来世はきっと。

たなか

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新しい部隊

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初任務からずっとロクな任務に当たることがなかった。

配属初日で仲間が死ぬのなんて日常茶飯事だった。

部隊が壊滅して俺だけ生き残ることだってあった。

今までの経験から情けはロクな結果を生まないということが身に染みてわかった。

投降したテロリストは腹にプラスチック爆弾を巻いてるし、人質となった民間人は顎を外され口にグレネードが詰められていたこともあった。

さらには助けるはずだった民間人がテロリストに感化されて死んだテロリストの武器を拾って僕たちを襲うことだってあった。

「本当にこの仕事まともじゃねーな。」

気がつけば5年の月日が流れ、僕はベテランの兵士となっていた。

そしてこの国の実態もだんだんとわかってきた。

報道ではテロリストと呼ばれてるが実際は反政府勢力。この格差社会と国家保安省の強大すぎる権力を問題視して行動を起こしているレジスタンスなのだ。

だがやってることがまともじゃない。

お互いに。

国家保安省は治安維持と称して廃棄区画に住む浮浪者を虐殺するし、テロリストの家族は問答無用で惨殺する。

国家保安省が管理する収容所なんて未来のアウシュビッツだ。

「リーダー、出動依頼きたよ~」

パソコン画面を眺めながらビールを飲んでるこの女は僕の新しい部下だ。コードネームは"グザファン"。右の頬だけ口が裂けているようなデザインのタトゥーを入れている。

「了解。総員準備しろ。」

「おーけい、リーダー」

なぜかいつもサングラスをかけている金髪モヒカンの部下。コードネームは"サマエル"。

「… 」

基本口を開かない、白髪の少年。コードネームは"ラハブ"。

「えぇ~、また仕事ぉ?まだ1週間しか休んでないんだけど~」

黒髪ロングの綺麗な女。こんな華奢な身体でよく兵士が成り立つものだ。目にタトゥーを入れており、黒目が赤くなっている。コードネームは"オノケリス"。

「よっしゃぁ、派手にぶちかまそうじゃねえか!」

うちの隊専属のVTOLのオペレーター。
コードネームは"サレオス"。ちなみにスキンヘッドでムキムキマッチョ。
ビール瓶くらいなら握り潰せる。

通常、国家保安省の戦闘服は白一色で統一されている。しかし、僕たちは違う。全身黒の戦闘服だ。

僕たちは国家保安省から独立した組織となっていて、国家保安省の手に負えない任務を多額の報酬を条件に引き受ける部隊だ。

存在は当然トップシークレット。

全員優秀な兵士だが、上官命令無視、捕虜の拷問、虐殺などいろいろとやらかしている連中だ。

だが、ずば抜けて優秀な戦力なので上層部もクビにはしない。

その結果こういった形で仕事を任せているのだ。

お互い本名は知らない。

それでいい。
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