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62.スパイ
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今部屋で1人お茶と大好きなフィナンシェを食べています。次の部屋は1人部屋。女官用なので部屋に洗面とバストイレもあり広い。
またワンフロアを貸し切り。L字型の建物で階段を挟み5部屋と3部屋ある。
3部屋側を緊急修繕という名目で4階建の2階を利用します。私のせいでベテランの女官さんが4階の空き部屋に移動する事になったそうです。ごめんなさい。
お茶が終わりまったりしているとアンリさんとケイティさんが来た。
鼠さんの報告があるそうです。
先程第3騎士団が鼠さんを確保。鼠さんは外の間者に私の居場所を知らせようと伝書鳩を飛ばした。そこに第3騎士団の鷹匠が王家公認のチャームを付けていない鳩が王城から飛び立ったの発見して鳩を確保。トーイ殿下が手紙を確認すると私の居場所と警備情報が詳細に書かれていたそうだ。
トーイ殿下は乙女は少数精鋭で昼過ぎに妖精国に向かったと嘘の手紙を伝書鳩に持たせて飛ばし、鷹に追跡させ間者を確保。次に伝書鳩に鼠宛の嘘の手紙を持たせて飛ばし、今度は鼠さんを確保した。
鷹匠!かっこいい!今度トーイ殿下にお願いして見学させてもらおう。
更にびっくりした事に鼠さんは雄だったんです。私より可愛かったし綺麗だったよ!
鼠の顛末を聞いた後グラント様からまた手紙が来ました。グラント様って筆まめですね。
あっそか携帯やメールがないから連絡事項は手紙になるのね!失念していました。グラント様御免なさい。
”愛する多恵様
予測はしておりましたが鼠が紛れ込んでいたようです。まだいるやもしれませんので不要に出歩かないようお願いいたします。
尚、キース殿から港で多恵様監修の防護靴がレオン皇太子の耳に入り、興味を持たれた様で今靴職人とそのご家族をファーブス公爵家で保護しているそうです。いずれファーブス領や港からマスクの情報もレオン皇太子の耳に入る事でしょう。そうなると城内の針子の作業場も安全ではありません。最悪…王族のお部屋に滞在していただく事も考慮下さい。できうる限り多恵様の意向を聞き安全を確保いたしますので、暫し我慢下さい。
皇太子帰国後は貴女との逢瀬をたのしみにしております。“
防護靴やマスクから私につながるなんて思ってもみなかった。キース様も大変だ。人のうわさ話や会話まで制限できないから、思わぬところから確信につながる。それにしても王族の部屋は絶対避けたいよ緊張でお茶すら喉を通らないから…
取りあえず今日はもう出ません。夜はフィラもきてロイドの事もあるし…
リリスの報酬は破格な分仕事もキツイっす!もっといいお願いに変えようとかなぁ…
ぼんやり外を見ると夕焼けがキレイ・・・すぐ夜だなぁ…ふと外の中庭を見るとケニー様が部屋を見上げている。
『えっ!』
なんでこんな所に…カーテンを閉めているからケニー様からは私は見えないと思うけど…
分からないけど怖くなって扉の外のローラさんにケイティさんを呼んでもらう。
直ぐにケイティさんが来てくれた。不安顔な私を見て背をさすってくれる。
ケイティさんに指を差しケニー様を指す。ケニー様は踵を返し去っていった。
「なぜこんなところにケニー様が…多恵様の居場所は一部の者しか知りません。ケニー様は知らされていないはずです…」
「偶然?ですかね…」
「私には分かりかねます」
でも偶然で私の部屋を見上げるなんて出来るの⁈
ケニー様の立ち位置が分からないから怖い。フィラに相談した方がいいだろうか⁈
6刻の鐘の音が鳴りケイティさんが夕食を運んでくれました。また部屋を移って落ち着かないから我儘を言ってケイティさんとアンリさん、ローラさんと4人で食事をとります。
女子会みたいで楽しい!やっぱり女子が揃うと恋バナです。ケイティさんはなっなんと!婚約者さんがいて来年末にお嫁に行くそうです。お相手は伯爵家ご嫡男で”物静かなお方で少し物足りなの”と照れながら話すケイティさん。ごちそうさまです♪
アンリさんもローラさんも騎士に彼氏がいるそうです。ですよね…皆スタイル抜群で美女ですもん。いない方がおかしい
食後のお茶を飲んでほっこりして雑談を続けていたら最年少のローラさんが
「多恵様はお相手はお決めになったのですか?」
「「「へっ?」」」
爆弾発言に私は固まりアンリさんとケイティさんは焦りだしローラさんを叱っています。
『お相手?』
と言われて一番に浮かんだのがフィラだった。
急に黙ってしまった私を見て部屋の中が変な空気に包まれます。最年長のケイティさんが
「多恵様。箱庭にいらしゃってまだ1か月ほどしか経っていませんよ。焦らずご自分のペースでよろしいのですよ」
「ありがとう」
でもねケイティさん!お相手方がグイグイ来るから自分のペースなんて無理なんですよ…
悪い人や嫌な人いないからいっその事チャチャっと決めちゃったら平穏な日々が来るのだろうか⁈
否!絶対わちゃわちゃになり地獄だ。もういいや…思考回路を一時停止しよう…
考えるのを止めてぼんやりしていたら6刻半になり騎士さんが交代するようです。アンリさんお疲れ様でした。ローラさんはこのまま付いてくれます。新たにミリアさんとカリナさんが付いてくれます。今皇太子が城内にいるので一人増えるそうです。
侍女もケイティさんは交代でサリナさんが来てくれました。私一人に沢山方にお世話してもらって申し訳なく思い小さくなっています。サリナさんが綺麗な水色の箱を渡してくれました。箱はキース様からの贈り物です。開けるとチョコラーテとメッセージカードが入っていてメッセージには
“私も同じものを食し貴女を近くに感じ励みます。多恵様も同じであれば嬉しいです。早くお会いしたい…”
チョコラーテを手に取り相変わらずキース様の言葉はチョコ並みに甘いなぁっと感心する。
今ベイグリーの船の管理で大変なキース様にお礼の手紙をサリナさんに代筆してもらい送ってもらった。おこがましいが私の手紙で元気になってくれたら嬉しいなぁ…
またワンフロアを貸し切り。L字型の建物で階段を挟み5部屋と3部屋ある。
3部屋側を緊急修繕という名目で4階建の2階を利用します。私のせいでベテランの女官さんが4階の空き部屋に移動する事になったそうです。ごめんなさい。
お茶が終わりまったりしているとアンリさんとケイティさんが来た。
鼠さんの報告があるそうです。
先程第3騎士団が鼠さんを確保。鼠さんは外の間者に私の居場所を知らせようと伝書鳩を飛ばした。そこに第3騎士団の鷹匠が王家公認のチャームを付けていない鳩が王城から飛び立ったの発見して鳩を確保。トーイ殿下が手紙を確認すると私の居場所と警備情報が詳細に書かれていたそうだ。
トーイ殿下は乙女は少数精鋭で昼過ぎに妖精国に向かったと嘘の手紙を伝書鳩に持たせて飛ばし、鷹に追跡させ間者を確保。次に伝書鳩に鼠宛の嘘の手紙を持たせて飛ばし、今度は鼠さんを確保した。
鷹匠!かっこいい!今度トーイ殿下にお願いして見学させてもらおう。
更にびっくりした事に鼠さんは雄だったんです。私より可愛かったし綺麗だったよ!
鼠の顛末を聞いた後グラント様からまた手紙が来ました。グラント様って筆まめですね。
あっそか携帯やメールがないから連絡事項は手紙になるのね!失念していました。グラント様御免なさい。
”愛する多恵様
予測はしておりましたが鼠が紛れ込んでいたようです。まだいるやもしれませんので不要に出歩かないようお願いいたします。
尚、キース殿から港で多恵様監修の防護靴がレオン皇太子の耳に入り、興味を持たれた様で今靴職人とそのご家族をファーブス公爵家で保護しているそうです。いずれファーブス領や港からマスクの情報もレオン皇太子の耳に入る事でしょう。そうなると城内の針子の作業場も安全ではありません。最悪…王族のお部屋に滞在していただく事も考慮下さい。できうる限り多恵様の意向を聞き安全を確保いたしますので、暫し我慢下さい。
皇太子帰国後は貴女との逢瀬をたのしみにしております。“
防護靴やマスクから私につながるなんて思ってもみなかった。キース様も大変だ。人のうわさ話や会話まで制限できないから、思わぬところから確信につながる。それにしても王族の部屋は絶対避けたいよ緊張でお茶すら喉を通らないから…
取りあえず今日はもう出ません。夜はフィラもきてロイドの事もあるし…
リリスの報酬は破格な分仕事もキツイっす!もっといいお願いに変えようとかなぁ…
ぼんやり外を見ると夕焼けがキレイ・・・すぐ夜だなぁ…ふと外の中庭を見るとケニー様が部屋を見上げている。
『えっ!』
なんでこんな所に…カーテンを閉めているからケニー様からは私は見えないと思うけど…
分からないけど怖くなって扉の外のローラさんにケイティさんを呼んでもらう。
直ぐにケイティさんが来てくれた。不安顔な私を見て背をさすってくれる。
ケイティさんに指を差しケニー様を指す。ケニー様は踵を返し去っていった。
「なぜこんなところにケニー様が…多恵様の居場所は一部の者しか知りません。ケニー様は知らされていないはずです…」
「偶然?ですかね…」
「私には分かりかねます」
でも偶然で私の部屋を見上げるなんて出来るの⁈
ケニー様の立ち位置が分からないから怖い。フィラに相談した方がいいだろうか⁈
6刻の鐘の音が鳴りケイティさんが夕食を運んでくれました。また部屋を移って落ち着かないから我儘を言ってケイティさんとアンリさん、ローラさんと4人で食事をとります。
女子会みたいで楽しい!やっぱり女子が揃うと恋バナです。ケイティさんはなっなんと!婚約者さんがいて来年末にお嫁に行くそうです。お相手は伯爵家ご嫡男で”物静かなお方で少し物足りなの”と照れながら話すケイティさん。ごちそうさまです♪
アンリさんもローラさんも騎士に彼氏がいるそうです。ですよね…皆スタイル抜群で美女ですもん。いない方がおかしい
食後のお茶を飲んでほっこりして雑談を続けていたら最年少のローラさんが
「多恵様はお相手はお決めになったのですか?」
「「「へっ?」」」
爆弾発言に私は固まりアンリさんとケイティさんは焦りだしローラさんを叱っています。
『お相手?』
と言われて一番に浮かんだのがフィラだった。
急に黙ってしまった私を見て部屋の中が変な空気に包まれます。最年長のケイティさんが
「多恵様。箱庭にいらしゃってまだ1か月ほどしか経っていませんよ。焦らずご自分のペースでよろしいのですよ」
「ありがとう」
でもねケイティさん!お相手方がグイグイ来るから自分のペースなんて無理なんですよ…
悪い人や嫌な人いないからいっその事チャチャっと決めちゃったら平穏な日々が来るのだろうか⁈
否!絶対わちゃわちゃになり地獄だ。もういいや…思考回路を一時停止しよう…
考えるのを止めてぼんやりしていたら6刻半になり騎士さんが交代するようです。アンリさんお疲れ様でした。ローラさんはこのまま付いてくれます。新たにミリアさんとカリナさんが付いてくれます。今皇太子が城内にいるので一人増えるそうです。
侍女もケイティさんは交代でサリナさんが来てくれました。私一人に沢山方にお世話してもらって申し訳なく思い小さくなっています。サリナさんが綺麗な水色の箱を渡してくれました。箱はキース様からの贈り物です。開けるとチョコラーテとメッセージカードが入っていてメッセージには
“私も同じものを食し貴女を近くに感じ励みます。多恵様も同じであれば嬉しいです。早くお会いしたい…”
チョコラーテを手に取り相変わらずキース様の言葉はチョコ並みに甘いなぁっと感心する。
今ベイグリーの船の管理で大変なキース様にお礼の手紙をサリナさんに代筆してもらい送ってもらった。おこがましいが私の手紙で元気になってくれたら嬉しいなぁ…
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