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5.謁見
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デュークさんに先導され部屋の中央付近まで進むと
「こちらでお待ちを」
とデュークさんに指示される。デュークさんは左手後方に下がっていった。
5メートルほど先の数段上に立派な椅子に王様と王妃様が座っている。そして王様から少し下がった右手に男性が3人並んで座っている。3人の真ん中は女神の丘で会ったヒューイさんだ。
私がキョロキョロしていると王様が
「女神の乙女よ。よく我が王国へ参られた。歓迎するぞ。我が名はルーク・カイ・アルディア。女神の乙女よ名を聞かせてはくれぬか⁈」
貫禄あるまさに昔話に出てくる王様だ。
「はい。川原多恵といいます。川原が家名で多恵が名です。よろしくお願いします」
とお辞儀をしたけど中世ぽいからカーテシーとかの方がいいのかなぁ…
「他の者も多恵殿に挨拶を」
「多恵さん。私は王妃のルルーシュよ。こんな愛らしい娘さんなら大歓迎ですわ。仲良くして下さいね」
めっちゃ美人さん銀髪に翡翠色の瞳が印象的だ。
次に挨拶してくれたのが、右手前の男性。
「第1王子、アーサーと申します。お見知りおきを」
ざっ王子って感じ。少し癖毛の金髪にオレンジ色の瞳。目元の黒子がセクシーだ。
『??ん??』
アーサー王子の並びに居るということは…
「第2王子ヒューイです。多恵様ゆっくり休めましたか⁈」
あー!やっぱし王子だ!王子のお胸借りちゃったよ。顔が熱くなり口を開けたままフリーズする。
「ヒューイ様。申し訳ありません。王子とは知らずに失礼しました」
背中に嫌な汗が出る。
「そんな事ありましたか⁈」
とウィンクされる。もー恥ずかしい。部屋に帰りたい…
「兄上!私も自己紹介させて下さい。私は第3王子のトーイと申します。年も近いようなので気兼ね無くお話し下さい」
「トーイ様ありがとうございます」
最後に王様の横に立つ男性。多分宰相さんらしき人が挨拶してくれた。
「この国の宰相を務めますイザーク・ゴルティアと申します。多恵様は我が国の大切なお方。何がございましたら何なりとお申し付け下さい」
多分宰相さんは元の私と同じ年代くらいだなぁ…艶やかな黒髪に白いものが混じってるから。
これで皆んなの挨拶が終わった。よし!リリスのお使いしないと!
「陛下。発言をお許しいただけますか?」
「よい。許そう」
「女神リリスから召喚された際に伝言を預かって参りました。”召喚について話したい事があり。他3国に連絡を取り代表(乙女の相手)となる者を女神の台座に集めて欲しい”そうです」
王様は目を細め私を見つめて真意を探る。宰相は眉間に皺をせている。確かに怪しいよね。”国の代表”って言ったら王族になる。いくら他国と今戦は無くとも何が起これば、幼稚園児みたいに【ごめんね・いいよ】では済まない。最悪戦になる。王様が
「いくら乙女が”女神リリスの言葉”と言えども、信ずるものがない」
あからさまに疑ってる。ですよねー。いくら召喚で来たとはいえまだよく分からん小娘を信用出来ないよね… よし!”ロナウドのリーフ” 発動だ! 息を吸って王様に物申すぞ!
「陛下!発言の許可を!」
ヒューイ様が立ち上がった。
『っう!先を越された。出鼻挫かれました』
「私は召喚の場におり、多恵様が召喚のドアからお出ましになったのをこの目で見ております。
その多恵様の言を疑えば女神リリスそのものを疑う事になります」
『おーまさかのヒューイ様の援護射撃』
心の中で拍手する。
「しかしヒューイよ。今は他の国と諍いは無いが、過去に乙女が原因で諍いが起こっている。各国王族が一度に集まるとなると楽観は出来ぬ」
『よし!次こそ!』
「陛下!再度発言の許可を!」
心はやって鼻息荒くなっちゃった!
「女神リリスから王に”ロナウドのリーフは無くならない”も伝える様に言付かりました」
王様は目を見開き真っ直ぐに私を見つめ黙り込んでしまった。王様の沈黙に宰相をはじめ皆んな困惑している。でしょうね~。あんなに難色を示していたんだから。リリスの言ったとおり”ロナウドのリーフ”は最強ワードでした。
「多恵殿どこまで…」
王様の瞳が揺らいでいる。私は王様に視線で話してみる。
『皆まで言わないで…本当って分かってくれたらいいから』
王様は静かに頷いてくれた。心の中でガッツポーズをしてアイズトーク成功!と叫んだ。“うゔーん”王様は咳払いをして
「明日朝一に各国の王へ書簡を儂の名で出そう。それでよいか⁈多恵殿」
「ありがとうございます。よろしくお願いします。」
「しかし陛下!」
と宰相が物申した時!
“ぐーー”
と私のお腹が鳴った。そういえばこちらに来てから何も食べてない。恥ずかしくてお腹を抱えてその場に座り込んでしまった。
「はっはは~」
アーサー王子か涙目で大笑いして
「多恵様には休息が必要な様です。私は陛下の決断に従います」
と言うと、私の前に来て手を差し伸べてくれた。アーサー王子はウィンクして私を立ち上がらせて
「部屋に食事を用意させましょう。今日はゆっくりおやすみ下さい。陛下。多恵様に退室許可を!」
「うむ。皆も下がってよい」
王妃も王子も立ち上がり王様に礼をして護衛騎士と共に退室して行く。
『めっちゃ恥ずかしかったけど、腹の虫のおかげでなんとかなった』
安心したらまた”ぐー”と鳴る。横を見ると、アーサー王子がまた笑ってる。少し不貞腐れながら早く帰りたいと思い、デュークさんを探す。
「多恵様。私が部屋までお送りしましょう」
自然にアーサー王子がエスコートする。すると背後から
「兄上。多恵様は私が!」
ヒューイ様がやってきた。何この乙女ゲー展開!
「こちらでお待ちを」
とデュークさんに指示される。デュークさんは左手後方に下がっていった。
5メートルほど先の数段上に立派な椅子に王様と王妃様が座っている。そして王様から少し下がった右手に男性が3人並んで座っている。3人の真ん中は女神の丘で会ったヒューイさんだ。
私がキョロキョロしていると王様が
「女神の乙女よ。よく我が王国へ参られた。歓迎するぞ。我が名はルーク・カイ・アルディア。女神の乙女よ名を聞かせてはくれぬか⁈」
貫禄あるまさに昔話に出てくる王様だ。
「はい。川原多恵といいます。川原が家名で多恵が名です。よろしくお願いします」
とお辞儀をしたけど中世ぽいからカーテシーとかの方がいいのかなぁ…
「他の者も多恵殿に挨拶を」
「多恵さん。私は王妃のルルーシュよ。こんな愛らしい娘さんなら大歓迎ですわ。仲良くして下さいね」
めっちゃ美人さん銀髪に翡翠色の瞳が印象的だ。
次に挨拶してくれたのが、右手前の男性。
「第1王子、アーサーと申します。お見知りおきを」
ざっ王子って感じ。少し癖毛の金髪にオレンジ色の瞳。目元の黒子がセクシーだ。
『??ん??』
アーサー王子の並びに居るということは…
「第2王子ヒューイです。多恵様ゆっくり休めましたか⁈」
あー!やっぱし王子だ!王子のお胸借りちゃったよ。顔が熱くなり口を開けたままフリーズする。
「ヒューイ様。申し訳ありません。王子とは知らずに失礼しました」
背中に嫌な汗が出る。
「そんな事ありましたか⁈」
とウィンクされる。もー恥ずかしい。部屋に帰りたい…
「兄上!私も自己紹介させて下さい。私は第3王子のトーイと申します。年も近いようなので気兼ね無くお話し下さい」
「トーイ様ありがとうございます」
最後に王様の横に立つ男性。多分宰相さんらしき人が挨拶してくれた。
「この国の宰相を務めますイザーク・ゴルティアと申します。多恵様は我が国の大切なお方。何がございましたら何なりとお申し付け下さい」
多分宰相さんは元の私と同じ年代くらいだなぁ…艶やかな黒髪に白いものが混じってるから。
これで皆んなの挨拶が終わった。よし!リリスのお使いしないと!
「陛下。発言をお許しいただけますか?」
「よい。許そう」
「女神リリスから召喚された際に伝言を預かって参りました。”召喚について話したい事があり。他3国に連絡を取り代表(乙女の相手)となる者を女神の台座に集めて欲しい”そうです」
王様は目を細め私を見つめて真意を探る。宰相は眉間に皺をせている。確かに怪しいよね。”国の代表”って言ったら王族になる。いくら他国と今戦は無くとも何が起これば、幼稚園児みたいに【ごめんね・いいよ】では済まない。最悪戦になる。王様が
「いくら乙女が”女神リリスの言葉”と言えども、信ずるものがない」
あからさまに疑ってる。ですよねー。いくら召喚で来たとはいえまだよく分からん小娘を信用出来ないよね… よし!”ロナウドのリーフ” 発動だ! 息を吸って王様に物申すぞ!
「陛下!発言の許可を!」
ヒューイ様が立ち上がった。
『っう!先を越された。出鼻挫かれました』
「私は召喚の場におり、多恵様が召喚のドアからお出ましになったのをこの目で見ております。
その多恵様の言を疑えば女神リリスそのものを疑う事になります」
『おーまさかのヒューイ様の援護射撃』
心の中で拍手する。
「しかしヒューイよ。今は他の国と諍いは無いが、過去に乙女が原因で諍いが起こっている。各国王族が一度に集まるとなると楽観は出来ぬ」
『よし!次こそ!』
「陛下!再度発言の許可を!」
心はやって鼻息荒くなっちゃった!
「女神リリスから王に”ロナウドのリーフは無くならない”も伝える様に言付かりました」
王様は目を見開き真っ直ぐに私を見つめ黙り込んでしまった。王様の沈黙に宰相をはじめ皆んな困惑している。でしょうね~。あんなに難色を示していたんだから。リリスの言ったとおり”ロナウドのリーフ”は最強ワードでした。
「多恵殿どこまで…」
王様の瞳が揺らいでいる。私は王様に視線で話してみる。
『皆まで言わないで…本当って分かってくれたらいいから』
王様は静かに頷いてくれた。心の中でガッツポーズをしてアイズトーク成功!と叫んだ。“うゔーん”王様は咳払いをして
「明日朝一に各国の王へ書簡を儂の名で出そう。それでよいか⁈多恵殿」
「ありがとうございます。よろしくお願いします。」
「しかし陛下!」
と宰相が物申した時!
“ぐーー”
と私のお腹が鳴った。そういえばこちらに来てから何も食べてない。恥ずかしくてお腹を抱えてその場に座り込んでしまった。
「はっはは~」
アーサー王子か涙目で大笑いして
「多恵様には休息が必要な様です。私は陛下の決断に従います」
と言うと、私の前に来て手を差し伸べてくれた。アーサー王子はウィンクして私を立ち上がらせて
「部屋に食事を用意させましょう。今日はゆっくりおやすみ下さい。陛下。多恵様に退室許可を!」
「うむ。皆も下がってよい」
王妃も王子も立ち上がり王様に礼をして護衛騎士と共に退室して行く。
『めっちゃ恥ずかしかったけど、腹の虫のおかげでなんとかなった』
安心したらまた”ぐー”と鳴る。横を見ると、アーサー王子がまた笑ってる。少し不貞腐れながら早く帰りたいと思い、デュークさんを探す。
「多恵様。私が部屋までお送りしましょう」
自然にアーサー王子がエスコートする。すると背後から
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ヒューイ様がやってきた。何この乙女ゲー展開!
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