲むからか、格段と酒が美味しく感じていた。
アチラがしみじみと感じていれば、シノビが催促するかのようにして口を開く。
「話が逸れたが、話せ。時間が惜しい」
「酷いなあ、さてはシノビ酔っているなあ?」
「戯言を。元を正せば、お主の話を聞くのが目的なのだ。良いから話せ」
シノビが珍しくゴリ押しする。表情には出ないだけで、本当は酔っているようである。
アチラはそれに対して嫌な素振りもなく、「そうだねえ」と考える素振りをする。段々と先ほどまでの空気とは一変していく中で、その雰囲気を感じ取ったのか、ユウやカズネも黙り始めた。シノビはいまだにアチラをじっと見つめている。
しんと静まり返った中で、アチラはゆっくりと話し始めた。
「何から話して良いのか、よく分からないけど……。とりあえず、俺は昔、手に負えない悪ガキだったんだよねえ」
アチラの言葉に、ユウとシノビが頷く。二人には一度軽くそれだけを話したことがある。とは言っても、深くは話していないので、二人もほとんど知らないのだが。
アチラはさらに続けた。
「まあ、昔は本当にしょうもない悪ガキだった。変わったのは、局長と会ってからだなあ。で、その悪ガキ時代に身につけたのが、これ」
アチラはあまり思い出したくない過去へと心を浸らせて、思い出しつつ言葉を紡いでいく。荒れ果てた地で、ほかの者を容赦なく手にかけていた、どうしようもない自分。それは黒歴史であるものの、大事にしておきたいと思っている一欠片であった。
何故なら――。
――それがなかったら、今の俺にはなれていないだろうからねえ……。
黒歴史のすべてが悪いわけではない、とアチラは思っている。思い出したくないのは事実であるものの、それがなかったら、その経験がなかったら、今の自分にはなれていなかった。そして、今も尚、そのしょうもない自分のままだったかもしれない。局長に出会えたことも、この仕事に出会えたことも、元をたどればそのしょうもない悪ガキ時代の自分がいたからだろう。
そう思いつつ、アチラは告げる。そして、「これ」と言って見せたのは、指を鳴らす前の形にした手で。
すると、三人はじっとその手を見つめた。
「あんまり必要はなかったんだけどねえ。簡単に武器が取り出せたり、しまえたりすると良いなあと思いつきでやってみたらできていたんだよ」
「……いや、どういうことよ!」
「右に同じく」
アチラが飄々と告げれば、カズネが納得いかなかったようで声を上げる。すぐにシノビが同意を示した。ユウは苦笑しているだけであるものの、本心的には二人と一緒のようで、じっとアチラの次の言葉を待っている様子であった。
アチラはふむと考える。
「いや、実はこの辺の記憶が混濁しているんだよねえ。よく分かってはいないんだけど、その頃の俺っておそらく無関心だったから、できたらいいやって感じだったわけ。気がついたらこんな感じにできていたし」
アチラがあっけらかんと告げれば、ユウはそれを言い直すかのように繰り返す。
「……つまり、アチラが望んで行ったことに変わりはないが、その経緯は分からない、と」
「そういうこと」
アチラが告げた言葉の語尾には、星マークでもつきそうなぐらいに軽かった。
シノビはそれを聞いてやけ酒のように酒をあおる。そして、軽く愚痴を零す。
「まったく、ここまでの時間は何だったのだ」
「ごめんて。……でも、武器に関しては、俺が旅しながら集めたんだよ。必要そうな武器をかき集めたって感じかなあ」
アチラはシノビに謝罪してから、さらに思い出話を語る。
「……あの時は、本当にやんちゃというか、馬鹿していたからねえ。とにかく武器を集めて武装したかったんだよ」
アチラは懐かしそうに目を細めてから、苦笑する。だが、その話はまだ終わる気配がない。
三人はアチラの話に耳を傾け続けるのであった。
Ⅲ
それからもアチラはいろいろと語った。濁したところもあったわけだが、三人には気付かれずに終わったらしい。
さすがに、あの黒歴史を話すつもりはないよねえ……。
自分でもしょうもないと思っている、あの頃のこと。局長と出会った頃のこと。まだ自身が笑って語るには、多少時間が必要なようであった。
アチラが一通り話終えると、シノビがゆっくりと息を吐き出しながら口を開く。
「……お主の話は大体把握した。だが、まだ語られていないことがある」
「えー? 俺、大体話したと思うんだけど? シノビ、今回は特に厳しいよねえ」
「やかましい。お主の話を聞くために、ここまで来たのだからな」
だいぶ酔っているらしいシノビの口調が、普段よりも強めである。目が先ほどよりも据わっているように見えた。
アチラは笑いたいのを我慢しつつ、シノビの次の言葉を待つ。
すると、シノビは何を思ったのか、アチラの肩をガシッと掴む。先ほどよりも逃がさないという意思が強いのか、目が鋭い。
「アチラの変わった能力のことも、武器のこともとりあえずは理解した」
「とりあえずって何。というか、変わった能力って表現」
「だが、まだ分かっていないことがある」
「それは分かったよ。……で、シノビが知りたいことは、何?」
アチラはシノビにニヤリと笑いかける。余裕そうに見せているが、何を言われるか内心ヒヤヒヤしていた。今日のシノビは特に読めないからであった。
シノビはゆっくりと言葉を紡ぐ。
「――分からないのは、お主の名前だ」
シノビの言葉に、アチラはゆっくりと目を見開く。口元にあったはずの笑みは、どこかへと行っていた。油断していたかのように、呆然としている。
そこに口を挟んだのは、話を聞くことに徹していたユウである。
「……? シノビの質問の意図が、俺にはよく分からないんだが……。アチラはアチラだろう?」
ユウの言葉に同意を示すかのように、カズネがこくこくと何度も頷いている。
だが、シノビはそれに対して首を横に振った。
「お主たちにもあるだろう、私にもある。私たちの名前を漢字にした時の名前が」
言われて気がついたのか、ユウもカズネもハッとした顔で頷いた。
「……確かに。言われてみれば、アチラの漢字は知らないなあ……」
「……私も」
――そう、皆漢字にした時の名前は確かにある。
ユウは、「勇」。
シノビは、「忍」。
カズネは、「一音」。
局長であるレイですら、「礼」と漢字の名前がある。
だが、皆アチラの漢字の時の名前は知らない。いや、もしかしたら、レイだけは知っているのかもしれないが。
三人の視線が、アチラに向けられ突き刺さる。
アチラはふむと考えてから、ニヤリと笑い、そして――。
「……さて、ね」
IV
「ここまで来て、それで済むと思うか!」
声を上げたのはシノビで。
だが、アチラは笑って返すだけだった。
「シノビ、だいぶ酔ってるでしょー。本当はザルじゃないなあ? まあ、いい時間にもなってきてるし、そろそろお開きとしようかー」
「アチラ、お前……」
ユウが何か言いたげな視線を送ってくる。ありありと心配だと顔に書いてある彼に向かって、アチラは笑いかける。
「ユウは心配しすぎ。大丈夫、ただ忘れただけだよ」
アチラがそう返した時、ユウは気がついていた。
アチラの目の奥が、笑っていないことに――。
だが、ユウは何も言わなかった。静かに「そうか」と頷いただけであった。
四人で会計を済まし、店を出る。
ユウがシノビに手を貸し、カズネはその後を着いていく。
さらに遅れてその後ろを、アチラはゆったりと歩いていた。三人と距離を置いて歩き、頭上を見上げる。暗く深い、それでも星が瞬いている夜空を見上げ、ポツリと呟いた。
「……ごめんねえ、シノビ。まだ、教えられないんだ」
アチラの独り言は、誰の耳に届くこともなく、静かに溶けて消えていく。
しばらくして、その夜空をかき消すかのように、黒く分厚い雲が覆い隠していくのであった――。
「……以前から少し気になっていたんだが」
――それは、唐突に始まったシノビの言葉で。
たまたま食堂で昼食を共にしていたアチラやユウ、カズネがシノビのほうへと視線を向けた。三者三様に表情を作っているが、皆不思議そうな顔をしていて。また、皆目見当もつかないといった空気を醸し出していた。
シノビは三対の視線を受け止めつつも、大して気にすることなく続ける。
「アチラのその不可思議な力はどこで身につけたのだ」
「……え、俺? 俺限定なわけ?」
アチラは急に自身の名前が出てきたから、驚きを隠せずに自身に指を向ける。そして、自分だけかと問いかければ、シノビはそれに深く頷いた。
シノビはさらに言葉を紡いでいく。
「左様。お主は私たちとは違って指を鳴らしただけで物を取り出せるし、お主の身丈以上もある大鎌ですら知らぬ間に収納している。以前から気になってはいたものの、聞いていなかったとふと思ってな」
アチラが目を瞬く中、シノビは淡々と説明していく。
アチラはその説明を聞いて、ああと納得した。
今まで聞かれなかったことが、不思議なぐらいだもんねえ……。
アチラはそう考える。だが、今さらながらに聞かれるとは思っていなかったため、少しばかり困惑していた。
一方、シノビの言葉を聞いていたユウやカズネはその話を肯定するかのように頷きながら「確かに」と呟く。
「……言われてみれば、アチラは変わった力をたくさん持っているよな。ほら、俺たちの武器ももともとアチラの物なのだろう?」
「確かに気になっていたけど、忘れていたわ。シノビが言ってくれなきゃ、永久にお蔵入りだったかも……」
二人が勝手気ままに語っているのを聞いて、アチラは肩を竦める。
「いや、これだけ長く一緒に仕事をしているのに、お蔵入りとか今さらないでしょ。……それにしても、本当に唐突だよねえ」
アチラはシノビへと視線を戻してそう告げる。楽観的に告げてはいるものの、内心は少し焦っていた。
さてさて、何をどこまで聞かれるやら……。
あまり話したくないなあ、と思いつつ、アチラは次の言葉を待つ。
アチラが話をするとなれば、自分の過去もとい黒歴史まで話すことになるだろう。今思えば恥ずかしい記憶の一端である。思い出したくもない記憶を引きずり出して話すのは、どんな者でも得意ではないはず。
確かに、アチラはシノビたちに比べてできることが多い。仕事の中で身につけたこともあるし、経験を活かした上でたくさんの仕事を彼らに比べて任せられているのも事実であった。
だが、根本的な話となれば、アチラはこの仕事に就く前に能力を身につけている。そして、その話をするとなれば、深堀しなくてはいけないのだ。
アチラはそれを考えて肩を竦める。
すると、気配を察したのか、シノビは一つため息をついた。
「話したくないというのなら、無理にとは言わん。だが、お主の力を知っておくのも、友としての務めかと」
「いやいや、固いよ、シノビ。固すぎる。俺たちが友人だっていうのも、同僚であることも間違いはないけどさ、もっと気楽で良いから。何その固い口調、どこの主従関係だよって思うから」
アチラはわざとおちゃらけたように告げる。冗談めいた言葉に、シノビは安心した様子であったが、アチラは素早く頭を働かせていた。
とは言っても、シノビの言ってることももっともだし、濁しながら話せば大丈夫、か……。
じっとシノビがアチラへと視線を寄越してくる。アチラはそれを見て普段の表情に戻す。それは、茶化した様子でもなく、隠した様子でもなく。
アチラはふむと考えてから、「よし」と両手を合わせた。
「今日、仕事終わりに飲みに行こう!」
「……は?」
アチラの突然の誘いに、シノビだけではなく、ユウやカズネも呆気にとられたようでキョトンと目を瞬いている。
アチラは「いやさー」と説明する。
「素面で話すのも、この短い時間で話すのも難しいと思ってさ。せっかくだから、たまにはと思って。ほら、同僚会、みたいな」
「同僚会、かあ……。『執行人』も誘ったら来るだろうか?」
アチラの言葉に、ユウが問いを口にする。
だが、アチラはそれをすぐに否定した。
「いや、あいつはいい。誘ってもどうせ来ないだろうし、相手にしていたら終わらないから」
「辛辣……」
アチラの言葉に、カズネがポツリと呟く。
アチラはそれを耳にして、すぐにいやいやと手を軽く振ってから言葉を紡いだ。
「大体にしてよく考えてみてよ。『執行人』を呼んだらそれだけで話が終わるでしょうが」
「……というと?」
ユウが先を促す。
アチラ自身はそれでも構わないのだが、アチラが懸念している部分を口にする。
「俺が話をしなくて良いのなら全然呼んであげるけど、『執行人』を呼んだら歓迎会になってそれどころじゃないと思うけど」
アチラの言葉に、三人は黙って想像を膨らませる。しばしの沈黙の後、三人は「確かに」と呟きながら力強く頷いた。
三人がどんな想像をしたのかは分からないものの、アチラは何となく予測ができたのであった。
こうして、アチラたち四人は急遽仕事終わりに飲みに行くこととなったのである――。
Ⅱ
仕事終わりに転生局の門で待ち合わせたアチラたちは、行きつけの飲み屋へと足を運んだ。
転生局が贔屓にしている酒場は、忘年会や暑気払いなどで使われている場所だ。もともと、アチラが局長であるレイと打ち合わせで使ってからの付き合いではあるが、今じゃ個人で利用するよりも転生局全体で使っている場所である。しかも、店長や店員が気前よく、値段もかなり安い設定だ。贔屓にするのは時間の問題だっただろう。
アチラたちは仕事終わりにそのまま来たからか、まだ客も少なくすんなりと部屋に通された。簡単に飲み物やつまみなどを頼み、飲み物が手元に来ると四人はそれを各々手にする。
「はーい、とりあえずお疲れ様でしたー。というわけで乾杯」
「乾杯!」
発案者のため挨拶をやらされたアチラがやる気のない挨拶をしたものの、三人はそれに元気よく返してグラスを軽く当てる。全員それに口をつけ、仕事の疲れを発散させるかのようにして飲んだ。
ちなみに、アチラとシノビは日本酒、ユウはノンアルコールカクテル、カズネはレモンサワーと各々好きな物を頼んでいた。
転生局の食べ物や飲み物は、現代の物を参考にしているため、基本的には何でもありだ。和食、洋食、中華に現代の各国の料理まで、好きな物が食べられた。
特に、アチラたち転生局が贔屓にしているこの店は、店長が料理好きというのもあって、どの料理も質が高くオススメが一つに絞れないのが悩ましいところである。
アチラは一口飲んでから、口を開く。
「ユウって、酒に強くないんだ」
アチラが意外そうに告げれば、ユウが苦笑する。苦笑いしながらも、困った様子はなさそうであった。
「普段から飲まないからな。あまり得意じゃないんだ」
「意外だなあとは思うけど、無理して飲むこともないしね。それに、意外と言えばカズネがサワー頼んだのも意外だった。カクテルとか、果実酒とか行くかなあと思ってたから」
「炭酸が効いているのが好きなのよ。でも、苦いのは得意じゃないわ」
「ちなみに、シノビは期待通りで安心したけどね」
「お主が日本酒というほうが不思議なものだ」
アチラが口々に声をかければ、三者三様に返答が返ってくる。
実を言えば、あまりアチラたちは飲みに行かない。大抵食堂で話を終えてしまうし、忘年会とかの行事以外で飲みに行く者が少ないからであった。そのため、各々が何を飲むのかなど初めての感覚で、アチラたちも面白がってお互いの好みを知るのであった。
一通り食事をし、定期報告などを話していれば、急に「さて」とシノビが切り出す。
「……アチラ、お主の話、そろそろ聞かせてもらうぞ」
「なんか、普段のアチラみたいだよな」
「ちょっと、ユウには俺がこういう風に見えているってわけ」
「でも、言いそうよね」
アルコールが少しずつ回ってくる中、皆のテンションも少しずつ上がっていく。
ユウはおそらくアチラたちの酒の香りに酔いつつあるのだろう、気分が上がっている。だが、ノンアルコールだからか、顔にはほとんど変化がなかった。
シノビはあれからずっと日本酒を頼んでいるものの、表情に変化はない。ザルなのか、それを超えてワクなのか、酒には強いようである。
カズネは多少顔が赤いものの、まだそう酔ってはいなさそうであった。あまり変化がない。
アチラもほとんど様子に変わりはない。弱くはないため、酔っていたとしてもそう変化がないのである。
シノビの視線は鋭く、アチラへと向けられている。目が据わっているようには見えるが、酒のせいではないのだろう。アチラを逃がさないとばかりに睨みつけていた。それにユウが反応を示せば、アチラは不服とばかりに声を上げる。アチラの不服な声を聞いていないのか、カズネがユウの言葉に同意を示していた。
アチラは一つため息をつく。
「シノビ、さすがに鋭すぎるから、その視線。怖いって。それにしても、ユウには俺がこう見えているってわけかあ」
アチラが残念そうに告げれば、ユウは即座に否定する。
「いや、アチラが怒っている時はこんな感じだぞ。シノビよりも目つきは鋭くなるだろう?」
「私もそう思うわ」
「右に同じく」
ユウの言葉に、淡々とテンポよくカズネとシノビが同意を示す。
三人の様子に、アチラは不満だとばかりに声を上げた。
「ちょっと、ここぞとばかりに」
アチラは不満そうに返すものの、内心は楽しんでいた。
正直に言えば、こうして皆と飲むのは楽しいと思った。行事とは違って、同僚だけで飲むという機会が得られて良かったとは思っている。
意外と、良いものだねえ……。
普段とは違って、仕事終わりだからか、余計に気が抜けている。そんな状態で、見知った顔だけで飲むからか、格段と酒が美味しく感じていた。
アチラがしみじみと感じていれば、シノビが催促するかのようにして口を開く。
「話が逸れたが、話せ。時間が惜しい」
「酷いなあ、さてはシノビ酔っているなあ?」
「戯言を。元を正せば、お主の話を聞くのが目的なのだ。良いから話せ」
シノビが珍しくゴリ押しする。表情には出ないだけで、本当は酔っているようである。
アチラはそれに対して嫌な素振りもなく、「そうだねえ」と考える素振りをする。段々と先ほどまでの空気とは一変していく中で、その雰囲気を感じ取ったのか、ユウやカズネも黙り始めた。シノビはいまだにアチラをじっと見つめている。
しんと静まり返った中で、アチラはゆっくりと話し始めた。
「何から話して良いのか、よく分からないけど……。とりあえず、俺は昔、手に負えない悪ガキだったんだよねえ」
アチラの言葉に、ユウとシノビが頷く。二人には一度軽くそれだけを話したことがある。とは言っても、深くは話していないので、二人もほとんど知らないのだが。
アチラはさらに続けた。
「まあ、昔は本当にしょうもない悪ガキだった。変わったのは、局長と会ってからだなあ。で、その悪ガキ時代に身につけたのが、これ」
アチラはあまり思い出したくない過去へと心を浸らせて、思い出しつつ言葉を紡いでいく。荒れ果てた地で、ほかの者を容赦なく手にかけていた、どうしようもない自分。それは黒歴史であるものの、大事にしておきたいと思っている一欠片であった。
何故なら――。
――それがなかったら、今の俺にはなれていないだろうからねえ……。
黒歴史のすべてが悪いわけではない、とアチラは思っている。思い出したくないのは事実であるものの、それがなかったら、その経験がなかったら、今の自分にはなれていなかった。そして、今も尚、そのしょうもない自分のままだったかもしれない。局長に出会えたことも、この仕事に出会えたことも、元をたどればそのしょうもない悪ガキ時代の自分がいたからだろう。
そう思いつつ、アチラは告げる。そして、「これ」と言って見せたのは、指を鳴らす前の形にした手で。
すると、三人はじっとその手を見つめた。
「あんまり必要はなかったんだけどねえ。簡単に武器が取り出せたり、しまえたりすると良いなあと思いつきでやってみたらできていたんだよ」
「……いや、どういうことよ!」
「右に同じく」
アチラが飄々と告げれば、カズネが納得いかなかったようで声を上げる。すぐにシノビが同意を示した。ユウは苦笑しているだけであるものの、本心的には二人と一緒のようで、じっとアチラの次の言葉を待っている様子であった。
アチラはふむと考える。
「いや、実はこの辺の記憶が混濁しているんだよねえ。よく分かってはいないんだけど、その頃の俺っておそらく無関心だったから、できたらいいやって感じだったわけ。気がついたらこんな感じにできていたし」
アチラがあっけらかんと告げれば、ユウはそれを言い直すかのように繰り返す。
「……つまり、アチラが望んで行ったことに変わりはないが、その経緯は分からない、と」
「そういうこと」
アチラが告げた言葉の語尾には、星マークでもつきそうなぐらいに軽かった。
シノビはそれを聞いてやけ酒のように酒をあおる。そして、軽く愚痴を零す。
「まったく、ここまでの時間は何だったのだ」
「ごめんて。……でも、武器に関しては、俺が旅しながら集めたんだよ。必要そうな武器をかき集めたって感じかなあ」
アチラはシノビに謝罪してから、さらに思い出話を語る。
「……あの時は、本当にやんちゃというか、馬鹿していたからねえ。とにかく武器を集めて武装したかったんだよ」
アチラは懐かしそうに目を細めてから、苦笑する。だが、その話はまだ終わる気配がない。
三人はアチラの話に耳を傾け続けるのであった。
Ⅲ
それからもアチラはいろいろと語った。濁したところもあったわけだが、三人には気付かれずに終わったらしい。
さすがに、あの黒歴史を話すつもりはないよねえ……。
自分でもしょうもないと思っている、あの頃のこと。局長と出会った頃のこと。まだ自身が笑って語るには、多少時間が必要なようであった。
アチラが一通り話終えると、シノビがゆっくりと息を吐き出しながら口を開く。
「……お主の話は大体把握した。だが、まだ語られていないことがある」
「えー? 俺、大体話したと思うんだけど? シノビ、今回は特に厳しいよねえ」
「やかましい。お主の話を聞くために、ここまで来たのだからな」
だいぶ酔っているらしいシノビの口調が、普段よりも強めである。目が先ほどよりも据わっているように見えた。
アチラは笑いたいのを我慢しつつ、シノビの次の言葉を待つ。
すると、シノビは何を思ったのか、アチラの肩をガシッと掴む。先ほどよりも逃がさないという意思が強いのか、目が鋭い。
「アチラの変わった能力のことも、武器のこともとりあえずは理解した」
「とりあえずって何。というか、変わった能力って表現」
「だが、まだ分かっていないことがある」
「それは分かったよ。……で、シノビが知りたいことは、何?」
アチラはシノビにニヤリと笑いかける。余裕そうに見せているが、何を言われるか内心ヒヤヒヤしていた。今日のシノビは特に読めないからであった。
シノビはゆっくりと言葉を紡ぐ。
「――分からないのは、お主の名前だ」
シノビの言葉に、アチラはゆっくりと目を見開く。口元にあったはずの笑みは、どこかへと行っていた。油断していたかのように、呆然としている。
そこに口を挟んだのは、話を聞くことに徹していたユウである。
「……? シノビの質問の意図が、俺にはよく分からないんだが……。アチラはアチラだろう?」
ユウの言葉に同意を示すかのように、カズネがこくこくと何度も頷いている。
だが、シノビはそれに対して首を横に振った。
「お主たちにもあるだろう、私にもある。私たちの名前を漢字にした時の名前が」
言われて気がついたのか、ユウもカズネもハッとした顔で頷いた。
「……確かに。言われてみれば、アチラの漢字は知らないなあ……」
「……私も」
――そう、皆漢字にした時の名前は確かにある。
ユウは、「勇」。
シノビは、「忍」。
カズネは、「一音」。
局長であるレイですら、「礼」と漢字の名前がある。
だが、皆アチラの漢字の時の名前は知らない。いや、もしかしたら、レイだけは知っているのかもしれないが。
三人の視線が、アチラに向けられ突き刺さる。
アチラはふむと考えてから、ニヤリと笑い、そして――。
「……さて、ね」
IV
「ここまで来て、それで済むと思うか!」
声を上げたのはシノビで。
だが、アチラは笑って返すだけだった。
「シノビ、だいぶ酔ってるでしょー。本当はザルじゃないなあ? まあ、いい時間にもなってきてるし、そろそろお開きとしようかー」
「アチラ、お前……」
ユウが何か言いたげな視線を送ってくる。ありありと心配だと顔に書いてある彼に向かって、アチラは笑いかける。
「ユウは心配しすぎ。大丈夫、ただ忘れただけだよ」
アチラがそう返した時、ユウは気がついていた。
アチラの目の奥が、笑っていないことに――。
だが、ユウは何も言わなかった。静かに「そうか」と頷いただけであった。
四人で会計を済まし、店を出る。
ユウがシノビに手を貸し、カズネはその後を着いていく。
さらに遅れてその後ろを、アチラはゆったりと歩いていた。三人と距離を置いて歩き、頭上を見上げる。暗く深い、それでも星が瞬いている夜空を見上げ、ポツリと呟いた。
「……ごめんねえ、シノビ。まだ、教えられないんだ」
アチラの独り言は、誰の耳に届くこともなく、静かに溶けて消えていく。
しばらくして、その夜空をかき消すかのように、黒く分厚い雲が覆い隠していくのであった――。
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