女神の箱庭は私が救う【改編版】

いろは

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27.木板

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「お疲れ様です。コーヒーをご用意いたしましょうか?」

お願いしソファーに寝転がった。

『インフルエンザか…  まずは手洗いうがいとマスク着用だなぁ~ こっちにはマスクって有るのかなぁ⁈』

今日は早目に寝室に籠りタブレットでマスクの作り方と、予防策や治療方を調べよう!

『ん?』

リリス製のタブレットは動画とか見れるのかなぁ⁈…  後で試してみよう!

そんな事を考えていたらコーヒーのいい香りがして来て、サリナさんがコーヒーと茶菓子を持って来てくれた。
サリナさんに本日の営業終了を伝えて扉外の護衛騎士さんにも伝えてもらい、ゆっくりコーヒーを口にする。仕事のあとのコーヒーとお菓子最高!

「多恵さんお疲れですね」 
「ねぇ~サリナさん箱庭の男性はあんなに積極的なの?」

サリナさんは苦笑いをして

「そうですね…全ての殿方ではありませんが、好意を隠さない方が多いと思います」
「なら、グラント様も通常運行か…」
「いえ、グラント様は”眼鏡ガラスの貴公子”と呼ば、女性との浮いた話はお聞きした事ありません。それに令嬢が秋波を送っても微笑まれる事すらないと有名です」

嫌な感じがする…

「じゃー今日のアレは何?今日は絶不調だったとか?」
「正直言いまして、私も驚いております」
「…」
「多恵さん?」

適当な事をいい話を終わらせた。今は考えるをやめておこう。まだ見なくていいモノは見ない事にした。そして夕食を早めに済ませてメモとペンを用意して寝室に籠る。

ベッドに上がりバングルに手を当て木板タブレットを出す。マスクの作り方を思い浮かべた。
木板に検索結果が出てきた! 見たいサイトを指で触れると表示された!

「お~ぉ!」感動!

サイドテーブルに移動して作り方をメモります。動画はイケる? 続きを見たいアニメを想像した!
こっちに来た日の夜に観る予定だったのだ。
検索結果は…静止画しか出ません。動画は次元を超えませんでした。当たり前っか…
しばらく検索していたらバルコニーの窓から妖精がやって来て、私の周りを飛びバルコニーの窓に向かい、また戻って来て私の周りを飛び窓へ…

何?バルコニーに呼んでるみたい。気になり窓からバルコニーを覗くけど何も無い。妖精は窓を出たり入ったり…⁈

「バルコニーに出ろって事?」

そう言うと妖精は嬉しそうに?跳ねています。正解なのかぃ? 妖精に誘われバルコニーに出てみるけど何も無い。戻ろうとした時優しい温もりに包まれあの香りがする。

「フィラこんばんは。何かあった?」

そうこの新緑の様な香りはフィラだ。一番多く接しているから覚えた。
フィラは嬉しそうに目を細め私の髪を一房取り口付けを落とす。

「用が無いと会いに来ては駄目なのか⁉︎」
「駄目じゃー無いけど」
「このまま俺の城に来るか?」
「いっ行きません」

やめて!そんな色っぽい目しないで!困るしどんな顔したらいいか分からん!

「あの…そろそろ離して下さい」
「嫌か?」
「恥ずかしいので…」

フィラの瞳は琥珀色していて眼差しが温かく優しい。いつもドキッとするんだよね…

「多恵。てんに用がある。呼んでくれ」

何の用だろう⁈てん君は我慢覚えたから、いきなりフィラに噛みつく事は無いと思うけど…
直ぐにてん君を呼んだ。するとてん君は尻尾を振りフィラを無視して私の元にやって来る。

「てん!無視するな!お前の主の番となる男だぞ!」
『まだ つがい ない』

相変わらず仲は悪いなぁ…

『ん?』

急に2人?は無言になった。でもしっかり顔を合わせてる。おや…私は仲間外れですか⁈ 状況が分からず戸惑っていると

「多恵。オブルライト家の雰囲気が悪い。あそこの妖精たちが心配し知らせてきた。明後日のお茶会だが何かあれば俺が行くから心配するな。てんにも話をしておいた」
「よく分からないけど?ありがとう」

後でてん君に聞こう。
フィラは私を抱き寄せると耳元で囁き帰っていった。だからその低音イケボは反則です。
振り返るとてん君がフィラが去った方を見ている。

『てん君?』
『だいじょうぶ てん たえ まもる』
『うん。頼りにしているね!』
『うん たえ なでなで ほしい』
『もちろん!喜んで!』

部屋に戻り手が疲れるまでもふりました。


「多恵さん。まだ起きてらっしゃいますか?」

サリナさんだ。

「はい。少し待って下さい」

てん君に戻ってもらい木板をなおした。

「どーぞ」
「今陛下の使いの方がいらっしゃいました。できれば今日中にお伝えしたいそうです」
「分かりました。そちらに行きます」

陛下から…嫌な予感しかしない。ガウンを羽織り居間に行くとなぜか文官さんではなく、宰相のイザーク様だった。お久しぶりです。

「多恵様。お疲れのところ申し訳ございません。陛下が明日ディナーを共にと申されております」
「はい。分かりました。何かございましたか?」
「特別何かある訳ではではございません。ご様子を知りたいと申されておりまして…」

絶対嘘だ。お茶会の前日だもん!そんなウソで誤魔化されません。曖昧に微笑みイザーク様は帰って行かれました。
文官さんが来たら断る事も出来るけど、イザーク様が来たら断れないじゃん。そこ狙って来ましたね!イザーク様。

「はぁ…毎日何か起こるなぁ…」

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