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90.マント
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翌朝、起きたけど超不機嫌でサリナさんに心配される。
『あ!でも!』
昨晩の薬草の事はフィラと私しか知らない。まだ治っていない事にしよう。舞踏会当日まで皆さんはフィラに会わないから大丈夫!大丈夫?
少し気分が良くなった。これは必要なウソだからOK! …OKにして欲しい…
朝は予定ないから本が読みたくて護衛騎士さんと書物庫に向かう。
最近忙しくて本を読んでいない。2,3冊借りよう。
暫く歩くと廊下の先に書物庫の扉が見えて来た。『ん?』あれは…シリウスさん⁈
「あっ…おはようございます。昨日はありがとうございました。殿下の護衛ですか?」
「多恵様。お加減は如何です…か?足取りが軽い様に思いますが、まさか一晩で治るような怪我ではないと思うのですが…何か特別な事をされましたか?」
突然の怪我のことを指摘されて焦り
「いっいえ!元々歩くのに支障が無かったんです。何も変わっていません!」
何で分かったの?怖い凄い観察力。向こうの世界だったら警察官に向いているよ。シリウスさんは首を傾げて何か考えています。怖い!考えないで!
話題を変えようと!
「殿下はどうされたんですか?」
「今、書物庫で本を選ばれております。私が居てはゆっくり選べないらしく、追い出されまして…」
逃げる口実を見つけ
「でしたら私もお邪魔しない方がいいですね。ライトさんハルクさんすみません。部屋に戻ります」
騎士さんに戻る事を伝えて踵を返したら、後ろ手にシリウスさんに手を取られた。
「何か?」
「いえ。失礼した…」
ライトさんが戻りを促す。
「シリウスさん。昼食には同席されるのですか?」
頷くシリウスさんにお辞儀をして背を向け歩きだし、脚痛い設定だったことを思い出す。観察力ある人だから余り大袈裟にせずに少し痛い程で歩いてみる。結構イケてる?私?
ゆっくり廊下を歩いていると、モーブルの騎士の確か…アルディアに知らせに行ってくれたルースさんとシュンさんだ。ライトさんとハルクさんに待ってもらいお礼を述べます。
「ルースさん、シュンさん!ありがとうございました。私のせいで余計なお仕事させてしまって。ゆっくりお休み出来ましたか?」
「多恵様。お気遣い頂きありがとうございます。
お怪我の具合はいかがですか?」
心配してくれる2人に罪悪感を感じながら、2人の騎士服が目に留まる。シリウスさんと少し違う。何故か気になって聞いてみた。
「シリウスさんと騎士服が違いますが、隊によって違うのですか?」
「我々は王弟殿下直属の部隊でシリウス様は聖騎士であらせられます。我々は足元にも及びません。
騎士服は基本デザインはあまり変わらず色が違うくらいでマントに特色があります」
2人の説明ではモーブルの騎士はマントを大切し、マントは忠誠や愛を捧げる方に渡す習慣があるそうだ。特別なマントは2枚あり公式な式典などに身に付け、マントの縁に家紋が刺繍されているのが目印なのです。普段は刺繍の入っていないマント。
所謂勝負マントは求愛の時に用いられるらしく、シリウスさんのマントを欲しがる女性は多いと2人は話す。
「我々もその様なお方に早く出会いたいものです」
「…」
とんでもない情報に固まると2人は戸惑っている。慌てて引き留めたことを謝り別れる。
部屋までの道のりシリウスさんにもらったマントを思い出している。刺繍なんて入ってなかったよね…
不要なら捨てていいって言っていたから、勝負マントじゃーないよね…
部屋に帰ってマントを見るのが怖くなって来た。
部屋に戻ると直ぐにシリウスさんのマントを探す。
昨日膝掛けにしていたから…ソファーに…
あった!畳んで肘当てに掛けてある。大きいからここでは広げられない。マントを抱えて寝室に向かう。
「多恵さん?どうかされました?」
「大したことじゃ無いから気にしないで!」
寝室の扉に鍵をかけてベッドの上に広げてみた。
「……ある。家紋らしき刺繍」
マントを前に固まる。こんな大切な物をお布団がわりにしたり、膝掛けにしていた。
知らないって怖い。
どうしよう…返したら失礼になるよね…
「護衛対象ではなく懸想している」
こんな時にグラント様の言葉を思い出して、頭を抱える。一昨日初めて会ったのに大事なマントとか困る。誰に相談したらいいのだろう…
お昼までベッドの前で悩む事になった。
とりあえずシリウスさんのマントを畳み考えるのをやめた。今は舞踏会を無事に済ませて、本来の目的であるレッグロッドとモーブルの問題に取り掛かのが先だ。恋愛にかまけている場合では無い。
アルディアの流行病はマスクが領民に届いて感染対策出来れば大丈夫だろう。
気持ちを切り替えたらケイティさんが呼びに来た。
とりあえずマントはベッドに置いてクローゼットで着替える。
護衛騎士さんに先導してもらい会食会場に向かう。
会場に着くと既にグリード王弟殿下とアーサー殿下?がいらっしゃる。
あれアーサー殿下も一緒なの?
『あ!でも!』
昨晩の薬草の事はフィラと私しか知らない。まだ治っていない事にしよう。舞踏会当日まで皆さんはフィラに会わないから大丈夫!大丈夫?
少し気分が良くなった。これは必要なウソだからOK! …OKにして欲しい…
朝は予定ないから本が読みたくて護衛騎士さんと書物庫に向かう。
最近忙しくて本を読んでいない。2,3冊借りよう。
暫く歩くと廊下の先に書物庫の扉が見えて来た。『ん?』あれは…シリウスさん⁈
「あっ…おはようございます。昨日はありがとうございました。殿下の護衛ですか?」
「多恵様。お加減は如何です…か?足取りが軽い様に思いますが、まさか一晩で治るような怪我ではないと思うのですが…何か特別な事をされましたか?」
突然の怪我のことを指摘されて焦り
「いっいえ!元々歩くのに支障が無かったんです。何も変わっていません!」
何で分かったの?怖い凄い観察力。向こうの世界だったら警察官に向いているよ。シリウスさんは首を傾げて何か考えています。怖い!考えないで!
話題を変えようと!
「殿下はどうされたんですか?」
「今、書物庫で本を選ばれております。私が居てはゆっくり選べないらしく、追い出されまして…」
逃げる口実を見つけ
「でしたら私もお邪魔しない方がいいですね。ライトさんハルクさんすみません。部屋に戻ります」
騎士さんに戻る事を伝えて踵を返したら、後ろ手にシリウスさんに手を取られた。
「何か?」
「いえ。失礼した…」
ライトさんが戻りを促す。
「シリウスさん。昼食には同席されるのですか?」
頷くシリウスさんにお辞儀をして背を向け歩きだし、脚痛い設定だったことを思い出す。観察力ある人だから余り大袈裟にせずに少し痛い程で歩いてみる。結構イケてる?私?
ゆっくり廊下を歩いていると、モーブルの騎士の確か…アルディアに知らせに行ってくれたルースさんとシュンさんだ。ライトさんとハルクさんに待ってもらいお礼を述べます。
「ルースさん、シュンさん!ありがとうございました。私のせいで余計なお仕事させてしまって。ゆっくりお休み出来ましたか?」
「多恵様。お気遣い頂きありがとうございます。
お怪我の具合はいかがですか?」
心配してくれる2人に罪悪感を感じながら、2人の騎士服が目に留まる。シリウスさんと少し違う。何故か気になって聞いてみた。
「シリウスさんと騎士服が違いますが、隊によって違うのですか?」
「我々は王弟殿下直属の部隊でシリウス様は聖騎士であらせられます。我々は足元にも及びません。
騎士服は基本デザインはあまり変わらず色が違うくらいでマントに特色があります」
2人の説明ではモーブルの騎士はマントを大切し、マントは忠誠や愛を捧げる方に渡す習慣があるそうだ。特別なマントは2枚あり公式な式典などに身に付け、マントの縁に家紋が刺繍されているのが目印なのです。普段は刺繍の入っていないマント。
所謂勝負マントは求愛の時に用いられるらしく、シリウスさんのマントを欲しがる女性は多いと2人は話す。
「我々もその様なお方に早く出会いたいものです」
「…」
とんでもない情報に固まると2人は戸惑っている。慌てて引き留めたことを謝り別れる。
部屋までの道のりシリウスさんにもらったマントを思い出している。刺繍なんて入ってなかったよね…
不要なら捨てていいって言っていたから、勝負マントじゃーないよね…
部屋に帰ってマントを見るのが怖くなって来た。
部屋に戻ると直ぐにシリウスさんのマントを探す。
昨日膝掛けにしていたから…ソファーに…
あった!畳んで肘当てに掛けてある。大きいからここでは広げられない。マントを抱えて寝室に向かう。
「多恵さん?どうかされました?」
「大したことじゃ無いから気にしないで!」
寝室の扉に鍵をかけてベッドの上に広げてみた。
「……ある。家紋らしき刺繍」
マントを前に固まる。こんな大切な物をお布団がわりにしたり、膝掛けにしていた。
知らないって怖い。
どうしよう…返したら失礼になるよね…
「護衛対象ではなく懸想している」
こんな時にグラント様の言葉を思い出して、頭を抱える。一昨日初めて会ったのに大事なマントとか困る。誰に相談したらいいのだろう…
お昼までベッドの前で悩む事になった。
とりあえずシリウスさんのマントを畳み考えるのをやめた。今は舞踏会を無事に済ませて、本来の目的であるレッグロッドとモーブルの問題に取り掛かのが先だ。恋愛にかまけている場合では無い。
アルディアの流行病はマスクが領民に届いて感染対策出来れば大丈夫だろう。
気持ちを切り替えたらケイティさんが呼びに来た。
とりあえずマントはベッドに置いてクローゼットで着替える。
護衛騎士さんに先導してもらい会食会場に向かう。
会場に着くと既にグリード王弟殿下とアーサー殿下?がいらっしゃる。
あれアーサー殿下も一緒なの?
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