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127.求婚者達の話し合い

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私の話も聞かずに行ってしまった。どぉしよう…大事になってないといいけど…
今回の事は私も半分悪い。皆さんの好意を知っていて問題解決を理由に返事を先延ばしにしている。
そろそろちゃんと返事がした方がいいのかも…

ベッドの上に座り冷静に考えてみる。候補は

妖精国 (フィラ)
アルディア(アーサー殿下 グラント様 キース様 ケニー様)
モーブル(シリウスさん)
レッグロッド(オーランド殿下)
うっわ!7人も!無理だ… 
もし皆さんのお心を受けて夫になったとして、住まいはどうするの?子供が出来たら子育ては?
夜の営みは?無理無理!体力無いし寿命ちぢまるよ!

やっぱり3人が限度だ。

『たえ すき したらいい』
『それは自分本位でいいって事?』
『たえ じぶん いつも あと』
『そんな事無いと思うけど』
『ボリス いつも たえ えらい いう』

てん君はそう言ってくれるけど、やはり皆さんの事を考えてしまう。皆さんいい人だから幸せになって欲しい…だけど難しいなぁ。
そんな事を考えながらてん君をもふもふしていたら、眠くなって来たがまだフィラは戻らない。アーサー殿下は大丈夫だろうか⁈あまり殿下を責めないで欲しい。皆からアーサー殿下が責められていると思うと胸が苦しくなって来た。

『てん君。アルディア城の様子分かる?』
『ようせい きく おしえてくれる』
『そっか!ありがとうやってみる』

妖精を呼ぶと周りに沢山来た。

『たえ きよう しろ いる うれしい』
『たえ ずっと いる?』

嬉しそうに寄ってきた妖精たちに

『ずっとは居ないの。ごめん!お願いがあるの。
アルディア城の様子を教えてほしいの』
『どんなこと?』
『フィラとアーサー殿下の様子』
『ようせいおう と おうじ?』
『そう!出来る?』
『まかせて!』

妖精達はあっという間に飛んでいった。眠いけど妖精が帰って来るまで頑張って起きていると妖精は帰ってきた。

『どうだった?』
『みんな おさけ のみ たえの はなし してる』
『はぁ?酒盛りしてるの?』
『うん!』
はぁ?なんだそれ!


妖精たちから様子を聞き、今絶賛不機嫌中の私。てん君が愛想を振りまき機嫌を取ってくれているのが分かるけど、テンションは上がらない。
あの状況から何で酒盛りになるの? アーサー殿下とフィラを心配した私の気持ちを返してくれ!!
考えるのも疲れてきて目を閉じた。胸のあたりが温かくなる。恐らくてん君が添い寝しているのだろう。もぅいいや寝ちゃえ! ここからの意識はない…

鳥の囀りで目が覚めた。見覚えのある天井だ…

『んっ!!自室?』

起き上がり辺りを見渡すとやっぱりアルディア城の自室だ。状況が分からず固まっているとてん君が起きて来て

『たえ ねて フィラ かえる』
『なんで?妖精城のベッドで確か寝たはずなんだけど⁈』
『フィラ ここ おくった』

どうやら帰って来たフィラがここに送ってくれたようだ。てん君はベッドから降りて寝室の扉を前脚で叩く。
扉が開くと小さい悲鳴と共に凄い音がし扉を見ると、またマリカさんがてん君に驚き尻もちをついている。
いい加減慣れてねマリカさん…
直ぐにため息交じりでケイティさんが入ってきた。

「おはようございます。昨晩はお着換えしかできませんでしたので、食事より先に湯あみをなさって下さい」

寝てからの事を知りたくて

「はい。あのケイティさん私全く状況が分からないんですが、誰か説明してくれるのでしょうか⁈」
「はい。多恵様の身支度が出来ましたら朝食の場でご説明があるそうです。では早速湯浴みを」

浴室についてくるケイティさんとマリカさんに丁重にお手伝いをお断りし、ハーブのいい香りがするバスタブで1人でゆっくり浸かる。
昨日酒盛りしていたようだから、フィラやアーサー殿下は来ないなぁ…それより誰が来るの?

「・・・」 

何この美丈夫メンツ。伴侶候補が勢ぞろいではないか!
お誕生日席に座らされ美丈夫から注目を浴びる。朝から熱のこもった視線を送らないで!
集まったのに誰も本題に入らない。あ…これはいつもの食後のデザートのタイミングで、人払いをして話し出すパターンだなぁ…
いい加減流れが分かるようになって来たよ。そうして朝食は不気味なほど和気あいあいと進みデザートが給仕されると、侍女さんと従僕さんが退室し徐にフィラが

「昨晩、アーサーが多恵の意思を無視し強引に迫った。多恵が拒み俺が止めに入り、アーサーと話し合う事になったが、アーサーが候補達と一度話し合いの場を持ちたいと言い、昨晩集まって話し合った次第だ」
「話し合い?酒盛りの間違いじゃないの?」

蚊帳の外なのが不満で嫌味を言うと

「確かに酒を飲み交わしたが、お互い本音が話せて有意義だったぞ」

フィラの説明では7人全員候補を降りる気は無いらしい。私が7人も相手に出来ない事を危惧している事もフィラから伝えられ、どうすれば全員受け入れてもらえるか話し合っていたらしい。

「あのね。好意は嬉しいけどやっぱり7人は無理です」

再度意思表示すると彼等は驚く事を言い出した。
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