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93.完治?
しおりを挟む今日は3度目の着替えをし騎士さんに付き添われ謁見の間に向かう。城内はモーブルとレッグロッドから来た人で人口密度が高い。普段廊下を歩いていても人と会う事もあまり無いのに、廊下を歩いていると誰かしかに会う。そして会いたく無い人にも遭遇する訳で、前からシリウスさんが歩いて来た。
『うっわー猛烈に回れ右して引き返したい!』
逃げる事はできないけど視界に入りたくない。思わず今日の護衛騎士のテリーさんの後ろに隠れる。テリーさんともう1人の騎士のジョンさんに
「すみません。このまま行って下さい」
とお願いする。困惑しつつ2人はお願いを聞いてくれた。そしてドキドキしながらすれ違う。よかった無事に躱したと思ったら、後ろからシリウスさんに手を取られた。私の後ろにいたジョンさんがシリウスさんの手を掴み
「いきなり失礼ですぞ!」
シリウスさんとジョンさんの睨みいが起こり、私はテリーさんに抱えられている。なんだこれ?
「何事だ!」
また誰ですか?もう面倒くさいの勘弁です。振り返るとヒューイ殿下が立っていた。
「シリウス様がいきなり多恵様の手を取られまして!」
「多恵様。脚はどうされました!」
『あっ!痛い設定忘れていた』
言い訳しようとしたが咄嗟に言葉が出てこなくて黙り込んでしまう。その様子が怯えている様に見えたようで、ヒューイ殿下が怒気を含んだ声でシリウスさんを叱責する。
「シリウス殿。モーブルではこの様に女性に接するのですか? アルディアではあり得ない。断りも無く触れられて多恵殿は怯えられている。キラスで助けて頂いたとしても失礼だ」
「確かに断りも無く触れた事はお詫びいたします。しかし怪我の具合が気になりまして…悪化されているのではありませんか⁈」
『ん?悪化?』
あれ真逆を言われた。何もかも嫌すぎで足取りが重かったから?それが悪化したふうに見えたのかなぁ⁈ とりあえず悪化していないとシリウスさんに言って誤解を解き、ヒューイ殿下に心配かけた事を謝る。表情を緩めたシリウスさんが
「…悪くなられていないなら良かったです。まだご無理なき様に…私に出来ることがあればなんなりとお申し付け下さい」
気にかけてくれたシリウスさんにお礼を言い、グリード殿下がいらっしゃらない事に気付く。どうやら殿下は王都に視察に行かれ、シリウスさんは今日は非番らしい。ここで例のアレを思い出して
「そうですか…あっ!昨日のマントやはりお返しします。よくみたら刺繍されていて特別みたいなので、私がいただいていい物ではないと思うのです。後で侍女さんに届けてもらいますから」
するとシリウスさんは不機嫌になり、要らないなら捨てろと言った。勝負マントを捨てれる訳なく
「いやあんな立派なマント捨てれませんよ!」
また険悪な空気になるとテリーさんが戻りを促し、シリウス様は哀しそうな顔をし頭を下げ立ち去った。
そして私はヒューイ殿下に促され謁見の間に急ぐ。
シリウスさんがよく分からない。恋愛スキルの低いおばさんには難しい。そんな事を考えている間に、謁見の間に着いた。すると皆さんが揃っていて私が最後だった。
「遅くなってすみませんでした」
視線を感じその先を見るとオーランド殿下がいらっしゃる。あれ?前にお会いした時と雰囲気が違う気がする。あっ目が合う微笑まれた。本当に箱庭の男性は美形ばかりで自分の凡人さをひしひしと感じる。
オーランド殿下は陛下に何か言ってこちらに向かってくる。目の前に来たら変わった理由が分かった。
殿下は背が伸び目線が高い。それに他の男性に比べて華奢だったけど、一回り大きくなった感じする。太ってじゃ無い鍛えて筋肉が付いた感じだ。
オーランド殿下は私の手を取り口付けを落として
「この1ヶ月長かった…貴女にお会い出来るのを指折り数えていました。やっと貴女に愛を捧げられる」
あれ?オーランド殿下の第一印象はシャイボーイだったのに、こんなセリフ言えるキャラだったけ?
「オーランド殿下。お目にかかれて光栄です」
挨拶していると時間を押していて、ヒューイ殿下に促され移動するが? どんどん陛下の近くにエスコートされ、陛下と王妃様に挟まれてた。
「陛下、王妃様。私場所を間違えていませんか?」
そう聞くと陛下も王妃様も娘だから合っていると言い満足気だ。そして陛下は頭を撫で王妃様は手を繋いだ。そして2人とも”父、母”と呼ぶように言ってきた。
「多恵殿は儂の娘故間違っていない」
「あー嬉しいわ!娘欲しかったのよ~多恵さん!私をお母様と呼んでね!」
『あれ?本人の知らない間に親が出来ていた…』
困惑している間にオーランド殿下の謁見は無事終わり皆さん退室されて行きます。私は何故か王妃様に拉致られて庭園の東屋でお茶を頂いています。
「多恵さん。フィナンシェとチョコラーテが好きだと侍女から聞いて用意させたわ。いっぱい食べてね。多恵さんはもう少しふくよかになった方がいいわ。殿方はその方が喜ぶから」
目の前にいる王妃はナイスバディで出るとこが出て色っぽい。今の私の体は細くも無く太くも無くで出るとこは少しで色っぽさが全くない。
「食べても私はお腹や足にお肉着くだけで、王妃様みたいにはなれません」
「多恵さん!“お母様”よ!」
「えっと恐れ多いです」
「でしたら“義母さん”でも良くてよ!」
絶対遠慮したい!陛下も“義父”って事?恐ろしくなって来た。
「多恵さん。私専属の髪結いが多恵さんに教えてもらったと編み込みを施してくれてね。髪型のバリエーションが増えて楽しいのよ。
陛下は凄く気に入ってくれて、今日もほらサイドを編み込んでもらったのよ!みて!」
確かにサイドを編み込み小花を飾って可愛らしく仕上がっている。王妃様は3人も子供がいるけど少女の様に可愛い。
「多恵さん。他に編み込みの様な髪結い技術はないかしら・・・陛下を喜ばせたいの…」
王妃様可愛い!乙女だ。夜会巻きかフィッシュボーンを教えてあげよう!
王妃様とガールズトークを楽しみ少し気分が浮上した。ありがとう王妃様。お母様では無くお姉さんと呼ばせてください。
王妃様とのお茶会の後は一旦部屋に戻り今日4回目となる着替えです。グロッキー寸前の私。重い心と体を引きずり会食の部屋に向かいます。
もうお願い!誰とも遭遇したくありません。そんな私は思わずテリーさんに
「他の方が通らない隠し通路とかありませんか?騎士さんだけの秘密通路とか⁈」
聞いたが有る訳もなく重い足取りで廊下を歩いていると、とっても嫌な予感がする。少し行くと右に通路がある私の本能が曲がれと言っている。
「テリーさんそこの右の通路からでも、会食の部屋に行けますか?」
「えっ?あっはい大丈夫です」
「ではそこを曲がって行きましょう!とっても曲がりたい気分なんです!」
強引にテリーさんとジョンさんの手を取り右の通路に入り少しすると後方でアーサー殿下の声が聞こえて来た。
『やっぱり… このメンタルと体調でアーサー殿下の濃厚な愛情表現は確実にやられる』
回避した自分を褒めてあげたい。安心して廊下を歩いて突き当りを左に曲がったら…グリード王弟殿下が…
『回避…失敗…』
心の中で呟き遠い目をした。
『うっわー猛烈に回れ右して引き返したい!』
逃げる事はできないけど視界に入りたくない。思わず今日の護衛騎士のテリーさんの後ろに隠れる。テリーさんともう1人の騎士のジョンさんに
「すみません。このまま行って下さい」
とお願いする。困惑しつつ2人はお願いを聞いてくれた。そしてドキドキしながらすれ違う。よかった無事に躱したと思ったら、後ろからシリウスさんに手を取られた。私の後ろにいたジョンさんがシリウスさんの手を掴み
「いきなり失礼ですぞ!」
シリウスさんとジョンさんの睨みいが起こり、私はテリーさんに抱えられている。なんだこれ?
「何事だ!」
また誰ですか?もう面倒くさいの勘弁です。振り返るとヒューイ殿下が立っていた。
「シリウス様がいきなり多恵様の手を取られまして!」
「多恵様。脚はどうされました!」
『あっ!痛い設定忘れていた』
言い訳しようとしたが咄嗟に言葉が出てこなくて黙り込んでしまう。その様子が怯えている様に見えたようで、ヒューイ殿下が怒気を含んだ声でシリウスさんを叱責する。
「シリウス殿。モーブルではこの様に女性に接するのですか? アルディアではあり得ない。断りも無く触れられて多恵殿は怯えられている。キラスで助けて頂いたとしても失礼だ」
「確かに断りも無く触れた事はお詫びいたします。しかし怪我の具合が気になりまして…悪化されているのではありませんか⁈」
『ん?悪化?』
あれ真逆を言われた。何もかも嫌すぎで足取りが重かったから?それが悪化したふうに見えたのかなぁ⁈ とりあえず悪化していないとシリウスさんに言って誤解を解き、ヒューイ殿下に心配かけた事を謝る。表情を緩めたシリウスさんが
「…悪くなられていないなら良かったです。まだご無理なき様に…私に出来ることがあればなんなりとお申し付け下さい」
気にかけてくれたシリウスさんにお礼を言い、グリード殿下がいらっしゃらない事に気付く。どうやら殿下は王都に視察に行かれ、シリウスさんは今日は非番らしい。ここで例のアレを思い出して
「そうですか…あっ!昨日のマントやはりお返しします。よくみたら刺繍されていて特別みたいなので、私がいただいていい物ではないと思うのです。後で侍女さんに届けてもらいますから」
するとシリウスさんは不機嫌になり、要らないなら捨てろと言った。勝負マントを捨てれる訳なく
「いやあんな立派なマント捨てれませんよ!」
また険悪な空気になるとテリーさんが戻りを促し、シリウス様は哀しそうな顔をし頭を下げ立ち去った。
そして私はヒューイ殿下に促され謁見の間に急ぐ。
シリウスさんがよく分からない。恋愛スキルの低いおばさんには難しい。そんな事を考えている間に、謁見の間に着いた。すると皆さんが揃っていて私が最後だった。
「遅くなってすみませんでした」
視線を感じその先を見るとオーランド殿下がいらっしゃる。あれ?前にお会いした時と雰囲気が違う気がする。あっ目が合う微笑まれた。本当に箱庭の男性は美形ばかりで自分の凡人さをひしひしと感じる。
オーランド殿下は陛下に何か言ってこちらに向かってくる。目の前に来たら変わった理由が分かった。
殿下は背が伸び目線が高い。それに他の男性に比べて華奢だったけど、一回り大きくなった感じする。太ってじゃ無い鍛えて筋肉が付いた感じだ。
オーランド殿下は私の手を取り口付けを落として
「この1ヶ月長かった…貴女にお会い出来るのを指折り数えていました。やっと貴女に愛を捧げられる」
あれ?オーランド殿下の第一印象はシャイボーイだったのに、こんなセリフ言えるキャラだったけ?
「オーランド殿下。お目にかかれて光栄です」
挨拶していると時間を押していて、ヒューイ殿下に促され移動するが? どんどん陛下の近くにエスコートされ、陛下と王妃様に挟まれてた。
「陛下、王妃様。私場所を間違えていませんか?」
そう聞くと陛下も王妃様も娘だから合っていると言い満足気だ。そして陛下は頭を撫で王妃様は手を繋いだ。そして2人とも”父、母”と呼ぶように言ってきた。
「多恵殿は儂の娘故間違っていない」
「あー嬉しいわ!娘欲しかったのよ~多恵さん!私をお母様と呼んでね!」
『あれ?本人の知らない間に親が出来ていた…』
困惑している間にオーランド殿下の謁見は無事終わり皆さん退室されて行きます。私は何故か王妃様に拉致られて庭園の東屋でお茶を頂いています。
「多恵さん。フィナンシェとチョコラーテが好きだと侍女から聞いて用意させたわ。いっぱい食べてね。多恵さんはもう少しふくよかになった方がいいわ。殿方はその方が喜ぶから」
目の前にいる王妃はナイスバディで出るとこが出て色っぽい。今の私の体は細くも無く太くも無くで出るとこは少しで色っぽさが全くない。
「食べても私はお腹や足にお肉着くだけで、王妃様みたいにはなれません」
「多恵さん!“お母様”よ!」
「えっと恐れ多いです」
「でしたら“義母さん”でも良くてよ!」
絶対遠慮したい!陛下も“義父”って事?恐ろしくなって来た。
「多恵さん。私専属の髪結いが多恵さんに教えてもらったと編み込みを施してくれてね。髪型のバリエーションが増えて楽しいのよ。
陛下は凄く気に入ってくれて、今日もほらサイドを編み込んでもらったのよ!みて!」
確かにサイドを編み込み小花を飾って可愛らしく仕上がっている。王妃様は3人も子供がいるけど少女の様に可愛い。
「多恵さん。他に編み込みの様な髪結い技術はないかしら・・・陛下を喜ばせたいの…」
王妃様可愛い!乙女だ。夜会巻きかフィッシュボーンを教えてあげよう!
王妃様とガールズトークを楽しみ少し気分が浮上した。ありがとう王妃様。お母様では無くお姉さんと呼ばせてください。
王妃様とのお茶会の後は一旦部屋に戻り今日4回目となる着替えです。グロッキー寸前の私。重い心と体を引きずり会食の部屋に向かいます。
もうお願い!誰とも遭遇したくありません。そんな私は思わずテリーさんに
「他の方が通らない隠し通路とかありませんか?騎士さんだけの秘密通路とか⁈」
聞いたが有る訳もなく重い足取りで廊下を歩いていると、とっても嫌な予感がする。少し行くと右に通路がある私の本能が曲がれと言っている。
「テリーさんそこの右の通路からでも、会食の部屋に行けますか?」
「えっ?あっはい大丈夫です」
「ではそこを曲がって行きましょう!とっても曲がりたい気分なんです!」
強引にテリーさんとジョンさんの手を取り右の通路に入り少しすると後方でアーサー殿下の声が聞こえて来た。
『やっぱり… このメンタルと体調でアーサー殿下の濃厚な愛情表現は確実にやられる』
回避した自分を褒めてあげたい。安心して廊下を歩いて突き当りを左に曲がったら…グリード王弟殿下が…
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心の中で呟き遠い目をした。
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