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第20話本質とは何か ~スラヴォイ・ジジェク~

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イビツァ・オシムさん、スラヴォイ・ジジェクさん、東浩紀さんらが現れて哲学問答が始まる。

goki、物事の本質に迫らなくてはいけない。
たとえば、サッカーの本質は何だ?サッカー界のトレンドをフェータルに決めて来たものは?
それは、4年に一度のワールドカップだな。ワールドカップ王者の戦い方、戦術がその後の4年間のサッカー界のトレンドとなる。
2018年のロシア大会を制したデシャン監督率いるフランス代表の戦術。それまでの固定概念を覆す、中盤の狭いスペースでの個人技、いわゆる「デュエル」だ。
他にも、EURO、欧州チャンピオンズリーグ。更にはバロンドール受賞者など。とにかく新しい発見を皆がこぞって追いかける。

これは野球も同じ。毎年メジャーリーグを制したチームの戦術を皆が研究する。WBCもそう。日本代表が初めてWBCを制したときには世界中で「スモールベースボール」が流行した。最近のメジャーリーグで言えば「2番打者最強説」「フライボール革命」「二刀流」など。

モードもそう。毎年のパリコレクション、ミラノコレクション、日本で言えば東京ガールズコレクションなどで話題になったファッションがその年の世界の流行を決める。

ただ、新しいものだけを追っていてもダメだ。スポーツであれモードであれ、政治、経済、哲学、その他あらゆる専門領域には歴史の文脈に裏打ちされた独自の世界観がある。古きを温めて新しきを知る。温故知新。

経済であればこの10年のマクロ経済は大規模金融緩和に牽引された、リフレ、MMTが主流となりつつあるが、それはどういった歴史的背景でそうなったのか。よく考えてみることだ。さらに言えば経済は決して経済学単体の理屈で動いている訳ではない。政治や文化、医学、数学、物理学。あらゆる専門領域の利害が交錯して動いている。だからこそ「碩学的」でなければ本当の「本質」は見抜けないのだ。経済学も哲学も突き詰めるほどより「碩学的」になって行く。要するに全体として何なのかが分からないと本質には迫れない。深く分かろうとすればするほど、逆説的に浅く広くなって行くのだ。
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