「あやかし図書館」にて、解決策を見つけてみませんか?~悩みごとや迷いごと、お受けします~

色彩和

文字の大きさ
上 下
9 / 11

第八章 趣味のない女性

しおりを挟む
    Ⅰ

    祈李は本日も「あやかし図書館」で、紫雲とソファに座って読書をしていた。珍しく紫雲はソファにゆったりと腰掛け、煙を吹かしている。今日の着物は京紫で、肩にはパールグレイの羽織を羽織っていた。
    祈李は「あやかし図書館」で借りた本に集中していた。今読んでいるものは、妖怪を主人公とした童話であった。童話は薄いものが多く、すぐに読めてしまうため、祈李の前にある机には相当な数の書籍が積まれていた。たまに厚いものもあるが、それでも圧倒的に薄い書籍が多い。
    妖怪の世界でも童話はあるようで、しかも人間の世界にあるものとよく似ていた。違う点と言えば、妖怪を主人公としているところと、話が多少違うと言ったところか。内容をほとんど知っていることから、読みやすいとも思うし、何より親近感が湧く。
    祈李はすらすらと読み、読み終わった本の列に一冊新しく積む。それから、次の本に手をかけ、すぐに文章へと目を滑らせていく。読まれた本の数がまだ読まれていない本に勝った頃、紫雲は煙を吐き出してから祈李を呼んだ。
「祈李」
「……?」
    祈李は本に向けていた意識を浮上させた。それから、隣に座っている彼へと視線を向ける。アメジストと交わった。交わった後、アメジストが優しく見つめてくる。
「随分と、熱心だね」
「うん。ほら、この間、青威さんが来たことあったでしょ?」
    祈李は紫雲の言葉に頷いてから、話し始める。すぐに出てきた「青威」の言葉に、紫雲がぴくりと反応する。
    青威とは、先日「海牛暴走事件」の際に訪れた、青鷺火あおさぎのひと呼ばれる妖怪のことだ。紫雲の旧友であるらしい。最初は冗談と思えない冗談によって戸惑った祈李であったが、最後はとても仲良くなったわけである。ちなみに、「海牛暴走事件」とは、祈李が勝手にそう呼んでいるだけで、誰も事件とは思っていなかったのは、余談である。
    祈李は紫雲の些細な変化に気がつくことはなく、続けて言葉を紡いだ。
「青威さんの妖怪の名前、えっと青鷺火だったよね?    私、聞いたことなかったし、早くに妖怪のことをいろいろと知るために片っ端から読んでいこうと思って」
「……」
「この間から知らないこと多いし、紫雲に教えてもらったこともたくさんあるけど、青威さんみたいに――」
「――祈李」
    紫雲は煙管を持っていない左手で、祈李の腕を掴む。珍しく気にかけていないようで、祈李の腕に彼の長い爪が食い込んでくる。祈李は思わず顔を顰めた。だが、文句を言おうとして紫雲の表情を見た瞬間、息を呑んだ。先ほどとは打って変わって、真剣な、しかも視線が痛すぎるほどに鋭いものを、祈李に向けていたのである。
「……青威の名ばかり、呼ぶな」
「……紫雲?」
「私の前で、青威の名ばかり、呼ばないでおくれ」
    射抜かれそうな視線から、寂しげな視線に切り替わる。
    ……捨てられた、子犬かな。
    祈李は一瞬息を呑んだことも忘れて、ぼんやりと考えていた。彼の頭の上には、想像ではなく、きちんと犬の耳がある。へにょりと垂れていた。尻尾も力がないように垂れ下がっている。あながち間違ってはいなかった。違うと言うなら、彼が妖怪であることと、子どもではないということぐらいだろうか。
    祈李はしばらく呆然と彼を見つめていたが、やがてこくりと頷く。それから、彼の頭を優しく撫でた。
    そのタイミングを見計らってか、図書館の扉が重々しい音を奏でながら開いたのは、ほぼ同時であった。



    Ⅱ

「おや、来たかい」
「……紫雲?」
    あっけらかんと告げる彼の言葉に、祈李はじとっとした視線を送る。彼がそう言うってことは、来ることを知っていたということだ。だが、今日は一言もそんなことは聞いていない。祈李が視線を送っていれば、彼は先ほどとは打って変わって楽しそうに笑った。
「すまない。……今日は、人間のお客さんが来るようで、ね」
「早く言ってよ、もう……」
    祈李は一つため息をついたあと、ソファから立ち上がる。そして、一階を見るために、柵の前へと歩いていった。最近、祈李はこの場所のことを「展望台」と呼んでいた。図書館の中をしっかりと見渡すことができるし、何か言葉がないと分かりにくいと思ったから勝手に命名したのである。そこに先に辿り着けば、ゆっくりと紫雲がその後を追った。煙管を片手に、煙を引連れて歩いてくる。
    二人が並んで一階を見下ろしていると、キョロキョロと周囲を見渡しながらも、建物の中を恐る恐る歩く女性が一人いた。祈李は綺麗な人だな、とぼんやりと思う。黒く長い髪が輝きを放って揺れていた。
「さて、彼女が何を求めに来たのか、ね」
「……紫雲、久しぶりに楽しそうに見える」
「そうだね。久しぶりの人間のお客さん、だからだろうね」
    紫雲は口元を緩めた。煙管を口に運んで行く。しばらくして、煙が吐き出された。
    確かに、久しぶり、かも……。
    紫雲の言葉に、祈李も思い返してみるが、久しぶりな気がしていた。最近は妖怪のことばかり頭を占めていたのですっかり忘れていたが、「あやかし図書館」には人間も入ることができる。それも、たった一度きり。しかも、迷いごとや悩みごとがなければ、入ることはできない。
    ……私はまだ、紫雲の隣にいられているけど。
    祈李は心の中で呟きながら、隣をちらりと見る。紫雲はそれに気がついたようで、祈李の瞳を覗き込むかのように「ん?」と問いかけながら顔を近づけた。紫雲の表情が優しい。祈李は慌てて顔を背けた。
    ……あの時の、青威さんの言葉が冗談じゃなかったとしたら――。
    私はここにもういない、そう続く言葉を思い浮かべて祈李の胸が痛くなる。ぎゅうっと胸の辺りを掴んだその時、紫雲に声をかけられた。
「さて、行くとしようか、祈李」
「……うん」
    祈李は痛む心をそのままに、紫雲へと笑いかける。今だけは、と心の中で祈るように呟き、考えたくないことに蓋をするのであった。



    Ⅲ

    女性を迎えに行き、二階へと戻ってくると、三人は向かい合って自己紹介をした。女性は驚きつつも、意外とすんなりと受け入れてくれ、会話は問題なく進んでいく。
    女性は、蓮水はすみ明愛里あいりと名乗った。
「……私、なんでここに――」
    すんなりと受け入れていたとしても、やはり戸惑ってはいるようで。明愛里は呟くように問いかけた。紫雲はくすりと笑う。
「君は招かれたのだよ、明愛里。この図書館には、人は一度きりしか入ることができない。しかも、悩みごとや迷いごとを抱えている者のみという限定的なものだ」
「……悩み」
    明愛里はぽつりと呟く。祈李は何も言わなかったが、その横顔を見つめた。明愛里は思い当たることがあったようで、ぽつりぽつりと話し始める。
「……私、趣味がなくて」
「……え?」
「ほう」
    祈李が問いかければ、それに続いたのは紫雲の興味深そうな声だった。明愛里は肩身が狭いようで、縮こまりながら言葉を続けた。
「……何も、ないの。楽しいとか、面白いとかはあっても、趣味はなくて。会社とかでも『趣味は?』って聞かれて、答えられなくて……。せっかく聞いてくれてるのに、申し訳なくなってくるし、それに――」
「……それに?」
    紫雲が優しい声音で先を促す。無理強いしているようではなかったが、明愛里はおどおどとした様子で続きを述べた。
「私には、何もないように、感じちゃって……」
「明愛里さん……」
「……」
    紫雲は静かに煙を吐き出しただけだった。それから、明愛里を見つめて提案する。
「それを探すために、ここに呼ばれたのだろう。この図書館の中で探してみれば良い。何も見つからない、ということはないはずだから、ね。祈李、頼めるかい」
「うん」
「で、でも――」
    明愛里はまだ遠慮しているのか、戸惑っているのか、納得していないのか……。何れにしても、頷けないでいるようだ。祈李は明愛里を呼ぶ。
「明愛里さん」
    それから、ぎゅっと彼女の手を握った。明愛里は驚きながらも、祈李の手を振り払うことはしなかった。祈李はそれにほっとしつつも、彼女の目を見て告げる。
「きっと、大丈夫です。私も、ここに来てすっきりしたし……。一緒に歩いてみませんか?」
「……お、お願い、します」
    明愛里に祈李の思いが伝わったのか、彼女は頷き、二人に向かってゆっくりと頭を下げたのであった。



    Ⅳ

    祈李は明愛里と肩を並べて、図書館の一階を歩く。その際、ついでとばかりに読んだ本を棚に戻して回った。一冊、また一冊と減っていく中、ぼんやりと考える。
    趣味、かあ……。
    祈李は思い返してみるが、趣味を気にしたことはなかった。というのも、自然と趣味が「読書」になっていたからである。だからこそ、今こうして「あやかし図書館」でもたくさんの本を読むことが苦だとは思わない。むしろ、読めるのであれば、大歓迎の気持ちであった。

    しかし――。

    どうやって趣味になったのか、と言われても、答えられないなあ……。
    今まで自分で気にしたことがなかったのだ。何が趣味で、何が好きで、何が特技で……。聞かれたら答えられるし、あまり迷わないだろう。だが、どうしてそれになったかと理由を聞かれたら、困るのだ。
    うーんと頭を捻らせていれば、明愛里に声をかけられる。
「祈李ちゃんは、今いくつ?」
    図書館の中だからか、小声だった。祈李も小声で返す。
「一四歳です。中学二年生です」
「そっか、若いなー」
    明愛里はにこやかに笑う。笑うともっと綺麗だと思った。同性である祈李がそう思うのだ、男性からしたらもっとそう思うのだろうと考える。
    紫雲も、もしかして……。
    ふとそんなことを考えていた祈李は我に返る。頭から振るい落とすかのように、首を横にふるふると振った。
    何を考えているんだか……。
    自分で自分に呆れてしまう。不思議そうに自分を見つめている明愛里へ誤魔化すかのように笑った。それから、気を紛らわすために、会話を振る。
「……失礼ですけど、明愛里さんは趣味を作りたいと思っているんですか?」
「……うん。さっきも言ったけど、答えられないと自分が悪いんじゃないかとか、自分が否定されるんじゃないかとか、そんなことを考えちゃうの。皆、何かしら持っているのに、私にはないなって……」
    明愛里は寂しそうに目を伏せた。その姿さえも綺麗に見えて、祈李は思わず息を呑む。話を続けることに集中した。
「……好きなことは、ありますか?」
「好きなことは、ある、かな。多分だけど。自信を持って言えないんだよね。飽きちゃったりするし……。でも、こういう静かなところは好き。落ち着くから」
    明愛里は微笑む。祈李はそれがとても悲しそうに見えて仕方がなかった。かける言葉が見つからない。だが、それ以上、明愛里が何か言うことはなかった。図書館の中へと歩いて行ってしまう。祈李はその背中を、慌てて追いかけるのであった。

    ――結局、明愛里の「答え」が、見つかることはなかった。



    Ⅴ

「見つかったかい?」
    戻ってきた二人を見て、紫雲は優しく問いかける。煙をふうと吐き出しながら、二人の様子を確認する。祈李が困った顔をして、それから明愛里が静かに横に首を振った。
「……そうかい」
    紫雲は短く答えた。だが、すぐに優しく告げる。
「――なら、君の迷いはまだ解決される時ではないということだね」
「……え?」
    明愛里がぽつりと言葉を零す。祈李は何も言わなかったが、大きく目を見開いた。紫雲は二人の様子を受け止めつつ、言葉を続けた。
「……この図書館は、君のような迷いごとや悩みごとを抱えた人間を引き寄せる。それでも、解決しない時だってある。君はまだ、きっと探している途中なんだろうね」
「で、も……」
    明愛里は泣きそうな顔をした。自分の気持ちがいっぱいいっぱいになっているのだろう。不安、焦り、焦燥、困惑……。負の感情が心を支配しているようだ。紫雲は安心させるように、優しくゆっくりと告げた。
「……人間は、いや、生物は皆だね。迷い、悩み、苦しみ、苦労してやっと自分の答えを見つけ出す。悩みごとや迷いごとにもよるが、すぐに答えが見つかるものもあれば、時間をかけて見つかるものだってある。何もこの場所で答えが見つからなかったからと言って、二度と答えが見つからないなんてことはない。今、何も自分の中でピンとくるものがないのであれば、今はその時期ではないのだろう。それに、明愛里、君は生きている」
「……あ」
    明愛里の瞳が揺らぐ。紫雲はそれを見つつ、言葉を紡いだ。
「生きているからこそ、悩みごとにも、迷いごとにもぶつかる。それは、自分を苦しめるためのものではなく、君が前に進むために、自信をつけるためのものだ。難しく言うならば、『試練』と言ったところか。だが、前向きに探せば良い。――焦ることはない、君の趣味はすぐに見つかるだろう。趣味を持っていないということは、君に何もないわけではない。ただ、視野が広く、君の可能性が無限に広がっているだけだ。今はその時間を楽しんで、最終的に君の答えを出せば良い」
「……は、い……、っ、はい」
    明愛里は静かに涙を流して、何度も頷いた。祈李はその姿を見つめながら、やはり綺麗だと思ったのであった。



    Ⅵ

    明愛里は清々しい気分で帰って行った。それを見届けた二人は、また二階で過ごしている。そんな中、祈李がぽつりと呟いた。
「……綺麗だったなあ、明愛里さん」
「どうかしたのかい、祈李」
「明愛里さん、綺麗だったから、つい。なんか、何していても、綺麗に見えたんだ」
    祈李がそう言えば、紫雲はくすりと笑う。
「確かに、彼女は綺麗だったね。だが、人は人であるが故に、必ずしも儚さを持っているだろう?    私からすれば、祈李も彼女のように綺麗だと思う」
「そう、かなあ……」
「――人間は皆、儚く、美しく、そして綺麗だと、私は思うよ」
    紫雲は迷うことなく言い切った。祈李の中に、その言葉はすとんと落ちてくる。「そっか」と呟きながら、祈李は別の話題を振った。
「……それにしても、解決しない時もあるんだね。毎回解決しているものだと思ってたよ」
「それは違うよ、祈李。迷いごとも悩みごとも、他のことだって必ずしも時期がある。毎回、悩みごとや迷いごとがあっても苦しいだけだろう?    それと一緒で、解決する時だって時期がある。今は解決しなくても、最後は解決されるんだ。だが、それを知らない者が多いからね。この場所は、それを教えてくれるためにあるのだ。彼女も、清々しい顔で帰って行っただろう?」
「……確かに」
    祈李は紫雲の言葉に頷く。紫雲は満足そうに笑った。
「つまり、この場所はもし解決できなかったとしても、何かしらを教えてくれる場所だということだ。彼女のように『そのままで大丈夫だ』と、『時期が来れば分かる』と教えてあげるだけでも、心は軽くなる。彼女のように、心を軽くしてあげる、背中を押してあげることが役目なのだよ」
    紫雲はにこりと微笑んだ。祈李はそれを見て、再度「そっか」と呟いた。紫雲の言葉が頭の中で何度も繰り返される。
    
    ――しっかりと記憶したいと、覚えておきたいと思った言葉であった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません

ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは 私に似た待望の男児だった。 なのに認められず、 不貞の濡れ衣を着せられ、 追い出されてしまった。 実家からも勘当され 息子と2人で生きていくことにした。 * 作り話です * 暇つぶしにどうぞ * 4万文字未満 * 完結保証付き * 少し大人表現あり

裏鞍馬妖魔大戦

紺坂紫乃
キャラ文芸
京都・鞍馬山の『裏』は妖や魔物の世界――誰よりも大切だった姉の家族を天狗の一派に殺された風の魔物・風魔族の末裔である最澄(さいちょう)と、最澄に仲間を殺された天狗の子・羅天による全国の天狗衆や妖族を巻き込んでの復讐合戦が幕を開ける。この復讐劇の裏で暗躍する存在とは――? 最澄の義兄の持ち物だった左回りの時計はどこに消えたのか?  拙作・妖ラブコメ「狐の迎賓館-三本鳥居の向こう側-」のスピンオフとなります。前作を読んでいなくても解るように書いていくつもりです。

後宮の棘

香月みまり
キャラ文芸
蔑ろにされ婚期をのがした25歳皇女がついに輿入り!相手は敵国の禁軍将軍。冷めた姫vs堅物男のチグハグな夫婦は帝国内の騒乱に巻き込まれていく。 ☆完結しました☆ スピンオフ「孤児が皇后陛下と呼ばれるまで」の進捗と合わせて番外編を不定期に公開していきます。 第13回ファンタジー大賞特別賞受賞! ありがとうございました!!

おにぎり屋さんの裏稼業 〜お祓い請け賜わります〜

瀬崎由美
キャラ文芸
高校2年生の八神美琴は、幼い頃に両親を亡くしてからは祖母の真知子と、親戚のツバキと一緒に暮らしている。 大学通りにある屋敷の片隅で営んでいるオニギリ屋さん『おにひめ』は、気まぐれの営業ながらも学生達に人気のお店だ。でも、真知子の本業は人ならざるものを対処するお祓い屋。霊やあやかしにまつわる相談に訪れて来る人が後を絶たない。 そんなある日、祓いの仕事から戻って来た真知子が家の中で倒れてしまう。加齢による力の限界を感じた祖母から、美琴は祓いの力の継承を受ける。と、美琴はこれまで視えなかったモノが視えるようになり……。

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

【完結】捨ててください

仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
ずっと貴方の側にいた。 でも、あの人と再会してから貴方は私ではなく、あの人を見つめるようになった。 分かっている。 貴方は私の事を愛していない。 私は貴方の側にいるだけで良かったのに。 貴方が、あの人の側へ行きたいと悩んでいる事が私に伝わってくる。 もういいの。 ありがとう貴方。 もう私の事は、、、 捨ててください。 続編投稿しました。 初回完結6月25日 第2回目完結7月18日

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

夫が寵姫に夢中ですので、私は離宮で気ままに暮らします

希猫 ゆうみ
恋愛
王妃フランチェスカは見切りをつけた。 国王である夫ゴドウィンは踊り子上がりの寵姫マルベルに夢中で、先に男児を産ませて寵姫の子を王太子にするとまで嘯いている。 隣国王女であったフランチェスカの莫大な持参金と、結婚による同盟が国を支えてるというのに、恩知らずも甚だしい。 「勝手にやってください。私は離宮で気ままに暮らしますので」

処理中です...