122 / 189
121.聖人
しおりを挟む
「行くぞ」
「うん。お願いします」
“ぐわぁん”
目の前が歪む。まるで眩暈を起こしたようだ。気持ち悪くて目を閉じた。
「お越しいただき、ありがとうございます」
「へ?」
目を開けると目の前にビルス殿下が胸に手を当て頭を下げている。
「おはようございます。朝早くからすみません」
「何を仰います。私の求めにお応えいただき恐悦至極でございます。朝食をご用意しております故、こちらにどうぞ!」
顔を上げた殿下の姿を見て驚く。
そう!ビルス殿下は作務衣を着ている。口を開けて驚いていると殿下が
「やはり聖人様と多恵様は同郷のようですね!この衣装は聖人様か好んでお召しになった”サムエ”です」
感動した殿下は饒舌になり話が止まらない。するとイラついたフィラが
「ビルス。嬉しいのは分かるが、多恵が腹を空かせているから早く席に案内しろ」
こうしてやっと席に着き朝食を頂きます。そして最後のデザートでビルス殿下が人払をした。
「我がバスグルの黒歴史は聞いておられますか?」
「大まかには…」
「先祖とはいえ悍ましく嫌悪します」
ビルス殿下の話によるとバスグルの王族は一族間の婚姻が続いた時期があり、血の淀みを受け狂気的な性質の者が生まれたそうだ。聖人が召喚された時の王マッケンはまさに血の淀みを受け、頭脳明晰だか惨忍で粛清が繰り返され多くの命が奪われた。聖人はそんな王に助言どころか違を唱え幽閉される事となり、失意の内に地下牢で自ら命を絶った。
アリアは直ぐに聖人の魂を救い魂を浄化して元の世界に帰し、バスグルが反省し改めるまで召喚はしないと宣言した。
バスグルはアリアの怒りをかい妖精の加護を失い衰退していき、王族を見限った一部の貴族がクーデターを起こし独立して今に至る(カナール国とユグラス共和国)
聖人が亡くなった時の妖精王は
『聖人の許しが得れないうちはバスグルに繁栄はない』
と言い残した。王族はマッケン王を聖人を死に追いやった罪により、国の果てにある古城に幽閉し王弟が王位を継ぎ聖人を供養した。
聖人の亡骸が埋葬されたのは妖精王が指定した名も無き大木。実や花をつける事は無く只黄緑の葉が生い茂る木だ。
聖人を埋葬し王族が毎日訪れ跪いて祈りを捧げていたある日。急に大木に青い花が咲いた。そうして数日後には小さな青い実がなった。
当時の王妃は視力が低下し足音が見えておらず大木にぶつかった時、熟れた青い実が王妃に顔の上に落ちて来た。そしてその青い実の汁が王妃の目に入ったのだ。王妃は激痛に悶絶し気絶してしまう。意識を取り戻した王妃は仰天する。数十センチ前しか見えなかった目がはっきり見えている。そう王妃は視力を取り戻したのだ。
後に聖人の木の実は研究され眼病に効果がある事が判明する。
ここから聖人の木は“目薬の木”と呼ばれるようになった。妖精王は
『バスグルの民の目が曇らない様に聖人が齎せてくれたもの。大切にしなさい。その実が白に変わった時やっと聖人の許しを得れるだろう』
と予言した。それから数百年経ち数年前から聖人の木の実は白に近い青色にまでなっていた。
ビルス殿下は自分の代で償いが終わると喜んだ。
しかし王家の血を継ぐエルバスが貴族内で勢力を強めビビアン王女を操り、またマッケン王の様に力を持ち出した時、聖人の木の実と花は全て落ちてしまった。
もう成す術を失ったバスグル王は最近召喚されたリリスの乙女に縋るしかないと思い接触を試みた。これがスカーフ祭り事件だ。
このスカーフ事件の失敗を逆手にとって行動したのがエルバス。バスグル王もビルス殿下も予想だにしなかった。
「事情はわかりました。バスグルは私に何を求めているのですか?供養の仕方ですか?」
何を求めているのか聞くと、聖人の意図を知りたいが分からないらしく、同郷の私の助言がほしいそうだ。でも聖人の事を詳しく聞かないと、分かるわけない。ひんとぷり~ず!
すると殿下は聖人様の伝記を持ってきだと言い、その本を貸してくれた。この本は聖人の残した言葉や功績が事細かに書かれているそうだ。
本をパラパラ見ながら
「聖人の木の実が落ちた時、何か大きな出来事は有りませんでしたか?」
そう聞くと少し考えた殿下は
「陛下がバスグル国外への出稼ぎを禁止する法を立案したぐらいでしょうか…ここ数年平民の暮らしは厳しく、比較的近いモーブルに密入国する者が増え、モーブルにも迷惑をかけているのです」
恐らくモーブルの問題はバスグル人の密入国によるものだ。ここで繋がった!やはりモーブルだけ手助けするだけでは終わらない。バスグル国内の問題を解決しないとモーブルの問題も解決しない。
大事になってきた。
「ビルス殿下はアルディアにいつまで滞在されるのですか?」
「ビビアンが落ち着いたら一緒に帰ろうと思っています。アルディア側が許していただけるのならあと1週間ほど滞在したい」
殿下が帰るまでに本を読み考えてみると告げた。すると駆け寄り手を握ってきた殿下は
「あぁ…やはり貴女に話してよかった。さすが女神の乙女だ。聡明で思慮深い」
するとずっと見守っていたフィラが
「当たり前だ俺の番だからな!」
何故がフィラがドヤ顔で笑えた。
今日は時間も無いでここまで。後日、本を読み終わったらまた会う約束をし、ビルス殿下の部屋を後にします。フィラにお願いし自室に戻るとてん君が尻尾を振ってよって来て
『いっぱい ひときた』
『誰が来たの?』
『サリナ グラント キース アーサー みんな たえ しんぱい』
『ごめんね。ありがとう!お疲れ様』
ベッドを整えてまた夜着に着替えるけどフィラの目線が熱い…
「着替えを手伝おう。一人では無理だろう」
「うっうん。変な事しないでよね」
「約束の褒美をもらうだけだ」
フィラに背を向けるとドレスの背中のボタンとリボンを解いて行く。フィラの熱い手が触れる度に変な気分になる。だってフィラの手つきがなまめかしいんだもん。解きながらちょいちょい首筋や背中にキスをしてくる。こそばいし恥ずかしい。ドレスの背中が全て解けたらフィラがいきなり屈んだ。そして腰の括れに唇を押し当てる。
「んっ!」小さな痛み。もしかしてこれ…
「ここは見えないからいいんだろ!多恵に俺の印があるのはいいものだ。出来るなら見えるところにつけて、皆に俺の物だと知らしめたい」
「ダメだよ。見えない所って約束だからね!」
扉を控えめに誰かがノックする。
「フィラありがとう。また何かあったらよろしくね」
「次はもっといい褒美をくれるなら手伝うぞ」
「…考えておく」
フィラに後ろを向いてもらいてん君に見張りを頼んでドレスを脱いで夜着に着替えた。フィラはドレスを持って満足気に帰って行った。
直ぐにベッドの潜り今起きた雰囲気を出します。
てん君が扉を足で叩くとサリナさんが入室してきた。すごく心配している。
「ごめんね。昨日疲れたみたいで起きれなかったよ」
「あぁ…よかった。中々起きられないので何処かお悪いのかと思いましたわ」
そう言い表情を緩めるサリナさん。どうやらてん君が唸り誰も部屋に入れなかったようだ。バレなくてホッとするとサリナさんが
「殿下をはじめ伴侶候補の方々がお見えですが如何されますか?」
「大丈夫だと伝えて下さい。身支度出来たら居間の方へ行くので洋服だけ適当にお願いします」
サリナさんが持って来てくれたシンプルなワンピースに着替えて居間に行くと、顔面偏差値が高い皆様が待っていた。朝からフィラにキスマークをつけられ難しい話をし疲れているのに、この面子を相手にするのは正直辛い。皆んなお断りしてベッドに潜り込んで寝たいよ…
「うん。お願いします」
“ぐわぁん”
目の前が歪む。まるで眩暈を起こしたようだ。気持ち悪くて目を閉じた。
「お越しいただき、ありがとうございます」
「へ?」
目を開けると目の前にビルス殿下が胸に手を当て頭を下げている。
「おはようございます。朝早くからすみません」
「何を仰います。私の求めにお応えいただき恐悦至極でございます。朝食をご用意しております故、こちらにどうぞ!」
顔を上げた殿下の姿を見て驚く。
そう!ビルス殿下は作務衣を着ている。口を開けて驚いていると殿下が
「やはり聖人様と多恵様は同郷のようですね!この衣装は聖人様か好んでお召しになった”サムエ”です」
感動した殿下は饒舌になり話が止まらない。するとイラついたフィラが
「ビルス。嬉しいのは分かるが、多恵が腹を空かせているから早く席に案内しろ」
こうしてやっと席に着き朝食を頂きます。そして最後のデザートでビルス殿下が人払をした。
「我がバスグルの黒歴史は聞いておられますか?」
「大まかには…」
「先祖とはいえ悍ましく嫌悪します」
ビルス殿下の話によるとバスグルの王族は一族間の婚姻が続いた時期があり、血の淀みを受け狂気的な性質の者が生まれたそうだ。聖人が召喚された時の王マッケンはまさに血の淀みを受け、頭脳明晰だか惨忍で粛清が繰り返され多くの命が奪われた。聖人はそんな王に助言どころか違を唱え幽閉される事となり、失意の内に地下牢で自ら命を絶った。
アリアは直ぐに聖人の魂を救い魂を浄化して元の世界に帰し、バスグルが反省し改めるまで召喚はしないと宣言した。
バスグルはアリアの怒りをかい妖精の加護を失い衰退していき、王族を見限った一部の貴族がクーデターを起こし独立して今に至る(カナール国とユグラス共和国)
聖人が亡くなった時の妖精王は
『聖人の許しが得れないうちはバスグルに繁栄はない』
と言い残した。王族はマッケン王を聖人を死に追いやった罪により、国の果てにある古城に幽閉し王弟が王位を継ぎ聖人を供養した。
聖人の亡骸が埋葬されたのは妖精王が指定した名も無き大木。実や花をつける事は無く只黄緑の葉が生い茂る木だ。
聖人を埋葬し王族が毎日訪れ跪いて祈りを捧げていたある日。急に大木に青い花が咲いた。そうして数日後には小さな青い実がなった。
当時の王妃は視力が低下し足音が見えておらず大木にぶつかった時、熟れた青い実が王妃に顔の上に落ちて来た。そしてその青い実の汁が王妃の目に入ったのだ。王妃は激痛に悶絶し気絶してしまう。意識を取り戻した王妃は仰天する。数十センチ前しか見えなかった目がはっきり見えている。そう王妃は視力を取り戻したのだ。
後に聖人の木の実は研究され眼病に効果がある事が判明する。
ここから聖人の木は“目薬の木”と呼ばれるようになった。妖精王は
『バスグルの民の目が曇らない様に聖人が齎せてくれたもの。大切にしなさい。その実が白に変わった時やっと聖人の許しを得れるだろう』
と予言した。それから数百年経ち数年前から聖人の木の実は白に近い青色にまでなっていた。
ビルス殿下は自分の代で償いが終わると喜んだ。
しかし王家の血を継ぐエルバスが貴族内で勢力を強めビビアン王女を操り、またマッケン王の様に力を持ち出した時、聖人の木の実と花は全て落ちてしまった。
もう成す術を失ったバスグル王は最近召喚されたリリスの乙女に縋るしかないと思い接触を試みた。これがスカーフ祭り事件だ。
このスカーフ事件の失敗を逆手にとって行動したのがエルバス。バスグル王もビルス殿下も予想だにしなかった。
「事情はわかりました。バスグルは私に何を求めているのですか?供養の仕方ですか?」
何を求めているのか聞くと、聖人の意図を知りたいが分からないらしく、同郷の私の助言がほしいそうだ。でも聖人の事を詳しく聞かないと、分かるわけない。ひんとぷり~ず!
すると殿下は聖人様の伝記を持ってきだと言い、その本を貸してくれた。この本は聖人の残した言葉や功績が事細かに書かれているそうだ。
本をパラパラ見ながら
「聖人の木の実が落ちた時、何か大きな出来事は有りませんでしたか?」
そう聞くと少し考えた殿下は
「陛下がバスグル国外への出稼ぎを禁止する法を立案したぐらいでしょうか…ここ数年平民の暮らしは厳しく、比較的近いモーブルに密入国する者が増え、モーブルにも迷惑をかけているのです」
恐らくモーブルの問題はバスグル人の密入国によるものだ。ここで繋がった!やはりモーブルだけ手助けするだけでは終わらない。バスグル国内の問題を解決しないとモーブルの問題も解決しない。
大事になってきた。
「ビルス殿下はアルディアにいつまで滞在されるのですか?」
「ビビアンが落ち着いたら一緒に帰ろうと思っています。アルディア側が許していただけるのならあと1週間ほど滞在したい」
殿下が帰るまでに本を読み考えてみると告げた。すると駆け寄り手を握ってきた殿下は
「あぁ…やはり貴女に話してよかった。さすが女神の乙女だ。聡明で思慮深い」
するとずっと見守っていたフィラが
「当たり前だ俺の番だからな!」
何故がフィラがドヤ顔で笑えた。
今日は時間も無いでここまで。後日、本を読み終わったらまた会う約束をし、ビルス殿下の部屋を後にします。フィラにお願いし自室に戻るとてん君が尻尾を振ってよって来て
『いっぱい ひときた』
『誰が来たの?』
『サリナ グラント キース アーサー みんな たえ しんぱい』
『ごめんね。ありがとう!お疲れ様』
ベッドを整えてまた夜着に着替えるけどフィラの目線が熱い…
「着替えを手伝おう。一人では無理だろう」
「うっうん。変な事しないでよね」
「約束の褒美をもらうだけだ」
フィラに背を向けるとドレスの背中のボタンとリボンを解いて行く。フィラの熱い手が触れる度に変な気分になる。だってフィラの手つきがなまめかしいんだもん。解きながらちょいちょい首筋や背中にキスをしてくる。こそばいし恥ずかしい。ドレスの背中が全て解けたらフィラがいきなり屈んだ。そして腰の括れに唇を押し当てる。
「んっ!」小さな痛み。もしかしてこれ…
「ここは見えないからいいんだろ!多恵に俺の印があるのはいいものだ。出来るなら見えるところにつけて、皆に俺の物だと知らしめたい」
「ダメだよ。見えない所って約束だからね!」
扉を控えめに誰かがノックする。
「フィラありがとう。また何かあったらよろしくね」
「次はもっといい褒美をくれるなら手伝うぞ」
「…考えておく」
フィラに後ろを向いてもらいてん君に見張りを頼んでドレスを脱いで夜着に着替えた。フィラはドレスを持って満足気に帰って行った。
直ぐにベッドの潜り今起きた雰囲気を出します。
てん君が扉を足で叩くとサリナさんが入室してきた。すごく心配している。
「ごめんね。昨日疲れたみたいで起きれなかったよ」
「あぁ…よかった。中々起きられないので何処かお悪いのかと思いましたわ」
そう言い表情を緩めるサリナさん。どうやらてん君が唸り誰も部屋に入れなかったようだ。バレなくてホッとするとサリナさんが
「殿下をはじめ伴侶候補の方々がお見えですが如何されますか?」
「大丈夫だと伝えて下さい。身支度出来たら居間の方へ行くので洋服だけ適当にお願いします」
サリナさんが持って来てくれたシンプルなワンピースに着替えて居間に行くと、顔面偏差値が高い皆様が待っていた。朝からフィラにキスマークをつけられ難しい話をし疲れているのに、この面子を相手にするのは正直辛い。皆んなお断りしてベッドに潜り込んで寝たいよ…
10
お気に入りに追加
53
あなたにおすすめの小説
【R18】騎士たちの監視対象になりました
ぴぃ
恋愛
異世界トリップしたヒロインが騎士や執事や貴族に愛されるお話。
*R18は告知無しです。
*複数プレイ有り。
*逆ハー
*倫理感緩めです。
*作者の都合の良いように作っています。
【※R-18】私のイケメン夫たちが、毎晩寝かせてくれません。
aika
恋愛
人類のほとんどが死滅し、女が数人しか生き残っていない世界。
生き残った繭(まゆ)は政府が運営する特別施設に迎えられ、たくさんの男性たちとひとつ屋根の下で暮らすことになる。
優秀な男性たちを集めて集団生活をさせているその施設では、一妻多夫制が取られ子孫を残すための営みが日々繰り広げられていた。
男性と比較して女性の数が圧倒的に少ないこの世界では、男性が妊娠できるように特殊な研究がなされ、彼らとの交わりで繭は多くの子を成すことになるらしい。
自分が担当する屋敷に案内された繭は、遺伝子的に優秀だと選ばれたイケメンたち数十人と共同生活を送ることになる。
【閲覧注意】※男性妊娠、悪阻などによる体調不良、治療シーン、出産シーン、複数プレイ、などマニアックな(あまりグロくはないと思いますが)描写が出てくる可能性があります。
たくさんのイケメン夫に囲まれて、逆ハーレムな生活を送りたいという女性の願望を描いています。
お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
男女比がおかしい世界にオタクが放り込まれました
かたつむり
恋愛
主人公の本条 まつりはある日目覚めたら男女比が40:1の世界に転生してしまっていた。
「日本」とは似てるようで違う世界。なんてったって私の推しキャラが存在してない。生きていけるのか????私。無理じゃね?
周りの溺愛具合にちょっぴり引きつつ、なんだかんだで楽しく過ごしたが、高校に入学するとそこには前世の推しキャラそっくりの男の子。まじかよやったぜ。
※この作品の人物および設定は完全フィクションです
※特に内容に影響が無ければサイレント編集しています。
※一応短編にはしていますがノープランなのでどうなるかわかりません。(2021/8/16 長編に変更しました。)
※処女作ですのでご指摘等頂けると幸いです。
※作者の好みで出来ておりますのでご都合展開しかないと思われます。ご了承下さい。
6年間姿を消していたら、ヤンデレ幼馴染達からの愛情が限界突破していたようです~聖女は監禁・心中ルートを回避したい~
皇 翼
恋愛
グレシュタット王国の第一王女にして、この世界の聖女に選定されたロザリア=テンペラスト。昔から魔法とも魔術とも異なる不思議な力を持っていた彼女は初潮を迎えた12歳のある日、とある未来を視る。
それは、彼女の18歳の誕生日を祝う夜会にて。襲撃を受け、そのまま死亡する。そしてその『死』が原因でグレシュタットとガリレアン、コルレア3国間で争いの火種が生まれ、戦争に発展する――という恐ろしいものだった。
それらを視たロザリアは幼い身で決意することになる。自分の未来の死を回避するため、そしてついでに3国で勃発する戦争を阻止するため、行動することを。
「お父様、私は明日死にます!」
「ロザリア!!?」
しかしその選択は別の意味で地獄を産み出していた。ヤンデレ地獄を作り出していたのだ。後々後悔するとも知らず、彼女は自分の道を歩み続ける。
転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる