雨夜の流星群

たろう

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case 2

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 「でんでんでんでーでででーんでーででーん」  
何度も聞きなれた音楽が部屋に流れる
「時間だぞーそろそろおきろよー」
「へいへい」
「もう二年生だぞ、しっかりしなさい」
「へいへい」 
親父に小言を言われながら身支度を済ませ家を出た
「おーーい!りゅーせー!」 
ん?
「これ忘れてるぞ」
親父が弁当を持って走ってきた
「ほら走らないと間に合わない時間だろ!」
「親父こそ店開けるじゅんびいいのか?」
あっ!とした顔をして戻っていった
学校へ向かう、何度も見慣れた景色
一年前はこの景色見て走ってるだけで楽しかったのになー
何がカラフルなんだよ、、あほくせ

一年の時俺は漫画やドラマのようなTHE青春!!
みたいな学校生活はないと気づいた
楽しみにしていた分ショックは大きかった
それから何か新しいことを始めようとしてみたけど特に何か行動に起こしたわけでもなく
ただただ時間が過ぎていくだけだった

新学期が始まってクラスも変わる
教室に入るとがやがやと騒がしい

「こいつら浮かれてんなーとかおもってんだろ?」

「ん・・・?なんだ、春翔も同じクラスか」

「相変わらずだなー流星は。新学期ってワクワクするもんだろ!一年前のお前はどこに行ったんだよ」
「現実見てるだけですー」
「そもそも流星の思う青春ってなんなんだよ」
「それは…屋上でご飯食べたりとか…曲がり角で美少女にぶつかるみたいな…」
「あっはっははははベタすぎるだろ」
「ま、まー美少女とぶつかるは無いにしても、屋上くらいは出入り自由にしてをしいもんだよなー」

こいつわ中嶋春翔、好きな漫画が同じという共通点で唯一高校で仲良くなった友達だ


「にしてもえらく騒がしな」 
「おそらくあれだよあれ…」
「なんだあれって…あーなるほど」
春翔の目線に合わせてみるとそこには

やかましいサルども(陽キャ)に囲まれた国木田さんがいた

「相変わらずの人気だよなー、流星の青春の相手に国木田さんはどーよ」
「馬鹿にしてんのか?俺みたいなモブキャラには眩しぎるっつーの」

「はーーーーい!席についてくださーい」
そこに安田先生がやってきた
「お!流星担任安田じゃん!あったりー!」
「二年連続か…まー悪くない」

安田先生のテンプレ自己紹介も終わりクラス全体の自己紹介タイムになった
正直この時間はあまり好きじゃない、自己紹介した後の微妙な空気と拍手少なさから
人気がないことを痛感してしまうからだ。この気持ちに共感できる人は少なくはないはずだ。
「国木田伊織です。よろしくお願いします」
拍手喝采だ。一言言っただけなのにこの拍手、、、
人気者とは恐ろしい

「吉川絵麻でっす!一年間よろしくでっす!」
並くらいの拍手だ。でも本人はなぜか満足げだ

「中嶋春翔です。よろしく~」
割りと拍手は大きめ、春翔は優しいうえに男の俺から見てもイケメンなので裏では女子にそこそこ人気があるらしい
そう思うと春翔くらいのやつが俺と仲良くしてくれているのが不思議だ

ついにやってきた地獄の時間、、、、
「み、みゃむr、、、宮村流星です。よろしく」
うわ最悪、噛んだ。恥ずかし、え、恥ずっ。それになんと弱弱しい自己紹介だろうか
顔を隠したいところだが無表情を貫く。
拍手はパラパラと聞こえてくる。まーこんなもんだろう、、、
「はーいそれじゃー授業はじめまーす」
俺が噛んだことなんて興味ないですと言わんばかりに何もなっかたかのように授業が始まる
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