女神の箱庭は私が救う【改編版】

いろは

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28.アイドル?

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サリナさんにおやすみの挨拶をし寝室に戻る。
再度てん君を呼びフィラと何の話しだったのか聞いてみると

『てん君フィラと何を話したの?』
『たえ しんぱい ない』
『でもお茶会何かマズい事あるの?』
『ようせい なかま だいじょうぶ』

ゔーん…何聞いても大丈夫一択だなぁ。多分フィラが私には言うなって言われてるなぁ。てん君…尻尾振ってもおばちゃんは誤魔化せてないよ! でもフィラとてん君の気遣いを受取りそれ以上は聞かないことにした。

『てん君信じてるからね!』
『てん つよい だいじょうぶ』
『分かったよ!もう遅いから寝ようね』

てん君にお休みをし私もベッドに入る。今日はミツドリの蜜が無くてもすぐ眠れそうだ。


朝窓からの日射しとノックの音で目が覚める。

「多恵さん。起きれそうですか?もう2刻半です。そろそろご準備を!」
「はい!」

起き上がり慌ただしく朝がはじまる。
今日は朝はレッスンが続きあっという間にお昼になった。
レッスンから戻ると騎士さんと侍女さんの交代時間です。いつもの様に”お疲れ様”と”お願いします”をしてランチタイム。今日はたっぷり野菜のサラダとピザの様な焼きパンです。箱庭の野菜は味が濃くて美味しい!

昼からは伴侶候補者のケニー・カクリー様がいらっしゃいます。第3騎士団に属しトーイ殿下の部下さんです。5刻前には来る予定。時間があるのでソファーで本を読んでいたけど、どうやら疲れて寝てしまい、ライカさんに起こされた。どうやらケニー様の先触れが来たみたい。しっかりしないと!
ケニー様がお越しになり立ってお迎えします。

「お初にお目にかかります。お会いでき光栄でございます。カクリー侯爵家ケニーと申します。本日は御面会の機会をいただき感謝いたします」
『おぉー美少年!』

そう。ケニー様はこの国の男性より少し背が低い。でも余裕で170㎝は超えいるから私からしたら大きい。燃えるような赤髪にヘーゼル色の大きな瞳で可愛らしいお顔立ちだ。

「多恵様⁈」

おっとイケない見過ぎだ。

「初めまして多恵と申します。よろしくお願いします。どうぞお掛けください」

そして恒例の人見知り発動中です。

「先日陛下より女神の乙女で有らせられる多恵様の伴侶候補に選出いただき、お会い出来るのを心待ちにしておりました。直ぐにでもお会いしたかったのですが、騎士団の巡察があり叶いませんでした」
「お忙しいのですね」
「いえ。半分は殿下と団員のやっかみです」

意味が分からずポカーンとしてしまう。すると微笑んだケニー様が

「常々トーイ殿下が多恵様の愛らしいさをよくお話しされ、多恵様は第3騎士団員達の憧れアイドルなのです。数日前の女神の台座へ巡行した際に精鋭部隊に選ばれ同行した者も、口々に多恵様の素晴らしさを話すので恋慕う者が増え困っております」
「なっ!」 

思わぬ話に顔が熱くなる!

「当初台座への巡行は私も選ばれたのですが、殿下が留守番になり、拗ねられた殿下が私にも残れと言い出しまして…困ったものです」

あーそう言えば拗ねてましたね…ん?

「すみません!色んな所がおかしいと思うのですが!」
「どの辺ですか?」

勘違いしているケニー様に

「いや!まず私は慕われる様な要素無く、皆さん完全に勘違いしてるので、ケニー様の方から正して下さい」
「いえ多恵様は慕う要素しかありません。それについては無理かと」

『過大評価は真実を知った時の落差が大きいから嫌なのよね…』

この話題は恥ずかしいので話を変えます。

「ケニー様は陛下から伴侶候補者の事をお聞きしてると思いますが義務では有りません。私自身も複数の伴侶を得る事に戸惑いがあり、何方も選ばないかもしれません。ですから想われる方が現れましたら、ご自分の幸せを優先なさって下さい」

こう言うことは初めに伝えておかないと!

「トーイ殿下からお聞きしている通りですね。ご自分の意思をお持ちで聡く謙虚だ。私が多恵様に選ばれない事があっても、私が候補を辞退する事はありません」

この褒め褒めは箱庭男性の標準装備。間に受けてはならない。早く慣れないと心臓に良くない…
えーこの次は何を話せばいいのだろう。話題が乏しい私には辛よ… とりあえずありきたりの話を

「トーイ殿下と幼馴染なのですか?」
「はい。側近候補として幼き頃から共にして来ております。殿下は聡明で身分に関わらずどなたにも公平に接せられ、尊敬できるお方です。恐れ多い事ですが友人として言わせていただくと、陽気で人の機微を感じ援助サポートできるお人です」

やはり親友だね。殿下を殿下をよく知っているわ

「私もそう思います。殿下の明るさに助けていただいていますから。ケニー様は騎士団ではどの様なお仕事をされているのですか⁈」
「我が侯爵家は昔から医師や薬師が多く私も医療の知識が有り、第3騎士団の軍医的な立場を担っております。団員の健康状態の管理や遠征時の怪我の対応などを行います。もちろん騎士としても剣を振るいますよ。私は他の者に比べて小柄ですが意外と強いのです!」

とお茶目にウインクします。かわいい! 私より絶対かわいいよ!衣服を交換しましょうか?

「多恵様はオブルライト領の流行り病に対応されると聞き及んでおりますが、微力ながら私もお力になれればと考えております。
我がカクリー領もオブルライト領に隣接している事もあり、オブルライト領ほどではありませんが流行り病の患者は毎年出るのです。領民の為にも多恵様のお力になりたい」

医療知識のある方の助力は心強くて嬉しい。

「ありがとうございます。心強いです。こちらの医療事情を色々お聞きしたいので、別の機会にお時間いただけますでしょうか」
「はい。喜んで。しかし…その際に私との逢瀬のお時間も頂きたい」

「へ?」

逢瀬ってデートって事? 一気に頬に熱を持ち焦る

「殿下から話を聞いておりましたが実際お会いして多恵様の愛らしさを実感致しました」

これ以上やめて下さい。褒め殺す気ですか⁈

「えっと…カクリー侯爵家からお茶会の招待状頂いております。宰相様と相談して予定を調整しますのでお話はその際に…」

この後ケニー様がお帰りになるまで褒め殺しに合い、途中から意識が逃避行したのであまり記憶がありません。退室される際に手の甲にキスされ辺り所らへんから意識が帰ってきました。

「ではまた後日」

とケニー様はお帰りになった。今日の業務はこれで終わり… では無かった!殿下との食事会があった。

今日は絶対ミツドリの蜜を飲みます!
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