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30.熱い視線
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朝はいつも通り2刻の鐘の音で目が覚めた。
ライカさんが起こしに来る前に居間に行く。
「おはようございます」
「え!」
ライカさんは私を見てびっくりしている? 私だって自分で起きますよ!
「多恵様…お早いですね…」
「今日は頑張らないといけないからね~」
「では早く用意しましょうね」
ライカさんはテキパキと朝食の準備をしてくれる。
朝食を食べているとライカさんが茶葉の缶を持って来た。
「多恵様。サリナ嬢が馬車移動の休憩用に茶葉を用意いたしました。リラックス効果のある茶葉で少し独特な香りがしますが、長時時間の移動で疲れた身体によく効くそうです。是非みなさんでお召し上がり下さい」
「ありがとうございます。サリナさんにもお礼を伝えて下さいね」
「承知しました。では荷物に入れておきますね」
流石サリナさん気遣いの人だ!
今日は馬車移動なので見た目より着心地さ重視でシンプルなワンピースにしてもらい準備OK。小さな巾着にハンカチとマスクの作り方を書いたメモとペンを入れ用意します。しばらくすると第1騎士団の女騎士のミリアさんがお迎えに来てくれました。
赤茶の髪を後ろに一つに束ね可愛らしいお顔立ち騎士さんです。やはり彼女も背が高い! スタイルいいし羨ましいです。
ミリアさんとお喋りしながら集合場所に着くと、オブルライト家の家紋が入った大きな馬車が停まっているのが目に入る。そして馬車の前にはアーサー殿下とグラント様がいて…
「あっ!デュークさんとガイさん」
私のせいで謹慎になちゃったお2人もいて、嬉しくて思わず駆け寄っちゃいました。慌ててミリアさんが付いて来てくれます。あはは… ゴメンなさいミリアさん。
「デュークさん!ガイさん!おはようございます。先日はすみませんでした。今日はよろしくお願いします」
「多恵様。おはようございます。もう気になさらないで下さい。これからもお護り出来て光栄です」
「お2人がいらっしゃったら安心です」
お2人と楽しく会話していると急に後ろから手を取られ ”くるっ” と半回転させられた。その先にはグラント様がいて…
「他の者に先に挨拶されるとは、私に当て付けですか?」
目の前に登場したグラント様は少し不機嫌だ。
「あっ!グラント様おはようございます」
「グラント。多恵殿を離してやりなさい。困っているだろう。悋気はみっともないぞ」
不機嫌なグラント様越しにアーサー殿下が視界に入り殿下にご挨拶する。
「殿下。おはようございます」
「ああ…おはよう多恵殿」
未だグラント様に手を取られたままで、いい加減離して欲しいんですが… 目線で”離して”と伝えてみる。
結果は… 美しい微笑みを返されそのまま奥で待機している騎士さんの元にエスコートを始めた。困った顔をしながらミリアさんが付いてくる。
「公爵家の騎士団の者を紹介しましょう」
グラント様は機嫌良く騎士さんに紹介してくれ、紹介が終わると
「出発する。騎乗せよ!」
グラント様が指示を出すグラント様はまた馬車までエスコートしてくれます。あれ?向こうからライカさんが走って来てる⁈
するとミリアさんが私とグラント様の前に立ち剣に手をかけライカさんを警戒する
「止まりなさい。そこで要件を述べよ」
「ミリアさん私のお世話をしてくれているライカさんで怪しくないですから!」
抜刀しそうなミリアさんを止める。すると息を切らしたライカさんが
「失礼いたしました。多恵様付きの侍女でライカと申します。多恵様のショールを荷物に入れ忘れ届けに参りました」
「ショール?」
今は寒い時期ではないけど?
「お帰りが遅くなると冷えます故お持ち下さい」
「ありがとうございます。もう出発なので馬車に入れて行きます」
ミリアさんがショールの入った袋をライカさんから受け取り運んでくれる。
ライカさんにお礼を伝えようとして彼女に視線を送ると、ライカさんは誰かに熱い視線を送っている。
『誰を見てるの⁈』
ライカさんの視線の先を追ってみると… その先は私の頭上にある。そう熱い視線の先はグラント様でした。
『あ…納得!』
グラント様は美形だらけの箱庭男性の中でも飛び抜けて男前だもん! 目が行くよね~ 分かる~
私が見上げているに気付いたグラント様は目元を緩め
「あまり見つめられると自制が効かなくなりますよ。これでも抑えているんですから!」
とウィンクし顔を寄せる。
「これでですか?結構押されてますけど」
「私の本気はこんなものではありませんよ。試されてみますか⁈」
「遠慮しときます」
そう言うとグラント様は楽しそうに笑ってる。
予定より遅れていて騎士さんに急かされ慌てて馬車に向かい、ミリアさんが車内の安全確認をした。そしてグラント様のエスコートで搭乗し続いてミリアさんが乗って準備はOK!
「出発!」
グラント様の掛け声で馬車が動き出し、オブルライト家の別邸に向かいます。
車内ではミリアさんと恋愛話に花が咲く。私は興味津々で女騎士の恋愛事情を根掘り葉掘り聞いていた。ミリアさん曰く女騎士の恋愛対象は圧倒的に騎士が多く、7割近くが王国騎士団に相手がいるんだって。
「出会いの場が無いので、身近なところに落ち着くんです」
とミリアさんがしみじみ話す。ミリアさんも彼氏が騎士団の方らしいけど、どんなに聞いても誰かは教えてくれない。婚約までしたら教えてくれるかなぁ? そんな事を考えているうちに休憩地に着いた。
ライカさんが起こしに来る前に居間に行く。
「おはようございます」
「え!」
ライカさんは私を見てびっくりしている? 私だって自分で起きますよ!
「多恵様…お早いですね…」
「今日は頑張らないといけないからね~」
「では早く用意しましょうね」
ライカさんはテキパキと朝食の準備をしてくれる。
朝食を食べているとライカさんが茶葉の缶を持って来た。
「多恵様。サリナ嬢が馬車移動の休憩用に茶葉を用意いたしました。リラックス効果のある茶葉で少し独特な香りがしますが、長時時間の移動で疲れた身体によく効くそうです。是非みなさんでお召し上がり下さい」
「ありがとうございます。サリナさんにもお礼を伝えて下さいね」
「承知しました。では荷物に入れておきますね」
流石サリナさん気遣いの人だ!
今日は馬車移動なので見た目より着心地さ重視でシンプルなワンピースにしてもらい準備OK。小さな巾着にハンカチとマスクの作り方を書いたメモとペンを入れ用意します。しばらくすると第1騎士団の女騎士のミリアさんがお迎えに来てくれました。
赤茶の髪を後ろに一つに束ね可愛らしいお顔立ち騎士さんです。やはり彼女も背が高い! スタイルいいし羨ましいです。
ミリアさんとお喋りしながら集合場所に着くと、オブルライト家の家紋が入った大きな馬車が停まっているのが目に入る。そして馬車の前にはアーサー殿下とグラント様がいて…
「あっ!デュークさんとガイさん」
私のせいで謹慎になちゃったお2人もいて、嬉しくて思わず駆け寄っちゃいました。慌ててミリアさんが付いて来てくれます。あはは… ゴメンなさいミリアさん。
「デュークさん!ガイさん!おはようございます。先日はすみませんでした。今日はよろしくお願いします」
「多恵様。おはようございます。もう気になさらないで下さい。これからもお護り出来て光栄です」
「お2人がいらっしゃったら安心です」
お2人と楽しく会話していると急に後ろから手を取られ ”くるっ” と半回転させられた。その先にはグラント様がいて…
「他の者に先に挨拶されるとは、私に当て付けですか?」
目の前に登場したグラント様は少し不機嫌だ。
「あっ!グラント様おはようございます」
「グラント。多恵殿を離してやりなさい。困っているだろう。悋気はみっともないぞ」
不機嫌なグラント様越しにアーサー殿下が視界に入り殿下にご挨拶する。
「殿下。おはようございます」
「ああ…おはよう多恵殿」
未だグラント様に手を取られたままで、いい加減離して欲しいんですが… 目線で”離して”と伝えてみる。
結果は… 美しい微笑みを返されそのまま奥で待機している騎士さんの元にエスコートを始めた。困った顔をしながらミリアさんが付いてくる。
「公爵家の騎士団の者を紹介しましょう」
グラント様は機嫌良く騎士さんに紹介してくれ、紹介が終わると
「出発する。騎乗せよ!」
グラント様が指示を出すグラント様はまた馬車までエスコートしてくれます。あれ?向こうからライカさんが走って来てる⁈
するとミリアさんが私とグラント様の前に立ち剣に手をかけライカさんを警戒する
「止まりなさい。そこで要件を述べよ」
「ミリアさん私のお世話をしてくれているライカさんで怪しくないですから!」
抜刀しそうなミリアさんを止める。すると息を切らしたライカさんが
「失礼いたしました。多恵様付きの侍女でライカと申します。多恵様のショールを荷物に入れ忘れ届けに参りました」
「ショール?」
今は寒い時期ではないけど?
「お帰りが遅くなると冷えます故お持ち下さい」
「ありがとうございます。もう出発なので馬車に入れて行きます」
ミリアさんがショールの入った袋をライカさんから受け取り運んでくれる。
ライカさんにお礼を伝えようとして彼女に視線を送ると、ライカさんは誰かに熱い視線を送っている。
『誰を見てるの⁈』
ライカさんの視線の先を追ってみると… その先は私の頭上にある。そう熱い視線の先はグラント様でした。
『あ…納得!』
グラント様は美形だらけの箱庭男性の中でも飛び抜けて男前だもん! 目が行くよね~ 分かる~
私が見上げているに気付いたグラント様は目元を緩め
「あまり見つめられると自制が効かなくなりますよ。これでも抑えているんですから!」
とウィンクし顔を寄せる。
「これでですか?結構押されてますけど」
「私の本気はこんなものではありませんよ。試されてみますか⁈」
「遠慮しときます」
そう言うとグラント様は楽しそうに笑ってる。
予定より遅れていて騎士さんに急かされ慌てて馬車に向かい、ミリアさんが車内の安全確認をした。そしてグラント様のエスコートで搭乗し続いてミリアさんが乗って準備はOK!
「出発!」
グラント様の掛け声で馬車が動き出し、オブルライト家の別邸に向かいます。
車内ではミリアさんと恋愛話に花が咲く。私は興味津々で女騎士の恋愛事情を根掘り葉掘り聞いていた。ミリアさん曰く女騎士の恋愛対象は圧倒的に騎士が多く、7割近くが王国騎士団に相手がいるんだって。
「出会いの場が無いので、身近なところに落ち着くんです」
とミリアさんがしみじみ話す。ミリアさんも彼氏が騎士団の方らしいけど、どんなに聞いても誰かは教えてくれない。婚約までしたら教えてくれるかなぁ? そんな事を考えているうちに休憩地に着いた。
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