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29.仮病?
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今日は糖分の過剰摂取で頭痛がする。ケニー様が退室後は陛下との食事会まで寝室で休んでいます。お願いします…そっとして置いて下さい。
6刻が近づきライカさんが呼びに来ました。
陛下にお会いするので湯あみをし、いつもより華やかな衣服を選びます。いつも髪は面倒で下ろしてばかりだけど、ライカさんがキレイに髪を結ってくれました
時間が来たので護衛騎士のポールさんとジャンさんとダイニングルームに向かいます。
この箱庭にも季節があるようで、三季(秋・冬・春)があり今は秋。日が落ちるのが早く、廊下に蝋燭が灯り外は薄暗くなってきました。
『すぐに冬が来るんだなぁ…早くオブルライト領の対策に動かないと…』
考え事をしていると、前からトーイ殿下が歩いてきます。
「多恵殿ご機嫌麗しく今日は髪を結われているのですね!おキレイだ」
ありがとうございます。社交辞令!
「ありがとうございます。殿下公務は終わられたのですか⁈」
「一通り終わり自室に戻るところです。そうそう今日はケニーとの面会でしたね。あやつ昨日から使い物にならない程浮かれていて、他の団員から顰蹙をかうほどでした。多恵殿に迷惑をおかけしませんでしたか⁈」
そう聞かれ苦笑いしてしまう。
「…えっと…居場所を失うほど褒めていただき恐縮しました。あと、殿下!第3騎士団で私の話をよくしているそうですが止めてください。
恥ずかしいし称賛いただく様な人物ではありませんから」
「私は思った事しか言いません。貴女は素晴らしい女性だ」
不思議そうにそう言うと殿下に
「ですから!そういうのも要りません!」
「多恵殿は照れ屋ですね!」
楽しそうに笑う殿下を不貞腐れると、真面目な顔をした殿下が
「ケニーは幼い頃からよく知っていますが、未知の事柄・人物に対しての憧れや好奇心が強い。行き過ぎる事も多いですが、博学で頼りになるやつです。
どの男性を伴侶にされるかは貴女次第ですが、ケニーはお薦めですよ」
さり気無く友人をお勧めする殿下に困っていると
「殿下。失礼致します。多恵様は陛下の元に向かっておられるところでございます。そろそろお時間が…」
ジャンさん!横やりありがとうございます!
「これは失礼を。ではまた!」
相変わらずトーイ殿下は爽やかさんで、颯爽と立ち去っていった。
殿下と別れてから急いでダイニングルームに向かい到着すると、既に陛下とアーサー殿下が着席していました。てっきり陛下と2人っきりだと思ってて少し緊張していました。
「お待たせして申し訳ありません。食事にお招きいただき、ありがとうございます」
「今日は多恵殿と話しがしたくてなぁ。儂とアーサーだけ故、楽にしてくれ」
「ありがとうございます」
陛下が右手を上げると従僕さんが給仕を始めた。食事を楽しみながら、他愛もない話をする。
デザートが出て特に問題無く終わろうとした時に、アーサー殿下がいきなり…
「多恵殿。明日だか体調を崩しませんか⁉︎」
「ん?意味がよく分からないのですが」
戸惑う私に殿下が
「グラントの報告によるとオブルライト家の家臣の一部に多恵殿に良くない感情を持つ者がおり、公爵もグラントも警戒しています。
ナタリー嬢も体調が優れず、恐らくお茶会には参加なさら無いだろう。それ故に反感する者の動きが読めないのです。
グラントは多恵殿の身を案じヒューイが答えを出すまでお茶会の延期を希望しているが,公爵が流行り病の対策を急がれており、1日でも早く多恵殿に話しをしたいと譲らない。
公爵は家臣への信頼は厚くここで延期すれば、信頼関係が崩れるとも思っている様だ」
やっぱり…フィラが心配している事が起きている
「勿論第1騎士団からも公爵家騎士団からも護衛は付けるので大事はないと思っている。しかし、多恵殿が不安に思うなら、気を使わず延期すればよい。儂が許可すれば問題にならん」
『どうするのが一番いいのかなぁ…』
グラント様の話の感じから病は十中八九”インフルエンザ”。箱庭の薬がどれだけの物が分からないから、手を打つとしたらマクスと手洗いうがいだ。
両方とも用意に時間がかかる。いち早く対策を始めたい所だ。
『てん君も妖精さんも付いていてくれるし、やっぱりは延期は無いなぁ!』
そう判断した私は真っ直ぐ陛下を見て
「陛下、アーサー殿下。私は明日体調は崩しません。ですから予定通りオブルライト公爵家にお伺いします。守って下さる皆さんを信頼しておりますから,怖くありません」
すると陛下は微笑み
「あい分かった。其方は本当に素晴らしいお人だ」
陛下は席を立ち私元に移動してくると、手を取り甲に口付けを落とした。こうして予定通り明日オブルライト公爵家主催のお茶会に参加します。
食後は陛下とアーサー殿下はまた話しがあるらしく、私だけ先に退室し自室に戻る。
部屋に戻るとグラント様から、明日の連絡の手紙が届いていました。
内容は公爵家から馬車が来る事。護衛は公爵家騎士団から4名、第1騎士団から4名で身の回り世話に第1騎士団から女性騎士から1名。
お茶会は当初の予定の公爵邸ではなく、王都に近い別邸に変更。どうやら、体調を崩されたナタリー様を気遣ったようです。
私的にはちょっとナタリー様と会ってみたいけど、あちらが嫌だろうなぁ…
『明日は何かは起こるだろうなぁ…』
呑気に考えていた私。まさか大変な事になるなんて思っても見ませんでした。
6刻が近づきライカさんが呼びに来ました。
陛下にお会いするので湯あみをし、いつもより華やかな衣服を選びます。いつも髪は面倒で下ろしてばかりだけど、ライカさんがキレイに髪を結ってくれました
時間が来たので護衛騎士のポールさんとジャンさんとダイニングルームに向かいます。
この箱庭にも季節があるようで、三季(秋・冬・春)があり今は秋。日が落ちるのが早く、廊下に蝋燭が灯り外は薄暗くなってきました。
『すぐに冬が来るんだなぁ…早くオブルライト領の対策に動かないと…』
考え事をしていると、前からトーイ殿下が歩いてきます。
「多恵殿ご機嫌麗しく今日は髪を結われているのですね!おキレイだ」
ありがとうございます。社交辞令!
「ありがとうございます。殿下公務は終わられたのですか⁈」
「一通り終わり自室に戻るところです。そうそう今日はケニーとの面会でしたね。あやつ昨日から使い物にならない程浮かれていて、他の団員から顰蹙をかうほどでした。多恵殿に迷惑をおかけしませんでしたか⁈」
そう聞かれ苦笑いしてしまう。
「…えっと…居場所を失うほど褒めていただき恐縮しました。あと、殿下!第3騎士団で私の話をよくしているそうですが止めてください。
恥ずかしいし称賛いただく様な人物ではありませんから」
「私は思った事しか言いません。貴女は素晴らしい女性だ」
不思議そうにそう言うと殿下に
「ですから!そういうのも要りません!」
「多恵殿は照れ屋ですね!」
楽しそうに笑う殿下を不貞腐れると、真面目な顔をした殿下が
「ケニーは幼い頃からよく知っていますが、未知の事柄・人物に対しての憧れや好奇心が強い。行き過ぎる事も多いですが、博学で頼りになるやつです。
どの男性を伴侶にされるかは貴女次第ですが、ケニーはお薦めですよ」
さり気無く友人をお勧めする殿下に困っていると
「殿下。失礼致します。多恵様は陛下の元に向かっておられるところでございます。そろそろお時間が…」
ジャンさん!横やりありがとうございます!
「これは失礼を。ではまた!」
相変わらずトーイ殿下は爽やかさんで、颯爽と立ち去っていった。
殿下と別れてから急いでダイニングルームに向かい到着すると、既に陛下とアーサー殿下が着席していました。てっきり陛下と2人っきりだと思ってて少し緊張していました。
「お待たせして申し訳ありません。食事にお招きいただき、ありがとうございます」
「今日は多恵殿と話しがしたくてなぁ。儂とアーサーだけ故、楽にしてくれ」
「ありがとうございます」
陛下が右手を上げると従僕さんが給仕を始めた。食事を楽しみながら、他愛もない話をする。
デザートが出て特に問題無く終わろうとした時に、アーサー殿下がいきなり…
「多恵殿。明日だか体調を崩しませんか⁉︎」
「ん?意味がよく分からないのですが」
戸惑う私に殿下が
「グラントの報告によるとオブルライト家の家臣の一部に多恵殿に良くない感情を持つ者がおり、公爵もグラントも警戒しています。
ナタリー嬢も体調が優れず、恐らくお茶会には参加なさら無いだろう。それ故に反感する者の動きが読めないのです。
グラントは多恵殿の身を案じヒューイが答えを出すまでお茶会の延期を希望しているが,公爵が流行り病の対策を急がれており、1日でも早く多恵殿に話しをしたいと譲らない。
公爵は家臣への信頼は厚くここで延期すれば、信頼関係が崩れるとも思っている様だ」
やっぱり…フィラが心配している事が起きている
「勿論第1騎士団からも公爵家騎士団からも護衛は付けるので大事はないと思っている。しかし、多恵殿が不安に思うなら、気を使わず延期すればよい。儂が許可すれば問題にならん」
『どうするのが一番いいのかなぁ…』
グラント様の話の感じから病は十中八九”インフルエンザ”。箱庭の薬がどれだけの物が分からないから、手を打つとしたらマクスと手洗いうがいだ。
両方とも用意に時間がかかる。いち早く対策を始めたい所だ。
『てん君も妖精さんも付いていてくれるし、やっぱりは延期は無いなぁ!』
そう判断した私は真っ直ぐ陛下を見て
「陛下、アーサー殿下。私は明日体調は崩しません。ですから予定通りオブルライト公爵家にお伺いします。守って下さる皆さんを信頼しておりますから,怖くありません」
すると陛下は微笑み
「あい分かった。其方は本当に素晴らしいお人だ」
陛下は席を立ち私元に移動してくると、手を取り甲に口付けを落とした。こうして予定通り明日オブルライト公爵家主催のお茶会に参加します。
食後は陛下とアーサー殿下はまた話しがあるらしく、私だけ先に退室し自室に戻る。
部屋に戻るとグラント様から、明日の連絡の手紙が届いていました。
内容は公爵家から馬車が来る事。護衛は公爵家騎士団から4名、第1騎士団から4名で身の回り世話に第1騎士団から女性騎士から1名。
お茶会は当初の予定の公爵邸ではなく、王都に近い別邸に変更。どうやら、体調を崩されたナタリー様を気遣ったようです。
私的にはちょっとナタリー様と会ってみたいけど、あちらが嫌だろうなぁ…
『明日は何かは起こるだろうなぁ…』
呑気に考えていた私。まさか大変な事になるなんて思っても見ませんでした。
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