48 / 150
48.良くないもの
しおりを挟む
部屋に入るとケイティさんが迎えてくれる。食事の前にケイティさんにラストダンスの件を相談をすると、ケイティさんは…
「ラストダンスは親愛を意味し身内の年長者にお願いするのが一般的です。最近では兄弟や従兄をパートナーにされる方も多いので、広い意味で信頼を置いている方という意味で認識しています。そう考えるならばアーサー殿下をラストダンスのパートナーに選べば、多恵様がアルディア王国に対し信頼されておられる印象を与える事になります。陛下は他国に多恵様との良好な関係性を示せるとお考えだと推察いたします。まぁ…アーサー殿下は多恵様の特別になりたいのだと思いますが…」
「じゃ!受けても問題ない?受けてまたグラント様やキース様が乗り込んで来ない⁈」
少し安心して受けても良いかと思ったら
「そこは微妙ですね…」
「えっ?微妙なん…ですか⁈ ちょっと考えてみます」
こうしてエスコートでまた悩む事になった。私が悩んでいる内にケイティさんは夕食の準備を始め、私は待っている間ソファー座りぼんやり。
そもそもダンス自体したくない。初めは最低1曲って言ってたじゃん!だったらフィラと踊って終わりでは駄目なの⁈ それにあと2週間ほどしかないのに今だステップしか出来ていない。
その上、伴侶候補が増えたせいで踊る人も増えている。
『私何か悪い事した? もー罰でしかないんだけど…』
モヤモヤした気持ちで夕食を済ませ、食後はすぐに寝室に入りベッドに潜り休みます。寝るには少し早いかと思ってけど、お休み5秒でした。
『ぅーん…眩しい』
目を開けると目の前を妖精さんがふわふわと飛んでいます。
「おはよう。朝からご苦労様です。今日は何かあるの?」
妖精はテラスの窓近くに集まっています。窓からテラスを除くとベンチにフィラが座っている。慌ててテラスに出るとフィラが来て抱き寄せてきます。初めのうちはドギマギしたけどもう慣れちゃいました。まだ日が昇る前で辺りはまだ少し暗い。寒くて身震いすると、妖精さんが部屋からショールを持ってきてくれた。フィラ丁寧にそれをかけてくれ、再度抱きしめます。
「おはよう。昨日はありがとう。舞踏会よろしくね」
「ああ…。アルディア王から返事が来ていた。昨晩お前に会いに来たら寝ていたので出直した」
「そんなんだ。ごめんね」
そう言うと額に口付けて
「朝からお前の顔が見れたからいい」
朝から甘いフィラがこそばゆい。でも何だろう少し不機嫌?
「リリスから伝言がある。第2女神の箱庭に良くないものが多恵に向いているから気を付けるようにと」
「何それ⁉︎怖い怖い… 第2女神の箱庭って近いの?」
「船で3日はかかる。リリスは多恵の召喚で力が弱っているからあまりあてにならん。大丈夫だ、俺がいる」
遠くで2刻の鐘の音が聞こえてきた。そろそろケイティさんが起こしに来る。
「また来る、用心しろ!」
「ちょっと待て!そんなふわっとした情報では分からないよ!用心しようがないじゃん!」
フィラは急ぐ様に帰っていった。また事件とか嫌だからね!
寒いので直ぐ寝室に戻りベッドに入った。ケイティさんが起こしに来るまで色々考えてみるけど、良くないものって何?
『たえ こわい?』
『“良くないもの”って怖いじゃん』
『てん フィラ いる』
『そうだね…よろしくね』
『だいじょうぶ てん つよい』
てん君呼んでもふもふしようとしたらケイティさんが来た。てん君ごめん…夜もふもふするね!
いつも通り朝食を食べ湯浴みを終えると、ケイティさんが今日の午前中は自由になったと教えてくれた。どうやらアーサー殿下が面会続きの私を気遣って調整してくれたようだ。
でも、今日から舞踏会までは毎日ダンスのレッスンが入る。ホンと嫌!
午前中何をしようか考えて書物庫と城内の針子さんの作業場を見せてもらう事にしました。
書物庫はフィラが言っていた第2女神の箱庭の事を知るために本を借り、針子さんはこの世界の縫物事情を知るため。
早速、騎士さんに護衛を頼み書物庫へ。今日は誰とも遭遇しません様に…
書物庫まで誰にも会わずに着けた。でも何かありそうで怖い…書物庫に入ると…誰も居ない! ちょっと神経質になり過ぎかなぁ。
すぐにトーマスさんが来てくれ前に借りた本を返して、第2女神の箱庭について書かれてる本を教えてもらう。
トーマスさんは”女神イリアの箱庭”という本を選んでくれた。この本は女神イリアが箱庭創成から現代までを解説本らしい。
『この本に”良くないモノ”のヒントがあればいいけど…それにしても重!』
この国は紙はあるが1枚1枚が分厚く自ずと本が重い。文庫本位の内容でも百科事典位ある。今日も騎士さんが持ってくれます。感謝!
トーマスさんの案内を断り1人で本を見て回っていると、奥の扉からケニー様が出てきた。
「ん?」
ケニー様の表情は厳しく何か怖い… 美少年が台無しだよ⁉︎ ケニー様は私を見るなり驚いた表情をして、駆け寄ってきた。
「多恵殿…今日はどうされました。調べてものですか?」
「おはようございますケニー様。午前中は自由になったので」
ケニー様は急に最敬礼して事件の事を詫びられました。直接関係無いのからいいのに… 謝罪をお受けしてしばらく立場話をしています。
「そういえばケニー様が出てこられた部屋は何が有るんですか?」
「トーイ殿下の命で禁書庫に本の返却に参りました。内密ですので他言無用でお願いします」
「あっはい」
口前に指でバツをして返事をしたら、ケニー様はフリーズして目が点に⁈ そして下を向いて控えめに笑ってる!
「やはり貴女は素敵だ」
手を取られて手の甲に口付けされた。箱庭男性の褒め褒め社交辞令もだけど、この様なスキンシップが多く慣れない。元の世界で本で読んでてちょっぴり憧れていたけど、実際されると恥ずかしくて困るだけだった。憧れは実現しない方がいい事もあるんだと実感する。
「ラストダンスは親愛を意味し身内の年長者にお願いするのが一般的です。最近では兄弟や従兄をパートナーにされる方も多いので、広い意味で信頼を置いている方という意味で認識しています。そう考えるならばアーサー殿下をラストダンスのパートナーに選べば、多恵様がアルディア王国に対し信頼されておられる印象を与える事になります。陛下は他国に多恵様との良好な関係性を示せるとお考えだと推察いたします。まぁ…アーサー殿下は多恵様の特別になりたいのだと思いますが…」
「じゃ!受けても問題ない?受けてまたグラント様やキース様が乗り込んで来ない⁈」
少し安心して受けても良いかと思ったら
「そこは微妙ですね…」
「えっ?微妙なん…ですか⁈ ちょっと考えてみます」
こうしてエスコートでまた悩む事になった。私が悩んでいる内にケイティさんは夕食の準備を始め、私は待っている間ソファー座りぼんやり。
そもそもダンス自体したくない。初めは最低1曲って言ってたじゃん!だったらフィラと踊って終わりでは駄目なの⁈ それにあと2週間ほどしかないのに今だステップしか出来ていない。
その上、伴侶候補が増えたせいで踊る人も増えている。
『私何か悪い事した? もー罰でしかないんだけど…』
モヤモヤした気持ちで夕食を済ませ、食後はすぐに寝室に入りベッドに潜り休みます。寝るには少し早いかと思ってけど、お休み5秒でした。
『ぅーん…眩しい』
目を開けると目の前を妖精さんがふわふわと飛んでいます。
「おはよう。朝からご苦労様です。今日は何かあるの?」
妖精はテラスの窓近くに集まっています。窓からテラスを除くとベンチにフィラが座っている。慌ててテラスに出るとフィラが来て抱き寄せてきます。初めのうちはドギマギしたけどもう慣れちゃいました。まだ日が昇る前で辺りはまだ少し暗い。寒くて身震いすると、妖精さんが部屋からショールを持ってきてくれた。フィラ丁寧にそれをかけてくれ、再度抱きしめます。
「おはよう。昨日はありがとう。舞踏会よろしくね」
「ああ…。アルディア王から返事が来ていた。昨晩お前に会いに来たら寝ていたので出直した」
「そんなんだ。ごめんね」
そう言うと額に口付けて
「朝からお前の顔が見れたからいい」
朝から甘いフィラがこそばゆい。でも何だろう少し不機嫌?
「リリスから伝言がある。第2女神の箱庭に良くないものが多恵に向いているから気を付けるようにと」
「何それ⁉︎怖い怖い… 第2女神の箱庭って近いの?」
「船で3日はかかる。リリスは多恵の召喚で力が弱っているからあまりあてにならん。大丈夫だ、俺がいる」
遠くで2刻の鐘の音が聞こえてきた。そろそろケイティさんが起こしに来る。
「また来る、用心しろ!」
「ちょっと待て!そんなふわっとした情報では分からないよ!用心しようがないじゃん!」
フィラは急ぐ様に帰っていった。また事件とか嫌だからね!
寒いので直ぐ寝室に戻りベッドに入った。ケイティさんが起こしに来るまで色々考えてみるけど、良くないものって何?
『たえ こわい?』
『“良くないもの”って怖いじゃん』
『てん フィラ いる』
『そうだね…よろしくね』
『だいじょうぶ てん つよい』
てん君呼んでもふもふしようとしたらケイティさんが来た。てん君ごめん…夜もふもふするね!
いつも通り朝食を食べ湯浴みを終えると、ケイティさんが今日の午前中は自由になったと教えてくれた。どうやらアーサー殿下が面会続きの私を気遣って調整してくれたようだ。
でも、今日から舞踏会までは毎日ダンスのレッスンが入る。ホンと嫌!
午前中何をしようか考えて書物庫と城内の針子さんの作業場を見せてもらう事にしました。
書物庫はフィラが言っていた第2女神の箱庭の事を知るために本を借り、針子さんはこの世界の縫物事情を知るため。
早速、騎士さんに護衛を頼み書物庫へ。今日は誰とも遭遇しません様に…
書物庫まで誰にも会わずに着けた。でも何かありそうで怖い…書物庫に入ると…誰も居ない! ちょっと神経質になり過ぎかなぁ。
すぐにトーマスさんが来てくれ前に借りた本を返して、第2女神の箱庭について書かれてる本を教えてもらう。
トーマスさんは”女神イリアの箱庭”という本を選んでくれた。この本は女神イリアが箱庭創成から現代までを解説本らしい。
『この本に”良くないモノ”のヒントがあればいいけど…それにしても重!』
この国は紙はあるが1枚1枚が分厚く自ずと本が重い。文庫本位の内容でも百科事典位ある。今日も騎士さんが持ってくれます。感謝!
トーマスさんの案内を断り1人で本を見て回っていると、奥の扉からケニー様が出てきた。
「ん?」
ケニー様の表情は厳しく何か怖い… 美少年が台無しだよ⁉︎ ケニー様は私を見るなり驚いた表情をして、駆け寄ってきた。
「多恵殿…今日はどうされました。調べてものですか?」
「おはようございますケニー様。午前中は自由になったので」
ケニー様は急に最敬礼して事件の事を詫びられました。直接関係無いのからいいのに… 謝罪をお受けしてしばらく立場話をしています。
「そういえばケニー様が出てこられた部屋は何が有るんですか?」
「トーイ殿下の命で禁書庫に本の返却に参りました。内密ですので他言無用でお願いします」
「あっはい」
口前に指でバツをして返事をしたら、ケニー様はフリーズして目が点に⁈ そして下を向いて控えめに笑ってる!
「やはり貴女は素敵だ」
手を取られて手の甲に口付けされた。箱庭男性の褒め褒め社交辞令もだけど、この様なスキンシップが多く慣れない。元の世界で本で読んでてちょっぴり憧れていたけど、実際されると恥ずかしくて困るだけだった。憧れは実現しない方がいい事もあるんだと実感する。
応援ありがとうございます!
2
お気に入りに追加
39
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる