来世はきっと。

たなか

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幼い頃の記憶

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幼い頃からやんちゃだった僕は、遊びに行って母に言われた門限を守った試しがなかった。

ある日、友達と自転車で旅をしたときにどり着いたとある場所がお気に入りで時間があれば片道2時間をかけてその場所へ向かった。

首都圏の再開発後に廃棄区画となった地域のとある廃ビルだ。

郊外にでて5分も自転車を漕げば着く。

なんでそこが気に入ったかって。

「あら、また来たのね。」

そこには女神の生まれ変わりとしか表現できないような美しい少女がいた。透き通るような白い肌とブルーの瞳にツヤツヤのブロンドの髪の毛。

「ひまだからな、ほらお菓子食えよ…」

僕はいつもリュックいっぱいに家からお菓子を持ち出しては少女の元へ持っていっていたのだ。

「またこんなに?!ありがとう!」

少女はお菓子にがっつく。

しかし、必ず持ってきたお菓子の半分は残す。

「これ、またもらっていってもいい?」

「いいよ、てかそれなら次からもっと多く持ってこようか?」

「ううん、いいの。いつもありがとうね。」

少女がお菓子を食べ終えると、2人でおしゃべりをする。

少女は都会の暮らしに憧れを持っているようだ。
僕の普段の暮らしの話を聞くときはいつも目をキラキラさせている。

「いつか、私も行ってみたいな!東京!」

「俺が大人になったら車で迎えきてやるよ!」

「え、ほんとに?!嬉しい!」

少女は無邪気な笑顔を浮かべる。

「ぜ、ぜったい!迎えに来るから!」

「うん!待ってる!」

約束をした瞬間に僕は恥ずかしくなった。

「そ、そ、そろそろ行くから!またな!」

「うん、バイバイ!」

必ず少女はお別れの時に「またね」とは言ってくれなかった。

僕は次の日も少女に会いにいったが、その日以来少女は現れなくなった。

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