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188.一番!
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グラント様が退室すると代わりにサリナさんが部屋に戻って来た。早速いただいた薔薇を飾ってくれる。沢山のいただいたから部屋中が薔薇のいい香りに包まれ、疲れも相まってすぐ眠りについた。
翌朝ゆっくり意思が浮上し目覚める。
『あ…今日は親しい人達へ挨拶だ。ハンカチ余分に持って行こう…あれ?フィラ⁈』
背中が温かくなり後ろから抱きしめられる。振り返り見上げると約束通りフィラが来た。
挨拶しようとしたらいきなり口付けして来た。それも朝の挨拶のレベルでは無く深夜バージョンだ。
まだ寝ぼけていたのに一気に目が覚めた!フィラの胸を叩き逃げようとしたら、さらに強く抱きしめてきた。
「フィラ!苦しいよ」
「何故俺が一番じゃないんだ!」
「意味分からないよ」
「昨晩グラントと婚約しただろう!」
今の一言で不機嫌の理由がわかった。
「お受けしたけど昼から手続きをするから正式にはまだだよ」
「ならば、俺が先に婚約者になる。いいな!」
「えっ!今から?」
返事をする間なく目の前の景色が歪む…
『気持ち悪い…』
目を開けると妖精城の客間のベッドだ。フィラに強制連行された様だ。さっきまで抱きしめていたフィラがいない。人を搔っ攫って来て放置とか失礼じゃない⁈
『たえ しろ きた うれしい』
『たえ ずっと いる?』
妖精たちが集まって来たようで部屋の中は無数の光の球体に覆われている。
「ごめんね。ずっとはいないの。それよりフィラは」
『おうは おめかし』
「おめかし?」
意味が分からずぼんやりしていたら、妖精たちが花の冠と白のベールを持って来て私の頭に乗せた。全く意味が分からない私は取りあえずてん君を呼び助けを求める。
『たえ たいじょうぶ フィラ すぐ くる』
『意味わからなくて困ってるんだけど!』
すると部屋の扉が開きフィラが入って来た
「へ?」
豪華なローブを羽織り髪は後ろで一つにまとめ、見たことも無い色とりどりの花を抱えている。そうしてベッドに腰掛ける私の前に跪いて手を取り…
「多恵。俺の身も心もお前に捧げる。リリスの役目を終えたら俺の妃になってくれ。そして俺をお前の初めての婚約者にしてくれ」
寝起き5分でプロポーズ?
真剣な面持ちに冗談が言える雰囲気ではなくフィラを見つめる。優しい琥珀色の瞳は初めて会った時から変わらない。そしてちょっとストーカー入っているけど、見守ってくれ私の意思を尊重してくれる。そしていつも愛を感じる。これ以上待たせるのは意地悪だなぁ…モーブルに移る前にはっきりさせていた方がいいのかもしれない。
「リリスの役目を終えるまで(婚姻は)待ってくれる? 出来るだけ早く終える様に頑張るから…やっぱり私役目を終えないと婚姻は無理」
そう伝えると微笑んだフィラは
「あぁ…お前のその真面目な所も惚れている。早く終えれるように俺も協力しよう。頼れ」
「不束者ですがよろしくお願いします」
「この箱庭に生がある限りお前だけを愛す」
そう言って口付けをくれた。甘いキスの後フィラは立上り、私の手を取り自分の髪を1本取りグラント様がくれた指輪の下に巻き付けた。するとプラスに琥珀色の石がはまった指輪になった。
「多恵の世界ではこれが婚約の証なのだろう。妖力を込めてお前を護る様につくった。肌身離さず着けていろ!よし!これで俺が正式に1番の婚約者だ!」
「・・・一番になりたくて朝一にプロポーズしたの?」
「妖精王の俺が一番じゃないのはおかしいだろう」
そうでした…貴方は俺様主義でしたね。まぁ…婚約を受け入れる気持ちはあったからいいかなぁ。
この後サリナさんが部屋に私がいないと騒いでいるとてん君が教えてくれ、慌てて帰ろうとしたらフィラが離してくれない。
結局サリナさんに手紙を書きてん君に届けてもらい、フィラが納得するまで付き合う事になった。
砂糖漬けにされてふにゃふにゃになった私はこの後の挨拶回りに行けるだろうか⁈
「陛下!多恵様をお連れになられるならば、一言もしくは書き置き下さらないと心配いたしますわ!」
「ごめんね!」
すごい剣幕のサリナさんに謝ると
「多恵様に言っているのではありません!陛下いいですか!このような事が有ると多恵様はご自分を責められる。愛しい女性が落ち込む姿に何も思われないのですか!」
相変わらず相手の身分関係なく正しいと思う事を言えるサリナさんは、やっぱりアーサー殿下の妃にむいている。感心しながらサリナさんを見ていたら横にいるフィラは機嫌が良く、サリナさんの叱責も耳に入ってないようだ。
「俺は気分がいいから許そう。俺は多恵と婚約した。今日から婚約者だ」
フィラがご機嫌でそう告げると、怒りが鎮火したサリナさんは
「本当でございますか?おめでとうございます。お2人目ですね!」
「サリナそれは違う!俺が初めだ!」
フィラは2人目と言われ怒り出す。慌ててサリナさんにグラント様とは正式な書類を交わしてないなら、ノーカンだと言い目配せすると察してくれた。
そしてサリナさんが一番目だと認め、またご機嫌になるフィラ。苦笑いしたサリナさんが
「今日は多恵さんは挨拶まわりと王家の方と夕食の予定がございます。朝の身支度をなさって下さい」
「ごめんなさい急ぎます。フィラ!また明日ね」
フィラは満足しごてる事なく帰ってくれる様だ。抱きしめて口付けたフィラはサリナさんに
「皆に俺と婚約した事を周知しておいてくれ」
「畏まりました」
「よし!多恵、明日の朝またくる」
怒涛の朝は終わりどっと疲れてた。でも疲れたとか言ってられない。サリナさんに急かされ身支度を急ぐ。用意が終わり早速部屋を出て今日一番目の第3騎士団に向かう。
翌朝ゆっくり意思が浮上し目覚める。
『あ…今日は親しい人達へ挨拶だ。ハンカチ余分に持って行こう…あれ?フィラ⁈』
背中が温かくなり後ろから抱きしめられる。振り返り見上げると約束通りフィラが来た。
挨拶しようとしたらいきなり口付けして来た。それも朝の挨拶のレベルでは無く深夜バージョンだ。
まだ寝ぼけていたのに一気に目が覚めた!フィラの胸を叩き逃げようとしたら、さらに強く抱きしめてきた。
「フィラ!苦しいよ」
「何故俺が一番じゃないんだ!」
「意味分からないよ」
「昨晩グラントと婚約しただろう!」
今の一言で不機嫌の理由がわかった。
「お受けしたけど昼から手続きをするから正式にはまだだよ」
「ならば、俺が先に婚約者になる。いいな!」
「えっ!今から?」
返事をする間なく目の前の景色が歪む…
『気持ち悪い…』
目を開けると妖精城の客間のベッドだ。フィラに強制連行された様だ。さっきまで抱きしめていたフィラがいない。人を搔っ攫って来て放置とか失礼じゃない⁈
『たえ しろ きた うれしい』
『たえ ずっと いる?』
妖精たちが集まって来たようで部屋の中は無数の光の球体に覆われている。
「ごめんね。ずっとはいないの。それよりフィラは」
『おうは おめかし』
「おめかし?」
意味が分からずぼんやりしていたら、妖精たちが花の冠と白のベールを持って来て私の頭に乗せた。全く意味が分からない私は取りあえずてん君を呼び助けを求める。
『たえ たいじょうぶ フィラ すぐ くる』
『意味わからなくて困ってるんだけど!』
すると部屋の扉が開きフィラが入って来た
「へ?」
豪華なローブを羽織り髪は後ろで一つにまとめ、見たことも無い色とりどりの花を抱えている。そうしてベッドに腰掛ける私の前に跪いて手を取り…
「多恵。俺の身も心もお前に捧げる。リリスの役目を終えたら俺の妃になってくれ。そして俺をお前の初めての婚約者にしてくれ」
寝起き5分でプロポーズ?
真剣な面持ちに冗談が言える雰囲気ではなくフィラを見つめる。優しい琥珀色の瞳は初めて会った時から変わらない。そしてちょっとストーカー入っているけど、見守ってくれ私の意思を尊重してくれる。そしていつも愛を感じる。これ以上待たせるのは意地悪だなぁ…モーブルに移る前にはっきりさせていた方がいいのかもしれない。
「リリスの役目を終えるまで(婚姻は)待ってくれる? 出来るだけ早く終える様に頑張るから…やっぱり私役目を終えないと婚姻は無理」
そう伝えると微笑んだフィラは
「あぁ…お前のその真面目な所も惚れている。早く終えれるように俺も協力しよう。頼れ」
「不束者ですがよろしくお願いします」
「この箱庭に生がある限りお前だけを愛す」
そう言って口付けをくれた。甘いキスの後フィラは立上り、私の手を取り自分の髪を1本取りグラント様がくれた指輪の下に巻き付けた。するとプラスに琥珀色の石がはまった指輪になった。
「多恵の世界ではこれが婚約の証なのだろう。妖力を込めてお前を護る様につくった。肌身離さず着けていろ!よし!これで俺が正式に1番の婚約者だ!」
「・・・一番になりたくて朝一にプロポーズしたの?」
「妖精王の俺が一番じゃないのはおかしいだろう」
そうでした…貴方は俺様主義でしたね。まぁ…婚約を受け入れる気持ちはあったからいいかなぁ。
この後サリナさんが部屋に私がいないと騒いでいるとてん君が教えてくれ、慌てて帰ろうとしたらフィラが離してくれない。
結局サリナさんに手紙を書きてん君に届けてもらい、フィラが納得するまで付き合う事になった。
砂糖漬けにされてふにゃふにゃになった私はこの後の挨拶回りに行けるだろうか⁈
「陛下!多恵様をお連れになられるならば、一言もしくは書き置き下さらないと心配いたしますわ!」
「ごめんね!」
すごい剣幕のサリナさんに謝ると
「多恵様に言っているのではありません!陛下いいですか!このような事が有ると多恵様はご自分を責められる。愛しい女性が落ち込む姿に何も思われないのですか!」
相変わらず相手の身分関係なく正しいと思う事を言えるサリナさんは、やっぱりアーサー殿下の妃にむいている。感心しながらサリナさんを見ていたら横にいるフィラは機嫌が良く、サリナさんの叱責も耳に入ってないようだ。
「俺は気分がいいから許そう。俺は多恵と婚約した。今日から婚約者だ」
フィラがご機嫌でそう告げると、怒りが鎮火したサリナさんは
「本当でございますか?おめでとうございます。お2人目ですね!」
「サリナそれは違う!俺が初めだ!」
フィラは2人目と言われ怒り出す。慌ててサリナさんにグラント様とは正式な書類を交わしてないなら、ノーカンだと言い目配せすると察してくれた。
そしてサリナさんが一番目だと認め、またご機嫌になるフィラ。苦笑いしたサリナさんが
「今日は多恵さんは挨拶まわりと王家の方と夕食の予定がございます。朝の身支度をなさって下さい」
「ごめんなさい急ぎます。フィラ!また明日ね」
フィラは満足しごてる事なく帰ってくれる様だ。抱きしめて口付けたフィラはサリナさんに
「皆に俺と婚約した事を周知しておいてくれ」
「畏まりました」
「よし!多恵、明日の朝またくる」
怒涛の朝は終わりどっと疲れてた。でも疲れたとか言ってられない。サリナさんに急かされ身支度を急ぐ。用意が終わり早速部屋を出て今日一番目の第3騎士団に向かう。
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