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10.番
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謎の彼が去って唖然としていたら、ロイドさんとジュードさんが慌てて駆け寄って来た。
「多恵様!ご無事でございますか⁈一瞬姿を見失ってしまい、申し訳ございません」
「大丈夫ですけど、何が起こったのか私にもよく分からなくて」
2人が警戒レベルMAXで部屋に強制送還される。
ジュードさんは部屋に戻る途中で他の騎士さんに何か指示をし、部屋の前まで来ると扉の前に今日の当番じゃない騎士さんがいる。
不思議に思いながら部屋に入るとアーサー殿下がいた。侍女のライカさんとエレナさんは緊張した面持ちで部屋の隅に控えている。
『何かありましたか?』
アーサー殿下にソファーに座る様に促され着席するとライカさんがお茶を淹れてくれた。
アーサー殿下が指示し侍女の2人は退室し、私の後にはロイドさんとジュードさんが控えている。
アーサー殿下が騎士2人に何があったか聞いていて、私はなぜアーサー殿下が来てるのか理解するのに時間がかかった。
そうか!私の護衛は第1騎士団が担いその団の責任者はアーサー殿下だった。一瞬とはいえ護衛対象を見失い、何もなかったとは言え問題みたい。それに私一応女神の乙女だし。
緊迫した空気の中、危機感のない私はのんきにお茶を飲んでいた。オリーブの木?で会った彼は謎だけど、何故か恐怖心は無かった。
『えっと男前でタイプだったからじゃないから
!』
何故か言い訳したくなった。すると黙って報告を受けていたアーサー殿下は眉を顰めて
「多恵殿何があったのですか?」
と私に質問してきたので、私はあったことを時系列で話す。出会った彼の特徴を話したらアーサー殿下は目を見開いた。そして髪が指輪になったと右手を見せると、左手を額に当て考え込んでしまった。
部屋の中の空気が重々しい。どうしていいか分からず、ヘルプして欲しくて後ろの2人に視線を向ける。でも2人の表情は固く反応はない。なすすべなく誰か話し出すまで静かにし、ふと右手のピンキーリングが目に入る。これって外せるのか試したくなって外してみる。
『ん⁈』
抜けない!キツくて抜けない訳では無く、はまった位置から動かないって表現が正しい。
いろいろ試してふと指輪を回した。その瞬間私の周りに光の玉が浮遊し始めた。その光の玉は何故か暖かく部屋の重い空気が解消してくれるようだ。光の玉に癒されているとアーサー殿下が私を真っ直ぐ見ている。
「やはり妖精王か…」
アーサー殿下が呟きすぐにライカさんを呼び紙とペンを用意させ何か書き出した。書き終えると部屋外の騎士を呼び書き終えた紙を渡し指示を出すと、指示を受けた騎士さんはすぐ部屋を出て行った。
その様子をぼんやり見ていたら
「多恵殿。お疲れのところ申し訳ないが、今から陛下にお会いいただく。ロイド、ジュードもお前達も一緒に来い」
「今からですか⁈」
ちょっと疲れてて嫌なんだけど…拒否権はありますか? 返事が遅れると殿下は
「お疲れなら私が抱いてお連れしましょう!」
真剣な面持ちで言う殿下。
『!!』
そっそれって姫抱っこですか? 一気に顔が熱くなり
「あっ歩くの遅いですが、自分で歩けますから」
と断ると直ぐに手を差し出されてエスコートされてる。
『もぅ行くの⁉︎』
茶菓子食べときゃよかった。
『すみません意味分かりません!誰か説明して下さい』
と言える訳もなくアーサー殿下のエスコートを受け、また遠い陛下の執務室を目指す。遠回りするからめっちゃ歩く…って考えいたら
「多恵殿。その木の下で出会った方とお話しましたか?」
「”近いうちに迎えに行く”っと言ってました。髪を指輪に変えたし、あの方は魔法使いや魔導士の類の方ですか?」
と質問すると真っ直ぐ見据えた殿下は
「詳しくは陛下の執務室で」
と答えてくれなかった。いつも飄々としたイメージの殿下だったから真剣な表情の殿下は新鮮。
暫く歩き廊下の角を曲がったところで反対側からトーイ殿下が護衛騎士と歩いて来るのが見えた。
『あれ?あそこは陛下の執務室⁈今回は早かったよ⁈』
私の表情で気づいたのかトーイ殿下が
「多恵殿。執務室はここですよ!」
とイタズラに笑う。そんなに疲れた顔してますか?
入室許可受け執務室に入るとヒューイ殿下がいて、すぐに駆け寄り私の手を取り謝る。
「多恵殿。申し訳ありません。私が最後までお供をしていれば、貴女を危険な目に合わせなかったのに…」
いや…殿下が居ても一緒だったと思います。は言わんでおこう。そして陛下が咳払いをして着席を促す。
そしてアーサー殿下が説明を始め、一時的に私の姿を見失っな事を陛下に話し、ロイドさんとジュードさんに状況を説明させた。次に部屋で私がアーサー殿下に話した事と同じ説明を陛下にする事になった。
一通り説明が終わると陛下が
「やはり妖精王か⁈」
と呟くアーサー殿下は頷き、ヒューイ殿下とトーイ殿下は驚いていた。
「すみません。妖精王とは?ご説明頂けませんか⁈」
理解してない人ここに居ます!
アーサー殿下はロイドさんジュードさんを退室させ、座り直して徐に話し始めた。アーサー殿下の説明は…
箱庭にある4国の一つ”妖精の国”の王様で、女神リリスの助ける。この箱庭には妖精が存在し自然の維持を手助けしている。その妖精を守り統率するのが妖精王。現王は”フィラ”という男性の王だ。先代は女性で女王だった。
妖精王はこの箱庭の妖精の力の均衡を図り、妖力が多くなった妖精の力を吸い、反対に弱くなった妖精に妖力を与える役割を担う。
妖精の妖力を調整していくうちに、妖精王の妖力はいずれキャパオーバーを起こす。キャパオーバーすると妖精王の妖力は暴走し箱庭は大半を破壊してしまう。
キャパオーバーを防ぐ唯一の方法は子を儲けて力を子に分ける事だ。子を儲ける相手は人とされており、過去の妖精王も人の子と結ばれている。
本来妖精王が人と交流する事はほぼ無く、妖精王が人と接点を持つのは番が必要になった時だけ。
以上の話から妖精王は世継ぎが必要な時期に来たらしい。
『近いうちに迎えに行く』
って私番認定されてます⁈まさか…これもあってリリスは4つの国で子を儲けて欲しいって言ってたの?
無理強いはしないって言ってたけど、ほぼ(妖精王に関しては)拒否権なしじゃん!
「多恵様!ご無事でございますか⁈一瞬姿を見失ってしまい、申し訳ございません」
「大丈夫ですけど、何が起こったのか私にもよく分からなくて」
2人が警戒レベルMAXで部屋に強制送還される。
ジュードさんは部屋に戻る途中で他の騎士さんに何か指示をし、部屋の前まで来ると扉の前に今日の当番じゃない騎士さんがいる。
不思議に思いながら部屋に入るとアーサー殿下がいた。侍女のライカさんとエレナさんは緊張した面持ちで部屋の隅に控えている。
『何かありましたか?』
アーサー殿下にソファーに座る様に促され着席するとライカさんがお茶を淹れてくれた。
アーサー殿下が指示し侍女の2人は退室し、私の後にはロイドさんとジュードさんが控えている。
アーサー殿下が騎士2人に何があったか聞いていて、私はなぜアーサー殿下が来てるのか理解するのに時間がかかった。
そうか!私の護衛は第1騎士団が担いその団の責任者はアーサー殿下だった。一瞬とはいえ護衛対象を見失い、何もなかったとは言え問題みたい。それに私一応女神の乙女だし。
緊迫した空気の中、危機感のない私はのんきにお茶を飲んでいた。オリーブの木?で会った彼は謎だけど、何故か恐怖心は無かった。
『えっと男前でタイプだったからじゃないから
!』
何故か言い訳したくなった。すると黙って報告を受けていたアーサー殿下は眉を顰めて
「多恵殿何があったのですか?」
と私に質問してきたので、私はあったことを時系列で話す。出会った彼の特徴を話したらアーサー殿下は目を見開いた。そして髪が指輪になったと右手を見せると、左手を額に当て考え込んでしまった。
部屋の中の空気が重々しい。どうしていいか分からず、ヘルプして欲しくて後ろの2人に視線を向ける。でも2人の表情は固く反応はない。なすすべなく誰か話し出すまで静かにし、ふと右手のピンキーリングが目に入る。これって外せるのか試したくなって外してみる。
『ん⁈』
抜けない!キツくて抜けない訳では無く、はまった位置から動かないって表現が正しい。
いろいろ試してふと指輪を回した。その瞬間私の周りに光の玉が浮遊し始めた。その光の玉は何故か暖かく部屋の重い空気が解消してくれるようだ。光の玉に癒されているとアーサー殿下が私を真っ直ぐ見ている。
「やはり妖精王か…」
アーサー殿下が呟きすぐにライカさんを呼び紙とペンを用意させ何か書き出した。書き終えると部屋外の騎士を呼び書き終えた紙を渡し指示を出すと、指示を受けた騎士さんはすぐ部屋を出て行った。
その様子をぼんやり見ていたら
「多恵殿。お疲れのところ申し訳ないが、今から陛下にお会いいただく。ロイド、ジュードもお前達も一緒に来い」
「今からですか⁈」
ちょっと疲れてて嫌なんだけど…拒否権はありますか? 返事が遅れると殿下は
「お疲れなら私が抱いてお連れしましょう!」
真剣な面持ちで言う殿下。
『!!』
そっそれって姫抱っこですか? 一気に顔が熱くなり
「あっ歩くの遅いですが、自分で歩けますから」
と断ると直ぐに手を差し出されてエスコートされてる。
『もぅ行くの⁉︎』
茶菓子食べときゃよかった。
『すみません意味分かりません!誰か説明して下さい』
と言える訳もなくアーサー殿下のエスコートを受け、また遠い陛下の執務室を目指す。遠回りするからめっちゃ歩く…って考えいたら
「多恵殿。その木の下で出会った方とお話しましたか?」
「”近いうちに迎えに行く”っと言ってました。髪を指輪に変えたし、あの方は魔法使いや魔導士の類の方ですか?」
と質問すると真っ直ぐ見据えた殿下は
「詳しくは陛下の執務室で」
と答えてくれなかった。いつも飄々としたイメージの殿下だったから真剣な表情の殿下は新鮮。
暫く歩き廊下の角を曲がったところで反対側からトーイ殿下が護衛騎士と歩いて来るのが見えた。
『あれ?あそこは陛下の執務室⁈今回は早かったよ⁈』
私の表情で気づいたのかトーイ殿下が
「多恵殿。執務室はここですよ!」
とイタズラに笑う。そんなに疲れた顔してますか?
入室許可受け執務室に入るとヒューイ殿下がいて、すぐに駆け寄り私の手を取り謝る。
「多恵殿。申し訳ありません。私が最後までお供をしていれば、貴女を危険な目に合わせなかったのに…」
いや…殿下が居ても一緒だったと思います。は言わんでおこう。そして陛下が咳払いをして着席を促す。
そしてアーサー殿下が説明を始め、一時的に私の姿を見失っな事を陛下に話し、ロイドさんとジュードさんに状況を説明させた。次に部屋で私がアーサー殿下に話した事と同じ説明を陛下にする事になった。
一通り説明が終わると陛下が
「やはり妖精王か⁈」
と呟くアーサー殿下は頷き、ヒューイ殿下とトーイ殿下は驚いていた。
「すみません。妖精王とは?ご説明頂けませんか⁈」
理解してない人ここに居ます!
アーサー殿下はロイドさんジュードさんを退室させ、座り直して徐に話し始めた。アーサー殿下の説明は…
箱庭にある4国の一つ”妖精の国”の王様で、女神リリスの助ける。この箱庭には妖精が存在し自然の維持を手助けしている。その妖精を守り統率するのが妖精王。現王は”フィラ”という男性の王だ。先代は女性で女王だった。
妖精王はこの箱庭の妖精の力の均衡を図り、妖力が多くなった妖精の力を吸い、反対に弱くなった妖精に妖力を与える役割を担う。
妖精の妖力を調整していくうちに、妖精王の妖力はいずれキャパオーバーを起こす。キャパオーバーすると妖精王の妖力は暴走し箱庭は大半を破壊してしまう。
キャパオーバーを防ぐ唯一の方法は子を儲けて力を子に分ける事だ。子を儲ける相手は人とされており、過去の妖精王も人の子と結ばれている。
本来妖精王が人と交流する事はほぼ無く、妖精王が人と接点を持つのは番が必要になった時だけ。
以上の話から妖精王は世継ぎが必要な時期に来たらしい。
『近いうちに迎えに行く』
って私番認定されてます⁈まさか…これもあってリリスは4つの国で子を儲けて欲しいって言ってたの?
無理強いはしないって言ってたけど、ほぼ(妖精王に関しては)拒否権なしじゃん!
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