22 / 189
22.ラブストーリー
しおりを挟む
気不味いままアーサー殿下のエスコートで部屋に向かっています…
『あれ?違う?』
この廊下知らない!どこ向かっているの? 不安になり後ろを歩くとマーカスさんとガイさんに視線を向けると首を振られた。
『今の何?諦めろてか?』
まだ歩くんですか?どこに連行されているのでしょうか⁈ 廊下の突き当たりに扉があり、扉前に第1騎士団の騎士さんがいます。扉前に来ると騎士さんが開けてくれます。だからここ何処ですか?
部屋に入ると陛下の執務室に似ている。アーサー殿下の執務室なのか?
殿下に誘導されソファーに座ると、一緒に入ってきたマーカスさんとガイさんは私の後ろに控えます。
向かいに座った殿下の表情は硬い。
「マーカス、ガイ外で待機しろ。多恵殿に話がある」
「… 御意。しかし多恵様は未婚の女性故、扉は少し開けておきます。何かございましたらお呼び下さい」
2人は退室していく。
『きっきまずい!なんか説教される様な事したかなぁ⁈』内心焦る私。
「昨晩。ヒューイと私は陛下に呼ばれある報告を受けました。それはヒューイが多恵殿の相手を白紙にする事により、多恵殿の相手候補者を増やす事を決め、その者達に今日通達すると言うものでした。
候補は王家に近い貴族の未婚男性で3人です。
オブルライト公爵家のグラント殿
ファーブス公爵家のキース殿
カクリー侯爵家のケニー殿
もちろん多恵殿のお気持ちが優先で義務ではないので安心を」
「はぁ?」
空いた口が塞がらない! 陛下何してんですか⁈勝手に夫を充てがわないで!
「先程会ったグラント殿は今頃陛下から話を聞いているでしょう。… 先程はグラントと何を話していたのですか⁈」
「初めてお会いしたのでご挨拶と、明日の面会の目的をお聞きしていました。それだけですよ」
珍しく殿下は歯切れが悪い。何を言いたいのか見えない。
「お話が無いようでしたら自室に戻りたいのですがよろしいでしょうか⁈」
もー帰りたい!部屋でゆっくり本を読みたい!
あっ護衛方法に意義あり!伝えておこう。
「殿下。お願いがあります。護衛騎士さんが過保護です。ご心配いただけるのは有り難いですが、自由が無くなります。それは嫌です。困った時や調子が悪い時は皆さんに頼りますから」
殿下はいつもの調子で笑いながら
「多恵殿は箱庭の女性と違い自立されているのでしたね。箱庭の女性は男性に心身共に依存する傾向にあるので…」
「でしたら男性と同様に接して下さい。私の元の世界は男女同権で身分階級はありませんから。その方が私も気楽です」
ふと殿下を見ると…なんて顔してるんですか!その微笑み綺麗すぎます!女性より綺麗なんて反則です。
マーカスさんとガイさんが入室。殿下は2人に護衛する上で、出来うる限り私の望みを聞き、自由に行動出来る様に指示してくれた。
殿下にお礼を伝えて退室し自室に今度こそ向かう。
マーカスさんとガイさんは護衛が過剰にだった事を謝罪され恐縮する。
「私は元の世界では男女同権で身分階級はありません。ですから擁護して頂かなくて大丈夫です。
もちろん困った時は頼りますから」
2人には理解いただけた様です。
やっと部屋に戻り昼食。この世界はパンの種類が豊富でパン好きの私は飽きる事がない。
昼食後はソファーでゆっくり本を読んで過ごします。レベッカの伝記は読むと心的ダメージを負うので、軽い気持ちで恋愛小説ラブストーリーを読みます。題名は【真実の愛】です。もー題名から甘すぎます。渋い緑茶が要るかもしれない。
内容は…
[とある国にジュディと言う令嬢がいます。彼女の家は没落寸前の男爵家。両親から家の為だけに見合いを勧められる日々を過ごす。
ある日友人の誘いで侯爵の夜会に誘われ参加をした。ジュディは絶世の美女と言われた祖母に似ており、亜麻色の髪と瞳は参加した男性を虜にした。
あまり評判の良くない子爵家令息に強引に庭に連れて行かれ迫られる。
嫌がるジュディを助けたのが、澄んだ瞳の男性で子爵令息を抑え撃退してくれた。
ジュディは感謝を述べて何かお礼をさせて欲しいと願うと、男性は1曲踊って欲しと述べ満点の星空の下で2人は踊る]…
この後男性が王子である事が分かり、彼の婚約者候補の公爵令嬢に意地悪をされ、終いには毒殺されそうになる。毒殺は未然に防がれが王子がジュディに求婚プロポーズして終わる。
『あっま!』
王道のラブストーリーだ。
この本の面白いところは、王子の詳細が書かれていないこと。つまり人物像をあやふやにする事で、読み手が好みの男性を王子にして読めるのだ。
令嬢達は主人公ジュディを自分にし、王子を思い人にする事ができる。さしずめアーサー殿下やヒューイ殿下、トーイ殿下を王子に充てて妄想していているのだろう。
つまり箱庭女性の頭はお花畑である事が分かった。
男性に見初めてもらい幸せにしてもらうのが幸せなんだ。次は男性視点の恋愛小説を読んで研究しよう。
遠くで5刻の鐘が聞こえて来た。本を読んでいると時間の経つのが早い。本をテーブルに置いて伸びをしていると扉からノック音がした。誰が来た?
訪問者は第3騎士団の騎士のファルコンさん。朝トーイ殿下が言っていたお菓子を持って来てくれました。お礼を述べてティータイムです。
お茶の準備が終わりいただこうとした時、また誰が来た。
『タイミング悪いなぁ…』
少し不貞腐れされながら入室許可を出すと、入って来はヒューイ殿下です。見た瞬間お疲れなのが見て取れる。雰囲気がいつもと違うけど何かあったのかなぁ…
『あれ?違う?』
この廊下知らない!どこ向かっているの? 不安になり後ろを歩くとマーカスさんとガイさんに視線を向けると首を振られた。
『今の何?諦めろてか?』
まだ歩くんですか?どこに連行されているのでしょうか⁈ 廊下の突き当たりに扉があり、扉前に第1騎士団の騎士さんがいます。扉前に来ると騎士さんが開けてくれます。だからここ何処ですか?
部屋に入ると陛下の執務室に似ている。アーサー殿下の執務室なのか?
殿下に誘導されソファーに座ると、一緒に入ってきたマーカスさんとガイさんは私の後ろに控えます。
向かいに座った殿下の表情は硬い。
「マーカス、ガイ外で待機しろ。多恵殿に話がある」
「… 御意。しかし多恵様は未婚の女性故、扉は少し開けておきます。何かございましたらお呼び下さい」
2人は退室していく。
『きっきまずい!なんか説教される様な事したかなぁ⁈』内心焦る私。
「昨晩。ヒューイと私は陛下に呼ばれある報告を受けました。それはヒューイが多恵殿の相手を白紙にする事により、多恵殿の相手候補者を増やす事を決め、その者達に今日通達すると言うものでした。
候補は王家に近い貴族の未婚男性で3人です。
オブルライト公爵家のグラント殿
ファーブス公爵家のキース殿
カクリー侯爵家のケニー殿
もちろん多恵殿のお気持ちが優先で義務ではないので安心を」
「はぁ?」
空いた口が塞がらない! 陛下何してんですか⁈勝手に夫を充てがわないで!
「先程会ったグラント殿は今頃陛下から話を聞いているでしょう。… 先程はグラントと何を話していたのですか⁈」
「初めてお会いしたのでご挨拶と、明日の面会の目的をお聞きしていました。それだけですよ」
珍しく殿下は歯切れが悪い。何を言いたいのか見えない。
「お話が無いようでしたら自室に戻りたいのですがよろしいでしょうか⁈」
もー帰りたい!部屋でゆっくり本を読みたい!
あっ護衛方法に意義あり!伝えておこう。
「殿下。お願いがあります。護衛騎士さんが過保護です。ご心配いただけるのは有り難いですが、自由が無くなります。それは嫌です。困った時や調子が悪い時は皆さんに頼りますから」
殿下はいつもの調子で笑いながら
「多恵殿は箱庭の女性と違い自立されているのでしたね。箱庭の女性は男性に心身共に依存する傾向にあるので…」
「でしたら男性と同様に接して下さい。私の元の世界は男女同権で身分階級はありませんから。その方が私も気楽です」
ふと殿下を見ると…なんて顔してるんですか!その微笑み綺麗すぎます!女性より綺麗なんて反則です。
マーカスさんとガイさんが入室。殿下は2人に護衛する上で、出来うる限り私の望みを聞き、自由に行動出来る様に指示してくれた。
殿下にお礼を伝えて退室し自室に今度こそ向かう。
マーカスさんとガイさんは護衛が過剰にだった事を謝罪され恐縮する。
「私は元の世界では男女同権で身分階級はありません。ですから擁護して頂かなくて大丈夫です。
もちろん困った時は頼りますから」
2人には理解いただけた様です。
やっと部屋に戻り昼食。この世界はパンの種類が豊富でパン好きの私は飽きる事がない。
昼食後はソファーでゆっくり本を読んで過ごします。レベッカの伝記は読むと心的ダメージを負うので、軽い気持ちで恋愛小説ラブストーリーを読みます。題名は【真実の愛】です。もー題名から甘すぎます。渋い緑茶が要るかもしれない。
内容は…
[とある国にジュディと言う令嬢がいます。彼女の家は没落寸前の男爵家。両親から家の為だけに見合いを勧められる日々を過ごす。
ある日友人の誘いで侯爵の夜会に誘われ参加をした。ジュディは絶世の美女と言われた祖母に似ており、亜麻色の髪と瞳は参加した男性を虜にした。
あまり評判の良くない子爵家令息に強引に庭に連れて行かれ迫られる。
嫌がるジュディを助けたのが、澄んだ瞳の男性で子爵令息を抑え撃退してくれた。
ジュディは感謝を述べて何かお礼をさせて欲しいと願うと、男性は1曲踊って欲しと述べ満点の星空の下で2人は踊る]…
この後男性が王子である事が分かり、彼の婚約者候補の公爵令嬢に意地悪をされ、終いには毒殺されそうになる。毒殺は未然に防がれが王子がジュディに求婚プロポーズして終わる。
『あっま!』
王道のラブストーリーだ。
この本の面白いところは、王子の詳細が書かれていないこと。つまり人物像をあやふやにする事で、読み手が好みの男性を王子にして読めるのだ。
令嬢達は主人公ジュディを自分にし、王子を思い人にする事ができる。さしずめアーサー殿下やヒューイ殿下、トーイ殿下を王子に充てて妄想していているのだろう。
つまり箱庭女性の頭はお花畑である事が分かった。
男性に見初めてもらい幸せにしてもらうのが幸せなんだ。次は男性視点の恋愛小説を読んで研究しよう。
遠くで5刻の鐘が聞こえて来た。本を読んでいると時間の経つのが早い。本をテーブルに置いて伸びをしていると扉からノック音がした。誰が来た?
訪問者は第3騎士団の騎士のファルコンさん。朝トーイ殿下が言っていたお菓子を持って来てくれました。お礼を述べてティータイムです。
お茶の準備が終わりいただこうとした時、また誰が来た。
『タイミング悪いなぁ…』
少し不貞腐れされながら入室許可を出すと、入って来はヒューイ殿下です。見た瞬間お疲れなのが見て取れる。雰囲気がいつもと違うけど何かあったのかなぁ…
11
お気に入りに追加
53
あなたにおすすめの小説
美幼女に転生したら地獄のような逆ハーレム状態になりました
市森 唯
恋愛
極々普通の学生だった私は……目が覚めたら美幼女になっていました。
私は侯爵令嬢らしく多分異世界転生してるし、そして何故か婚約者が2人?!
しかも婚約者達との関係も最悪で……
まぁ転生しちゃったのでなんとか上手く生きていけるよう頑張ります!
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
二度目の人生は異世界で溺愛されています
ノッポ
恋愛
私はブラック企業で働く彼氏ナシのおひとりさまアラフォー会社員だった。
ある日 信号で轢かれそうな男の子を助けたことがキッカケで異世界に行くことに。
加護とチート有りな上に超絶美少女にまでしてもらったけど……中身は今まで喪女の地味女だったので周りの環境変化にタジタジ。
おまけに女性が少ない世界のため
夫をたくさん持つことになりー……
周りに流されて愛されてつつ たまに前世の知識で少しだけ生活を改善しながら異世界で生きていくお話。
セレナの居場所 ~下賜された側妃~
緑谷めい
恋愛
後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる