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71.リボン
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「あ…の…自分で上がれるので降ろして…」
「申し訳ありません。時間が無いのでご辛抱願いたい!」食い気味に却下された。
今クレイブ様に抱きかかえられ地下牢の階段を上がっている。晩餐会の時間が近付いているのと、私の特殊メイクをなおす必要があり急いでいるのだ。
クレイブ様は副団長だけあって私を抱えて階段を上がっても息ひとつ乱れない。タイプ的にはちょいゴリマッチョだ。
間近でお顔を拝見したら精悍なお顔立ちをされている。普段話す時は優しい表情をされているのでギャップにドキドキする。
そんな事を考えていたら出口が見えて来た。
そこにはグラント様が居て険しい表情をしている。
階段を降りて来たグラント様は無言でクレイブ様の腕から私を奪い抱え直し地上へ上がっていく。
地上に出たので「おろしてください」とグラント様にお願いしたら無言で降ろしてくれた。そうして私の顎を持ち顔を上げた。
『えっ!キスされる!』
っと思ったけど視線は少し下?首元かもしれない。なんで⁈
大きく暖かい手で首元を撫でられびっくりしていると今度は頬を両手で包まれ
「ライカ嬢に会いに牢に行ったと聞きました。このアザさんと涙の跡はどうゆう事ですか」
どうやら怒っているらしい…どう説明するか悩んでいたらグラント様の怒りの矛先がクレイブ様に向かった。しかしクレイブ様は冷静に対応され
「閣下。鼠が彷徨いているやもしれません。事情は部屋にてご説明致します故まずは部屋に戻ります」
そうだ!早く特殊メイク直さないと人目に出れない。グラント様の手を引き部屋に戻ろうとすると、不意に体が浮いた。
「私がお抱えした方が早い」
グラント様はじめ皆んな部屋に急いで移動しています。もぅ”おろして”なんて言える雰囲気ではありません。グラント様の腕の中で大人しくするしかありませんでした。
部屋に着くと『いつ連絡したの?』髪結さんと針子のケイトさんが待機している。やはり城内無線?
女性陣と寝室に入り再支度を始めます。
お化粧と髪はあっという間に直り、後は首元のアザをどう隠すかが目下の問題だ。
白粉で隠そうとしたが傷に白粉がしみるし、他のネックレスを付けたがやはり傷に当たり痛い!
悩む皆んなに謝る事しか出来ない私。
冷静に考えたらアニメみたいにネックレスを引き千切るなんて出来る訳ないのに嫌すぎて頭に無かった。目の前に裁縫道具を抱えたケイティさんと目が合う。
「そうだ!ケイトさん太めのサテンかシルクのリボンは有りますか?」
驚いたケイトさんは慌てて裁縫道具を探し、5色のシルクのリボンを出してくれた。
やり!生成りのシルクのリボンを選びチョーカーの様に首元に結んだ。
「多恵様!アザが隠れる上愛らしさが増します」
ケイトさんは感動し髪結さんはリボンが綺麗に見える様に髪を少し直してくれた。姿見で確認したらアザは隠れたぞ!私やるじゃん!
体を捻り後姿も確認したら…
「飼い猫みたい…」
思わず呟いたら皆んな頷いている。やっぱり猫ですか…私は断然犬派なんですが…
居間に戻るとグラント様とクレイブ様が難しい顔で話をしています。私に気付いたグラント様は足早に来てハグしてソファーに座らせてくれた。
私の前に跪き優しい眼差しを向けてくる。グラント様も正装をしていて眩しくて直視出来ない。
「クレイブ殿から話は聞きました。貴女が気に病む事は有りません。殿下とも相談し対処いたします。貴女には笑顔でいて欲しい」
「すみません。皆さんにご迷惑をおかけしました」
グラント様は目を細めて
「貴女には真珠よりリボンがお似合いだ」
褒められ恥ずかしくて俯いたらグラント様は囁く様に
「何処かに貴女を閉じめ他の男の目に付かない様にし私だけが愛でたい」
そう言われて更に頬が熱くなる。すると不意に風が吹き体が浮いたと思ったら目の前にフィラがいた。
「準備いいか?」
フィラはいつもと違う装いでカッコいい。金糸の刺繍が施されたローブとフィラの深緑の長髪がとても合っている。男性陣の方が綺麗って女の私の立場が無い…そんな事考えていたらフィラの綺麗な顔が近づく。またキスしようとしている!
また手の平でフィラの唇を塞ぐ。
後方で舌打ちが聞こえたのは気のせい?…では無くグラント様が不機嫌な顔をしている。
焦る私を後目にフィラは私の姿をまじまじ見て
「お前は何を着ても可愛いいなぁ!」
「支度下さった皆さんの腕が良すぎて別人でしょう⁈このリボンなんて飼い猫みたいだし…」
褒められ慣れてい無い私は照れ隠しに自虐発言をしてしまう。すると
「お前はどんな格好でも可愛いのだから自分を卑下するな。飼い猫かぁ…勿論ウチの猫こだよな!」
背後から引き寄せられグラント様にバックハグされた。グラント様は無表情で…
「妖精王、恐れながらウチの猫にちょっかい出さないでいただきたい」
「お前怖いもの知らずだなぁ…俺に喧嘩売るか⁉︎」
火花バチバチだ。誰か助けてください!
「申し訳ありません。時間が無いのでご辛抱願いたい!」食い気味に却下された。
今クレイブ様に抱きかかえられ地下牢の階段を上がっている。晩餐会の時間が近付いているのと、私の特殊メイクをなおす必要があり急いでいるのだ。
クレイブ様は副団長だけあって私を抱えて階段を上がっても息ひとつ乱れない。タイプ的にはちょいゴリマッチョだ。
間近でお顔を拝見したら精悍なお顔立ちをされている。普段話す時は優しい表情をされているのでギャップにドキドキする。
そんな事を考えていたら出口が見えて来た。
そこにはグラント様が居て険しい表情をしている。
階段を降りて来たグラント様は無言でクレイブ様の腕から私を奪い抱え直し地上へ上がっていく。
地上に出たので「おろしてください」とグラント様にお願いしたら無言で降ろしてくれた。そうして私の顎を持ち顔を上げた。
『えっ!キスされる!』
っと思ったけど視線は少し下?首元かもしれない。なんで⁈
大きく暖かい手で首元を撫でられびっくりしていると今度は頬を両手で包まれ
「ライカ嬢に会いに牢に行ったと聞きました。このアザさんと涙の跡はどうゆう事ですか」
どうやら怒っているらしい…どう説明するか悩んでいたらグラント様の怒りの矛先がクレイブ様に向かった。しかしクレイブ様は冷静に対応され
「閣下。鼠が彷徨いているやもしれません。事情は部屋にてご説明致します故まずは部屋に戻ります」
そうだ!早く特殊メイク直さないと人目に出れない。グラント様の手を引き部屋に戻ろうとすると、不意に体が浮いた。
「私がお抱えした方が早い」
グラント様はじめ皆んな部屋に急いで移動しています。もぅ”おろして”なんて言える雰囲気ではありません。グラント様の腕の中で大人しくするしかありませんでした。
部屋に着くと『いつ連絡したの?』髪結さんと針子のケイトさんが待機している。やはり城内無線?
女性陣と寝室に入り再支度を始めます。
お化粧と髪はあっという間に直り、後は首元のアザをどう隠すかが目下の問題だ。
白粉で隠そうとしたが傷に白粉がしみるし、他のネックレスを付けたがやはり傷に当たり痛い!
悩む皆んなに謝る事しか出来ない私。
冷静に考えたらアニメみたいにネックレスを引き千切るなんて出来る訳ないのに嫌すぎて頭に無かった。目の前に裁縫道具を抱えたケイティさんと目が合う。
「そうだ!ケイトさん太めのサテンかシルクのリボンは有りますか?」
驚いたケイトさんは慌てて裁縫道具を探し、5色のシルクのリボンを出してくれた。
やり!生成りのシルクのリボンを選びチョーカーの様に首元に結んだ。
「多恵様!アザが隠れる上愛らしさが増します」
ケイトさんは感動し髪結さんはリボンが綺麗に見える様に髪を少し直してくれた。姿見で確認したらアザは隠れたぞ!私やるじゃん!
体を捻り後姿も確認したら…
「飼い猫みたい…」
思わず呟いたら皆んな頷いている。やっぱり猫ですか…私は断然犬派なんですが…
居間に戻るとグラント様とクレイブ様が難しい顔で話をしています。私に気付いたグラント様は足早に来てハグしてソファーに座らせてくれた。
私の前に跪き優しい眼差しを向けてくる。グラント様も正装をしていて眩しくて直視出来ない。
「クレイブ殿から話は聞きました。貴女が気に病む事は有りません。殿下とも相談し対処いたします。貴女には笑顔でいて欲しい」
「すみません。皆さんにご迷惑をおかけしました」
グラント様は目を細めて
「貴女には真珠よりリボンがお似合いだ」
褒められ恥ずかしくて俯いたらグラント様は囁く様に
「何処かに貴女を閉じめ他の男の目に付かない様にし私だけが愛でたい」
そう言われて更に頬が熱くなる。すると不意に風が吹き体が浮いたと思ったら目の前にフィラがいた。
「準備いいか?」
フィラはいつもと違う装いでカッコいい。金糸の刺繍が施されたローブとフィラの深緑の長髪がとても合っている。男性陣の方が綺麗って女の私の立場が無い…そんな事考えていたらフィラの綺麗な顔が近づく。またキスしようとしている!
また手の平でフィラの唇を塞ぐ。
後方で舌打ちが聞こえたのは気のせい?…では無くグラント様が不機嫌な顔をしている。
焦る私を後目にフィラは私の姿をまじまじ見て
「お前は何を着ても可愛いいなぁ!」
「支度下さった皆さんの腕が良すぎて別人でしょう⁈このリボンなんて飼い猫みたいだし…」
褒められ慣れてい無い私は照れ隠しに自虐発言をしてしまう。すると
「お前はどんな格好でも可愛いのだから自分を卑下するな。飼い猫かぁ…勿論ウチの猫こだよな!」
背後から引き寄せられグラント様にバックハグされた。グラント様は無表情で…
「妖精王、恐れながらウチの猫にちょっかい出さないでいただきたい」
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