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182.エビゴン
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港町に鐘の音が鳴り響き正午を知らせた。キース様に手を引かれ、お薦めの海沿いのシーフードレストランへ。店内に入るとお昼時で店内は混んでいる。入口で案内を待っていたら店員がキース様に気付き大きな声で
「キース様!よくお越しくださいました。今日は新鮮なエビゴンがお薦めですよ…とそのご令嬢は…もしかして…」
キース様は唇の前で指を立てて艶やかに微笑み
「今日は彼女との時間を邪魔されたくないだよ。見守って欲しい」
「はい!勿論です。奥のテラス席が空いております。どーぞ!」
店員さんが一番奥の海沿いのテラス席に案内してくれた。何をやってもスマートなキース様に見惚れていたら
「あまり見つめないで下さい。自制が効きません」
「いや…対応がスマートでかっこいいなぁ…て」
キース様はほんのり頬を染め照れくさそうに椅子を引いてくれる。着席をしたらメニューを渡してくれたが全く分からない。箱庭は日本と食材はあまり変わらないが、名前が異なっているから聞いただけでは何か分からないのだ。ちなみにさっき店員さんが薦めていたエビゴンはまだ分かりやすく海老の事だ。
「食べれ無いものは無いのでキース様にお任せします」
「でしたら…」
キース様が店員さんに注文をしてくれる。こういうところもスマートでかっこいい。出だしからかっこいいキース様に当てられている私だ。
この席は本当に海が近く気持ちいい。少しするとエビゴンのサラダと白身魚のフライとバケットとハムの盛合せが出た来た。どれも美味しそうだ
甘味の少ないレモネードは魚介類を更に引き立てる。美味しかったが量が多くて残りはキース様が食べてくれた。
店を出ると店先に沢山の人がいて何事かと思ったら、レストランでテラス席に居たせいで沢山の領民に知れ渡った様だ。領民の皆さんは今まで浮いた話が無いキース様が、デートしていると聞き見に来たそうだ。
「あぁ…キース様の意中の方はなんて愛らしいお嬢さんなんだ。ご成婚はいつですか⁈」
「キース様が婚姻されればファーブス領も安泰だぁ!」
領民の皆さんから声をかけられてタジタジになっていたら、キース様が…
「皆が気をかけてくれ礼を言おう。しかし今想いを告げているところなのだ。見ての通り魅力的な女性でライバルも多い。いい結果につながる様にどうか見守りそっとしてほしい」
キース様は集まった領民にそう告げ、右手を左胸に当て軽く礼をした。すると領民は…
「皆!今日はキース様が楽しめるように、邪魔しないでいつも通りにしよう!」
「キース様!ライバルに負けないで!」
「お嬢さんキース様を何卒よろしくお願いします」
皆さんの圧は凄いけどキース様が領民に愛されてるのが分かるし、私にプレッシャーにならない様に気遣ってくれたキース様に感動する。やはりキース様は状況判断に優れ冷静だ。こういうところ好き。
護衛騎士さんが領民達を遠ざけてくれ、やっと街の方へ移動し一つ目の目的である結婚祝いを探しに行く。
何がいいか悩んでいたらキース様が
「私も色々考えてみましたが、ペアのシャンパングラスは如何でしょう? アルディアの一部の地域では、婚姻を祝う晩餐会で花嫁と花婿がお互いに赤いブロスの果実酒を飲ませ合う習慣があるそうです。
その時に使うグラスなら記念にも思い出にもなりましょう!」
「キース様!その提案頂きます!グラスを売っているお店有りますか?」
こうしてキース様の提案でシャンパングラスをプレゼントする事にし、異国の食器を取り扱うお店に行き、二組の青色のシャンパングラスを購入した。
本当はもっと見たかったが日帰りで時間が無くゆっくりできない。直ぐに次の目的地チョコラーテの専門店に向かう。
街は大きな客船が着いたらしく人でいっぱいだった。キース様はエスコートではなく、手を繋いで私の歩幅に合わせてゆっくり歩いてくれる。時折り人とぶつかりそうになると引き寄せて守ってくれる。
今日のキース様がいつも以上にかっこよく見えて落ち着かない。じっとキース様の横顔を見上げていたら、キース様は咳払いをして
「あまり見つめないで下さい。貴女によく見られたくて頑張っているんです」
「いつも素敵だけど今日は一段とカッコいいです」
「なっ!」
するといきなりキース様は人1人がやっと通れる路地に入り苦しい位に抱き締めて、頬や瞼に口付けてくる。
「今のは多恵様が悪い…あんな事セリフ言われて我慢できるわけない!すこしだけ許して下さい」
嫌なわけ無いじゃん!キース様の口付けは優しく心が満たされていく…
「多恵様!」
騎士さんとジャンヌ様が慌てて駆け付けて来た。急に路地に消え何かあったのかと駆け付けてくれたのだ。ごめんなさい…ちゅうしてました。
騎士さんは照れてジャンヌ様は温かい眼差しをしている。あぁ…恥ずかしい。それに比べて何も無かったかの様に平然としてるの?キース様!
「キース様!よくお越しくださいました。今日は新鮮なエビゴンがお薦めですよ…とそのご令嬢は…もしかして…」
キース様は唇の前で指を立てて艶やかに微笑み
「今日は彼女との時間を邪魔されたくないだよ。見守って欲しい」
「はい!勿論です。奥のテラス席が空いております。どーぞ!」
店員さんが一番奥の海沿いのテラス席に案内してくれた。何をやってもスマートなキース様に見惚れていたら
「あまり見つめないで下さい。自制が効きません」
「いや…対応がスマートでかっこいいなぁ…て」
キース様はほんのり頬を染め照れくさそうに椅子を引いてくれる。着席をしたらメニューを渡してくれたが全く分からない。箱庭は日本と食材はあまり変わらないが、名前が異なっているから聞いただけでは何か分からないのだ。ちなみにさっき店員さんが薦めていたエビゴンはまだ分かりやすく海老の事だ。
「食べれ無いものは無いのでキース様にお任せします」
「でしたら…」
キース様が店員さんに注文をしてくれる。こういうところもスマートでかっこいい。出だしからかっこいいキース様に当てられている私だ。
この席は本当に海が近く気持ちいい。少しするとエビゴンのサラダと白身魚のフライとバケットとハムの盛合せが出た来た。どれも美味しそうだ
甘味の少ないレモネードは魚介類を更に引き立てる。美味しかったが量が多くて残りはキース様が食べてくれた。
店を出ると店先に沢山の人がいて何事かと思ったら、レストランでテラス席に居たせいで沢山の領民に知れ渡った様だ。領民の皆さんは今まで浮いた話が無いキース様が、デートしていると聞き見に来たそうだ。
「あぁ…キース様の意中の方はなんて愛らしいお嬢さんなんだ。ご成婚はいつですか⁈」
「キース様が婚姻されればファーブス領も安泰だぁ!」
領民の皆さんから声をかけられてタジタジになっていたら、キース様が…
「皆が気をかけてくれ礼を言おう。しかし今想いを告げているところなのだ。見ての通り魅力的な女性でライバルも多い。いい結果につながる様にどうか見守りそっとしてほしい」
キース様は集まった領民にそう告げ、右手を左胸に当て軽く礼をした。すると領民は…
「皆!今日はキース様が楽しめるように、邪魔しないでいつも通りにしよう!」
「キース様!ライバルに負けないで!」
「お嬢さんキース様を何卒よろしくお願いします」
皆さんの圧は凄いけどキース様が領民に愛されてるのが分かるし、私にプレッシャーにならない様に気遣ってくれたキース様に感動する。やはりキース様は状況判断に優れ冷静だ。こういうところ好き。
護衛騎士さんが領民達を遠ざけてくれ、やっと街の方へ移動し一つ目の目的である結婚祝いを探しに行く。
何がいいか悩んでいたらキース様が
「私も色々考えてみましたが、ペアのシャンパングラスは如何でしょう? アルディアの一部の地域では、婚姻を祝う晩餐会で花嫁と花婿がお互いに赤いブロスの果実酒を飲ませ合う習慣があるそうです。
その時に使うグラスなら記念にも思い出にもなりましょう!」
「キース様!その提案頂きます!グラスを売っているお店有りますか?」
こうしてキース様の提案でシャンパングラスをプレゼントする事にし、異国の食器を取り扱うお店に行き、二組の青色のシャンパングラスを購入した。
本当はもっと見たかったが日帰りで時間が無くゆっくりできない。直ぐに次の目的地チョコラーテの専門店に向かう。
街は大きな客船が着いたらしく人でいっぱいだった。キース様はエスコートではなく、手を繋いで私の歩幅に合わせてゆっくり歩いてくれる。時折り人とぶつかりそうになると引き寄せて守ってくれる。
今日のキース様がいつも以上にかっこよく見えて落ち着かない。じっとキース様の横顔を見上げていたら、キース様は咳払いをして
「あまり見つめないで下さい。貴女によく見られたくて頑張っているんです」
「いつも素敵だけど今日は一段とカッコいいです」
「なっ!」
するといきなりキース様は人1人がやっと通れる路地に入り苦しい位に抱き締めて、頬や瞼に口付けてくる。
「今のは多恵様が悪い…あんな事セリフ言われて我慢できるわけない!すこしだけ許して下さい」
嫌なわけ無いじゃん!キース様の口付けは優しく心が満たされていく…
「多恵様!」
騎士さんとジャンヌ様が慌てて駆け付けて来た。急に路地に消え何かあったのかと駆け付けてくれたのだ。ごめんなさい…ちゅうしてました。
騎士さんは照れてジャンヌ様は温かい眼差しをしている。あぁ…恥ずかしい。それに比べて何も無かったかの様に平然としてるの?キース様!
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